
桜・さくらんぼ・将棋駒も!食卓が華やぐアートパスタ「山形の宝パスタセット」
2025/11/27
今回、編集長のアッキーが注目したのは、アートパスタ「山形の宝パスタセット」です。可愛らしい桜やさくらんぼ、将棋の駒の形をしたパスタは、見た目だけでなく、38時間かけて低温乾燥させることで生まれる「もちもち」の食感が特徴です。その背景には、東日本大震災の逆境を乗り越え、地域の“もったいない”資源に新たな価値を見出した、知恵と情熱の物語がありました。取材スタッフが、山形県に工場を構える、有限会社玉谷製麺所の専務取締役、玉谷貴子氏に話を伺いました。

有限会社玉谷製麺所 専務取締役の玉谷 貴子氏
―まずは、御社のこれまでの歩みについてお聞かせいただけますか?
玉谷 1949年に、山形の地でうどん作りから始まりました。周辺の小麦農家さんが小麦粉を持ってきて「麺にしてほしい」と依頼されたことが事業の原点です。創業の決め手となったのは、敷地内の井戸から湧き出る「麺作りに適した良質な水」でした。
大きな転機は、2011年の東日本大震災です。当時は深刻な風評被害にも直面しましたが、この逆境をバネに、「山形でしか作れない、世界から『欲しい』と言われるもの」を作ろうと決意し、「アートパスタ」の開発へと大きく舵を切ることになったのです。


山形の地で、創業以来一貫して製麺業を営む玉谷製麺所。
うどん、蕎麦、ラーメン、パスタを中心に数多くの商品を展開。
―“アート”パスタというと、玉谷専務は、もともとデザインをご専門にされていたのですか?
玉谷 いえ、私は新潟県の出身で、大学は農学部でした。デザインは専門外でしたが、絵を描くのは得意だったので、結婚を機に山形へ移り入社してからは、商品のパッケージデザインを任されるようになりました。商品のデザインをするのであれば、本格的にデザインの基本を学びたいと思い、山形県が主催するデザインセミナーにも参加していました。
そして震災後、その時の講師の方から勧められ、グッドデザイン賞にダメもとで応募してみたところ、製麺業界で初めてグッドデザイン賞を受賞したのです。これがのちのアートパスタ誕生の大きなきっかけとなりました。
―それがアートパスタの誕生に繋がったのですね。今回ご紹介いただく「山形の宝パスタセット」には、「サクラパスタ」「サクランボパスタ」「将棋駒パスタ」が入っていますが、それぞれの誕生秘話をお聞かせください。
玉谷 グッドデザイン賞の受賞が、「製麺所で賞を取った珍しい会社がある」と東北芸術工科大学の目に留まりました。大学との連携プロジェクトで「世界に売れるもの」を模索する中で、現在のアートパスタ開発が本格的にスタートしたのです。
セットに入っている「サクラパスタ」の開発では、無添加で熱に強い「自然な赤色」探しが難航しました。悩んでいたまさにその時、近所の農家さんが「規格外で困っている」と持ち込んでくれたビーツを試してみると、熱に強く美しいピンク色が出ることが判明。「野菜が向こうからやってきた」と、奇跡的な出会いから看板商品が生まれました。このビーツは、サクランボパスタにも使用しています。
「将棋駒パスタ」は、将棋駒の生産日本一である天童市からのご依頼が発端です。市からは当初、同じく生産日本一であるラ・フランスの形を依頼されていたのですが、パスタの形状としては合わないと判断し、逆に「天童市なら将棋の駒でしょう」と提案したことで、このユニークなパスタが誕生しました。



