
9種の生薬で体を芯から温める「浴用 湯貴(ゆき)」!82年続く長野県製薬の天然成分100%の薬湯浴用剤
2025/10/29
今回編集長アッキーが注目したのは、9種類の生薬が配合された薬湯浴用剤「浴用 湯貴(ゆき)」です。80年以上の歴史を持つ長野県製薬株式会社が、御嶽信仰とともに受け継がれてきた伝統薬「百草」の知恵や技術を活かして開発。その効果・効能から、発売以来およそ20年愛され続けるロングセラー商品なのだとか。これまでの生薬との歩みから商品の魅力まで、同社代表取締役の家高敏彰氏に取材陣がお話を伺いました。
―2023年で80周年を迎えられたそうですね。
家高 法人組織になって今年で82年。長野県・木曽地域に古くから伝わる「百草(ひゃくそう)」とともに歴史を歩んできました。百草というのは、弊社の代表的な商品である「御岳百草丸(おんたけひゃくそうがん)」のもとになった伝統薬であり、御嶽信仰とともにこの地に根付いた“御神薬”として山岳修験者に重宝されてきました。

御嶽信仰の修験者の間で脈々と受け継がれてきた「百草」。古くは、竹の皮の上に延ばして持ち歩いていたそう。

こちらは現代の「御嶽百草」。
添加物を一切使わず、ミカン科の広葉樹であるキハダの内皮から抽出したエキスだけを固めて作った生薬エキス100%の製剤。
家高 江戸末期に修験者から山麓の村人に伝わり、当時は家ごとにそれぞれの処方で作っていたそうです。明治時代に入って、家伝薬の製造が禁止されたことで、百草は官許による製造に。1870年代には、王滝村、三岳村、木曽福島町の御嶽山街道筋に数十軒の製薬業者ができ、1936年に原料の共同仕入れ・共同設備での製造を行う木曽製薬工業組合が設立されました。その後、戦時下の統制により、県内の医薬品メーカーは一元化。今から82年前の1943年に、長野県売薬統制株式会社が設立され、その翌年に現在の長野県製薬株式会社へと社名が変更されました。

かつては民間伝承薬として、家ごとにさまざまなパッケージで販売されていた。
―もとを辿ると、そんなにも長い歴史があるのですね。百草はどんなときに用いられる薬なのでしょうか。
家高 百草はキハダの内皮(オウバク)から抽出したエキスを固めたもので、板状に製剤されたものを割って服用します。現在はさまざまな胃腸の不調を改善する薬として飲まれていますが、オウバクは健胃作用のほか抗菌作用や抗炎症作用があることから昔は広く御神薬として用いられていました。
百草はキハダの内皮(オウバク)から抽出したエキスを固めたもので、板状に製剤されたものを割って服用します。百草をより飲みやすい形にしようと、先代である父が試行錯誤を重ねて丸剤化したのが「御岳百草丸」です。どちらも生薬を効果的に配合した和漢胃腸薬で、ストレスからくる不調や胃が弱った人にも非常におすすめです。

小さい粒状で飲みやすい「御岳百草丸」。
持ち運びに便利な個包装タイプもあり、胃腸のお守りとして常に携帯している人も少なくないとか。
―品質へのこだわりなど、大切にされていることをお聞かせください。
家高 先ほど申しました通り、先人たちの知恵により生まれた百草は非常に長い歴史があります。その後の現代科学でこうした生薬の効果などが立証されてきています。長年その効能が培われ今日にも続いてきているその信頼を裏切ることのないよう製品づくりをしていきたいと思っています。信頼を築くには長い時間がかかりますが、失うのは簡単です。社内一丸となって製品の品質向上を推し進めております。
―「浴用 湯貴(ゆき)」をはじめ、百草のほかにもさまざまな商品を展開されていますね。
家高 百草と同じく、自然素材にこだわった商品づくりにこだわっています。「浴用 湯貴」は、生薬だけを使った天然成分100%の浴用剤。ソウジュツ、チンピ、トウキ、センキュウ、ウイキョウ、ケイヒ、チョウジ、コウブシ、ニンジン葉茎の9種類の生薬を刻んで配合していますので、各種作用が相互に働き、神経痛・肩こり・腰痛・リウマチ・冷え性などの諸症状の改善や、疲労回復などに効能・効果を発揮します。

9種類の生薬の効能・効果をいかした浴用剤「浴用 湯貴」。
個包装だから、そのまま浴槽に入れるだけで、体を芯から温める薬湯が楽しめる。
―発売から20年ほど経つロングセラー商品だとか。
家高 肌のトラブルなどにも良いと、昔から多くの方にご好評いただいていますし、温浴施設でも使ってくださっているところがいくつかあります。
一般的な生薬浴用剤よりも生薬の量が多いので、効果も感じていただきやすいですし、体もよく温まりますよ。
―今後に向けて、どんな取り組みをされていますか?
家高 経営理念にも掲げていますけれど、弊社は「健康に貢献する」ということを大切にやってきましたので、百草というブランドを大事にしながら横に広げ、そして深く掘り下げていきたいと思っています。今、話題になり始めているのが、地元と一緒に取り組んでいる「百草スイーツ」です。

“百草ソース”を使った新感覚のスイーツ! 百草はキハダの皮のエキスが主成分だが、百草スイーツにはキハダの“実”を使用。
ほのかな苦味がスイーツの甘みと相性抜群なのだとか。
家高 ソース状にしてソフトクリームやパンケーキなどにかけたメニューを道の駅やカフェなどでご提供しています。百草は苦いのですが、そんなに嫌な苦味じゃないんです。ビールもそうですけど、苦味って喉がスッキリする性質もあるので、意外と合うんです。そういった取り組みで、まずは百草を知っていただけるようにしつつ、御岳百草丸もまた新たな展開ができるよう考えております。
―本日は貴重なお話をありがとうございました。

「浴用 湯貴」(7包入り)
価格:¥1,900(税込)
店名:百草の郷 本舗オンラインショップ
電話:0264-46-3003(9:00〜17:00 土日祝除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://hyakuso.online/item-detail/369973
オンラインショップ:https://hyakuso.online/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
家高敏彰(長野県製薬株式会社 代表取締役)
長野県生まれ。大学卒業後、医薬品メーカーに勤務ののち、1980年長野県製薬株式会社に入社。2002年に代表取締役就任。2012年に一旦退任するが、2022年より再び代表取締役として、100年企業への成長を目指す。
<文/野村枝里奈 MC/藤井ちあき 画像協力/長野県製薬>




























