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パイナップルの葉を主原料にしたサステナブルなランドセル「パイナセル」

2025/09/12

小学校入学を控えたお子さまを持つご家庭にとって、「ラン活」という言葉があるほどランドセル選びはとても重要です。最近のランドセルは色が豊富で、使いやすいような工夫が凝らされていると聞いたアッキーこと坂口明子編集長、ランドセルのトップメーカー「セイバン」の最新シリーズ「パイナセル」に注目しました。これはパイナップルの葉を原料にした植物由来の人工皮革で作られたエコロジカルな次世代型ランドセルです。もちろん耐久性もあり、セイバンならではの細かな工夫で、子どもたちの負担にならない設計が施されています。この製品の開発の経緯を株式会社セイバン 代表取締役社長の泉貴章氏に取材スタッフがお話を伺いました。

株式会社セイバン 代表取締役社長の泉貴章氏

株式会社セイバン 代表取締役社長の泉貴章氏

泉社長は4代目の社長でいらっしゃいますね。御社の沿革、企業理念をご紹介くださいますか。

 はい、当社は1919年に私の曽祖父、泉亀吉が大阪で財布、鞄を扱う泉亀吉商店を開業したのが始まりです。第二次世界大戦後すぐの1946年に兵庫県たつの市室津にランドセル工場を作り、本格的にランドセルの製造を開始し、業績を伸ばしてきました。私は4代目の社長です。

当社製品は6年間使える丈夫な品質、背負いやすい設計がされたランドセルとして、多くの方に支持されています。すべて日本国内の工場で職人の手によって製造されていることも特長です。ランドセルを通じてお子さまや、お父さま、お母さま、おじいさま、おばあさまの笑顔を生み出すことを会社の企業理念としています。

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豊富なカラーバリエーションと、子どものからだへの負担を軽減する
設計が施されていることがセイバンのランドセルの人気の理由だ。

セイバンというと「天使のはね」で有名ですね。

 当社のランドセルはどれもからだへの密着面積が大きくなるように設計されていて、姿勢が安定し、負荷がからだ全体に分散するため軽く感じるのが特長です。「天使のはね」は肩ベルトの付け根部分にはねの形の樹脂パーツが内臓されていて、肩ベルトの根元部分は硬めに、先端部分はやわらかめになっているため肩ベルトが根元から立ち上がり肩と背中への密着度を高めます。高い位置で重心が安定するため背負っていて軽く感じる構造になっています。

―ちなみに、社長ご自身は以前から後継者になるおつもりでしたか。

 いえ。あまり会社を継ぐという気がありませんでした。大学・大学院では生物工学を専攻して微生物の研究をしていた関係で飲料会社、サントリーに入社し、ずっと商品開発、マーケティング、商品管理を担当していました。いろいろな商品に携わりましたが、特に、「ジョッキ生」という発泡酒の開発では、麦芽を使わない新しいタイプのビールテイスト飲料を目指し、どうしたらビールに近づけられるのかを試行錯誤していて、さまざまなたんぱく質を試しながら研究開発を進めました。その後、父の体調がおもわしくないとのことで、2010年10月に当社に入社しました。すぐに父が亡くなりましたので2011年2月に社長に就任して現在に至ります。

サントリー時代は、自分が開発した商品をお客様が手にとっていただけることが貴重な経験だったと思い、開発者冥利に尽きる仕事をさせてもらったと思っています。現在も飲料とランドセルと分野こそ違いますが、商品を開発してお客様に使っていただいて喜んでいただけるのは幸せなことだと感じています。

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「パイナセル」は自然とともにある暮らしをテーマにしたシリーズ。
カブセ裏には本体カラーごとに異なるデザインが施されている。

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2025年2月には新色「パステルブルー」が登場。

今回、紹介させていただくランドセル「パイナセル」はどのような意図で開発されましたか。

 当社は、ランドセルを製造している企業として、子どもたちの未来のために環境保護の取り組みを推進しています。その中で本革以外の環境に優しい素材が注目されていたので、ランドセルのラインナップの中にも組み込むことができないかということを模索し始めたのが開発の起点です。

卵の殻や、りんご、サボテンなどいろいろな素材を検討しましたが、ランドセルは小学校6年間使うものなので耐久性があることが必須条件です。入学から卒業まで毎日の使用に耐えることがしっかり確認できる素材でないとランドセルには使用できません。社内で試験を繰り返した結果、パイナップルの葉を使用した植物由来の素材を使えば、現在使用している人工皮革と遜色ない耐久性が保証できることが確認できたため、これを使用することにしました。

収穫時に廃棄されるパイナップルの葉から、繊維を取り出し粉砕し、水性の無溶剤ポリウレタンを混ぜ合わせて加工した素材を使用しています。リサイクル資源で生産された商品です。

―ナチュラルな素材感、優しいテイストのカラーバリエーションも特長ですね。

 繊維が特長的な風合いで感触もスムーズで、ナチュラルな素材感があります。昨今はランドセルは優しい色合いのものが好まれていますが、自然界にあるようなナチュラルなカラーリングも「パイナセル」のコンセプトに合っていると思います。当社は世の中の多様化に向けて、いろいろな種類、機能に特化したランドセルを展開していきたいと思っていますが、「パイナセル」は実際の商品化に向けて苦労はしたものの、コンセプトという点では挑戦しやすかったと感じています。

