【連載】グルメ散歩・長野 ~知れば知るほど奥深い、信州~

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撮影/中村利和 文・構成/鈴木裕子 イラスト/坂本志穂里

お取り寄せグルメ散歩 Part5 長野

緑豊かな自然と風土に恵まれた信州、長野。
高原野菜、フルーツ、味噌、漬物……とおいしい食材の宝庫でした。

長野案内人 武居智子さん
昭和23年創業の料理旅館「信州しもすわ温泉 ぎん月」若女将。毎朝、自ら投稿するフェイスブックの記事には季節感あふれる美しい写真とともに下諏訪の歴史と文化が綴られ、ファンが多い。

知れば知るほど奥深い、信州。“隠れた美味”も、発見!

東京の出版社で20数年、編集の仕事に携わった後、実家の料理旅館「ぎん月」の次代女将になるべく下諏訪に帰った武居智子さん。しばらく離れていたからこそ、下諏訪の、そして信州のすばらしさにあらためて気づいたと言います。
「下諏訪には、古事記や日本書紀にも登場する諏訪大社が鎮座していて、神話や伝説が数多く残っています。また、町内25か所の源泉から毎分6000リットルも湧き続ける温泉は、古くから“美肌の湯”として知られてきました。まさに身も心も癒やされる町なのだと思います」
現在、「女将修業中」で忙しく過ごしている武居さん。リフレッシュもかねて、信州のさらなる魅力を求めて、南方面へとドライブのスタートです。

湖と神話のふるさと、下諏訪。旅人の心と体を癒やす〝いで湯〟の街

日本一の大きさを誇る、諏訪神社下社秋宮・神楽殿の大しめ縄。
諏訪湖龍神伝説にちなみ、湯口が竜の口になっている手水舎。流れ出るのは温泉水。

秋宮から1kmほど西には春宮が。脇を流れる砥川(とかわ)の赤い橋を渡った先に画家・岡本太郎氏が「なんとユニークな」と感嘆した「万治の大仏」が鎮座している。

信州しもすわ温泉 ぎん月

▶ TEL  0266-27-5011
▶ 住所  長野県諏訪郡下諏訪町3306
▶ 料金  宿泊料 1泊2食 1人15,000円~

料理長の宮下隆雄さんは、信州生まれの信州育ち。旬の素材を使いつつ、鯉や信州サーモンなど地元の食材を生かした創作料理を得意とし、数々の賞に輝いている。

既製のものは使わずすべて手作り。夕食は極上の会席料理(写真左)、旬にこだわり半月ごとにメニューが変わる。鯉を丸ごと2日間煮込んだ名物「新月煮」が人気。朝食(写真右)は「まごわやさしい」に沿った充実のメニュー。

南と中央アルプスの間を抜けて南下。中央自動車道・伊那ICを降り、西に約10分で南アルプスが一望できる「はびろ農業公園みはらしファーム」に。

Point 01 そばの家 名人亭

みはらしファーム内にある、そば処。地元・伊那産の玄そばを自家製粉しているため、挽きたて、打ちたて、ゆでたてのそばを味わえる。「名人亭行者そば」は奈良時代、この地を訪れた行者・役小角(えんのおづぬ)によって伝えられたとか。つゆにそば味噌を溶いた「辛つゆ」が特徴で、そばと味噌の相乗効果でより豊かな風味。石臼挽きの十割そば(1,130円)、そば団子(1本100円)も人気。
▶ TEL 0265-74-1831
▶ 営業時間 11:00~17:30(L.O.17:00)
▶ 定休日  木曜
▶ 住所 長野県伊那市大字西箕輪羽広3415
(みはらしファーム内)
▶ 駐車場  あり

アルプスの麓に、スイーツの名店を発見

伊那で、元祖信州そばを堪能した後、さらに南に車を走らせ駒ケ根へ。
「長野県はりんごや桃、ぶどうなど果物が豊富。それらを使ったジャムやお菓子もいろいろあるのですが、ここに“平日でも、全国からお客さんが訪れるお菓子屋さんがある”と聞いて……」
うわさどおり、店内はお客さんでいっぱい。旬の果物を使うため、季節によって商品が変わるのも人気の理由のようです。高原の風を感じながらスイーツをいただいて、武居さんもご満悦。

