30カ月熟成の深いコク。山形の凄腕栽培家と希少なぶどう“黒い宝石”の名が付いた赤ワイン「2022 我妻重晴 ビジュ・ノワール」

2026/02/27

今回、編集長のアッキーが注目したのは、30カ月の長期熟成がもたらす深いコクが魅力の赤ワイン「2022 我妻重晴 ビジュ・ノワール」です。グラスを傾ければ、時間をかけて引き出された芳醇な香りが、日常を特別なひとときへと誘います。
その背景には「黒い宝石」を意味する名を持つこの一本のために、山形の厳しい気候を味方につけ、栽培家とワイナリーが二人三脚で育て上げたのです。温暖化という困難をあきらめるのではなく、「新しいおいしさ」へと変えていく情熱が、その一滴に凝縮されています。取材スタッフが、山形県に本社を構える、株式会社高畠ワイナリーの代表取締役社長、高橋和浩氏にお話を伺いました。

株式会社高畠ワイナリー 代表取締役社長の高橋和浩氏

―まずは、御社の歩みについてお聞かせください。

高橋 私たちのルーツは、1932年に長野県で創業したワイナリーにあります。親会社であった南九州コカ・コーラボトリングがワイン事業を拡大する際、新たな理想の地を探していました。東日本中を調査した末に出会ったのが、この山形県・高畠町(たかはたまち)だったのです。ここはデラウェアの生産量日本一を誇る名産地で、町全体に「最高級のワインを造りたい」という熱意があふれていました。1990年、長野で培われた技術と精神を受け継ぎながら、この地で新たな挑戦をスタートさせたのが高畠ワイナリーの始まりです。九州の企業が東北の地で、長野で培ったものを胸に踏み出すという、まさに地境を越えた再出発でした。

「高畠を世界に誇るワインの里にする」。
創業時から変わらぬ想いが、この風景に息づいている。

山形県高畠町。
デラウェア生産量日本一を誇るこの地は、まさにワイン造りのための地だ。

―社長ご自身は、どのような思いで歩まれてきたのですか?

高橋 私は山形県で生まれ育ち、大学進学を機に東京へ出ました。当初、大学を卒業した後は酒類卸の仕事に就き、そのまま東京でキャリアを積むつもりでいたのです。しかし、家庭の事情で帰郷することになり、たまたま創業2年目だったこのワイナリーを訪れたのが縁でした。当時の責任者に「これから高畠を世界に誇るワインの里にする。一緒に挑戦しないか」と熱心に誘われ、1992年に入社したのです。当時は「高畠」という名を知る人も少なく、ブランディングもこれからという状態でした。
私は営業として日本中を歩き、まずは「高畠」を知ってもらうことから始めました。地域と共生し、100年かけてでも世界に誇る品質を追求するという創業者の精神。それを胸に、市場の声を聞きながら、高畠という産地の価値を高めることに注力してきました。2023年に代表に就任しましたが、その根底にある思いは変わりません。

―今回ご紹介いただく「2022 我妻重晴 ビジュ・ノワール」は、名前からして非常に特別感がありますね。誕生のきっかけを教えてください。

高橋 このワインは、気候変動という現代の大きな課題に対する、私たちの挑戦の形です。 近年の温暖化の影響で、赤ワイン用のぶどうが十分に色付かない年が出てくるなど、品質を維持することが難しくなってきました。 そこで私たちが注目したのが、山梨県で開発された「ビジュ・ノワール」という品種でした。 「黒い宝石」という意味を持つこのぶどうは、どんなに暑い年でも真っ黒に熟し、濃縮された色合いと力強い味わいをもたらしてくれます。 2012年から試験栽培を始めましたが、「この品種なら高畠の新しい歴史を作れる」と確信しました。
ただ、ぶどうが優れていても、それを育てる「人」がいなければ最高のワインは生まれません。 このワインの誕生には、地元の凄腕栽培家である我妻重晴(わがつま しげはる)氏の存在が欠かせませんでした。 彼との深い信頼関係があったからこそ、この希少な品種のポテンシャルを最大限に引き出すことができたのです。 温暖化という困難をあきらめるのではなく、「新しいおいしさ」に変えていく。 未来のワインシーンを守りたいという私たちの願いを、この一本に託しています。

