南山園_top

抹茶好きにはたまらない!「追い抹茶」で大人の濃い味が堪能できる、南山園の「金の抹茶ばうむ」

2023/08/16

普段、お抹茶をいただく機会はなかなかありませんが、抹茶のスイーツをいただく機会は、以前よりぐんと増えた気がします。夏になると特に、抹茶の色の爽やかさ、清涼感のある風味が恋しくなりますよね。抹茶スイーツのお取り寄せを調べていたところ、抹茶好きにはたまらないバウムクーヘンを発見。抹茶味のバウムクーヘンに抹茶パウダーがついていて、自分で「追い抹茶」ができるというのです。今回、アッキーが気になったのは、「西尾の抹茶」で知られる南山園の「金の抹茶ばうむ」。株式会社南山園 専務取締役の富田晋介氏に、抹茶バウム開発のエピソードや抹茶に対する想いを、取材陣がお聞きしました。

株式会社南山園 専務取締役の富田晋介氏
株式会社南山園 専務取締役の富田晋介氏

―1935年の創業だそうですね。

富田 それ以前からお茶の栽培には関わっていましたが、お茶専業になったのがその年といわれています。当社は安城市にありますが、西尾の抹茶の中心地である西尾市と隣り合っていて、伝統的にお茶の栽培が盛んでした。

―「西尾の抹茶」といえば、抹茶の地域ブランドとして有名です。

富田 地域ブランドとして指定されている「西尾の抹茶」は、「西尾市と安城市で生産された茶葉を同地域において碾茶加工・仕上げ精製し、茶臼挽きした抹茶」とされています。抹茶としては「宇治抹茶」も有名ですが、「西尾の抹茶」は深い緑、力強い旨みとコクが特徴です。
お点前用はもちろんですが、食品の加工用原料として幅広く使われておりますので、抹茶アイスや抹茶菓子などの材料として知っていただいた方も多いのではないでしょうか。

―創業当時から変わらず、現在でも石臼を使って抹茶を生産されているそうですね。

富田 お茶の生産工程の中で、石臼挽きは500年ぐらい前から使われている技術です。昔は手挽きの石臼が使われていました。もちろん現在は手でなくモーターで回していますが、やっていることは昔と変わりません。
直径30センチぐらいの石臼で、1時間回して製造できる抹茶は、1台でせいぜい30~40gぐらいと、効率は悪いのです。石臼自体も高価で、自然素材なのでメンテナンスも手作業ですし、色々とデメリットはあるのですが、それでもやっぱり、最高品質の抹茶が挽けると思っています。機械で大量生産した抹茶と違い、色や風味が良い状態で挽けるので、弊社では石臼にこだわり続けています。

南山園_2
抹茶の風味だけでなく色も劣化しないように、昔ながらの石臼で製造している。

―石臼で挽くことで、色までも違うんですか。

富田 はい、抹茶ってすごくデリケートで、色みがちょっとしたことで劣化するのです。例えば熱や湿気が加わったり、酸化したり、光が当たっても色が悪くなります。飲む場合ももちろん、食品に使う場合にも、素材の抹茶の色がそのまま反映されます。見た目も味の一部ですから、色は非常に大事だと思っています。

―栽培から抹茶生産まで一貫してできる体制が整っていることも、御社の強みでしょうか。

富田 その通りです。当社は元々が茶農家だったのが、抹茶の最終加工までするようになり、現在では抹茶の商品も販売するようになりました。そういうやり方をしているところは、同じ地域では当社のみですし、全国でも非常に少ないです。お客様のニーズ、特に当社の場合だと食品メーカーさんが多いのですが、そういう方々のニーズを直接茶園まで伝えて、それに合わせたお茶を栽培することができるというのは他にない強みなので、今後も大切にしていきたいです。

