食感や香り、味わいなど、製作者のこだわりがさまざまなチーズの世界。今回、編集長アッキーが注目したのはアトリエ・ド・フロマージュの「ブルーチーズ」と「自家製カマンベールのアップルパイ」。長野県東御市に本店を置く同社の人気商品について、株式会社アトリエ・ド・フロマージュ 代表取締役社長の高田和明氏に取材陣がうかがいました。

株式会社アトリエ・ド・フロマージュ 代表取締役社長 高田和明氏

―チーズ工房としての特徴は？

高田　アトリエ・ド・フロマージュは、創業者の松岡夫妻が「ナチュラルチーズを作りたい」という思いでフランスへ留学したのち、1982年に立ち上げました。最大の特徴は、15種類ものナチュラルチーズを製造していることです。チーズ工房は性質の異なるカビが混ざる環境を避けるので、多種類のチーズを作らない傾向があります。しかし、弊社の「カマンブルー」という商品は、白カビと青カビを組み合わせたあまり例のないチーズです。創業者のチャレンジスピリットを強く感じるチーズであり、そのDNAを受け継いで現在もいろいろなことにチャレンジしています。

アトリエ・ド・フロマージュのこだわりカマンベール。
近隣で搾った良質な生乳を基本とした原料にこだわり、
徹底管理と確かな技術で製造している。

―他にはどんなチーズがありますか？

高田　代表的なブルーチーズは世界的な賞も数多く受賞しています。モッツァレラチーズやスカモルツァなどのフレッシュタイプ、カマンベールチーズのような白カビタイプ、硬質チーズのようなハードタイプなど、これほどたくさんのチーズを一つの拠点で作っているチーズ工房は世界的に見てもめずらしいと思います。

―ブルーチーズのこだわりは？

高田　弊社には、ナチュラルチーズ業界で著名な塩川という職人がいます。彼は「フランスのブルーチーズのコピーを作るのではなく、土地の特徴や風土に準じたオリジナルのチーズを作る」と話していました。一般的なブルーチーズはツンとした独特な刺激臭がありますが、弊社の商品はだしが効いたような日本人好みの風味があります。私も初めて食べた時には「今まで食べていたブルーチーズとは別物だ」と感じました。事業を継いだ際、「こんなにおいしいものを作れるなら、この会社は大丈夫だ」と思いました。
2015年にはフランスのコンテストで日本初のスーパーゴールドを受賞しました。現地では「これはブルーチーズじゃない」という評価も多かったそうです。そんな中で賞を受けたということは、今までにない味わいを感じて「これはすごい」と思った審査員が多数いたということでしょう。また、「翡翠」というブルーチーズは2021年に4,000品を超えるチーズの中から世界ベスト16に輝きました。タイプは違うものの、風味の濃いうまみ成分が凝縮されている点は共通しています。

クラッカー＋はちみつでおつまみに。
ブルーチーズ初心者にもおすすめ。

―「自家製カマンベールのアップルパイ」もめずらしい組み合わせです。

高田　自家製カマンベールチーズをふんだんに使った自慢のアップルパイです。
カマンベールチーズの外側の硬い部分を取り除き、やわらかい部分だけをりんごと一緒に、たっぷりと使用しています。りんごは弊社で生産・加工している信州産「紅玉」です。紅玉は赤みが強い品種なので、皮と一緒に煮ることで着色料を使わずとも果肉が色付きます。極めて手間のかかる手作業を貫く、こだわりの強さも自慢です。
りんごのほのかな甘さとクリーミーなカマンベールチーズが非常にマッチしていると、味のバランスでも高い評価を得ています。子どもにも大人にも好まれる味わいでリピーターの方も多く、土産品や贈り物としても人気です。甘さひかえめで普段から飽きずに食べられますし、コーヒーや紅茶といっしょに楽しむ上品なひとときにも最適です。

りんごの甘酸っぱさと共に、カマンベールチーズのマイルドな風味を感じる。

―今後の展望についてお聞かせください。

高田　ヤギが登れる草屋根の新工房を軸に、お客様によろこばれる施設を作っていきます。売店の品ぞろえを増やし、カフェスペースや駐車場も拡張予定です。美しい景色を見ながらおいしいチーズやケーキ、ピザを楽しめるスポットにしたいですね。
企業としては「日本のナチュラルチーズ業界でリーダーシップをとる」という目標もあります。日本には300を超えるチーズ工房があるとされ、弊社はその中でも業界をリードしていると自負しています。フラッグシップモデルとして注目され、産業の振興につながればと思い、長野県で発足した発酵食品PR運動「発酵バレーNAGANO」にも参加しています。今後のイベント・出店情報にぜひご注目ください。

―貴重なお話をありがとうございました！

「ブルーチーズ」（100g、冷蔵商品）
価格：¥1,620（税込）
店名：アトリエ・ド・フロマージュ
電話：0268-64-2767（9:00～17:00）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://www.a-fromage.co.jp/shop/products/detail.php?product_id=8
オンラインショップ：https://www.a-fromage.co.jp/shop/

「自家製カマンベールのアップルパイ」（580g、冷蔵商品）
価格：¥2,592（税込）
店名：アトリエ・ド・フロマージュ
電話：0268-64-2767（9:00～17:00）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://www.a-fromage.co.jp/shop/products/detail.php?product_id=56
オンラインショップ：https://www.a-fromage.co.jp/shop/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞
高田和明（株式会社アトリエ・ド・フロマージュ 代表取締役社長）

1961年、神戸市生まれ。北海道大学卒業後、株式会社アトリエ・ド・フロマージュの親会社となる食品会社で商品開発に従事。マーケティング部長、R&D部長、関西販売部長を経験し、2017年から株式会社アトリエ・ド・フロマージュの社長に就任。風通しの良い企業風土の構築に注力している。

＜文・撮影／マスダアヤノ　MC／高橋知　画像協力／アトリエ・ド・フロマージュ＞