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北海道の海の幸、まろやかな旨みが凝縮された「糠にしん」と、ぷりぷり食感と濃厚な甘みとろける「甘えびの塩辛」

2026/05/26

北海道羽幌町(はぼろちょう)の豊かな海産物と、北陸から伝わった発酵の知恵。今回、編集長のアッキーが注目したのは、伝統製法で作られる「糠(ぬか)にしん」と、最新の急速冷凍技術で獲れたての鮮度を閉じ込めた「甘えびの塩辛」です。

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生の甘えびが持つ「プリプリ、とろり」とした極上の食感と濃厚なえびの甘みは、日々の食卓を贅沢に、そして温かく彩ってくれます。
その背景には、人との縁を大切にしながら歩んできた作り手の真摯な物語がありました。取材スタッフが、北海道に本社を構える、株式会社重原商店の代表取締役社長、重原伸昭氏にお話を伺いました。

株式会社重原商店 代表取締役社長の重原伸昭氏

株式会社重原商店 代表取締役社長の重原伸昭氏

―まずは、御社の歩みについてお聞かせください。

重原 弊社のルーツは石川県の内灘町にあります。当時は石川県から出稼ぎに出る人が多く、初代の重原栄太郎もにしんが取れる4月、5月に北海道へ渡ってきたのが始まりです。北前船の航路に沿って、北海道で買い付けたにしんや数の子を富山の倉庫へ運び、そこから金沢や京都、大阪へと供給する独自の流通網を築いてきました。

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北海道の食材を活かした商品の製造・販売に取り組み、「みがきにしん(左)」や「味付け数の子(右)」などを展開している。

―社長ご自身は、いつ頃から家業を継ぐことを意識されていたのですか?

重原 幼い頃から工場が身近な環境で、職人たちの働く姿を見て育ちました。工場で海産物を茹でる蒸気の熱気や、干してあるタコの口を食べていた思い出などが鮮明に浮かびます。明確に決意したのは中学生のときです。校内の弁論大会で「家業を継いで3代目になる」という内容のスピーチをしたのを覚えています。大学卒業後は大阪の市場で3年間修業し、目利きとしての基礎を養ってから羽幌へ戻ってきました。大阪時代の同期とは今も絆が深く、以前ホタテの原料供給が止まって危機に陥った際、タコの売り方を教えてくれ、救ってくれたのも当時の仲間だったのです。人とのつながりがあったからこそ、今の重原商店があるのだと実感しています。

―今回ご紹介する「糠にしん」の開発のきっかけは何だったのでしょうか。

重原 石川県の「こんか漬け(金沢の方言で「ぬか」を意味する「こんか」に新鮮な魚介を漬けたもの)」や福井県の「へしこ(青魚を塩漬け・糠漬けにした郷土料理)」のような発酵食文化を、北海道の地で再現したいという思いから始まりました。
しかし、最初は失敗の連続でした。発酵に必要な「いい乳酸菌」が蔵にいない状態から始めると、黒カビが生えてしまうこともあるのです。試行錯誤を繰り返すなかで、ようやく樽に独自の乳酸菌が住み着き、味が安定するようになりました。科学的な数値だけでは測れない、その土地と蔵が育む「蔵付きの菌」こそが、この味を生み出す目に見えない財産なのです。

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―製法におけるこだわりも教えてください。

重原 1トンの巨大な樽を使い、2カ月という長い時間をかけてじっくりと熟成させる製法を守っています。昔の保存食は塩気が非常に強かったのですが、現代人の好みに合わせて、私たちは塩分を8%ほどに抑えています。しょっぱいだけでなく、角の取れたまろやかな旨みが凝縮されているのが特徴です。職人が一本一本のにしんの状態を見極めながら仕込むことで、時代が変わっても変わらないおいしさを追求し続けています。

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職人が手作業で仕込んだにしんを、2カ月かけてじっくり熟成させる。

―おすすめの食べ方はありますか?

重原 まずは糠をきれいに洗い落として輪切りにし、ガスコンロなどでこんがり焼いてみてください。まろやかで芳醇な味わいは炊きたてのご飯によく合います。また、「和製アンチョビ」のような使い方もおすすめしています。塩気と旨みが強いので、パスタの具材にすると香りが引き立ち、驚くほどおいしく仕上がります。お客様のなかには、「やっとこの味に巡り合えた」と大変喜んでくださる方もいて、その声が励みになっています。

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炊きたてのご飯と合わせるのはもちろん、塩気と旨みが強いため、パスタの具材としても活用できる。

―もう一つの商品「甘えびの塩辛」は、どのようなきっかけで生まれたのでしょうか。

重原 羽幌町は甘えびの漁獲量が非常に多い町です。かつて開催された「羽幌甘えび祭り」では、2日間で12トンものえびが完売するほどの熱気がありました。その祭りの屋台で出した「えびわさび」が人気となり、「このおいしさをいつでも家庭で味わってほしい」という思いからシリーズ化することが決定。地元の活気あるお祭りから生まれた、羽幌の誇りが詰まった逸品です。

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甘えびの漁獲量が多い羽幌町の祭りがきっかけで誕生した、地域に根ざした一品の「甘えびの塩辛」。

―鮮度を保つために、特別な技術が使われているそうですね。

重原 最新の「3Dフリーザー」という急速冷凍機を導入しています。生け簀で運ばれてきたえびを、獲れたての新鮮な状態で細胞を壊すことなく冷凍させるため、解凍してもぷりぷりの食感を楽しめます。味付けの要は、えび本来の濃厚な甘みを最大限に引き出す絶妙な塩加減です。お酒のあてはもちろん、冷製パスタに和えたり、お茶漬けに乗せたりと、日常を少し特別にする「自分へのご褒美」として楽しんでいただきたいです。ふるさと納税の返礼品としても、全国のお客様から高い支持をいただいています。

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甘えび本来のぷりぷりとした食感と旨味が閉じ込められている。
自分へのご褒美に、おつまみや付け合わせの一品として楽しめる。

―最後に今後の展望についてついて教えてください。

重原 現在は4代目の息子も帰ってきて、次の100年に向けて共に励んでいます。私たちの根底にあるのは、お客様一人ひとりと誠実に向き合う「顔の見える商売」です。これまでの歩みのなかで多くの仲間に助けられてきたように、これからも人と人とのつながりを大切にしていきたいと考えています。地元の羽幌町を元気にし、地域の皆さんと共に栄えていく。そんな商売を次世代へと繋いでいくのが私の使命だと思っています。

―本日は貴重なお話をありがとうございました。

糠にしん 1尾

「糠にしん 1尾」
価格:¥400(税込)
店名:株式会社 重原商店
電話:0164-62-2138(08:00~16:00)
定休日:1月~4月:土・日曜・祝日、5月~12月:日曜・祝日
商品URL:https://www.shigehara.jp/products/detail/7
オンラインショップ:https://www.shigehara.jp/

甘えびの塩辛 65g

「甘えびの塩辛 65g」
価格:¥770(税込)
店名:株式会社 重原商店
電話:0164-62-2138(08:00~16:00)
定休日:1月~4月:土・日曜・祝日、5月~12月:日曜・祝日
商品URL:https://www.shigehara.jp/products/detail/4
オンラインショップ:https://www.shigehara.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

重原伸昭(株式会社重原商店 代表取締役社長)
1967年北海道羽幌町生まれ。1990年株式会社うおいちに入社し3年勤務後、株式会社重原商店に入社。2013年に同社代表取締役に就任。

<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/田中香花 画像協力/重原商店>

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