子どもたちの小学校6年間を支えるランドセルは、今やバリエーションも豊富。色やデザイン、機能性にもこだわり、さまざまなランドセルが誕生しています。今回、編集長アッキーが注目したのは、子どもたちがリラックスして背負えることを目指したランドセル「ファイテンリラックス フラワーシュシュ」。そして、洗練された高品質バッグとして多くの女性に人気の「PALIO（パリオ）」です。
バッグを作って100年の歴史を誇り、ランドセルメーカーとしても有名な株式会社盛田の代表取締役社長 盛田明氏にお話を伺いました。

株式会社盛田 代表取締役社長の盛田明氏

―御社には100年の歴史があります。

盛田　1923年に私の祖父が岩手県盛岡市で「盛田鞄袋物店」を始めて、今年で101年目になります。当時の北東北は馬の産地であり、祖父の叔父は馬を出荷する際につける鞍の職人をしていました。祖父はその叔父に革の裁断や縫い方を教わり、店頭で鞄を作って売り始めたそうです。

その後、祖父から技術を学んだ父が独立して青森県八戸市で鞄屋をスタートさせました。私と兄が幼い頃、父は夜空の星を数えさせて「星の数のように数えきれない鞄をお前たち2人でお客様に届けられるようになりなさい」と言っていたのを覚えています。おかげさまで、弊社は創業67年を迎えました。「売った商品には責任を持て。修理はその責任の真心なり」という先々代の言葉を経営理念とし、常にお客様目線を心がけています。

―売るだけでなく修理も当たり前ということですか？

盛田　父は8人兄弟でしたが、兄弟は1人だけ靴屋であとは全員鞄屋になりました。そのようなネットワークがあったため、修理の理念や考え方などをお互いに共有しあってきました。

そういったことが脈々と受け継がれたため、父の代でも会社の中に修理部が必ずありました。現在は「BAG LAB.(バックラボ)」という名称に変わり、2人の職人が青森県と千葉県で修理を担当しています。2人とも修理の仕事に対して非常にプライドを持って働いています。

お客様に販売した商品を自分たちで修理をするという競合他社はほとんど見られません。修理の際にはメーカーに依頼することが多いようです。弊社では修理を当然のように続けてきて、お客様がバッグ・鞄を快適にお使いいただける生活に寄り添っています。

店頭のお客様から見えるスペースで、お客様と直接話しながら修理するスタイル。

―今回ご紹介いただくランドセルの特徴を教えてください。

盛田　弊社のランドセル「ファイテンリラックス フラワーシュシュ」は1,220gという軽さに加え、使いやすさはもちろん、お子様がリラックスして背負えることを目指した構造になっているのが特徴です。
。例えば、長時間背負っても疲れにくいよう背あてには圧力を均等に分散する低反発素材を採用しています。

低反発クッションとアクアチタンのダブル効果でカラダをリラックス状態へサポート。

盛田　また、ランドセルを背負った際に直接触れる背あてと肩ベルトの内側に、phiten（ファイテン社）の水溶化メタル技術による「アクアチタン」を含浸させた牛革を採用しています。カラダをリラックス状態へとサポートする技術をランドセルとして初めて採用しました。

他には、ランドセルにサイドポケットが付いているのが珍しいと思います。ランドセルの被せを開けずにリコーダーや折りたたみ傘を取り出せるのでとても便利です。

小学校や習い事で使うちょっとした道具を入れるのに便利なサイドポケット。

―ランドセルとファイテン社のコラボは珍しいですね。

盛田　そうですね。疲れにくさという点では他社でも同じような工夫をされていますが、ファイテン社の製品をランドセルに使用しているのは弊社独自の取り組みです。私自身がファイテン社の商品に触れて良さを実感したのが大きかったです。ファイテン社のシートがあるのですが、それを束で手に巻いた状態で物を持ってみると、巻かない時に比べて非常に軽く感じられて驚きました。

ファイテンの製品はスポーツ選手やオリンピック選手が長く愛用しているものも多く、優れていることが分かります。売り場でも、ファイテン社の製品を知っている親御さんは「お～！ファイテンだ！」と興味を持ってくださいます。