商品名に刻まれた「我妻重晴」の名。
それは、地元が誇る凄腕栽培家への最大級の敬意の証だ。

「黒い宝石」の名を持つビジュ・ノワール。
どんなに暑い夏でも、漆黒の色合いと凝縮された旨みを蓄える。

―ラベルにお名前を刻んでいる点にも、強いこだわりを感じます。醸造プロセスでの特徴も詳しくお聞かせください。

高橋 特定の栽培家の名前をラベルに載せることは、私たちの「一切の妥協を許さない品質への誓い」でもあります。 我妻さんが精魂込めて育てたぶどうの個性を、いかに余すことなく表現するか。醸造チームは心血を注いでいます。
一般的なワインの熟成期間は半年から1年ほどですが、私たちがたどり着いたのは、実に「30カ月」という途方もなく長い時間でした。2年半以上もの間、樽の中でしっかりと寝かせることで、カシスやプラムのような凝縮された果実味と樽の香りが溶け合い、奥行きのある複雑な味わいが生まれます。
それは大量生産では決して真似できない、一樽ごとに目を配り、手をかけすぎるほどにかけて育てる「ガレージスト(小規模・高品質主義の造り手)」的な情熱そのもの。この一滴には、そんな私たちのクラフトマンシップが宿っています。
また、樽熟成の過程で乳酸発酵を経ることで、角の取れた「まろやかさ」へと変化します。しっかりとしたボディ感がありながらも、喉を滑るような質感。品種の力強さを優雅な品格へと昇華させたこの味わいを、ぜひ楽しんでいただきたいですね。

2年半以上の熟成を経て、カシスやプラムのような果実味と、樽由来の芳醇な香りが複雑に重なり合う。

―贅沢な時間を経たワイン、どのように楽しむのがおすすめですか?

高橋 まずは温度にこだわってみてください。 冷やしすぎず、少し高めの17度から20度くらいで楽しむことで、豊かな香りとまろやかさが一気に花開きます。 お料理とのペアリングも、本格的な肉料理はもちろんですが、実はご家庭の「肉じゃが」や「すき焼き」などとも最高の相性を見せてくれます。 醤油や砂糖のコク、お肉の脂を、ワインの持つ力強さが優しく受け止めてくれる。いつもの夕食が、格別なご褒美の時間に変わるはずです。 週末の夜、お気に入りの音楽と共にゆっくりとグラスを傾け、一週間の自分を労うひとときを過ごしていただけたら嬉しいですね。

コクのある深く複雑な味わいをワインの力強さが優しく受け止める。
いつもの夕食が、格別なご褒美に変わる瞬間。

―ワイン愛好家の間でも注目されているそうですね。

高橋 はい。最近ではこの「ビジュ・ノワール」というぶどう品種が、「日本ワインの未来を担う期待の品種」として、ワイン愛好家の方々から熱い支持をいただいています。 少量生産で希少なため、まだ広くは知られていませんが、だからこそ「知る人ぞ知る逸品」としての価値があります。 大切な方への贈り物に選んで、その背景にあるストーリーと共に喜ばれたというお声も多く、知的な楽しみを提供できる一本だと自負しています。

―最後に、今後の展望について教えてください。

高橋 私たちは「100年構想」を掲げています。 世界基準のブランドを築き上げるのは一朝一夕にはいきませんが、100年かけてでも、高畠を世界のワイン産地の一つにするという揺るぎない覚悟があります。 それは単にワインを売るだけでなく、町全体を「旅の目的地」と変化させることによって、地域に貢献していくことでもあります。 駅から徒歩10分という立地を活かし、多くの方に足を運んでいただきたい。 そして、ぶどう農家の方々への恩返しとして、次世代の若者が誇りを持ってこの産業に携われる未来を作りたいのです。 皆様がこのワインを選んでくださることが、山形の美しい風景と100年後の未来を守ることに繋がっています。

―本日は貴重なお話をありがとうございました。

「2022 我妻重晴 ビジュ・ノワール(750ml)」
価格:¥3,520(税込)
店名:クラブ高畠ワイナリー
電話:0120-110-468(10:00~16:00)
定休日:年中無休(1月〜3月は水曜定休。他、臨時休業あり)
商品URL:https://takahata-winery-club.com/item-detail/1844515
オンラインショップ:https://takahata-winery-club.com/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

高橋和浩 (株式会社高畠ワイナリー 代表取締役社長)
1962年山形県生まれ。法政大学卒業後、酒類系卸に勤務。1992年帰郷し高畠ワイナリー入社。創業間もないワイナリーで隣県および首都圏での営業を担い市場開拓とブランディングに注力。自社ワインのみならず日本ワインの普及に努める。取締役営業部長を経て2023年より現職。

<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/田中香花 画像協力/高畠ワイナリー>

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