
とろける濃厚な甘みの「北海道噴火湾産ほたて貝柱」と、驚くほど身が柔らかな三陸産「いか一夜干し」
2026/06/04
今回、編集長のアッキーが注目したのは、北海道にある噴火湾(内浦湾)産でとれた、とろける繊細な食感と濃厚な甘みのバランスが特徴の「ほたて貝柱」と、三陸で採れた身が柔らかな「いか一夜干し」です。
その背景には、一度は途絶えかけた伝統ある水産加工会社を、異業種から飛び込んだリーダーが情熱を持って再生させた、感動の物語がありました。取材スタッフが、北海道に本社を構える、きゅういち株式会社 代表取締役社長の餌取達彦氏にお話を伺いました。

きゅういち株式会社 代表取締役社長の餌取達彦氏
―まずは、御社の歩みについてお聞かせください。
餌取 きゅういち株式会社は、1985年の創業以来、地域の水産業を支えてきました。函館周辺にある13の漁協から、直接買い付けできる「買参権(ばいさんけん)」を持つ企業です。北海道全体でも70カ所ほどしかない漁協のうち、これだけの数の権利を保有していることは業界でも珍しく、私たちの大きな強みとなっています。
しかし2021年、負債を抱えて民事再生を申請するという大きな危機に直面しました。一度は途絶えかけた歴史でしたが、地域の資源を守るために、飲食店と求職者を結ぶ人材サービスを展開するクックビズ株式会社が、新たに「食×事業再生」をキーワードに掲げて事業を承継。こうして2022年10月、新生「きゅういち」として再スタートを切ったのです。

目利きの技術と加工技術を活かし、北海道の海でとれたほたてを中心に、
いくらやたらこ、干物などの水産加工品を展開している。
―事業を引き継ぐ決断をされた決め手は何だったのでしょうか。
餌取 私は以前、ベンチャーキャピタルでの投資支援やジュエリー会社の企業経営など、水産業とは全く異なるビジネスの領域を歩んできました。きゅういちの親会社であるクックビズに入社後は、投資のプロとして「その地域で差別化されているか」を厳しく見極める中で、この会社が持つ仕入れ力に強い可能性を感じたのです。
驚いたことに、民事再生という状況下でも、長年お付き合いのあるお客さまが誰一人離れていきませんでした。それは、長年築き上げてきた品質への信頼と誠実さの証明だと確信しました。
そして「自分たちがやらなければ、この素晴らしい資源が埋もれてしまう」と、半年以上にわたって社内を説得し続け、事業承継に至りました。
―今回ご紹介いただく「北海道噴火湾産 ほたて貝柱」は、どのようなきっかけで一般のお客さまへ届けられるようになったのですか。
餌取 2023年、処理水問題による中国側の輸入停止という、水産業界を揺るがす逆境がありました。これまで輸出向けに生産していた最高品質のほたてたちが行き場を失い、倉庫に積み上がってしまったのです。それまでは数トン単位の法人取引がメインで、個人向けへの販売はほぼ行っていませんでした。
しかし「このままではいけない、一刻も早くおいしい状態でお客さまに届けたい」という思いから、わずか2週間というスピードでECサイトを立ち上げました。これが、社会課題を解決しながら、全国のお客様に「食べて応援していただく」という新しい繋がりを作るきっかけとなったのです。

おいしい状態でお客さまに届けたい、という思いから個人向けに販売を開始した「北海道噴火湾産 ほたて貝柱」。
―噴火湾産のほたてには、どのようなこだわりがあるのでしょうか。
餌取 北海道産のほたての中でも、噴火湾産は流通量が15〜20%ほどと非常に希少です。最大の特徴は、海中に吊るして育てる「吊るし養殖」であること。海底にいるほたてと違い、砂を飲み込まないため、砂噛みがなく、素材本来の澄んだ味わいを楽しめるのが魅力です。荒波に揉まれるオホーツク産が身の締まりを特徴とするなら、波の穏やかな内浦湾で育つ噴火湾産は、優しくとろけるような繊細な食感と、濃厚な甘みのバランスが絶妙なのです。
2〜3年かけて丁寧に育てられたほたてを使い、真水ではなく「殺菌済み海水」で洗浄することで、素材本来の旨味を逃さないようにしています。さらに、熟練のスタッフが一粒ずつ人の目で状態を確認し、最新の「バラ凍結(個別急速冷凍)」技術で粒同士がくっつかないよう急速冷凍しています。

殺菌済みの海水で洗浄して冷凍することで、素材本来の旨味を逃がさず閉じ込める。
―ご自宅でおいしくいただくための、おすすめを教えてください。
餌取 到着したその日は、ぜひそのまま「お刺身」で味わってみてください。雑味のない、濃厚な甘みと潮の香りが口いっぱいに広がります。おいしさを最大限に引き出すプロのコツは、冷蔵庫で半日から一晩かけて、ゆっくりと解凍すること。ドリップを最小限に抑えることができ、獲れたてのような瑞々しさが蘇ります。また、一粒ずつバラ凍結されているので、忙しい朝に数粒だけ取り出してバター焼きにしたり、炊き込みご飯やフライに使ったりと、必要な分だけ使える利便性も喜ばれています。