「車での遠出は、本当に久しぶり」と武居さん。「下諏訪も自然に恵まれた土地ですが、駒ヶ根の緑はいっそう濃く、景色もダイナミック。まだまだ私の知らない信州に出合えそうです」

Point 02 ル・ノール・リヴィエール

ドーナツを中心としたお菓子を生産、全国展開をしている「北川製菓」の工場直売店。アイスドーナツなど新感覚のドーナツをはじめ、地元の卵、牛乳、フルーツを使ったスイーツが揃う。すぐに売り切れてしまう「幻のクリームパン」やドーナツのアウトレット品「久助」、駒ケ根のごまを使ったクロワッサン「ごまわっさん」などが人気。イートインコーナーもあり。
工場のすぐ隣にあり、店内にも工房があるためドーナツもケーキもパンも「できたて」のおいしさを味わえる。外にはテラス席も設けられ、森の中でティータイムを楽しんでいる気分に。

▶ TEL 0265-85-4145
▶ 営業時間 10:00~18:00
▶ 定休日 年中無休
▶ 住所  長野県上伊那郡宮田村1934-5
▶ 駐車場 あり

緑美しい、深い森の中で“命の水”が造られて

「水もまた、長野県の宝です。清らかで、おいしい。それが食材の味のよさの決め手になっていると思うんです」
そこで、次に向かったのは日本ではめずらしいウイスキーの蒸留所。
「本格的なウイスキーが長野で造られているなんて、ちょっと自慢です」 製造工程にも興味津々。そこでは、やはり「おいしい水」が欠かせないワインやビールも造られていました。

Point 03 信州マルス蒸留所

おいしいウイスキー造りには適度な湿度と良質な水が必要。その条件を満たす、まさにウイスキー造りの理想郷ともいえるのが、中央アルプスの麓、標高798mの地に建つ「信州マルス蒸留所」。日本でも数少ない現役のウイスキー蒸留所で、ワイン、リキュールも造っている。売店では蒸留所限定ウイスキー、ワイン、リキュール、地ビールの販売も。

▶ TEL 0265-85-0017 (ショップ直通)
▶ 営業時間 9:00~16:00(15:30最終受付)
▶ 定休日 年末年始
▶ 住所 長野県上伊那郡宮田村4752-31
▶ 駐車場 あり

ウイスキーの香りが満ちる樽貯蔵庫。蒸留されたモルト原酒はここで3年間の熟成を経て、晴れてウイスキーとして出荷される。
ウイスキー造りへの熱い思いを語る蒸留所所長の竹平考輝さん

グルメドライブのしめは甘酒でエネルギーチャージ

グルメ欲は、まだまだ尽きません。中央自動車道に戻りさらに南下。松川ICで降り、りんご畑を走り抜けた先に味噌の蔵元を見つけました。こちらも地元の素材にこだわり、昔ながらの製法で造っているとか。
「この旅で、信州の食材の豊かさと、伝統を守り続ける造り手の心意気を感じました」と武居さん。蔵元直営店で甘酒をいただいてひと息つき、心地よく飯田を後にしました。

Point 04 稲垣来三郎匠

創業89年の味噌・漬物蔵元。伝統の木樽と職人技でていねいに、じっくり時間をかけて熟成させた自慢の味噌のほか、漬物や甘酒など信州の伝統食品をはじめ、味噌スイーツなどの製造・販売を行っている。味噌汁や甘酒の試飲ができるので、いろいろ試して好みの味を見つけてみては。味噌蔵があり見学もできる。高さ190cm、直径220cmの樽が並ぶ光景は圧巻。

▶ TEL 0265-56-1550
▶ 営業時間 10:00~17:00
▶ 定休日 不定休
▶ 住所 長野県飯田市上郷黒田2721-1
▶ 駐車場 あり

ひと口に「信州味噌」といっても、こんなにたくさんの種類が。地元飯田の大豆と米で造った「上久堅(かみひさかた)無添加味噌」が人気。

地元の食材を大切にし、伝統の製法を守ることで
よそにはない「長野ならではの味」を実感できるおいしいものがいっぱい。
郷土食はもちろん、新しいグルメとしても注目です。

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写真/中村利和 文・構成/鈴木裕子

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