
28年連続日本一の港・気仙沼から直送。「かつお一本釣り漁船『亀洋丸』食べ比べセット」
2025/10/23
「かつおのたたき」と聞いて、多くの方がまず思い浮かべるのは、藁焼きで有名な高知かもしれません。しかし、全く異なる魅力を持つかつおが、宮城県の気仙沼にあることをご存知でしょうか。キーワードは、一度食べたら忘れられない「もちもち」食感。実はこの気仙沼、生鮮かつおの水揚げ量で28年連続日本一を誇る町なのです。
今回、編集長のアッキーが注目したのは、「かつお一本釣り漁船『亀洋丸(きようまる)』食べ比べセット」。一口食べれば、その違いに誰もが驚くはず。この格別なおいしさの裏には、どのようなストーリーが隠されているのでしょうか。商品に込められた作り手の熱い思いを、株式会社阿部長商店 代表取締役社長の阿部泰浩氏に取材スタッフが伺いました。

株式会社阿部長商店 代表取締役社長の阿部泰浩氏
―まず、会社の創業から現在までの歩みをお聞かせください。
阿部 私たちの原点は、1960年のチリ地震津波です。創業者である父は、現在の南三陸町で魚の小売業を営んでいましたが、この災害で住んでいた家も店も全て失いました。翌年に気仙沼へ移り住み、地元の魚屋さんに住み込みのような形で仕事を教わりながら、魚の行商を始めたのが会社のスタートです。まさにゼロからの再出発でした。
そのたくましい背中を見て育った私は、父を大変尊敬しており、その偉大さを常に感じていました。
私は、大学卒業後に大手水産会社で経験を積み、1987年に阿部長商店へ入社しました。2002年に父から会社を引き継ぎ、代表取締役社長に就任しています。
そんな私に社長として最大の転機が訪れたのが、2011年の東日本大震災です。大半の工場を失い、事業の継続すら迷う中、一度津波を経験した父の存在が私の背中を強く押してくれました。父が51年前に経験した逆境と、自分が直面している困難が重なり、この逆境を乗り越え、自分の代で会社をさらに大きく飛躍させるという強い決意が固まりました。この出来事が、加工業を新たな柱として力強く復興へ向かう大きなきっかけとなったのです。

二度の被災を乗り越えた阿部長商店。
「28年間連続、生鮮かつおの水揚げ量日本一」という気仙沼へのプライドが、品質の支えになっている。
―「亀洋丸(きようまる)」の名を冠した商品には、特別な思いが込められていると伺いました。
阿部 はい。お刺身用戻りかつおと、かつおのタタキの食べ比べを楽しめる商品なのですが、単なるおいしいかつおの詰め合わせではありません。その新鮮さと食感に驚いていただけると思います。
弊社は震災以前より、生産者が見える商品づくりを大切にしてきました。一本釣り漁船「亀洋丸(きようまる)」の会社とは長年のパートナーシップを築いています。
しかし、「亀洋丸」の会社もまた、私たちと同じ震災の被災者でした。「亀洋丸」は沖に出ていたため被害を免れましたが、会社や冷蔵倉庫は津波に流されてしまったのです。この震災もあり、気仙沼に350年前から伝わる一本釣り漁法を継承する船は、現在では「第18亀洋丸」と「第28亀洋丸」の2隻だけとなってしまいました。
同じ被災者として手を取り合い、気仙沼の漁業を未来へ繋ぎたい。そんな思いからこの商品は生まれました。この商品を選ぶことは、気仙沼の漁師たちを直接応援し、その文化を守ることにも繋がっているのです。


水産資源に最も優しい漁法と言われる、350年続く伝統。
この一本釣り漁法を継承するのは、気仙沼では「第18亀洋丸」と「第28亀洋丸」の2隻だけ。
―「お刺身用戻りかつお」のおいしさを支えるこだわりについて教えてください。
阿部 最高の状態にある「戻りかつお」を食卓へ届ける。この使命を可能にしているのが、私たちの先進の冷凍技術です。魚の品質は温度変化に最も影響されるという考えのもと、全ての工程が設計されています。「亀洋丸」で釣り上げられたかつおは、生きたまま船上で瞬時に凍結させる「ブライン (B-1) 凍結」という技術で処理されます。これにより、細胞が壊れる間もなく、釣り上げた瞬間の旨みと鮮度がタイムカプセルのように閉じ込められるのです。
漁港に水揚げ後は、マイナス55℃の超低温冷蔵庫で品質を一切劣化させることなく保管します。そして、最も特筆すべきは加工工程です。工場では一度も解凍することなく、凍ったままの状態で切り分けます。この徹底した温度管理と独自の技術こそが、ご家庭で解凍した時に、まるで釣りたてのような新鮮な味わいを再現できる秘密なのです。



