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“南禅寺御用達”の名を受けた老舗の豆腐をおうちで味わう贅沢を。「かにかくに」「山椒が香るおぼろ」

2022/11/28

江戸時代には全国的に知られていたという京都・南禅寺門前の湯豆腐。鍋の中でくつくつと揺れる豆腐をそっと引き上げ、口へ運べばふんわりとやさしくほどけ、滋味深い大豆のうまみが広がります。いまなお参道に軒を連ねる湯豆腐店に豆腐を卸す「京豆腐 服部」は、南禅寺より“御用達”の名を受けた唯一の豆腐店。その4代目として伝統の味を受け継ぐ株式会社服部食品 代表取締役社長の西島真奈氏にお話を伺いました。

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株式会社服部食品 代表取締役社長の西島真奈氏

-創業以来110余年、真摯に豆腐づくりを続けてきた服部さん。これまでの歴史をお聞かせください。

西島 1910年に曾祖父が「服部豆腐店」を創業しました。当時から南禅寺門前の湯豆腐店に豆腐を卸していたと聞いております。にがりが手に入りにくくなった第二次世界大戦以降、全国的にすまし粉を使った豆腐が主流となっていたのですが、3代目である父が「本当のおいしさを求めるなら、にがりの豆腐でなくてはならない」と発奮。10数年にわたる試行錯誤を経て1980年、大豆とにがりだけでつくる昔ながらの豆腐を蘇らせました。以来、大豆の香りと甘みが感じられる風味豊かな豆腐をつくり続けています。1994年には、大本山南禅寺さんから唯一の“御用達”の名をいただきました。

-創業当初から大切にされていることは?

西島 曾祖父は偏屈だけれど、豆腐に対して一本気な人だったそうで、その気質は今も受け継がれているように思います。父は亡くなる数年前まで現場に立ち、70歳を超えてもなお満足のいく豆腐をつくるため日々の努力を惜しみませんでした。私の代から、豆腐づくりは職人さんにおまかせしているのですが、豆腐と真摯に向き合う姿勢を大切に伝統の製法を守り続けてくれています。

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真夜中からはじまる豆腐づくり。良質な「京の水」が素材のおいしさを最大限に引き出している。

-原料へのこだわりをお聞かせください。

西島 豆腐づくりって、とてもシンプルなんです。一晩水に浸けた大豆を粉砕して搾った豆乳ににがりを加えて固める。原料も大豆とにがりと水だけですから。シンプルがゆえに、素材へのこだわりは欠かせません。豆乳の善し悪しが豆腐の味を左右しますので、大豆にはとくにこだわっています。全国各地さまざまな種類の中から、大粒で大豆本来の甘味が感じられる「北海道産ユキホマレ」を採用しました。専用の釜で大豆を炊いて豆乳を搾るのですが、その釜のおかげもあって青臭さのない濃厚でクリーミーな豆乳を搾ることができています。

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ふっくら大粒の北海道産ユキホマレから、大豆のうまみをしっかり含んだ豆乳を搾り出す。

-どの工程においても熟練した技が求められるのではないでしょうか?

西島 そうですね。とくに豆乳をにがりで固める工程は、繊細な技を要するところです。同じ大豆でも時期やその日の気温、天気によって豆の状態が変わってきますので、にがりの分量の見極めや加えるタイミング、混ぜ方にも微妙な加減が必要なんです。そこはやはり、長年の経験による勘所が物を言う部分ですね。

全8品がセットになった「かにかくに」。親しい相手へのギフトとしても喜ばれそう。
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豆腐は塩で味わうのもおすすめ。大豆の豊かな風味がダイレクトに感じられる。

-豆腐や油揚げなどが色々味わえる「かにかくに」は、初めて注文する方にうってつけの商品ですね。

西島 「かにかくに」とは「あれこれ」という意味で、その名の通りさまざまな商品を詰め合わせてお届けしています。うちの主軸である木綿豆腐と絹ごし豆腐、手揚げ(油揚げ)のほか、おぼろ豆腐や豆乳、絹厚揚、飛竜頭、おからなんかも味わっていただけます。送料無料でお送りしていますので、服部の豆腐を召し上がったことのないお客様にも気軽にお試しいただきたいです。

