ご当地グルメの代名詞となった「富士宮やきそば」。ご当地静岡やフードイベント開催地で食べるおいしさをそのままに、家庭で気軽にいつでも食べられるものとして商品化した静岡の会社があります。今回編集長アッキ―こと坂口明子が気になった昭和ミート株式会社 代表取締役社長の水谷賢司氏に、取材陣が伺いました。
レンジで3分半と気軽ながら本格的に楽しめる、あのご当地グルメ「富士宮やきそば」
2022/06/16
昭和ミート株式会社 代表取締役社長の水谷賢司氏
―精肉業から出発された昭和ミートさん、やきそばをメインに作られるようになったいきさつを教えてください。
水谷 1981年の創業当時は精肉会社で、数年後に業務用やきそばを製造していた会社を買い取り、業務用冷凍麺の製造が主軸となりました。一般家庭に冷凍麺が普及し始めたころ、ご当地グルメのイベントが始まり、静岡県の富士宮やきそばが2年連続優勝。にわかに富士宮やきそばブームが起こり、県内に本社を構える弊社に、冷凍富士宮やきそばを作ってみないかと声がかかったのです。
富士宮やきそばといえば、太麺に肉カスと魚粉が特徴。
―やきそばには定評のある昭和ミートさんですから、富士宮やきそばはお手の物だったのではないでしょうか?
水谷 実は開発当時からずっと今も、改良を重ねており、いまだ最終完成形ではありません(笑)。目指しているのは、現地で食べるのと同じ味。富士宮やきそばは、豚肉からラードを絞った「肉カス」とキャベツ、コシの強い太麺を炒めて味付けし、最後にイワシの削り粉をふりかけるのが基本。何度も何度も富士宮まで足を運び、いろいろなお店のものを食べています。できたてのおいしさを冷凍麺で再現できるよう、作っては試食をする作業の繰り返しですよ。
現地で食べるできたての味を目指して。
―現地の味を冷凍麺に再現する中で、最も難しいのはどんなところでしょうか?
水谷 食感を左右する水分でしょうね。弊社は大型回転釜を使って具材と麺を直火で炒め、一気に水分を飛ばしています。一般的に冷凍やきそばは蒸して充填するメーカーが多く、実際に直火焼成している商品は少ないようです。1度冷凍し解凍しても、キャベツの歯ざわりと麺の歯ごたえが感じられることにはこだわっています。
大型の回転釜で一気に水分を飛ばす。
―噛み応えのある角麺に、シャキシャキのキャベツ、コクのある肉カスが良いバランスですね。
水谷 麺は粉から製麺し、蒸して炒めるという一連をすべて自社で行っています。太さや形状など、この歯ごたえを出すまでに長い間試行錯誤しましたよ。キャベツは国産のものを近隣工場でカットしてもらい、肉カスはいくつも試してイヤな臭みのないものを使用。イワシの削り粉は焼津という土地柄、混じりけのない風味の良いものが手に入ります。1つひとつ丁寧に選んで組み合わせることで全体の完成度が上がったのだと思います。
―その味わいがレンジで3分半と手軽に完成するのはとっても重宝です!
水谷 最初は湯せん調理のみに対応していたのですが、食べていただく方の利便性を考えて、電子レンジ対応へとリニューアルしました。もっと気軽にお召し上がりいただけるように、今後はトレー付きにするなど、さらに改良を重ねたいと思っています。
袋に数か所穴を開け、
電子レンジ(500W)で3分20秒を目安に加熱するだけ。
―おすすめの食べ方があったらぜひ教えてください。
水谷 いろいろ試しましたが、肉カスの脂と程よく濃厚なソースは、やっぱりビールとの相性が1番良いと思います。調理の裏技として、レンジで温めた後、フライパンでさっと炒めることで、よりできたての味に近づきますよ。
ビールとの相性は抜群!
―この富士宮やきそばとビールがあれば、家でもフードイベント気分が楽しめそうですね。素晴らしいお話をありがとうございました!
「富士宮やきそば」(170g×2食)
▶価格 ¥700(税込)
▶店名 やきそば王国 昭和ミート
▶定休日 インターネットでのご注文は24時間365日受付
▶商品ページ https://item.rakuten.co.jp/yakisobaohkoku/50141/
▶オンラインショップ https://www.rakuten.co.jp/yakisobaohkoku/
<Guest’s profile>
水谷賢司氏(昭和ミート株式会社 代表取締役社長)
1969年 東京都新宿区生まれ。大手百貨店勤務を経て、静岡市内の惣菜宅配会社でメニュー開発、工場長として勤務。2018年1月昭和ミート株式会社入社。2022年5月現職就任。
<文・撮影/植松由紀子 MC/菅野真央 画像提供/昭和ミート>