“首元ヨレ”が解決!老舗工場の技術が生んだTシャツ「Yonetomi NEW BASIC T-SHIRT」

2025/10/27

お気に入りのTシャツが、洗濯を繰り返すうちに首元がヨレてしまい、部屋着に降格…。誰もが一度は経験する、あの小さなガッカリ感。もし、そんな悩みを解決してくれる「一生もの」のTシャツがあるとしたら、毎日の暮らしが少し豊かになると思いませんか?今回、編集長のアッキーが注目したのは、一見するとシンプルながら、日々の暮らしに寄り添うTシャツ「Yonetomi NEW BASIC T-SHIRT」。山形の老舗ニット工場、米富繊維が70年以上の歴史と技術を注ぎ込んで生み出しました。その物語を米富繊維株式会社 代表取締役社長の大江健氏に取材陣が伺いました。

米富繊維株式会社 代表取締役社長の大江健氏

―はじめに、米富繊維の歩みについてお聞かせください。

大江 私たちの会社の始まりは、1952年、戦後の山形に遡ります。この地域は戦前から羊の飼育が盛んでした。創業者である祖父たちは、その羊毛を手で紡ぎ、一着ずつセーターを編んで売り歩くことから事業をスタートさせたのです。その後、日本の高度経済成長の波に乗り、山形のニット産業全体が大きく発展。その中で弊社も国内有数のニット工場へと成長を遂げました。創業者が遺した「ファッションは生活なり」という言葉を胸に、私たちはいつの時代も人々の暮らしに寄り添う、実直なものづくりを続けています。

もともと家業を継がれるお考えはなく、東京のセレクトショップでキャリアをスタートされたそうですね。

大江 はい。大学卒業後、ファッションビジネスの専門学校を経て、東京の大手セレクトショップで働いていました。当時は家業を継ぐことは考えていなかったんです。しかし、ファッションの最前線に身を置く中で、ある現実を目の当たりにしました。海外の安価な製品が市場に溢れ、日本のものづくりの現場が厳しい状況に置かれていたのです。家業の同業者が次々と倒産していく様子を見て、強い危機感を覚えました。そのとき、「うちの工場が持つ長年の技術と経験があれば、世界に通用するブランドが作れるのではないか」。そう考えるようになりました。そしてOEM生産が中心だった家業で、初の自社ブランドを立ち上げるという使命感を胸に、山形へ戻ることを決意しました。

地域の資源を活かしたものづくりが、米富繊維の原点。
創業者が遺した「ファッションは生活なり」という言葉を大切に、
常識にとらわれることなく「ニットとは何か?」を問い続けている。

―今回ご紹介いただく「Yonetomi NEW BASIC T-SHIRT」は、どのような経緯で誕生したのでしょうか。

大江 このTシャツの「Yonetomi」というブランドは、コロナ禍で工場の受注が激減したことがきっかけで生まれました。もともと計画していたわけではなく、危機的な状況を乗り越えるための打ち手だったのです。「工場の火を、絶対に消さない」。その一心で、社員一丸となって、自分たちの原点に立ち返りました。困難な状況から生まれたからこそ、ごまかしのない本質的な価値を追求し、「新しいベーシックとは何か」を突き詰めて開発したのが、このTシャツです。

―細部へのこだわりについて、詳しく教えてください。

大江 このTシャツが持つ最大の特徴は、なんといっても「襟」にあります。一般的なTシャツとは異なり、自社が持つセーター用の横編み機で編んだ伸縮性の高いリブパーツをドッキングさせています。

―セーターの技術をTシャツに、ですか!