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油揚げは表面に軽く焼き色がつくまで焼いて食べてもおいしい!大根おろしや生姜醤油などと相性◎。
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食物繊維たっぷりでヘルシーなおから。しっとりしていて料理にも使いやすい。

-豆腐はもちろんですが、油揚げもふっくらとしていておいしいですね。

西島 ありがとうございます。厚揚げや飛竜頭もそうなんですけど、油で揚げたときに膨らむように、生地には豆乳の濃度を調整した揚げもの用の豆腐を使っています。揚げ油に使用するのは国産のこめ油。良質な油を使用していますので、召し上がる前の油抜きは不要です。こめ油独特の風味がありますので煮物などにお使いいただくと、だし汁に油が染み出してより一層おいしくなりますよ。

-昨年新たに誕生した「山椒が香るおぼろ」。この商品が生まれたきっかけは?

西島 揚げもの用のこめ油を使わせていただいている築野食品さんから「山椒を使った香味油があるんです」というお話を伺ったことがきっかけです。山椒農家さんや香味油の工場へ見学に行かせてもらったときに、1つ1つ心を込めてつくっていらっしゃるのを見て、ぜひこれをうちの豆腐に使いたいと思いました。手で摘み取った山椒は、1粒ずつ種や皮を丁寧に取り除き、石臼で挽いて粉山椒にする。それを1本分ずつ計量してビンにいれ、米油に山椒の香味成分を浸出させる。そんな手間のかかった香味油を混ぜこんだ、新しい味わいのおぼろ豆腐をつくりました。

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「山椒入りの豆腐をつくっているのは、おそらく日本でうちだけ」と西島社長。

-鼻に抜ける爽やかな山椒の香りにやみつきになりそうです。

西島 最も苦心したのが、いかにこの山椒の香りを出すかということです。香味油の配合量を決めるのにも、何度も試作を重ねました。開発初期には山椒らしさを出すために香味油に加え、粉山椒も混ぜてみたり。でもそうすると全体が綺麗に混ざらないので、最終的に実山椒をのせる今の形に落ち着きました。爽やかな香りと大豆の甘みが一体となったやさしい味わいなので、お子さまでも召し上がっていただけると思います。

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使用しているのは、粒が大きく香りも豊かな和歌山産ぶどう山椒。
ピリピリとした辛みが少なく、フルーティーで甘い香りが特徴。

-今後のビジョンをお聞かせください。

西島 創業から112年という歴史を重ねてきましたけれど、豆腐に限らず伝統的な食品産業を取り巻く環境は、決して明るいものではありません。直近では円安や原材料の高騰の影響もあり、お客様に手に取っていただきにくくなってきています。ですので、昔ながらの製法でつくった豆腐がどれほどおいしいかを、いかに消費者にお伝えしていくか。後世に受け継いでいくためにも、そういうことを考えていかなければいけないと思っています。

-本日は貴重なお話をありがとうございました!

「南禅寺豆腐屋服部 お試しセット『かにかくに』」
価格:¥3,240(税込、送料込)
店名:京豆腐 服部
電話:075-771-0114(8:00〜16:00 日祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://nanzenjitofu.jp/shop/products/detail/35
オンラインショップ:https://nanzenjitofu.jp/shop/

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「山椒が香るおぼろ」
価格:¥441(税込)
店名:京豆腐 服部
電話:075-771-0114(8:00〜16:00 日祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://nanzenjitofu.jp/shop/products/detail/19
オンラインショップ:https://nanzenjitofu.jp/shop/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
西島真奈(株式会社服部食品 代表取締役社長)
1976年京都府出身。アルバイトとして製造業務に携わる、福祉作業所に約1年勤務し2001年に同社入社。2020年に同社代表取締役に就任。今後、多様な人材が活躍できる職場づくりのため、障がい者の方の雇用も進めていきたいと考えています。

<文・撮影/野村枝里奈 MC/升谷遥香 画像提供/服部食品>

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