
新潟の市場から届く海の恵み。黄金比で作る「銀鮭の味噌漬け」と職人仕込みの「銀鮭半身塩干し」
2026/04/16
炊きたての白いご飯に、ふっくらと焼き上がった鮭。そんな「至福の朝ごはん」を叶えてくれるのが、新潟・村上の豊かな海の恵みです。今回、編集長のアッキーが注目したのは、熟成で旨みが深まる「銀鮭の味噌漬け」と、職人が手作業で仕上げる「銀鮭半身塩干し」です。
新潟・岩船港(いわふねこう)の仲買人が厳選した銀鮭を、地元の味噌で漬け込み、職人が丁寧に包丁を入れる。そこには、大量生産では出せない手仕事のぬくもりと、時が経つほどに深まる熟成の旨みが詰まっていました。新潟県に本社を構える、株式会社岩船港鮮魚センター 代表取締役の安宅謙氏にお話を伺いました。

株式会社岩船港鮮魚センター 代表取締役の安宅謙氏
―まずは、貴社の歩みについて教えてください。
安宅 私たちの会社は1980年、岩船港の仲買人10名が手を取り合ってスタートした鮮魚直売の専門店です。当時は岩船港がある村上市に観光客を団体で受け入れられる施設がなかったことから、観光課の方を通じてお声がけをいただいたのがきっかけでした。もともとは競い合っている仲買人同士でしたが、「プロが選んだいい魚を届けたい」という一心で協力し合い、地域の魅力を発信する拠点としての歩みが始まりました。1980年の創業以来、組合組織として歩み、2005年に株式会社化。通算ではおかげさまで現在は46年目を迎えています。


観光客も訪れる活気ある店舗には、その日に水揚げされた鮮魚が並ぶ。
地元・岩船港の鮮魚だけでなく、
伝統の鮭加工品を通じて地元の食文化を全国へ発信し続けている。
―社長ご自身は、どのような思いでこの仕事に向き合ってこられたのでしょうか。
安宅 私は創業初年度に新卒で入社しました。地元が岩船なので、親の面倒を見るために地元の就職先を探していたところ、たまたまご縁があったのです。それ以来、現場の最前線でずっと魚と向き合い続けてきました。とにかく魚が大好きで、代表となった今でも、一日の半分くらいは現場に立って包丁を握っています。現場でお客さまの顔を直接見ること、そして魚の活きの良さを自分の目で確かめること。その「現場主義」を貫くことが、確かな品質を維持するための源だと考えています。やはり現場が一番大切なのです。
―看板商品である「銀鮭の味噌漬け」が誕生したきっかけを教えてください。
安宅 この味噌漬けは、創業から数年後に誕生しました。当時、仕出し屋を営む仲買人仲間が、鮭の旨みを最大限に引き出すための「黄金比」を考案してくれたのです。目指したのは、家庭の味を超えた専門店ならではの本格的な味わいです。村上の食文化を象徴する特産品として、長年愛されてきた歴史がこの味には詰まっています。
―素材の選び方や仕込みにおいて、どのようなこだわりがあるのでしょうか。
安宅 銀鮭の選別には特に厳しく、市場で最高ランクの「A品」とされる中からも、脂ののり具合によってさらに厳選したものだけを使用しています。合わせる味噌は、地元の老舗醸造蔵、奈良橋醸造さんで守り続けられている「きうにみそ」。独自の調合により、素材の良さを生かすため無添加・無着色で仕上げることにこだわっています。仕込みの際は、職人がその日の気温や鮭の身の締まり具合を五感で確かめ、漬け込み時間を繊細に微調整しています。長年の経験に基づくこの手仕事が、どこを切っても均一で、奥深い旨みを生み出すのです。

