【9月の食日記】

【9月の食日記】

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〇月×日
「アルトロ」は2018年8月、恵比寿にオープンしたカウンターメインのイタリアン。麻布十番の人気フレンチ「カラペティバトゥバ!」の姉妹店だけに、センスもサービスもよく、楽しい雰囲気。「いいアサリが入ったので」と供されたボンゴレビアンコは、なんとも懐かしさと食欲をそそってくれた。アマトリチャーナは、酒のつまみになるようにと、あえてショートパスタで。黒板に記された充実したグラスワインのメニューには、全てひとことで特徴が書かれていてこれも面白い。アラカルトだし、対応が柔軟なので、ひとりでも楽しめる。

アマトリチャーナは、酒のつまみになるようにと、あえてショートパスタで
「アルトロ」は2018年8月、恵比寿にオープンしたカウンターメインのイタリアン

SHOP INFORMATION
▶ 店名 ALTRO!
▶ URL https://ebisu-altro.com/

〇月×日
「東京最高のレストラン」の今年の注目店として、自由が丘「モンド」が掲載されたのは2009年(オープンは2008年)。
当時の座談会を読み返すと、”三ツ星店で修業したシェフが、モダンと古典2つのコースを提供する、極めて新しいイタリアン”、”なぜかBGMにツェッペリンをかける、あのソムリエは優秀”といった記述があり、イタリア料理部門でトップの評価を得ている。

映画は10年後に観返しても、自分はともかく内容は変わらないが、レストランは日々変わるから難しいけれど面白い。

とぼけた求道者&哲学者の如き宮木シェフは、とんでもなく美味い皿を提供する料理人として、大変有名になった。魚絶賛だけれど、リムーザン牛の炭火焼もまた!
さらにとぼけた田村ソムリエは、東京を代表するサービス人の一人として名を馳せている。あれほどグラスの液体を切らさないソムリエは稀有だろう。
撮影不可の新しい内装は、これぞモンドだね! という楽しさ。毎週火曜のみの特別コースもぜひ。
10年続けば奇跡というレストラン業界で、あんなに駅から遠くて、行くたびに辿り着けるのか不安になるのに盛況なのは、やっぱり理由があるのねとつくづく。

とぼけた求道者&哲学者の如き宮木シェフは、とんでもなく美味い皿を提供する料理人として、大変有名になった
撮影不可の新しい内装は、これぞモンドだね! という楽しさ。毎週火曜のみの特別コースもぜひ

SHOP INFORMATION
▶ 店名 mondo
▶ URL http://ristorante-mondo.com/

〇月×日
ヒロ山田シェフの「テストキッチンH」の隣にオープンした鉄板焼き「まえなか」。どこかで見たことのある職人さんだと思ったら、高田馬場の「ひなた」でとんかつを揚げていた人だった。
ちなみに全部同系列。ゆえにふらっと山田シェフが厨房方面から顔を出したりもする。
前中さんはもともと広島焼きのプロフェッショナル。
鉄板での調理パフォーマンスが楽しく、ひとりでもまったく退屈しない。ふたりでもグループでももちろん楽しめる、使い勝手のとてもいいお店だ。

前中さんはもともと広島焼きのプロフェッショナル
鉄板での調理パフォーマンスが楽しく、ひとりでもまったく退屈しない

SHOP INFORMATION
▶ 店名 鉄板・お好み焼き まえなか
▶ URL https://www.maenaka.tokyo/

〇月×日
「アイバル」をご存じだろうか。
パプリカをローストしたペーストで、セルビアのソウルフードらしい。
知人からいただいたが、こういうのは大好きなので、さっそくパスタに。
ガーリックバターでひき肉を炒めて、追いピーマン(しかなかった…)で。
すごくいいコクと旨味。無添加だし、好きな人も多そう。
初めて飲んだ固有品種の赤白ワインも好きな味で、心はすっかりセルビアな午後。

https://bestwines.jp/?pid=124780074

こういうのは大好きなので、さっそくパスタに
「アイバル」をご存じだろうか。 パプリカをローストしたペーストで、セルビアのソウルフードらしい

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▶ 店名 モンドデリシャス
▶ URL https://bestwines.jp/

〇月×日
西国分寺の「潮」。群馬から150年の歴史を持つ蔵を移築したお蕎麦屋さん。
日本料理出身のご主人の肴は季節感に溢れ、極めて旨い。
端正なそばは都心の1.5倍のボリューム。国分寺市民が羨ましい。