―ランドセルに人工皮革を使用するメリットとは？

盛田　弊社のランドセルには「クラリーノ(R)エフ」と「クラリーノ(R)タフロック」という人工皮革を使用しています。見た目は牛革のようですが、軽くて丈夫で水にも強いので牛革と比べても遜色のない、とても優秀な素材です。本革の場合は水に濡れると革の繊維の隙間から水分が浸透してシミになってしまうこともありますが、人工皮革は雨に濡れても拭くだけで大丈夫なので扱いがとても楽です。

より牛革に近い人工皮革の「クラリーノ(R)エフ」は高級感のあるしなやかさ。

―ランドセルの製造でこだわっている点は？

盛田　「要所手縫い」と言いまして、外枠などの太い糸を使う箇所は手縫いで仕上げています。また弊社のランドセルは6年保証なので、お子さまが小学校を卒業するまで無償で修理サポートさせていただきます。社内に職人がいるためあまりお待たせせずに修理ができますし、学期の途中で修理が必要になった場合は代替のランドセルもお貸ししています。

―続けて、PALIOのバッグを扱うようになった経緯を聞かせてください。

盛田　PALIOはヨーロッパに多く商品を卸している香港のブランドなのですが、その会社が日本の展示会に出展されていた時に商品を知りました。その際に社長からPALIOに対する熱い想いを伺い、弊社も一緒にPALIOのバッグを日本で広めていくことになりました。それが約10年前です。

ヨーロッパを中心とした各国の女性に愛用されるPALIOのバッグ。

―高品質なのに手が届く価格帯ですよね！

盛田　PALIOを製作しているメーカーは、タンナーといって元々の牛の皮を製品としての牛革まで仕上げる工場を持っています。また社内にデザイナーもいるため、素材から製造までを一貫して行なっています。それが高品質でありながら価格を抑えられる理由です。

―PALIOのバッグのこだわりポイントは？

盛田　ヨーロッパの人に比べて、日本人のお客様はバッグの中に整理しやすい仕切りがあったり、バッグの中身が見えないようにファスナーや被せがあったりするデザインを好まれます。そのため、メーカーのデザインをベースにはしていますが、日本人の好みに合わせてサイズ感やポケットの位置、ファスナーの有無など、日本仕様に作り替えてもらっています。また、中には弊社から提案をした日本向けの独自企画商品もあります。

弊社の強みはリアル店舗があって、そこで働く販売員が接客を通して日々お客様の生の声や要望を集められるというところです。接客で得られた知識をPALIOのバッグにも活かしています。

日本人のニーズに合わせて、バッグの細部にまでこだわりを盛り込んでいる。

―今後のビジョンについてお聞かせください。

盛田　弊社は現在30店舗ほど展開しておりますが、リアル店舗の大切さを実感しています。そのため、リアル店舗を中心としてデジタル化やOMOの充実をさらに進めていきたいと考えております。

弊社の商品を購入して終わりではなく、バッグの修理をはじめ、お客様にバッグの困りごとなどが生じた際に私たちの顔を思い出していただけるような仕事をしていこうと常日頃から社員と共有しています。お客様がバッグライフを満喫するためのお手伝いができるハンドバッグの総合商社のようになりたいです。

―貴重なお話をありがとうございました。

「ファイテンリラックス　フラワーシュシュ」（横幅約23.5cm×奥行約13cm×高さ約31.0cm 重量約1,220g）
価格：¥75,900（税込）
店名：MORITA & Co. ONLINE STORE
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://www.morita-co.jp/c/randoseru/796-flo
オンラインショップ：https://www.morita-co.jp/

「PALIO【Cartella カルテッラ】シリーズ 牛革2WAYショルダーバッグ」（横幅約25cm×奥行約9.5cm×高さ約21cm 重量約630g）
価格：¥21,450（税込）
店名：MORITA & Co. ONLINE STORE
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://www.morita-co.jp/c/gr268/935-pa-196
オンラインショップ：https://www.morita-co.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞
盛田明（株式会社盛田 代表取締役社長）

1960年青森県八戸市生まれ。ニューヨーク州立大卒。ショッピングモールのリーシングとデザインを行う会社で働いた後、1991年に株式会社盛田に入社。商品の企画・販売だけでなく、お客様との接点を継続して信頼関係を築き上げていく姿勢を大切にしている。

＜文／ウツギナオコ　MC／澤水拳太　画像協力／盛田＞