
一生愛せる名作と森を無駄にしない一点物。熊本の家具店がこだわる北欧の名品「セブンチェア」とオリジナルのサステナブルな「モザイクダイニングテーブル」
2026/02/05
今回、編集長のアッキーが注目したのは、世界中で愛される名作「SERIES 7 セブンチェア」と、家具作りの端材から生まれた一点物「モザイクダイニングテーブル」です。毎日座る椅子、使うテーブルだからこそ、「本当にいいものを、長く愛してほしい」という願いが込められている家具に出合いました。そんな思いを大切にしているのが熊本県に本社を構える、有限会社丸三家具です。取材スタッフが代表取締役、野口貴生氏にお話を伺いました。

有限会社丸三家具 代表取締役の野口 貴生氏
―創業から70年以上と伺いました。まずは、御社の歩みについてお聞かせください。
野口 1950年(昭和25年)、祖父が道具箱一つで創業したのが始まりです。当時はトラックもない時代でしたから、完成した家具をリヤカーに積み、何時間もかけて深夜まで配達する日々だったそうです。
そうやって泥臭くも誠実にお客様と向き合ってきた姿勢が、今の信頼の礎になっていると感じています。長らく地域密着の家具店として親しまれてきました。
―社長ご自身は、以前から家業を継ぐつもりでいらっしゃったのでしょうか?
野口 実は、最初から継ぐつもりはありませんでした。大学卒業後は熊本商工会議所に入所し、約10年間にわたり、多くの中小企業の経営支援や地域振興に携わってきたんです。
いわゆるコンサルタントのような立場で多くの企業を見る中で、ふと実家の経営状況を客観的に見たとき、改革の必要性を痛感しまして。2016年に入社しましたが、直後に熊本地震に見舞われるという困難なスタートでした。
「地方でも、世界最高峰の家具に出会える場所を作りたい」。そんな思いで、2017年の社長就任とともに、ライフスタイル提案型ショップ「HAPPY TIME DIRECTION」へのリブランディングを行いました。



道具箱一つから始まった町の家具店は、70年の時を経て世界的なブランドを扱うショップへ。
現在は、家具だけでなく内装やリノベーションまで手掛けている。
―今回ご紹介いただく「セブンチェア」は、まさにその世界最高峰の家具ですね。取り扱いができるようになるまでには、ご苦労もあったとか。
野口 デンマークの巨匠アルネ・ヤコブセンが1955年に発表した「セブンチェア」は、発売から半世紀以上経った今も色あせない、北欧デザインのアイコンです。実はこの椅子、日本中どこの家具屋でも扱えるわけではありません。
ブランド側の厳しい審査をクリアした「正規販売店」だけが販売を許されるんです。私は「この椅子を熊本のお客様に届けたい」と熱望しましたが、最初は実績不足でお断りされまして……。
それでも諦めず、店舗の空間作りや実績を積み重ね、交渉開始から約6年越しでようやく取り扱いを認められました。
この椅子がお店にあること自体が、私たちが世界的なブランドから「信頼できるパートナー」として認められた証明でもあるんです。


360度どこから見ても美しい、巨匠アルネ・ヤコブセンの傑作。
―6年越しの思いが詰まっているのですね。この椅子の魅力はどのような点にあるのでしょうか。
野口 最大の魅力は、その流れるような曲線美です。360度どこから見ても絵になるデザインは、置くだけでリビングの空気を一変させます。一見、繊細に見えますが、実は「9層の成形合板」で作られていて、大人が寄りかかっても折れない強度と、絶妙な「しなり」があるんです。このしなりと、背中から腰に沿うカーブが体を優しく包み込んでくれるので、長時間座っていても疲れにくいんですよ。
また、今回ご紹介する「カラードアッシュ」は、木目を塗りつぶさずにうっすらと残す塗装仕上げです。光の角度によって木の表情が見え隠れする、マットで落ち着いた質感は、モダンでありながら木の温かみも感じられる、大人のインテリアにふさわしい一脚です。
―実際に生活の中に取り入れると、どのような変化や体験が得られるのでしょうか。
野口 椅子はただの「座る道具」と思われがちですが、セブンチェアは「眺める幸せ」も与えてくれます。誰も座っていないときでさえ、そこにあるだけで絵になる佇まいなんです。
世代を超えて受け継がれる「タイムレスデザイン」ですから、お子様が大きくなったときに譲ることもできる。そんな「未来への投資」になる家具だといえます。

