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食卓が華やぐ、福島の老舗魚店の宝箱、酒粕の旨みがしみ込んだ「いわき七浜漬」とご飯のおともに絶品「自家製 うにみそ」

2025/12/02

家族のお祝いや、季節の集まり。そんな嬉しい日の食卓に、箱を開けた瞬間に歓声があがるような逸品があったら素敵です。今回、編集長のアッキーが注目したのは、豪華な海鮮「いわき七浜漬」と、万能な「自家製 うにみそ」です。これらは、福島県いわき市で100年以上の歴史を持つ老舗魚店が手がける、まさに「福島の宝箱」のようなごちそう。魚介の旨味が凝縮された味わいは、食卓を一気に華やかにしてくれます。その背景には、震災による倒産の危機を「覚悟」で乗り越え、福島の食の魅力を発信し続ける、4代目夫婦の力強い物語がありました。取材スタッフが、株式会社大川魚店 代表取締役社長の大川勝正氏に話を伺いました。

株式会社大川魚店 代表取締役社長の大川勝正氏

株式会社大川魚店 代表取締役社長の大川勝正氏

まずは、御社のこれまでの歩みについてお聞かせください。

大川 創業は1910年(明治43年)です。当初は水産加工業としてスタートし、1950年(昭和25年)に鮮魚店へと業態を変更しました。私が子どもの頃は、商店街にある小さな魚屋で、店舗の裏手にあった実家に冷凍庫などの設備を増設し、さらに隣接する銀行の跡地を取得して、土産品店として活用していました。しかし、一つの敷地内に鮮魚店と土産品店が別々に建っている状態で、動線が非常に悪く非効率でした。そのため、2006年に2つの店舗を統合する形で全面改装しました。

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創業は1910年(明治43年)。継ぎ足しだった店舗を2006年に全面改装し、
鮮魚と土産品を扱う現在の本店の形に統合した。

―ご自身4代目として、家業を継ぐことは早くから決めていらっしゃったのですか?

大川 いえ、大学時代は「自分で起業したい」と考えていました。食品商社なども考えたのですが、大学4年生のときに家業を継ぐことも考え始めました。ただ、事業を継ぐにしても「モノの売り方」を全く知らなかったので、まずは勉強しようと流通大手のイオン(当時はジャスコ)に就職しました。

ですが、魚屋の包丁技術は若いうちに覚えないと身につかないとも感じていたので、2年半ほどで福島へUターン。その後、2011年の東日本大震災で店は大きな被害を受けました。落ち着いて資金繰りを計算してみると、その年の8月に倒産することがわかったんです。「これまで一生懸命やってきたけれど、もう終わってしまうのか」と諦めそうになりましたが、「どうせ潰れるのであれば、やり切って倒産したい」と、逆に覚悟が固まりましたね。銀行から融資を受け、急いで店を建て直し、わずか3カ月半後の7月には再オープンにこぎつけました。実はこの復興と挑戦の裏には、2003年ごろから妻が育児の傍ら独学で立ち上げたECサイトの存在もありました。

―震災からの見事な復興、その覚悟に圧倒されます。お店の看板商品である「いわき七浜漬」には、どのような思いが込められているのでしょうか。

大川 「いわき七浜漬」は、私の祖父(2代目)が40年~50年前に考案した商品です。当時、「焼かずに、そのまま生で食べられる粕漬け」というコンセプトで作り出されました。商品名の「いわき七浜」というのは、この辺りの7つの漁港の総称として昔から使われていた言葉です。祖父には、「蓋を開けた時に、いわきの海の幸を一度に感じられる商品を作りたい」という思いがありました。このセットにはあわびやうに、すじこなど10種類もの具材が入っていますが、名前の「七」にこだわらず、おいしいものをあれもこれもと詰め込みたいという、祖父のサービス精神の表れでもありますね。

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大川社長の祖父が考案した看板商品「いわき七浜漬」。
あわび、すじこ、数の子、無着色たらこ、有頭えび、ほたて、
チリ産うに貝焼、ほっき貝、いか、サーモンと、海の恵みが詰まった一品。

10種類も!おじいさまのおもてなしの心が伝わります。その「いわき七浜漬」の、製法やこだわりについて詳しく教えてください。

大川 最大の特徴は、届いたら「焼かずに、そのまま食べられる」ことです。アワビなど、火を通す必要がある魚介は、あらかじめ釜茹でなどで加工し、すぐに食べられる状態で漬け込んでいます。また、酒粕にもこだわっており、福島・二本松の「大七酒造」さんのものを使っています。ただ、その酒粕をそのまま使うのではなく、さらに調味料を加えて練り直し、魚介に最も合うように調整しているんです。

そして伝統的な製法として、その酒粕を薄く伸ばした「酒粕シート」を作り、魚介をシートで挟んで漬け込みます。この製法のおかげで、一般的な粕漬けのように水洗いする必要がなく、酒粕の旨味だけが魚介に染み込みます。さらに、この豪華な盛り付けは、すべて手作業です。我々は魚屋なので、「刺身の盛り合わせ」を作る感覚ですね。赤身の隣には白身を置くなど、彩りやバランスを計算して、一番美しく見えるように並べています。

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福島・大七酒造の酒粕を特製調味料で練り直し、
シート状にしたものが旨味の決め手。

手間をかけずに、こんなに豪華な盛り付けがそのまま楽しめるのは嬉しいですね。おすすめのいただき方はありますか?

