
ふわふわ食感がたまらない!水揚げ1分で釜揚げ、無冷凍の徳島産「椿泊シラス」
2026/01/30
今回、編集長のアッキーが注目したのは、水揚げからわずか1分で釜揚げされ、一度も冷凍されずに食卓へ届く「椿泊(つばきどまり)シラス」です。口に入れた瞬間に広がるふわふわの食感と、噛むほどにあふれる魚本来の濃厚な旨味は、これまでのシラスの常識を覆す驚きの体験です。
その背景には、漁船、加工場、そして物流トラックまでをすべて自社で保有するという、全国でも珍しい一貫体制へのこだわりがありました。取材スタッフが、徳島県に本社を構える、有限会社竹内水産の代表取締役、竹内正氏にお話を伺いました。

有限会社竹内水産 代表取締役の竹内 正氏
―まずは、御社の歩みについてお聞かせください。
竹内 もともとここ徳島県の椿泊(つばきどまり)は阿波水軍から続く伝統の漁師町です。上質な魚が獲れる一方で、それを扱う地元の業者がいませんでした。そのため、魚は遠方の業者に買われ、椿泊の知名度は低いままでした。そんな現状が悔しくて、「自分たちの手で地元の魚を届けたい」と一念発起したのが始まりです。1983年にトラック1台で創業し、最初は鮮魚の仲買からスタートしました。その後、より高い品質を追求するためには自分たちで加工まで手がける必要があると考え、1993年からは自社でのシラス加工事業も開始しました。


徳島・椿泊町の豊かな海。
「地元の魚を最高の状態で届けたい」という情熱は当時から変わらない。
―現在は、ご子息も家業に戻られ、親子で会社を盛り上げていらっしゃると伺いました。
竹内 はい。2人の息子が帰ってきてくれました。次男は10年ほど前に戻り、今は仕入れなどの現場を任せています。長男はソニーで勤務した後に2年前に戻り、広報や直営店「飛べシラス」の運営、DXなどを担当しています。私がアナログ世代なので、息子たちがそれぞれの得意分野で力を発揮してくれているのは心強いですね。
また、そうした新しい取り組みができるのも、根底に「デザインへのこだわり」があるからかもしれません。実は私も建築が好きで、自宅はログハウスなんですが、直営店を作る際も徳島の著名な建築家にお願いしました。木のぬくもりを生かした内装など、私の美意識と息子たちの新しい感覚が融合して、今のブランド展開につながっていると思います。



直営店「飛べシラス 万代店」は、木の温もりが感じられる洗練された空間。
「椿泊シラス」のマークも、デザイナーに制作を依頼したこだわりが。
―ここからは看板商品「椿泊シラス」について伺います。一般的なシラスと違い、「無冷凍」での流通にこだわっていらっしゃる理由は何でしょうか?
竹内 一番の違いは「旨味」です。一般的にスーパーなどで流通しているシラスは漁期が短いため、一年を通して流通できるよう、水揚げ時に一度冷凍保存し、必要に応じて解凍・パック詰めして販売しています。しかし、冷凍・解凍のプロセスを経ると、どうしても旨味成分が抜けてしまうのです。
一方で私どもの椿泊漁港は、年間200日以上もシラス漁ができる恵まれた漁場です。だからこそ、冷凍に頼らず、年間を通じて「獲れたて・無冷凍(チルド)」の状態でお客さまにお届けできます。過去にはJALさんと連携して空輸に挑戦したこともあり、それが「飛べシラス」という名前の由来にもなりました。効率よりも「本来の味」を届けることを最優先にしています。

ふわふわとした食感は、無冷凍である何よりの証拠。
―「水揚げから1分以内に釜揚げ」というスピードには驚きました。おいしさの秘密はそこにあるのでしょうか?
竹内 それが最大の強みですね。うちの加工場は漁港の目の前にあり、船から水揚げされたシラスを、1分以内で釜に入れることができます。魚が泳いでいた状態から瞬時にボイルされるため、鮮度落ちが一切なく、魚臭さも気になりません。また、この「紀伊水道」という海域であることも重要です。黒潮が流れ込むこの海域は、対岸の和歌山や他の海域と比べても潮の流れが良く、エサが豊富でシラスの脂の乗りが格別においしいと言われています。
その素材の良さを生かすために、設備には徹底的に投資してきました。30年ほど前からステンレス製の機械を導入していますが、これまでに3回も機械を入れ替え、現在は静岡のトップメーカーのものを使っています。塩加減も職人の勘だけに頼らず、「塩度コントローラ」を導入して、常に一定の塩分濃度になるようデジタルで数値管理しています。鮮度が抜群にいいので、過度な加熱殺菌や消毒薬剤などの添加物を使う必要がありません。「鳴門のうず塩」のみで炊き上げ、安心でおいしいシラスを作ることができるのです。

加工までの圧倒的なスピードと、最新鋭の設備により、獲れたての鮮度を維持。

味付けに使用するのは、地元徳島の「鳴門のうず塩」のみ。
―社長おすすめの「椿泊シラス」のおいしい食べ方を教えてください。
竹内 一番のおすすめは、炊きたてのご飯にたっぷりと乗せて、すだちをきゅっと絞り、ほんの少し醤油やポン酢をかけるだけのシンプルな食べ方です。臭みが全くないので、魚本来の甘みとふわふわの食感に驚かれると思いますよ。ご飯だけでなく、パスタやピザのトッピング、サラダなど、洋風のアレンジにもよく合います。完全無添加で、塩分も控えめに調整しているので、小さなお子さまの離乳食としても安心して使っていただけますよ。


まずは何もかけずに、魚本来の甘みと香りを楽しんでほしい。
和食だけでなく、オリーブオイルやチーズとの相性も抜群。
――市場のプロなどからの評判はいかがですか?
竹内 ありがたいことに、日本中の魚が集まる豊洲市場の担当者の方々が、「自分のおかずにはこれを持って帰る」と言って指名買いしてくださいます。一番おいしいものを知っているプロに選ばれるのは自信になりますね。また、お歳暮などのギフトで贈られた方が、「こんなにおいしいシラスは初めて食べた」と感動してくださり、ご自身でリピーターになって注文してくださるケースも非常に多いです。
―最後に、今後の展望や、水産業界への思いをお聞かせください。
竹内 漁業というと、いわゆる「3K(きつい・汚い・危険)」のイメージを持たれがちですが、それを変えていきたいですね。「楽しくて、かっこいい仕事だ」ということを発信し、次世代にこの文化をつないでいきたいと考えています。
実際に、船の設備もエアコンやテレビが付いたりと快適になっていますし、大学院を出て漁師になった若手もいます。若い人たちが「漁師になりたい」と憧れ、その子どもや孫の代まで誇りを持って続けられるような仕事にしていきたい。私たちが本当においしい魚を届けることで、日本の漁業の未来を守り、育てていければと願っています。
―貴重なお話をありがとうございました!

「椿泊シラス」(500g)
価格:¥1,780(税込)
店名:竹内水産
電話:0884-33-1148
商品URL:https://takesui-shop.com/products/%E6%A4%BF%E6%B3%8A%E3%82%B7%E3%83%A9%E3%82%B9500g
オンラインショップ:https://takesui-shop.com/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
竹内正(有限会社竹内水産 代表取締役)
1959年徳島県生まれ。1983年に有限会社竹内水産を創業。地元漁師を経て、魚の流通に関心を持ち、魚の仲買会社を始める。1993年にしらす加工事業を始め、豊洲市場のしらす部門でトップクラスのシェアを持つ商品に成長させた。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/藤井ちあき 画像協力/竹内水産>




