絶妙な背もたれのカーブと合板のしなりが体を支え、長時間のデスクワークや団らんの時間も快適に過ごせる。
―それだけ長く愛されていると、実際に手に取ったお客様の満足度も高そうですね。
野口 そうですね。発売以来デザインが変わらないことこそ、完成された美しさの証だと思います。実際に購入したお客様からは、「部屋の雰囲気が格上げされた」という声や、「長く使える安心感がある」といった評価をいただいています。流行を追うのではなく、いいものを長く使いたいという方に選んでいただいています。
―もう一つのおすすめ、「モザイクダイニングテーブル」についても教えてください。こちらは御社のオリジナルブランドですね。
野口 はい。こちらは「HTD FURNITURE」というオリジナルブランドのテーブルです。家具作りでは、どうしても半端な木材、いわゆる「端材」が出てしまいます。
これまでは捨ててしまうことも多かったこの端材を、「もったいない」と蘇らせたのが開発のきっかけでした。高級木材であるホワイトオークやウォールナットの端材を、パッチワークのように丁寧に繋ぎ合わせることで、全く新しい価値を持つテーブルが誕生しました。


家具製作の過程で出る端材を組み合わせた、世界に一つだけの天板。
―端材から生まれたとは思えないほど素敵です。こだわりのポイントやおすすめの使い方はありますか?
野口 ウォールナット、ホワイトオーク、ブラックチェリーなど、その時々の家具製作で出た高級木材の端材をランダムに組み合わせているので、二つとして同じ柄はありません。まるで床のフローリングのような、他にはない個性を放ちます。選べる塗装仕上げは、木の呼吸を止めない「オイル塗装」を推奨しています。表面をコーティングしないので、木本来のしっとりとした手触りを楽しめますし、使い込むほどに色が馴染んでいきます。
傷や輪染みさえも「汚れ」ではなく「家族の歴史」として味になる。そんなふうに、革製品のように育てていけるのがこのテーブルの醍醐味ですね。サイズオーダーも可能で、ネットでは10cm単位、ご相談いただければ1cm単位でもお作りできますので、既製品にはない「我が家にぴったりのサイズ」で仕立てられますよ。


ホワイトオーク、ウォールナット、ブラックチェリーの3種類を展開。

塗装は、木の風合いを生かす「オイル」、お手入れが容易な「ウレタン」、両者の良さを兼ね備えた「オイルウレタン」の3種類から選べる。
―購入されたお客様からの反響はいかがですか?
野口 購入された方がわざわざ設置後の写真をメールで送ってくれることがあるんです。
「想像以上に素敵だった」「我が家の主役になった」といった喜びの声と写真は、作り手である私たちにとって何よりの励みになっています。顔が見えない通販だからこそ、こういった温かい繋がりは本当にうれしいですね。
―最後に、今後の展望についてお聞かせください。
野口 社名の「HAPPY TIME DIRECTION」には、家具の販売にとどまらず、「お客様の幸せな時間を演出したい」という思いが込められています。今後は、家具単体だけでなく、内装やリノベーションを含めたトータルな空間提案にも力を入れていくつもりです。「人を招きたくなるリビング」を作るために、私たちの挑戦はこれからも続いていきます。
―貴重なお話をありがとうございました!

「SERIES 7 セブンチェア FRITZ HANSEN フリッツ・ハンセン/チェア 椅子 Arne Jacobsen アルネ・ヤコブセン 【カラードアッシュ/クローム脚】」
価格:¥75,680(税込)
店名:HAPPY TIME DIRECTION
電話:0965-52-0323(9:00~18:00 水曜除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://happy-time-direction.com/SHOP/FH005.html
オンラインショップ:https://happy-time-direction.com/

「モザイクダイニングテーブル HTD FURNITURE/無垢 スチール」
価格:¥118,800(税込)~¥130,460(税込)
店名:HAPPY TIME DIRECTION
電話:0965-52-0323(9:00~18:00 水曜除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://happy-time-direction.com/SHOP/HTD002.html
オンラインショップ:https://happy-time-direction.com/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
野口 貴生(有限会社丸三家具 代表取締役)
1982年熊本県生まれ。熊本商工会議所に入所し、約10年間の中小企業の支援業務を経て、2016年に家業である同社に入社。2017年に代表取締役に就任。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/田中 香花 画像協力/丸三家具>




























