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噛むほどに醤油たれのうまみが広がる「やみつきしみかりせん」香ばしさがクセになる「ピーナツあげ」

2023/05/24

関西で揚げせんべいと言えば「ぼんち揚」。サクッと軽い口あたりと、淡口醤油をいかしたあまじょっぱい味わいにファンも多く、関西人のソウルスナックとも言えるお菓子です。手がけているのは、その名も「ぼんち株式会社」。1931年の創業以来、90年以上にわたって老若男女に親しまれる米菓を作り続けています。今回編集長アッキーが注目したのは、近年人気を集めているという「ピーナツあげ」と「やみつきしみかりせん」。その人気の秘訣を、ぼんち株式会社代表取締役社長の遠藤純民氏に伺いました。

ぼんち株式会社 代表取締役社長の遠藤純民氏
ぼんち株式会社 代表取締役社長の遠藤純民氏

―本社を大阪に置かれていますが、創業は東京だったそうですね。

遠藤 創業者・竹馬治郎は、もともと兵庫県豊岡出身だったのですが、兄が東京であられを作っていましたので、それを手伝うために上京しました。その後、1931年に独立し「中央軒」の名で米菓の製造・販売を開始。しかし、戦時中はお米が手に入らず商売の中断を余儀なくされました。戦後は現在の大阪本社がある場所に「株式会社中央軒」を設立し、米菓製造を再開。のちに東京支店を開設したときには、東京へ「進出」するのではなく「戻る」という感覚だったようです。
東京では兄が赤坂中央軒の名で米菓を作っていましたから、東京支店開設を機に社名を「ぼんちあられ株式会社」に変更。米菓に限らず、小麦粉を使ったスナックなど幅広い商品を作っていこうということで、1984年に現在の「ぼんち株式会社」へと改称しました。

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「おいしさを創ることで、人や時代を豊かにする」という想いのもと、ほっと和めるお菓子を製造。
昔ながらの製法で作るせんべいからスナック菓子まで幅広く展開している。

―社名の由来となっている「ぼんち揚」は、関西では誰もが知る米菓ですよね。

遠藤 60年以上のベストセラー商品です。その前身となる「揚小丸」を作りはじめたのは、1960年。戦後間もない頃でしたのでお米は配給制で、前年実績から購入できる量が決められていたのですが、うちは復興が1952年と、他社に遅れをとっていましたので十分な量を確保できなくて。そこで創業者が考えたのはお米から作るのではなく、あられやせんべいのもとになる生地を仕入れようということ。仕入れ先を探すにも、頼りとなるのは米菓組合の名簿だけでしたので苦労したようです。新幹線も飛行機もない時代でしたから、夜行列車に乗って各地を訪ね歩き、ようやく買い付けてきた生地から「揚小丸」や「ピーナツあげ」などが誕生していきました。

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昆布やかつおだしを加えたうまみのある塩味が後を引くおいしさ!
クラッシュピーナッツのつぶつぶ食感と香ばしさがアクセントを添える「ピーナツあげ」。

―ここ数年、人気が高まってきているのが「ピーナツあげ」だとか。

遠藤 これも59年前からのロングセラーです。低迷した時期もあったのですが、ここへ来て再ブレイクしている感じですね。ビールなどのアルコール類とよくあいますので家飲み需要もあったのか、今期の単品商品では「ピーナツあげ」が一番の売れ筋です。この商品のポイントは“和洋折衷”。もち米で作った生地の中に、ピーナッツという洋の要素を練り込むという発想は、開発当時としては珍しいものでした。塩味なので醤油のように好みに地域差がありませんから、全国的に認知が広がってきているのかと思います。

―そのほかにも、バラエティに富んだ商品を展開されていますね。商品を開発する際に大切にしていることは?

遠藤 うちは業界5位なんですよ。大手さんと同じことをやっていると間違いなく負けますので、ほかにはない形状や味付けを意識しています。たとえば、スティック状にしてみたり、明太子やウニなどの素材を使ってみたり。もちろんオーソドックスな商品も作っていますが、今も残っているのはやっぱり他社と大きく差別化されている商品ですね。

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オンラインショップでの販売は平日のみという「やみつきしみかりせん」。
午前10時台に数量限定で販売され、瞬く間に完売してしまう大人気商品。

―「やみつきしみかりせん」について教えてください。

遠藤 少し前に起こった“ぬれせんべい”ブームを受けて生まれた商品です。実はうちは、ブームに乗り遅れてしまったんです。作ろうというときには、もう他所からたくさん出てしまっていて。それなら少し違うものを考えてみようということで開発したのが「やみつきしみかりせん」です。

―製法へのこだわりは?

遠藤 生地の中まで醤油たれを染みこませているのはぬれせんべいと同じなのですが、しみかりせんは表面をパリッと仕上げたカリカリとした食感です。一般的なせんべいと決定的に違うのは、なんといっても醤油の風味。高温乾燥させると香ばしさは出ますが、醤油本来の風味は失われてしまいます。ですので、低温でじっくりと乾燥させ、醤油のうまみを残すようにしています。手作業でムラなく上下を返しながら乾燥させるので手間も時間もかかりますが、機械では成し得ない、作り手の想いがこもったおいしさを感じていただけると思います。

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老舗醤油メーカーと試作を重ねた醤油たれは、すっきりとした甘みのある濃厚な味わい。
生地は熱々のうちに手割りして、たれをジュワッと染みこませている。

―今後のビジョンをお聞かせください。

遠藤 入社式で必ず言うのは「新入社員が定年になるまで何があってもこの会社を残していくことが私の責務だ」ということです。私が社長に就任したのは東日本大震災の起きた2011年で、商品を作ろうと思っても電気や包材が無く、工場を動かすことができなかった時期でした。それまで当たり前のようにやっていたことが、当たり前ではなくなったんです。これから先も予測できないことが起きたり、ものが手に入らなくなったりする可能性はありますよね。そんな時代にも生き残っていけるような、皆さんに愛され続けるおいしさ、食文化を追求していきたいと考えています。

―貴重なお話をありがとうございました。

ピーナツあげ

「ピーナツあげ」(4パック)
価格:¥220(税別)
メーカー名:ぼんち
公式ホームページ:https://www.bonchicorp.co.jp/products/items/11511/

やみつきしみかりせん

「やみつきしみかりせん」
価格:¥530(税別)
店名:煎餅工房さがえ屋
電話:0120-38-3324(受付時間9時~18時)
休業日:日・祝 *お盆・年末年始も休業
インターネットでのご注文は24時間365日受付
※ただし、注文返信メールやお問い合わせに対する返信は月~金のみの対応とさせていただきます。
※やみつきしみかりせんは月~金の午前10時台に数量限定販売
商品URL:https://www.sagaeya.co.jp/SHOP/KS53.html
オンラインショップ:https://www.sagaeya.co.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
遠藤純民(ぼんち株式会社 代表取締役社長)

1960年生まれ。1986年ぼんち株式会社入社。2003年常務取締役、2005年専務取締役、2011年代表取締役社長就任、現在に至る。

<文・撮影/野村枝里奈 MC/升谷遥香 画像協力/ぼんち>

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