鮭に最も合う「黄金比」で調合された味噌が、
銀鮭の甘みを最大限に引き出している。
―この味噌漬けをよりおいしく楽しむための方法はありますか。
安宅 届いてからあえて「寝かせる」楽しみを提案しています。冷蔵庫で2~4日間熟成させることで、味噌と身がなじんで旨みがさらに深まるのです。焼く直前に味噌を流水でサッと洗い流すのが、焦がさずにふっくら焼き上げるコツですね。12月の繁忙期には電話が鳴り止まないほどのご注文をいただきますが、その多くがお歳暮などのギフト利用です。お客さまからは「ここの鮭でないと子どもがご飯を食べない」という声をいただくこともあります。週末の朝、熟成された鮭をゆっくりと焼いて、贅沢な時間を楽しんでいただければ幸いです。
―もう一つの人気商品「銀鮭半身塩干し」が生まれた背景には、どのような思いがあるのでしょうか。
安宅 魚を愛する仲買人たちの「一匹の魚を余すところなく、最後まで大切に食べてもらいたい」という願いから生まれた商品です。魚への敬意と「もったいない」という精神が根底にあります。自分たちが誇りを持って扱っている魚だからこそ、その価値を最大限に伝えたいという仲買人の矜持が込められているのです。

余計な味付けをせず、塩のみで鮭本来の風味を際立たせた、
シンプルながら贅沢な一夜干し。
通常は半身(画像左)の状態だが、切身(画像右)の状態でのお届けも可能。
―製法や、おいしく味わうためのポイントについてお聞かせください。
安宅 この干物は機械を一切使わず、熟練の職人が一匹ずつ丁寧に包丁を入れています。機械で切ると身に圧力がかかって旨みが逃げてしまいますが、手作業なら身の食感や脂を損なうことなく仕上げることができるのです。また、作り置きをせず毎日「その日の分だけ」を作る、鮮度へのこだわりも私たちの誇りです。焼き方のコツは、皮目が少し焦げて香ばしい香りが立ち上るくらいまで、じっくりと焼き上げること。そうすることで皮のパリパリとした食感と、内側に閉じ込められた身の旨みを同時に味わえますよ。

皮目はパリッと香ばしく焼くのがおすすめ。
―最後に、今後の展望についてお聞かせください。
安宅 私たちの理念は「魚で人と社会を幸せにする」ことです。最近では、漁師さんと手を合わせてブランド化した、出荷の直前に神経締めをする「白皇鮃(ハクオウヒラメ)」などを、漁師さんから直接店頭で販売してもらう取り組みなども始めています。獲る人と食べる人の距離を縮めることで、魚の価値を伝えていきたいのです。漁師さんの後継者不足や水揚げ量の減少など課題は多くありますが、地域の漁業と共生し、次世代へ豊かな魚文化を繋いでいくことが私たちの使命だと考えています。単なる販売店ではなく、魚の価値を創造し続ける「食の架け橋」として、これからも新しい挑戦を続けていきます。
―本日は貴重なお話をありがとうございました。

「【村上特産】銀鮭の味噌漬け4切×1パック」
価格:¥1,600(税込)
店名:岩船港鮮魚センター オンラインストア
電話:0254-52-1261(8:30~17:00)
商品URL:https://iwafune-sengyo.com/item-detail/1193356
オンラインショップ:https://iwafune-sengyo.com/

「銀鮭半身塩干し」
価格:¥3,280(税込)
店名:岩船港鮮魚センター オンラインストア
電話:0254-52-1261(8:30~17:00)
商品URL:https://iwafune-sengyo.com/item-detail/1286272
オンラインショップ:https://iwafune-sengyo.com/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
安宅謙(株式会社岩船港鮮魚センター 代表取締役)
1962年新潟県生まれ。1980年に株式会社岩船港鮮魚センター(当時:岩船港鮮魚事業協同組合)に新卒第一号として入社。現場一筋で職人としての腕を磨き、取締役を経て2018年に代表取締役社長に就任。現場主義を貫き、現在も自ら包丁を握りながら、地域漁業の活性化と魚食文化の継承に尽力している。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/田中香花 画像協力/岩船港鮮魚センター>




























