
自分で簡単にできる鍼とお灸。刺さない鍼「こりスポッと」と熱さを抑えた台座灸「ヨモニコ」
2026/03/26
今回、編集長のアッキーが注目したのは、セルフケア用の鍼灸アイテム。刺さない鍼「こりスポッと」と、台座灸「ヨモニコ~yomonico~」です。多くの医療現場で選ばれ、世界で初めて使い捨て(ディスポーザブル)の鍼を開発したメーカーが手がけるこれらのアイテム。「鍼やお灸は、痛そうだし難しそう」というイメージを覆す、刺さない鍼と、熱さを抑えた優しい使い心地のお灸です。医療機器レベルの徹底した品質管理から生まれる安心感と、お家で手軽にプロの心地よさを味わえる体験が、多くの女性の心を掴んでいます。
その背景には、「鍼灸をもっと身近なものにしたい」という、作り手の思いがありました。取材スタッフが、静岡県に本社を構える、セイリン株式会社 代表取締役社長の稲葉巧氏にお話を伺いました。

セイリン株式会社 代表取締役社長の稲葉巧氏
―まずは、御社の歩みとして、世界初の「使い捨て鍼」を開発された経緯について教えてください。
稲葉 私たちは1978年の創業以来、世界に先駆けて使い捨て(ディスポーザブル)の鍼灸鍼の開発・製造・販売を中心に取り組んできました。創業者はもともと、別の会社で医療機器の製造販売に携わっていましたが、知人の鍼灸師から「使い捨ての鍼が必要だ」という切実な声を聞いたことにより、独立することを決めました。当時はまだ使い捨てという概念が一般的ではありませんでしたが、衛生面での安全性を追求する創業者の強い思いが、今のセイリンの礎となっています。感染症に対する意識が非常に強い海外からのニーズも追い風となり、現在では静岡から世界30カ国以上の医療現場へ、厳しい品質基準をクリアした製品を届け続けています。

千分の一ミリを追求する厳しい眼差しが、世界30カ国の医療現場を支えている。
―異業種から転身されたと伺いましたが、入社のきっかけは何だったのでしょうか。
稲葉 実は前職は建築関係で、医療業界とは全く無縁の世界にいました。ところが仕事で腰を痛めてしまい、鍼治療を受けたところ、その効果に驚くと同時に救われたのです。ちょうどそのころ、この会社に勤めていた叔母から「うちで働かないか」と声をかけられ、自分の痛みを救ってくれた鍼灸の世界に恩返しがしたいという思いで入社を決めました。入社後は製造現場のラインに配属され、25年ほどものづくりの最前線で過ごしました。千分の一ミリ単位の加工精度を追求する厳しい現場で培った「職人の目」は、社長となった今でも、製品の品質を見極めるうえで大きな財産となっています。
―ベストセラーの医療用製品をベースにした「こりスポッと」は、どのような思いから誕生したのですか?
稲葉 医療従事者向けに開発した「パイオネックス(丸い絆創膏の中央に鍼を固定した商品)」というベストセラー商品があるのですが、これを「もっと手軽に、ご家庭でも安全に使っていただきたい」と考えたのが始まりです。開発において最大の課題となったのは、鍼灸に馴染みがない方が感じる「痛そう」「怖い」という心理的なハードルをいかに取り除くかでした。そこで、あえて「刺さない」という逆転の発想を取り入れ、先端をわずか0.5mmの樹脂製粒にすることに決めたのです。肌に直接刺さることはありませんが、絶妙な押圧刺激を与えることで、誰でも簡単にツボの刺激が出来るよう、開発を行いました。金属アレルギーの方でも安心して使えるよう、素材選びにも一切の妥協を許さず、試行錯誤を重ねて完成させた自信作が「こりスポッと」です。


「鍼灸をもっと身近に」という願いから生まれた「こりスポッと」。
「痛そう」イメージを覆した、優しさと手軽さ。
―刺さない突起でありながら、医療用と同じ「無菌」を維持されている点に驚きました。そのこだわりについて詳しく教えてください。
稲葉 たとえ樹脂の粒であっても、徹底した衛生管理を貫いています。製造工程はすべてオートメーション化されており、組み立てから梱包まで、人の手が一度も触れることはありません。さらに、3ミクロン(千分の三ミリ)という目に見えないレベルで先端に丸みをつける独自の加工を施し、開けるその瞬間まで無菌状態が保たれる特殊な個別包装を採用しています。テープのサイズも、お客様の「貼っているところを見られたくない」というニーズに応え、9mmという極小サイズに行き着きました。粘着力を損なわずに清潔に貼れるよう、独自の台紙付きパッケージにするなど、細部まで工夫を凝らしています。1日中貼っていてもかぶれにくく、ムレにくい素材選びにもこだわりました。


先端はわずか0.5mmの樹脂製。
肌を傷つけず、絶妙な刺激でコリにアプローチ。
―デスクワーク中など、日常生活の中でどのように使うのがおすすめですか?
稲葉 「こりスポッと」の最大の魅力は、ケアをしながらいつも通りの自分でいられることです。テープが非常に小さいので、オフィスで首筋に貼っていても周りに気づかれにくく、仕事の合間にリセットできます。最近ではジュエリー感覚で「耳ツボ」のケアに使用されるお客様も増えていますね。先端が樹脂なので、万が一剥がれて踏んでしまっても痛くないため、小さなお子様がいるご家庭でも扱いやすいよう、配慮した設計にしています。使い方のルーティンとしては、お風呂上がりに自分の体と対話しながらツボを探して貼り、翌日の入浴前に剥がしていただくのが理想的です。忙しい毎日の中で、一日の疲れをリセットする静かなひとときを楽しんでいただければと思います。