南山園_3
抹茶の風味豊かで、上品な味わいの「金の抹茶ばうむ」。

―「金の抹茶ばうむ」の開発のきっかけは。

富田 実は包装資材でお世話になっている問屋さんが、洋菓子メーカーさんの仕事もされていて、「非常に品質のいいバウムクーヘンをつくられているので、こちらの抹茶を使った製品もつくってみては」と提案してくださったのです。そこで試作してもらったら、本当においしかったので、「ぜひ一緒にやらせてください」とお願いしたのが製品化のきっかけです。お点前用にも使われる高級な抹茶を使っていますし、井谷眞一さんという、元々ユーハイムにいらっしゃったドイツ菓子マイスターの方がつくってくださり、本当においしいバウムクーヘンに仕上がりました。おかげさまで、お中元などのギフトや手土産にも大変喜ばれています。

―振りかけ用の抹茶がついているのが楽しいですね。

富田 せっかくお茶屋が出すバウムクーヘンなので、抹茶そのものの風味をできるだけ感じていただきたいということで、この「金の抹茶」をお付けしています。専用のメッシュスプーンでバウムクーヘンに振りかけていただきますと、抹茶の風味や香りがより濃くなって、大人の味に変わります。お好みの濃さでいただけますし、お客様からは、余った「金の抹茶」をアイスクリームなどにかけて楽しんでいる、というお声も耳にします。

南山園_4
振りかけられる「金の抹茶」と専用のスプーンが付属されている。

―「金の抹茶」とはどういうものですか。

富田 通常、食品加工に使う抹茶というのは、手頃な価格帯の抹茶が多いのですが、こちらはいわゆるお点前でも使えるような、品質のいい高級抹茶を使っています。抹茶って、お菓子としてはよく見るかもしれないけれど、抹茶そのものを目にする機会はあまりないですよね。ぜひ実際の抹茶を見ていただき、味わっていただきたいという思いもあります。少しでも、抹茶に親しんでいただくきっかけになれば嬉しいです。

―食品だけでなく、アパレル業界ともコラボレーションしていらっしゃると伺いました。

富田 抹茶は用途がとても広く、食品以外にも色々と広がってきています。その中で新しい使い方のひとつが、染料として使うというものです。本来捨ててしまうような、規格外の抹茶を再利用して、抹茶の色素を使って布を染めるというプロジェクトに参加しており、実際に抹茶で染めた布を使用したアパレル製品も数多く販売されています。本当に、抹茶の可能性が広がっているなと実感しています。自分たちだけでできることは限られているので、他業種の方々とのコラボレーションは、今後も積極的にやっていきたいですね。

南山園_5
寿命100年の茶樹からつくった玉露茶「百年茶樹 善一郎」。

―玉露の「百年茶樹 善一郎」というのは、創業者のお名前からとったものですね。

富田 はい。創業者が100年前以上前に植えたという長者の茶樹からつくった、大変珍しい玉露です。通常、茶樹は30年くらいたつと収量が落ちてくるし、品質の維持も難しくなってくるので、いったん抜いてまた新しく植えかえるのです。しかしこの畑だけは、奇跡的に茶樹が長い間残っていまして。100年たった今でも、毎年春になると芽が出てきます。お茶の生命力ってすごいなと思いますね。もちろんうちの茶園部がしっかり面倒見てくれているおかげもありますが。せっかく100年伝わってきている茶園なので、それをお茶にして皆さんに飲んでいただきたいということで、商品化したものです。
重厚感があるパッケージにしていますので、長寿のお祝い事や、企業の周年記念などにも使っていただいています。玉露にしてはさっぱりして飲みやすいお茶なので、ぜひ多くの方に楽しんでいただきたいです。