一度も解凍せず、釣りたての鮮度をそのまま食卓へ。
―「朝どれ!鮮かつおタタキ」のこだわりについても教えてください。
阿部 「朝どれ!鮮かつおタタキ」のこだわりは、その圧倒的な鮮度と「もちもち食感」です。実は、スーパーで売られているかつおのタタキのほとんどは一度冷凍されています。しかし、この商品は違います。気仙沼港への水揚げ後、一度も冷凍されることなくその日のうちに加工・出荷されるのが最大の特徴です。港からわずか5分という好立地に工場があるからこそ、実現できていることなのです。
この「一度も凍らせない」というこだわり。それが、ほかでは決して味わえない、もっちりとした独特の食感、通称「もちもち食感」を生み出します。世界三大漁場の一つである三陸沖で獲れた、脂の乗ったかつお本来の食感と旨みを、そのまま食卓へ。まさに、これまで産地でしか味わえなかった本物の贅沢と言えるでしょう。

冷凍とは思えないもちもち食感を、ぜひご自宅で。
―かつおの魅力を最大限に味わう、おすすめの食べ方を教えてください。
阿部 まずはシンプルに、薬味と少しの塩や醤油でお召し上がりください。特に「朝どれ!鮮かつおタタキ」の「もちもち」食感は、初めて食べた人を必ず驚かせます。皮目を炙ったたたきの香ばしさは、オリーブオイルと塩をかけた洋風のカルパッチョにも驚くほどよく合いますよ。もし残ってしまったら、特製のタレに漬け込んで「漬け丼」にするのも、また格別の味わいです。


もちもちの鰹を使ったアレンジレシピも豊富。
―「28年連続日本一」という偉業、特に震災を乗り越えての記録は素晴らしいですね。
阿部 気仙沼は、生鮮かつおの水揚げ量で「連続日本一」という記録を28年間更新し続けています。東日本大震災で甚大な被害を受けた年でさえ、港の人々は一丸となってその座を守り抜きました。そのプライドが、気仙沼のかつおの品質を支えています。
―最後に、今後の展望と日本の水産業への思いをお聞かせください。
阿部 魚が獲れなくなり、水産業全体が元気を失っていることに、私は強い危機感を抱いています。だからこそ、自社の利益だけでなく、漁業者を守り、魚食文化そのものを未来へ繋ぐことを目指しています。この思いは、かつてライバルだった他の港に対しても同じです。地域の垣根を越えて連携し、「日本の魚」の価値を高める。例えば、台湾産さんまに対抗するため、北海道の業者と連携し「日本産さんま推進プロジェクト」を立ち上げました。この一皿を選ぶことは、ただおいしいだけではない。日本の食の未来を、食卓から応援するということなのです。
―素晴らしいお話をありがとうございました!

「かつお一本釣り漁船『亀洋丸』食べ比べセット」
価格:¥3,564(税込)
店名:うまい!三陸
電話:0226-21-5225(9:00~12:00、13:00~17:00 ※土日祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://osakana-ichiba.net/SHOP/SK-M-133-01.html
オンラインショップ:https://osakana-ichiba.net/

「朝どれ!鮮かつおタタキ600g(2〜3節)【Aセット】冷蔵便 季節限定」
価格:¥3,600(税込)
店名:うまい!三陸
電話:0226-21-5225(9:00~12:00、13:00~17:00 ※土日祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://osakana-ichiba.net/SHOP/KT-1.html
オンラインショップ:https://osakana-ichiba.net/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
阿部泰浩(株式会社阿部長商店 代表取締役社長)
1963年生まれ。宮城県気仙沼市出身。大手水産会社を経て、1987年に阿部長商店へ入社。同年、専務取締役に就任し、2002年1月、代表取締役社長に就任。気仙沼漁業協同組合理事、気仙沼魚市場買受人協会理事長など多くの団体役員を務める。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/藤井ちあき 画像協力/阿部長商店>




