国産のイタリア野菜「ビーツ」、山形県産のサクランボ「佐藤錦」、
山形県産の摘果「ラ・フランス」と、安全な素材を無駄なく使用。
―アートパスタの美しい形状や、独特の食感にはどのような秘密があるのでしょうか?
玉谷 この美しい形状は、そば・うどんで培った製麺技術を応用した、世界で唯一の技術で生み出されています。繊細で複雑なデザインのアートパスタの形状を崩さずにカットできるこの技術は、私を含め社内で3名しか知らない「社外秘」なんですよ。
また、一般的にマカロニは高温で短時間で乾燥させるのに対し、玉谷製麺所では「38時間の低温乾燥」を行っています。この時間と温度でつくることが、形状をきれいに保ち、独特の「もちもち食感」を生み出す秘訣です。創業時から「安全安心な食品を届ける」 という理念も貫いています。
「将棋駒パスタ」には、私の農学部の知識が活かされています。天童市では、大きなラ・フランスを育てるために間引かれた「摘果ラ・フランス」が、廃棄されていました。以前、新潟で「摘果した柿を練り込んだラーメン」 があったのをヒントに、摘果ラ・フランスの論文を探すと、ポリフェノールとGABAが含まれていることを突き止めたのです。そこで農家さんに集めてもらい、ペースト化して練り込んだところ、期待していた栄養成分しっかりと含まれていることが確認でき、予想外の「ラ・フランスの風味」まで加わりました。「サクランボパスタ」には、山形県産「佐藤錦」のピューレを使用し、ビーツで色を補うことで、見た目と中身(山形らしさ)を一致させています。
―おすすめの食べ方や、このパスタならではの楽しみ方を教えてください。
玉谷 まずは、茹でてそのまま、もちもち食感をお楽しみください。シンプルにマヨネーズで和えるだけでもおいしく召し上がれます。カラフルなパスタは、サラダやスープのトッピングに最適ですよ。特に「お弁当」におすすめしています。冷めてももちもち感が続くので、お昼にお弁当の蓋を開けた時の楽しさが違いますよ。「サクランボパスタ」はほのかな酸味があるので、フルーツサラダとも相性抜群です。「将棋駒パスタ」はラ・フランスの風味がするため、ぜひ意外な組み合わせですがホワイトソースと合わせてみてください。


シーンに合わせて使い分けも。
食卓を華やかに彩り、見た目も楽しい。
―メディアでの紹介や受賞歴も多く、多方面から評価されていますね。
玉谷 ありがとうございます。こうした取り組みと品質を評価いただき、テレビの情報番組等で多数紹介されたり、「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」に選定されたりしました。
「サクラパスタ」は、海外展開の取り組みが評価されて「はばたく中小企業・小規模事業者300社」に選定されたほか、「おみやげグランプリ2017」でアメリカ賞を受賞。「サクランボパスタ」も「やまがたふるさと食品コンクール」で最優秀賞を受賞しています。また、「秘密のケンミンSHOW」で「将棋駒パスタ」が紹介されたことも。名古屋市の学校給食にも採用され、「子どもたちがすごく喜んでくれた」と聞いて、とても嬉しく思っています。
―最後にこれからの展望をお聞かせください。
玉谷 「まだまだ夢の形は無限大にある」と思っていますので、その夢をどんどん形にしていきたいです。これからも、さまざまな方々と連携しながら「山形でしか作れないアートなパスタ」を全国に発信し続けたいですね。その原動力は、創業時の「農家さんに喜んでもらいたい」という強い思いです。廃棄されるはずだったものがお金に変わり、農家さんが安心して良いものづくりに打ち込める、そんな地域貢献を目指しています。
最近では、青森県の企業とコラボしてごぼうを練り込んだ「青森どぐうパスタ」 など、ユニークな挑戦も続けています。私自身、「スローフード協会」にも所属しているのですが、「その土地のものを守り、伝えていく」という理念 を、これからも事業を通じて体現していけたら幸せです。
―本日は貴重なお話をありがとうございました!

「山形の宝パスタセット・3袋入」
価格:¥1,458(税込)
店名:玉谷製麺所
電話:0120-77-5308(9:00~17:30 ※火曜日除く)
商品URL:https://www.tamayaseimen.co.jp/ec/products/detail/2711
オンラインショップ:https://www.tamayaseimen.co.jp/ec/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
玉谷貴子(有限会社玉谷製麺所 専務取締役)
1977年新潟県生まれ。岩手大学農学部応用生物科学部卒業。新潟県の老舗菓子屋『株式会社大阪屋』の細菌検査室に入社。2001年結婚を機に山形県へ移り『有限会社玉谷製麺所』へ入社。2020年、専務取締役に就任。新たな商品開発をしながら、国内外への販路開拓活動にも注力している。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/田中香 画像協力/玉谷製麺所>




