西国分寺の「潮」。群馬から150年の歴史を持つ蔵を移築したお蕎麦屋さん
日本料理出身のご主人の肴は季節感に溢れ、極めて旨い

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▶ 店名 潮
▶ URL https://tabelog.com/tokyo/A1325/A132502/13010076/

〇月×日
今年初めてのイクラの醤油漬け作り。
もちろん、山脇りこ先生『いとしの自家製』のレシピで。
インスタのハッシュタグ用に「いくら 英語」で検索すると”How much?”と。
オッケー!グーグル。

https://www.amazon.co.jp/いとしの自家製-手がおいしくするもの。-山脇りこ/dp/4835638166

今年初めてのイクラの醤油漬け作り

〇月×日
「すし道」のころにうかがっただけだった、麻布十番・店名改め「鮓職人 秦野よしき」。今冬発売予定の本の、取材前のヒヤリング、取材&撮影の過程で情熱的な話を聞き、当時より10キロ以上引き締まった体を見るうちに、これは行かねばと、予約。
9月から、「カンパイ」(干瓢のパイ包み)や茄子の揚げ浸しの握りといった、かつてのスペシャリテは封印。より進化した、第二ステージに。
充実したワインのペアリングや豊富な日本酒があるにも関わらず、「お茶だけでも楽しめます」と不敵に笑う。
様々な美味しさが追いかけてきて、陶酔を呼ぶカスゴ。
あえて皮をひかない新イカ。
旨味を凝縮させた脂を堪能できるサンマの握りと、赤酢にくぐらせただけで、余分な脂を落とした鯵のコンビネーションの素晴らしさ。
まるでプリンのような夏のあん肝。
酢飯との温度差で、口中で溶けていくイクラ。
なぜアワビを出すのかの、ファイナルアンサーとなる薄切りアワビ。
マグロに合う素材を全て巻き込んだ「秦野巻」に、魚介の旨味を凝縮したあら汁を合わせる秘技。
煮切りや塩不要の穴子……。
こちらも封印するはずだったダジャレはボルテージが上がるほどに炸裂したけれど、それは楽しみのうち。
これだけの内容でコース1.5~1.8万。
きちんとした鮨好きが集えば、さらにとんでもない店になる予感が。

「すし道」のころにうかがっただけだった、麻布十番・店名改め「鮓職人 秦野よしき」
マグロに合う素材を全て巻き込んだ「秦野巻」に、魚介の旨味を凝縮したあら汁を合わせる秘技

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▶ 店名 鮨職人 秦野よしき
▶ URL http://sushi-syoku.com/

〇月×日
大好きな「金曜の夜に空いている秩父宮でひとりラグビー観戦」。のはずが、大観衆と凄い熱気。1年後のW杯をひかえ、今年のトップリーグはちょっと違うかも。
そして観戦後のお約束「アミニマ」へ。
元ラガーマンが営む人気店といえば、「アミニマ」(フレンチ部門)、「ロッツォシチリア」(イタリア部門)、「どうげん」(焼肉部門)で誰も異論が無いだろうが、求む新情報。
カウンターにフランスのラグビー写真集を見つけ、ウフマヨとラタトゥイユと。
で、バヴェットステーキと〆の名物カレー。

バヴェットステーキと〆の名物カレー
カウンターにフランスのラグビー写真集を見つけ、ウフマヨとラタトゥイユと

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▶ 店名 Aminima
▶ URL https://www.aminima.jp/

〇月×日
最近、ホテルのポップアップやコラボイベントがどんどん楽しくなっている。
「シャングリラホテル東京」では、アジアベストレストラン50に選ばれているスリランカの「ミニストリー・オブ・クラブ」のポップアップレストランを。
皆がオシャレな前掛けをつけながら、特大の手長エビやペッパークラブにがぶりつくのは、なんとも楽しい。東京進出をするのだろうか。

日比谷の「ペニンシュラ東京」では、同ホテルの「ピーター」桐山正輝シェフと、世界にその名を知られる外苑前「傳」長谷川在佑シェフのコラボディナー。
通常は、それぞれが料理を提供するパターンが多いが、ふたりのシェフは意気投合したらしく、一皿にふたりの技術とアイデアを詰め込んだ料理が次々と。これぞコラボ。桐山シェフは「Peter×アルチザンシェフ オブ ジャパン」と銘打ち、他にも「フロリレージュ」川手シェフなどとも競演をするという。
これから桐山シェフの料理がどう変化するかも楽しみだ。

皆がオシャレな前掛けをつけながら、特大の手長エビやペッパークラブにがぶりつくのは、なんとも楽しい
ふたりのシェフは意気投合したらしく、一皿にふたりの技術とアイデアを詰め込んだ料理が次々と

