
香ばしい信濃くるみと濃厚なチーズの黄金比。老舗が誇る、濃厚チーズケーキ「胡桃の醍醐味」
2026/03/19
今回、編集長のアッキーが注目したのは、香ばしいくるみの香りと濃厚なチーズが重なり合う贅沢なチーズケーキ「胡桃の醍醐味」です。手がけるのは、日本一のくるみの産地・長野県東御(とうみ)市で大正元年から110年以上愛され続ける老舗、「御菓子処花岡」。看板商品のチーズケーキ「胡桃の醍醐味」は、職人が5年をかけて黄金バランスを追求した逸品です。

また、見た目にも心躍る「くるみるく」は、サクッとした最中種とカリッとしたくるみの食感が楽しい、新感覚の和菓子。その背景には、幾多の困難や悲しみを乗り越えて家業を背負い、今もなお、毎朝4時から自ら現場に立つ4代目女性社長の、しなやかで強い職人魂がありました。取材スタッフが、有限会社御菓子処花岡 代表取締役の花岡かつ子氏にお話を伺いました。

有限会社御菓子処花岡 代表取締役の花岡かつ子氏
―まずは、御菓子処花岡の歩みについてお聞かせください。
花岡 私たちの店は、1912年(大正元年)に私の祖父が長野県東御(とうみ)市の祢津(ねつ)地域でお菓子の製造を始めたのが始まりで、創業110年以上の歴史があります。創業当時は山沿いの小さな集落でお煎餅を焼いていたと聞いています。2代目の父も婿養子として店を継ぎ、地域に根ざしたお菓子作りを続けてまいりました。
その後、私の夫が3代目として跡を継ぎました。夫は山口県の出身なのですが、この地に移り住んだとき、豊かな自然とともに「くるみのおいしさ」に強く心を打たれたそうです。それがきっかけとなり、約45年前から地元の「信濃くるみ」を主役にしたお菓子作りに本格的に力を入れるようになったのです。今では和菓子と洋菓子をあわせて100種類以上のラインナップがありますが、その根底には、日本一の産地である東御市のくるみの魅力を、お菓子を通じて伝えたいという一貫した思いがあります。


日本一のくるみの産地、長野県東御市でくるみ菓子を届ける御菓子処花岡。
「信濃くるみ」のおいしさを伝えたいという先代たちの願いが、
商品の一つ一つに込められている。
―4代目として店を引き継がれた際には、大変なご苦労があったそうですね。
花岡 今から24年前、夫が前身の東部町の町長選に出馬することになったのですが、その時期と同じくして、岡山で菓子職人の修業を終えて戻ってきたばかりの息子夫婦を不慮の事故で亡くすという、想像もしなかったことが起こりました。残されたのは、まだ2歳の孫が一人。悲しみに暮れる暇もなく、家族のことや、孫の育児をどうしていくべきか、お店はどうするべきか、暗闇の中にいるような日々でした。
その後夫は東御市長としての重責を担うことになりましたから、誰かがこの100年続く店を守らなければなりません。そう考えた時にはもう、迷いはありませんでした。私はお菓子を作ることも、見ることも、食べることも大好きでしたから、「家のことは私に任せて、あなたは市長としての責任ある仕事を頑張ってください」と、私が社長を引き受ける決意をしました。
当時はまだ5店舗ほどでしたが、地域の方々が「市長も頑張れ、花岡も頑張れ」と温かく応援してくださったことが、何よりの支えになりました。今でも私は、毎朝4時前には起床して和菓子の工場に立ち、職人たちと一緒に朝作ったものを開店時には本店・支店に並ぶように配送をしています。
―看板商品である「胡桃の醍醐味」は、どのようなきっかけで誕生したのでしょうか。
花岡 2005年頃、日本でニューヨークチーズケーキのブームがありました。そのとき、私たちの宝物であるくるみとチーズを組み合わせて、どこにもない最高のお菓子を作れないかと考えたのが始まりです。ところが、くるみの香ばしさと濃厚なチーズのバランスを両立させるのは至難の業でした。どちらかの主張が強すぎてもいけませんし、食感のコントラストも重要です。土台となるクッキーの配合やチーズの濃度、くるみペーストの量など、0.1%単位での試行錯誤を繰り返しました。納得のいく「黄金バランス」に辿り着くまでに費やした歳月は、実に5年。商品名の「醍醐味」という言葉には、私たちが老舗のプライドをかけてたどり着いた「これ以上ないおいしさ」という意味を込めています。今日では、東御市を代表する手みやげとして多くの方に選んでいただける商品へと成長しました。

香ばしいくるみと濃厚なチーズが奏でる珠玉の逸品「胡桃の醍醐味」。
長野のアンテナショップや都内百貨店でも高い評価を得る、
東御市を代表する手みやげの決定版。
―「胡桃の醍醐味」のおいしさへのこだわり、おすすめの楽しみ方を教えてください。
花岡 最大の特徴は、手間を惜しまないことです。一番下には、くるみをふんだんに練り込んださっくりとしたクッキー層。上には濃厚でしっとりとしたハードタイプのチーズケーキを焼き上げています。一口食べた瞬間にくるみの香りが鼻を抜け、後からチーズのコクが追いかけてくる。この味の重なりは、熟練の職人が毎朝丁寧に焼き上げているからこそ実現できるものなのです。小ぶりなサイズですが、ハードタイプならではの重厚感があり、一つで深い満足感を得ていただけます。