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「パイナセル」は「背中Wクッション」「せみね」設計により、
背負いやすい構造になっている。

御社の特長である背負いやすさという点ではいかがでしょう。

 お子さまが背負ったとき背中にあたる部分に、2つの異なるクッションを入れ、密着度を高めて負荷を分散させるとともに、適度な弾力で背中をしっかり支える「背中Wクッション」を採用しています。

また、ランドセルを背負ったときに垂直に近い状態をキープする形状にし、成長期の背骨への負担を軽減する「せみね」設計にもしています。

―細かな工夫がされているのですね。消費者からの反応はいかがでしたか。

 2024年2月に発売以来、累計販売数1,000本を超えていて当社の人気ラインの一つになっています。販売数だけでなく、この商品を通して、当社にはサステナブルやSDGsという視点から開発された商品があることをお客様にお伝えできたらいいと思っています。また、子どもたちにはパイナップルという身近な食べ物からランドセルができるという意外性を知っていただければと思います。この商品によって子どもたちの想像力が広がり、好奇心が刺激されたらいいと考えています。

―ランドセルの市場は今後どのように変化していくのでしょう。

 ランドセルの歴史を振り返るとかなり変化していると言えます。かつては男の子は黒、女の子は赤と決まっていましたが、2000年ごろからは皆さまが選ぶ色の幅が広がり、当社でも多くの色の製品を製造しています。2010年ごろには現在主流となっているA4ファイルが入る大型ランドセルが発売されました。また、いわゆる工房系と呼ばれるメーカーさんが作る素材にこだわったランドセルも注目され、アウドドア系のメーカーさんなどもリュックタイプとして多数参入しています。私はランドセルという小学生が使う通学鞄は日本ならではの文化の一つだと思います。ランドセルの文化を大事にしながら、お客様のニーズに合わせて展開できたらいいと思っています。

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より手作り感を打ち出した「+CEL(セル)」シリーズ。

そのほかにも新しいブランドがあるとうかがいました。

 2022年に発売した「+CEL(セル)」というブランドは、より職人の手作り感を打ち出したブランドです。お子さまが背負いやすく、楽に通学できる構造の製品を作ることを基本に、今後も新しいシリーズへの挑戦を続けていきたいと考えています。

また、ランドセルだけでなく、「MONOLITH(モノリス)」というブランドを立ち上げてバックパック型のビジネスバッグなどのラインを作っています。新しい顧客を掘り起こし、当社のファンになっていただけたらと思います。

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「MONOLITH(モノリス)」はスタイリッシュなビジネスバッグシリーズ。

保育園も運営なさっているのですね。

 兵庫県西宮市に0~5歳児を対象にした「セイバンこどもスマイル園」(認可外保育園)を開園しています。食育や本を読むこと、地域と交流などの体験や探究をすることで子どもの成長をサポートし、生きる力を育むことを目指しています。

―会社経営としてはどんな点を重視していますか。

 経営面では、流通構造の改革を進めています。以前はたくさんの在庫を抱え売れ残りが多数発生していたのですが、生産数を絞り、厳密に在庫を管理して売れるものを短期間で製造できるように取り組んできました。

また、社内の風通しを良くしようと様々な取り組みを行っています。例えば、会議室はガラス張りにしており、中でどんな風に会議が進行しているかは丸見えです(笑)。社員同士は社長や部長などの肩書で呼ばずに、姓にさんをつけ、「○○さん」と呼ぶようにしています。ちなみに私は社内に同姓が複数名いるので、名前から取って「タカさん」と呼ばれています(笑)。

当社の工場で生産に携わっている皆さんは本当に子どもが好きで、子どもたちのためにいいランドセルを作ろうという思いで心を込めて製造してくださっています。当社がたくさんのお客様に支持されているのは、作り手の真摯な思いが脈々と引き継がれていることがお客様にも伝わっているからではないかと思います。

―御社の魅力がよく分かりました。本日はありがとうございました。

パイナセル

「パイナセル」
価格:¥64,900(税込・通常価格)
店名:セイバン公式「天使のはね」サイト
電話:0120-749-440(9:00~17:00 土日祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.seiban.co.jp/collections/pinasel
オンラインショップ:ランドセル【天使のはね】セイバン公式通販|2026年度

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

泉貴章(株式会社セイバン 代表取締役社長)
1974年兵庫県たつの市生まれ。2000年大阪大学大学院工学研究科を修了し、サントリーに入社。商品開発やマーケティングに携わり、『伊右衛門特茶』、第3のビール『ジョッキ生』などの開発に携わった。2010年にセイバンへ入社し、4か月後、先代の急逝に伴い、社長に就任。社内の流通構造改革や生産リードタイムの大幅短縮などに取り組み、次の100年に向けて、お子さま向けの製品・サービスの拡大や、ランドセル以外の製品にも注力している。

<文/今津朋子 MC/藤井ちあき 画像協力/セイバン>

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