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▶ 店名 シャングリ・ラ ホテル 東京
▶ URL http://www.shangri-la.com/jp/tokyo/shangrila/

▶ 店名 ミニストリー・オブ・クラブ
▶ URL https://www.facebook.com/ministrycrab/

▶ 店名 ザ・ペニンシュラ東京
▶ URL https://www.peninsula.com/ja/default

▶ 店名 Peter
▶ URL https://www.peninsula.com/ja/tokyo/hotel-fine-dining/peter-bar-grill

▶ 店名 傳
▶ URL https://www.jimbochoden.com/

〇月×日
吉祥寺での打ち合わせが早く終わった夕刻。胃腸が痛かったのでどうしたものかと考えた末、そうだ! ホルモン酒場「わ」だと思い立ち予約。
体の悪い部分を食べると良いという、西洋医学では全否定だけれど、感覚的に惹かれる説に導かれ。
ホルモン9種盛りという、小腸・大腸をはじめとした、なんとも魅力的なメニューをゆっくりといただく。コリコリこと大動脈の食感はもう!
結果として翌朝起きると、ものすごく元気に。
そして、梅干しのキムチはぜひテイクアウトしてほしい、サイドメニューの逸品。

ホルモン9種盛りという、小腸・大腸をはじめとした、なんとも魅力的なメニューをゆっくりといただく
まさに五感の全てで腸を味わうという稀有な体験

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▶ 店名 ホルモン酒場 焼酎家「わ」
▶ URL http://www.facebook.com/ホルモン酒場-焼酎家-わ-176925555818863/

〇月×日
渋谷・百軒店商店街にある老舗の大衆焼き鳥店「鳥升」。入り口近くで焼きの全てを担当する大将は、一見ぶっきらぼうだが時々見せる笑顔が素敵な「ザ・職人」。
この日はうなぎのくりから(切れ端の部分を巻いたもの)焼きも。炭火だからこその、葱やつくねの焼き色がいかにも食欲をそそる。
やわらかいレバの上下をぼんじりで挟み、回転しないようにするなど、よくみると工夫が積み重ねられていて、勉強になること多数。ちなみに刺し身のツマも大将が切っている。

渋谷・百軒店商店街にある老舗の大衆焼き鳥店「鳥枡」
この日はうなぎのくりから(切れ端の部分を巻いたもの)焼きも

SHOP INFORMATION
▶ 店名 鳥升
▶ URL http://shibuya-hyakkendana.com/torisho-2/

〇月×日
2014年に渋谷でオープンした「パッポンキッチン」。タイの日常料理にこだわり、ゆえに今まで常識だと思っていた有名料理ではない一皿一皿が衝撃を与え、日本におけるタイ料理の概念を変えた。オーナーがあの「クリスチアノ」や「もんじゃさとう」の佐藤幸二氏と聞けば、なるほどとうなずく向きも多かろう。
しかし、残念ながら諸般の事情によりこの9月で閉店。
忘れないように食いしん坊たちと貸し切りでたっぷりといただく。
またこのようなお店が誕生しますようにと祈りつつ。

2014年に渋谷でオープンした「パッポンキッチン」
日本におけるタイ料理の概念を変えた

SHOP INFORMATION
▶ 店名 パッポンキッチン
▶ URL http://www.cristianos.jp/pappon/

〇月×日
絶賛発売中のマッキー牧元さん著「超一流のサッポロ一番の作り方」のレシピでチャーハンと焼きそばを。チャーハンは卵ひとつを別に炒めること、焼きそばは天かすを使うことがポイント。

https://goo.gl/ts9A5D

チャーハンは卵ひとつを別に炒めること
焼きそばは天かすを使うことがポイント
大木淳夫

大木淳夫

「東京最高のレストラン」編集長

1965年東京生まれ。学習院大学卒。ぴあ株式会社メディア・クリエイティブ局メディアプロデューサー。日本初のプロによる唯一の実名評価本「東京最のレストラン」編集長を2001年の創刊より務めている。その他の編集作品に「東京とんかつ会議」(山本益博・マッキー牧元・河田剛)、「いまどき真っ当な料理店」(田中康夫)、「一食入魂」(小山薫堂)、「日本一江戸前鮨がわかる本」(早川光)、「グルメ多動力」(堀江貴文)など。好きなジャンルは鮨とフレンチ。
現在は、「テリヤキ」(堀江貴文氏が運営するグルメキュレーションサービス)公式キュレーター=「テリヤキスト」、Retty「TOP USER」、「食べログ著名人」としても活動中。

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