くるみ入りクッキー層、チーズケーキ。
手間を惜しまない「三層仕立て」が、奥行きのある味の重なりを生む 。
花岡 お召し上がりの際は、ぜひ冷蔵庫でしっかりと冷やしてからお召し上がりください。ひんやりとした口当たりのなかで、チーズのなめらかさとクッキーの軽やかな食感がより際立ちます。頑張った自分への小さなご褒美として、お気に入りのコーヒーや紅茶と一緒に楽しむ時間は、格別なものになるはずです。長野県のアンテナショップや都内の有名百貨店でも高く評価していただき、全国各地にリピーターの方がいらっしゃることは、私たちにとって大きな自信となっています。

家事や仕事の合間のリフレッシュに。
温かいミルクやカフェオレを添えれば、自分を労わる特別なひとときに変わる 。
―もう一つの人気商品「くるみるく」の誕生には、どのような物語があるのでしょうか。
花岡 「くるみるく」は、本店の前にあるシンボルツリーのくるみの木から落ちた実を、実際に型に取って作った可愛らしいくるみ型の最中なのです。「上から読んでも下から読んでも、『くるみるく』」という遊び心のあるネーミングは、スタッフとの会話から生まれました。地元の風景や自然への愛情を形にしたこのお菓子は、見た目の愛らしさから、近年急速に人気が高まっています。
―「くるみるく」のこだわりや、おすすめの楽しみ方を教えてください。
花岡 ミルクの濃厚さを引き出しつつ後味をすっきりさせるために、中のあんこに「焦がしキャラメル」を練り込んでいるのが隠し味なのです。口に入れた瞬間に広がる香ばしさと、くるみ本来のおいしさを引き立てる優しい甘みのバランスには、徹底的にこだわりました。サクッとした最中種と、中に入った大粒のくるみのカリッとした食感が心地よいアクセントになり、食べ進めるごとに新しい発見があるはずです。パクっと一口で食べられるサイズ感ですので、お茶会の席でも上品に楽しめると好評をいただいています。また、温かいミルクやカフェオレとの相性も抜群で、家事や仕事の合間のリフレッシュにも最適です。見た目の可愛らしさと、キャラメルが織りなす意外性のあるおいしさのギャップを、ぜひ楽しんでいただきたいですね。

口に入れた瞬間、焦がしキャラメルのほろ苦い甘みが広がる。
濃厚なのに後味はすっきりとした、新感覚の和菓子。
―他にもおすすめのお菓子があれば、ぜひご紹介ください。
花岡 手づくりにこだわった「くるみの初恋」も根強いファンが多い商品です。泡を消さないよう、熟練の職人がへらで一つひとつ生地をすくい取って並べ焼き上げるメレンゲ菓子で、口の中でサクサクと溶ける繊細な食感が自慢です。さらに最近では、手間暇をかけた「信州檸檬ケーキ」も人気です。ピール入りの生地を焼き上げ、シロップとバタークリームを塗り、さらにレモンチョコレートをかけて仕上げる、一つひとつの工程を大切にしたお菓子です。和菓子と洋菓子の両方を自社製造する私たちの強みを活かし、若い方からご年配の方まで楽しんでいただけるお菓子作りを常に心がけています。

サクサクとしたメレンゲ菓子の「くるみの初恋」(左)と、
さっぱりとした「信州檸檬ケーキ」(右)。
―最後に、今後の展望をお聞かせください。
花岡 110年以上守り続けてきた「手作りの味」と、地域への思いは、何があっても変えてはならない大切なものです。その一方で、今後はスタッフの負担を少しでも軽減していきたいという思いも強く持っています。お菓子作りは朝が早く、非常に体力のいる仕事ですから。これからは、人間の手で丁寧に行ってきた仕事の質を落とすことなく、同じ品質を実現できるような機械化を慎重に進めていく必要があると考えています。
私の夢は、いつかすべてのあんこを豆を煮るところから自社で行うこと。素材へのこだわりをさらに深め、スタッフがより生き生きと働ける環境を整えることで、100年先の未来まで東御市のくるみ文化を繋いでいきたいのです。お菓子を買う場所としてだけでなく、訪れる人がホッと一息つける「心の拠り所」であり続けられるよう、これからも真心込めてお菓子を届けてまいります。
―本日は貴重なお話をありがとうございました。

「胡桃の醍醐味(5個入り)」
価格:¥1,458(税込)
店名:御菓子処花岡
電話:0268-62-0236(9:00~19:00 土日・祝日を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://okashi-hanaoka.shop-pro.jp/?pid=128602001
オンラインショップ:https://okashi-hanaoka.shop-pro.jp/

「くるみるく(2個入り)」
価格:¥248(税込)
店名:御菓子処花岡
電話:0268-62-0236(9:00~19:00 土日・祝日を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://okashi-hanaoka.shop-pro.jp/?pid=128621467
オンラインショップ:https://okashi-hanaoka.shop-pro.jp/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
花岡かつ子(有限会社御菓子処花岡 代表取締役)
1951年長野県生まれ。創業大正元年の老舗「御菓子処花岡」の4代目社長。日本一のくるみの里・東御市の魅力を伝えるべく、地元の「信濃くるみ」にこだわった和洋菓子を展開。今もなお、毎朝4時から自ら工場に立ち、職人として現場を支え続けている。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/藤井ちあき 画像協力/御菓子処花岡>




