大江 はい。セーターのリブが持つ「横に伸びても、しっかりと元に戻る」という特性を、Tシャツの首元に応用しました。これにより、毎日の洗濯でもヨレたり伸びたりしにくい、驚きの耐久性を実現しています。生地とリブの最適なバランスを見つけるのには、試行錯誤を重ねて約1年もの歳月を要しました。

また、着心地にもこだわっています。脇に縫い目のない「丸胴(まるどう)」と呼ばれる筒状の生地を使用しているため、肌へのストレスがなく、リラックスして着ていただけます。インナーのように薄すぎず、一枚で着るにも硬すぎない、「ちょうどいい厚さ」も追求しました。まさに、ニットを知り尽くした私たちだからこそ生み出せた一枚だと自負しています。

セーター用のリブ技術を応用した襟元が、ヨレを防ぎ、美しい形状を保つ。
生地にもこだわり、脇に縫い目がなく、ちょうどいい厚さのものを使用。

―お客様からはどのようなお声が届いていますか?

大江 とても印象に残っているエピソードがあります。このTシャツを愛用してくれている、あるセレクトショップのバイヤーさんから聞いた話です。彼がこのTシャツを着てお店に立っていたところ、お客様から「今あなたが着ている、その白いTシャツはどこのですか?」と尋ねられたそうなんです。

―無地の白Tシャツについて、ブランド名を尋ねられるのは珍しいことですね。

大江 ええ、異例中の異例だと思います。パッと見ただけでは違いが分からないかもしれません。しかし、よく見ると襟の仕様が一般的なTシャツとは異なっている。その「いい意味での違和感」が、人を惹きつけるのかもしれません。声高に主張するわけではないのに、確かな存在感を放つ。そんな「分かる人には分かる」本物のオーラが、このTシャツには備わっているのだと感じた、嬉しい出来事でした。

―長く愛用するためのヒントがあれば教えてください。

大江 サイズはユニセックスで4サイズ展開しているので、ジャストサイズで綺麗めに着こなしたり、あえてオーバーサイズでカジュアルに楽しんだりと、スタイルに合わせて自由にお選びいただけます。ご家庭の洗濯機で気兼ねなく洗える、ユーザーフレンドリーな仕様も大切にしているポイントです。

また、商品が入っているジップ付きのパッケージは、捨てずに再利用していただくことを推奨しています。旅行の際の小物入れや、水に濡れたものを入れるポーチとしても便利ですよ。一枚のTシャツから始まる、丁寧で無駄のない暮らしのサイクルも楽しんでみてください。

ユニセックスで4サイズ展開。カラーはホワイトとブラックの2種類。

おしゃれなジップ付きのパッケージは小物入れやポーチとして再利用も可能。

―最後に、今後の展望についてお聞かせください。

大江 私たちの目標は、ただ服を作って売ることだけではありません。現在は山形の工場内の直営店が1店舗ですが、将来的には東京にもお店をオープンしたいと考えています。東京のお店を入り口として、ものづくりの現場である山形の工場へも興味を持っていただく。そのように、作り手と使い手の思いが交流する拠点を育んでいきたいです。この一枚のTシャツが、地方でファッションの仕事をしたいと願う次の世代の受け皿となり、未来への架け橋となることを目指しています。

―作り手の思いが詰まったTシャツが、多くの人の日常を豊かに、そして日本のものづくりの未来を明るく照らしていくことを実感しました。本日は貴重なお話をありがとうございました!

「Yonetomi NEW BASIC T-SHIRT」
価格:¥7,480(税込)
店名:Yonetomi STORE|ヨネトミストア
山形県東村山郡山辺町山辺1136米富繊維株式会社工場内
電話:023-664-8165(オンラインショップでの問い合わせに対応)
定休日:Yonetomi STORE定休日 火曜日/水曜日
※最新の営業日はInstagramをご確認ください。
インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://shop.yonetomistore.jp/?pid=160958101
オンラインショップ:https://www.yonetomistore.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

大江健(米富繊維株式会社 代表取締役社長)
山形県出身。セレクトショップ勤務後、2007年に家業の米富繊維に入社。2010年に初の自社ブランドCOOHEMを立ち上げ、ニットツウィードの可能性を追求。2015年にTOKYO FASHION AWARD2016を受賞。2020年には「THISISASWEATER.」を、2022年には直営店「Yonetomi STORE」をオープン。2015年以降、米富繊維の代表として国内外に日本のファクトリーブランドの進化を発信。

<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/田中 香花 画像協力/米富繊維>

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