大川 やはり、お祝い事や年末年始など、人が集まる「ハレの日」の食卓に最適です。器に盛り付け直さずに、そのままテーブルに出すだけで食卓が映えると好評ですよ。大七酒造さんの酒粕を使っているので、お酒のあてとして、特に「辛口の日本酒」との相性は抜群です。周りを囲んでいる昆布も、単なる飾りではなく、ハサミで切って一緒にお召し上がりいただけます。

テレビなどでも拝見したことがあります。反響も大きかったのではないでしょうか。

大川 そうですね、テレビ番組でもたびたび紹介していただいています。ありがたいことに、紹介された際は注文が殺到しました。この放送がちょうどコロナ禍直前で、おうちで贅沢したいという当時のお取り寄せ需要、いわゆる「ポチポチ需要」と重なり、EC通販で大ヒットとなりました。年末の繁忙期が終わった直後だったのに、年末がもう一度来たような忙しさでしたね。

―もうひとつの「自家製 うにみそ」も人気商品だそうですね。こちらはどのような経緯で誕生したのですか?

大川 「自家製 うにみそ」のルーツは、地元で古くから作られてきた「浜料理」です。もともとは、日持ちしない生うにを保存するために、味噌や卵と一緒に炊き上げた家庭の味でした。大川魚店でも、当初は賞味期限が近い生うにを廃棄しないための「フードロス対策」として、お惣菜カップで販売していました。うにが余った時だけ並ぶ「イレギュラー商品」でしたが、あまりの人気に、店頭に並ぶとすぐに買ってくださるファンの方が続出したんです。そこで「ちゃんと製品化しよう」と、それまでは作る人によって多少違っていた味を均一化し、定番商品へとランクアップさせました。

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地元の浜料理がルーツの「うにみそ」。
日持ちしない生うにを廃棄しないためのフードロス対策として誕生。

フードロス対策から定番商品になったとは、驚きです。こだわりや、おすすめの食べ方を教えてください。

大川 2種類のうにと家伝の味噌、卵を使い、大きなお鍋でじっくりと炊き上げています。塩味は強くなく、「ほど良い甘み」が特徴で、手作りの温かみを感じる味わいです。一番のおすすめは、やはりあたたかいご飯の上に乗せる食べ方ですね。おにぎりの具としても最適です。味噌とうにのコクは「洋」の食材とも相性が良く、パンにのせてトーストすれば「うにピザ風」になりますし、牡蠣にマヨネーズと乗せて焼いたり、生クリームでのばしてパスタソースにしたりと、万能調味料として活躍しますよ。

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白いご飯だけでなく、パンやパスタにも合う万能調味料。

うにピザ風トースト、ぜひ試してみたいです!タレントのカンニング竹山さんも絶賛されているとか。

大川 そうなんです。この「うにみそ」のおいしさに惚れ込んでくださっています。震災後、竹山さんがテレビとは関係なくプライベートで福島を訪れた際にこの商品を購入してくださいました。その味を大変気に入って、今でも買いに来てくださる常連さんです。以前、ある民放のトークバラエティ番組で、台本にはなかったにも関わらず、竹山さんご本人がこの「うにみそ」を紹介してくださったこともありました。

震災を乗り越え、多くの方に愛される商品を生み出してきたのですね。最後に、今後の展望についてお聞かせください。

大川 「一人でも多くの方に、福島のお魚、常磐もののおいしさを知ってほしい」という思いが一番です。しかし、地球温暖化の影響などで、獲れる魚の種類が変わったり、量が減っているという課題もあります。「これからは、魚を丸ごと売るだけでなく、煮魚や焼き魚に加工して提供するなど、新しい形で魚食文化を広めたい」と考えています。

その思いから、2年前には飲食店事業もスタートさせました。もともとやりたいという構想はあったのですが、コロナ禍の真っただ中、いわき駅ビルから出店の依頼があった際も「挑戦しよう」と決断しました。震災を乗り越えた「魚屋」の挑戦は、これからも福島の魅力を発信し続けます。

―貴重なお話をありがとうございました!

いわき七浜漬 B

「いわき七浜漬 B」
価格:¥7,560(税込)
店名:大川魚店
電話:0246-32-2916(9:30~18:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.ookawauoten.co.jp/view/item/000000000002
オンラインショップ:https://www.ookawauoten.co.jp/

自家製 うにみそ

「自家製 うにみそ」
価格:¥2,160(税込)
店名:大川魚店
電話:0246-32-2916(9:30~18:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.ookawauoten.co.jp/view/item/000000000051
オンラインショップ:https://www.ookawauoten.co.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

大川勝正(株式会社大川魚店 代表取締役社長)
1974年福島県生まれ。立教大学を卒業後、ジャスコ(現イオン)に入社。2年半の修業期間を経て、2001年に株式会社大川魚店に入社。2011年東日本大震災で被災。復旧復興に邁進し、2014年同社代表取締役社長に就任。2023年から新たに飲食事業を展開している。

<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/田中香花 画像協力/大川魚店>

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