解凍してお刺身にするのはもちろん、バター焼きにすれば、香ばしさと甘みが一層引き立つ。
―お客さまからは、どのような反響が届いていますか。
餌取 ECサイトを始めてわずか3カ月で、4,800件を超えるご注文をいただきました。驚くべきことに、一度購入された方の約8割がリピーターになってくださっているのです。「こんなに甘いほたては初めて」「届くのが早くて助かる」といった温かいお声をいただくことが、現場の職人たちの大きな励みになっています。また、地元・函館にある小中学校約60校の給食にも採用されたこともあります。地元の子どもたちが笑顔で食べてくれる味であることは、私たちの品質と安全性の最高の証明だと自負しています。地域の誇りとなるような味を、全国へお届けできる喜びを感じています。
―もう一品、人気の「いか一夜干し」が誕生した背景についても教えてください。
餌取 これまでの私たちは、市場向けの原料販売がメインでした。しかし、一般のご家庭への直販を強化する中で「自分で捌くのは大変」という切実なお声を耳にしたのです。そこで、自社で「開き加工」を行う体制を一から構築しました。実を言えば、水産加工会社でありながら「魚を開く」という工程は長年行っていなかったのですが、お客様の声に応えるため、ご家庭で使いやすい形を模索しました。

家庭での使いやすさを追求し、開き加工を施した「いか一夜干し」。
―この一夜干しならではの魅力は、どこにあるのでしょうか。
餌取 三陸産のするめいかを使い、冷風にあてながら短時間で乾燥させています。過度に干しすぎず、旨味を凝縮させつつも「プリプリとした柔らかさ」を保つことにこだわりました。「一夜干しは固くて塩辛い」というイメージをお持ちの方にこそ、食べていただきたい一品です。味付けは塩のみだからこそ、噛むほどにあふれ出すイカ本来の濃厚な味わいを楽しめます。クセや臭みが少ないので、お子さまでも食べやすく、直火でさっと焼くだけで、本格的な味を楽しめるのが自慢です。

三陸産するめいかのプリプリとした柔らかさを最大限に引き出した。
―どのように料理に取り入れるのがおすすめですか。
餌取 一番のおすすめはシンプルに焼く「イカ焼き」で、バーベキューにも最適です。また、パスタの具材や炒め物としてもおすすめです。ほたてをご注文いただいたファンの方が、「次はこれを」と指名してくださる、隠れた人気商品になっています。冷凍庫に常備しておけば、夕食の「あと一品」にも重宝しますし、どんな調味料とも相性がいいので、その日の気分でさまざまなアレンジを楽しんでいただければ幸いです。

「いか焼き」として楽しむのはもちろん、唐揚げにしておつまみにするなど、手軽に一品添えたいシーンに最適。
―最後に、これからの展望についてお聞かせください。
餌取 私たちが目指すのは、仕入れ、加工、販売を自社で一貫して行う「製販一体」のモデルです。伝統的な水産業を、新しい目線でアップデートしていくことが私たちの使命だと考えています。人気スーパー「ロピア」さんとの提携による、産地から店頭へ直接届ける流通改革もその一歩です。
「きゅういちの商品を買うことで、道南の漁業がもっと元気になる」と、全国のお客さまに思っていただけるような、産地と食卓をつなぐ新しい架け橋を目指します。新しい風を吹き込み、函館の海の豊かさを次世代に繋いでいきたいという強い思いを持って、これからも挑戦を続けていきます。
―本日は貴重なお話をありがとうございました。

「【2026年 新物】北海道噴火湾産 ほたて貝柱 6S 500g(500g×1袋)」
価格:¥3,600(税込)
店名:きゅういち
電話:0138-25-3505(9:00~17:00 ※土日祝日を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://kyuichi.co.jp/collections/hotate/products/funkawan-hotate-6s-500g-n_2026
オンラインショップ:https://kyuichi.co.jp/

「いか一夜干し Mサイズ(100g~150g)6枚入」
価格:¥1,800(税込)
店名:きゅういち
電話:0138-25-3505(9:00~17:00 ※土日祝日を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://kyuichi.co.jp/collections/other-seafood/products/ika-itiya_m
オンラインショップ:https://kyuichi.co.jp/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
餌取達彦(きゅういち株式会社 代表取締役社長)
1976年生まれ。1998年立教大学卒業。日本アジア投資にてベンチャー投資に従事後、投資先の取締役や監査役を歴任。2008年より事業再生投資に携わり、多くの案件を成功に導く。2020年11月クックビズ入社。現在は子会社のきゅういち株式会社の代表を務め、地域資源の再生に尽力している。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/田中香花 画像協力/きゅういち>




