テープ径は9mmという極小サイズ。
オフィスで首筋に貼っても、周囲に気づかれにくい。
―実際に使用されたお客様や、プロの方々からはどのような反響がありますか?
稲葉 ありがたいことに、リピーターの方が非常に多いですね。「これが欲しくて来たんだよね」と100枚入りをまとめ買いされる方もいらっしゃいます。職業柄アクセサリーを付けられない看護師さんなどから、「目立たずにケアできる」と喜ばれることも多いです。また、鍼灸師の先生方が、産前産後のデリケートな時期にある方へ「安心なセルフケア」として推奨してくださるケースも増えています。かつては米粒などをテープで貼ってツボを刺激する方法もありましたが、刺さない鍼の「こりスポッと」なら1枚で手軽に、しかも清潔にケアできる。プロの専門家が、自分たちの手を離れた場所でも患者さんを守るための道具として選んでくださっている事実は、何よりの誇りです。
―もう一つの注目商品「ヨモニコ」は、これまでの「熱いお灸」のイメージを覆す画期的な設計ですね。
稲葉 「熱さを我慢するのがお灸」というこれまでの常識を変え、初心者の方でも「あ、気持ちいい」と笑顔になれるものを作りたいと考えました。名前の由来は「ヨモギでにっこり」。一般的なお灸は50度以上の設定が多いのですが、「ヨモニコ」は40度から45度と、温泉に浸かっているような心地よい温度設計にこだわりました。煙や香りが気になって家では使いにくいという現代の住環境にも合わせ、アロマ感覚で楽しめる仕様を目指したのです。頑張りすぎず、熱さを感じたらすぐに外していい。そんな「心地よさ優先」の開発動機が、今の時代にフィットしたのだと感じています。


設定温度は40度から45度。
温泉に浸かっているような、心地よい温かさが広がる。
―原料にもこだわりがあるそうですが、新潟県産のもぐさを使用されている理由や、おすすめの使用シーンを伺えますか?
稲葉 国内で流通する「もぐさ(お灸の燃料として使われるヨモギの葉の裏側にある白い綿毛)」の多くは海外産ですが、私たちはあえて希少な「新潟県産ヨモギ」にこだわりました。心まで解きほぐされるような芳醇で穏やかな香りがふんわりと立ち上り、心をほどくように広がります。 また、煙を控えめに設計したことで、室内でも使いやすいように仕上げていますので 、スマホを置いて一香を焚くように楽しむ、1日5分のデジタルデトックスにも最適です。「こりスポッと」が家事をしながらのケアに向いているのに対し、「ヨモニコ」は一日の終わりにオンとオフを切り替えるための贅沢な時間に。熱さがじわ〜っと立ち上がってくる感覚を味わいながら、自分を甘やかしてあげてください。まずは左右のツボに1日1回、お試しいただくのがおススメです。
―「ヨモニコ」の品質についても、やはり専門家の方々から高く評価されているのでしょうか。
稲葉 はい。鍼灸学校の生徒さんたちが工場見学に訪れる際、「ここまで徹底して品質管理をしているのか」と驚く姿をよく目にします。現役の鍼灸師の先生方も、自宅でのアフターケア用として自信を持って患者さんに勧めてくださっています。昔ながらのお灸を知る世代の方からも、「これなら毎日続けられる」とお墨付きをいただきました。私たちが追求しているのは、単なる便利グッズではなく、専門家が認めた「家庭用の正解」としてのクオリティです。未来の鍼灸師たちが品質を学ぶ場としても選ばれている事実は、私たちの製品作りへの姿勢が間違っていないという証明だと思っています。
―最後に、今後の展望についてお聞かせください。
稲葉 私たちは、鍼灸を特別な医療としてではなく、歯磨きのように当たり前の「健康習慣」として広めていきたいと考えています。「悪くなる前に自分で自分をいたわる」という未病の考え方を、日本の新しい文化にしていきたい。人口減少や高齢化が進む社会の中で、自分の体を自分で大切にできる社会を作るお手伝いをすることが、私たちの使命です。静岡から世界基準の安心を届け続け、一人ひとりのセルフケアが未来の健やかな文化を作っていく。そんな壮大なビジョンを胸に、これからもセイリンは挑戦を続けていきます。
―素晴らしいお話をありがとうございました!

「家庭用貼付型接触粒 こりスポッと(20本入、100本入)」
価格:¥720〜(税込)
店名:オリエンタルマートbySEIRIN
電話:054-344-7002(受付時間:9:00~17:00 土日祝・休業日を除く)
定休日:土・日・祝日
商品URL:https://onlinestore.seirin.jp/products/korispot
オンラインショップ:https://onlinestore.seirin.jp/

「台座灸ヨモニコ~yomonico~」
価格:¥1,890(税込)
店名:オリエンタルマートbySEIRIN
電話:054-344-7002(受付時間:9:00~17:00 土日祝・休業日を除く)
定休日:土・日・祝日
商品URL:https://onlinestore.seirin.jp/products/%E5%8F%B0%E5%BA%A7%E7%81%B8%E3%83%A8%E3%83%A2%E3%83%8B%E3%82%B3-yomonico
オンラインショップ:https://onlinestore.seirin.jp/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
稲葉巧(セイリン株式会社 代表取締役社長)
1962年生まれ、静岡県静岡市清水区出身。1987年セイリン化成株式会社(現・セイリン株式会社)へ就職。生産部へ配属され、鍼体となるステンレスワイヤーの直線加工や鍼先の品質向上に携わる。その後生産部門長、総務部を経て現職。創業者の故鈴木毅会長が残してくれた理念「好きで楽しく」を礎に、従業員に働きやすい環境を提供できる企業づくりに取り組んでいる。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/田中香花 画像協力/セイリン>




