―風力発電を取り入れるなど、環境への取り組みにも力を入れられています。

富田 15年ほど前に新しい工場を建てるときに、風力発電用の風車も敷地内に設置しました。東日本大震災前でしたし、まだ再生エネルギーがそれほど注目されている時期ではなかったので、珍しがられて、よく色々な方が見学にみえました。実際に風車でつくり出した電気は、工場でも使わせていただいています。1年間で、高さ10mのブナの木約2,000本分が吸収する二酸化炭素を排出せずに抹茶を生産していることになるそうです。周りには高い建物がないので、風車は目立つようで、ランドマーク的な存在として親しんでもらっていますね。我々は、自然から恵みをいただいているお茶で商売をしていますから、何か恩返しできることがないかというのはずっと考えています。
ほかにも、生産工程で発生する不要物のリサイクル(ゼロエミッション)に向けての取り組みも行っています。お茶からでたゴミを堆肥化し、茶園で使ったり、有機肥料も積極的に使っています。

南山園_6
15年前に完成した、風力発電施設を併設した本社工場。

―お茶の文化を継承するための取り組みもされているそうですね。

富田 茶道人口が減っていますし、そのうえ、コロナ禍の影響でお茶会がなくなってしまった、などの話も聞きます。皆さんにとって、抹茶というとお点前よりも抹茶菓子の方が身近になってきている。我々自身も、お茶文化を理解しないとその継承もできませんから、実際にお茶の先生に来ていただいて、社員全員が茶道のお稽古をしています。お点前の一つ一つの動きやしつらえは、お客様に対するおもてなしの心にもつながりますし、とても大切なことだと思っています。
最近はインバウンドが復活してきて、海外からの見学の方もみえるようになりました。ふだん茶道に触れる機会のない方に体験してもらう機会も、積極的につくるようにしています。

―今後のビジョンについて教えてください。

富田 最近では「Matcha」という言葉が世界共通語になって、海外の方にも大変興味を持っていただいていますが、残念ながら一部の地域では、日本以外で生産されている、あまり品質は良くないが値段の安い抹茶の様なものが多く出回っているようです。抹茶発祥の国である日本の抹茶は、こんなにおいしいものなんだということを、今後はもっとしっかり発信していきたいです。そのためにも、茶の湯文化の伝承や石臼による高品質な抹茶の製造など、古いものをちゃんと残して、後世に伝えていく責任があると感じています。
一方で、日本のお茶には800年以上の歴史がありますが、形はずっと同じではなく、どんどん変わってきています。日本に入ってきたときは体に良い薬として、大変貴重なものだったようですが、それが時代と共に嗜好品になり、茶道という文化が発展し、現在では様々な食品の原料として使用されています。先ほどのバウムクーヘンのように、違う業種の方とのコラボレーションも、積極的にやっていきたいです。
これからも、時代に合ったお茶の形にしっかり対応して、新しい文化を作り出していけたらと思っております。

―これからも期待しています!本日はありがとうございました。

金の抹茶ばうむ

「金の抹茶ばうむ 金の抹茶・振りかけ専用スプーン付き」
価格:¥2,700(税込)
店名:南山園
電話:0566-99-0128(8:30~17:00 土日祝除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://nanzanen.shop-pro.jp/?pid=171438068
オンラインショップ:https://nanzanen.shop-pro.jp/

百年茶樹 善一郎

「百年茶樹 善一郎」(50g)
価格:¥3,800(税込)
店名:南山園
電話:0566-99-0128(8:30~17:00 土日祝除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://nanzanen.shop-pro.jp/?pid=171412642
オンラインショップ:https://nanzanen.shop-pro.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
富田晋介(株式会社南山園 専務取締役)

1979年愛知県生まれ。大学卒業後、商社へ入社し食品部門を担当。2010年に南山園へ入社、2018年より専務取締役。日本国内はもとより、海外にも足を運び抹茶の魅力を広めている。

<文・撮影/臼井美伸(ペンギン企画室) MC・撮影/津田菜波 画像協力/南山園>

OFFICIAL SNS

Instagramでハッシュタグ#お取り寄せ手帖を検索。

  • Instagram
  • Facebook
  • Twitter