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調味料の域を超え、まるで濃厚なスープのよう。大地の恵みを感じるケンシヨー食品の「トマトケチャップ」「濃厚ソース」

2023/03/14

40年も前から無添加にこだわったソースやトマトケチャップを製造。著名な料理家や美食家に愛されるそのラインナップは、野菜や果物の甘みをたっぷり感じられる逸品揃いでした。今回編集長アッキ―こと坂口明子が気になったケンシヨー食品株式会社 代表取締役社長の町田光一氏に、取材陣が伺いました。

―創業から無添加ソース開発までの経緯をお聞かせください。

町田 1920年に、祖父が創業した醤油販売業からスタートし、戦時中の食料統制下に高知県の醤油販売会社となり、その後総合食品卸業へと変遷しました。ソースの製造を始めたのは1947年。ケンシヨー食品の前身であるキングソース株式会社を設立し、ソース、醤油、食酢などの製造販売を行ってきました。

転機は1980年。業務用をメインとしていましたが、一般家庭向けに小売りを始めることになりました。その際、他社との差別化を図るため、「ヘルシー」をキーワードに商品をリニューアルすることになったのです。素材にこだわり、素材に習って、できるだけ余分なものは足さない、モノづくりに対する長年の思いの素です。

―リニューアルに際してご苦労は?

町田 主に味と色の点で添加物に頼っていたので、いかに天然の素材で味の深みやソースらしい色を出すかが課題だったようです。旨みの点でヒントになったのは、家庭で作られているみそ汁でした。出汁です。昆布やじゃこの出汁を使うことで自然な旨味がプラスされ、天然素材の旨味なので後口はさっぱり。色については、黒砂糖を使用しています。そのため少し色は淡いですが、食材にかけた時に自然の色目が残ります。もう1つのポイントは独特の風味を出すために、いろいろな天然原料をブレンドしています。手間のかかる作業ですが、滋味深い独特の味わいを醸するには妥協はできません。

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北海道産の羅臼昆布や鯵子、鰹節などの出汁を使用。

―「ヘルシーシリーズ」完成から現在まではどのようなあゆみを?

町田 発売当初は、キングソースで取引のあった売り場にお願いして置いてもらっていたような状況でした。コストに比べてずいぶん安価に設定していたとはいえ、これまでのソースより高価でしたし、無添加に対するニーズも今より低かったので。少しずつ食通の方に使っていただき始めたころ、当時人気だったテレビの料理番組で特選素材として取り上げられたのを機に、広く知っていただけるようになりました。放送直後は全国から注文が殺到し、すべて手作りなので生産量には限界があり、長いと1年お待たせすることもありました。

テレビ効果が落ち着いた後も、こだわり食材の店を中心に引き合いが増えていきました。そうする中で、ラベルを変えてはどうかと提案を受けました。なんというか、中身は良くても、東京のおしゃれなお店には並べたくないデザインだったようですね(笑)。高知在住のデザイナーが、市場調査を重ねてアイデアを練り、現在のデザインを起こしてくれました。ソースといえば赤や橙色など、強い暖色系をメインにしたラベルが多い中、白ベースのすっきりとした斬新なデザインで、後に「日本パッケージデザイン大賞2011」を受賞したんですよ。

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洗練されたラベルデザイン。
シリーズとしての統一感も出てブランディングに一役買っている。

―シリーズが軌道に乗り、商品展開も広がったのですね。

町田 第1号は濃厚ソース、次にウスターソース、トマトケチャップと広げていきました。焼肉のたれやポン酢しょうゆ、ドレッシングなどもあります。

―絶対に譲れない商品のこだわりは?

町田 無添加であることはもちろん、地産地消も大切にしています。日照量、雨量ともに全国トップクラスを誇る高知は、農業技術にも定評があります。主原料となる野菜や果実は、減農薬、自然栽培、有機農法などに力を入れる地元の契約農家から直接仕入れているんですよ。

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地元産のおいしい野菜をたっぷり使っている。
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現在玉ねぎの契約農家は3軒。
長年有機栽培に取り組む農家もある。

もちろん、だからこその難しさはあります。農業は天候変動に大きく左右されますから、不作の年もありますし、獲れすぎる年もある。農家さんの高齢化や後継者不足も深刻です。それでもやはり、野菜や果物の甘みや旨みを凝縮、熟成したおいしいソースを無添加で作り続けようという方針は変わりません。砂糖、塩、本醸造酢、醤油、みそなどの調味料も、副原料まで吟味した天然素材を使っています。

―「濃厚ソース」の特徴や味わい方を教えてください。

町田 主原料である野菜や果実は、最もおいしい旬の時季に処理をして熟成させます。トマトは6月、ニンジンは2月といった具合に。それらにだし汁を加え、ていねいにアクを取りながら煮詰め、黒糖や室戸深層水の塩、香辛料などを加えて作ります。

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濃厚ソースは熟成や釜炊きが重要な工程。

やはりコロッケやカツレツなどに合いますよ。粘度が高く衣にしみ込まないのでサクサク感を損ないません。

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野菜や果物の味わいが凝縮したスープとして飲めそうなほど。
それでいて天然素材の優しい味わいで主張が強くなく、料理を引き立てる。

―トマトケチャップはいかがですか?

町田 「減塩トマトケチャップ」は、通常のケチャップに比べて約60%、食塩相当量を低減しましたが、物足りなさはないと自負しています。イタリア産有機栽培トマトと高知契約農家産野菜の旨味や自然の風味を生かしているからでしょうね。「ももたろうトマトケチャップ」もレシピは一緒ですが、トマトの違いによる味わいの違いが面白いですよ。ももたろうの方は濃厚で酸味が強く、減塩の方は甘みも強い。発色剤も着色料も入れませんから、仕上がりの色も全然違うのです。

近隣のトマト農家さんから、オリジナルケチャップの製造依頼を受けることも増えてきましたが、レシピはうちとまったく同じで、主原料であるトマトを依頼主のものに変えます。それはまた違った仕上がりで、ケチャップは素材ありきだと再認識します。

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左が「減塩トマトケチャップ」、右が「ももたろうトマトケチャップ」。
色も味わいも別物。

まずはオムライスやソーセージなどにどうぞ。お客様からは、「子どもがケチャップはこれでないとダメ」「1度使ったら他には戻れない」などありがたい言葉をいただいています。

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こちらもトマト自体の味わいを存分に感じられ、
レストランのソースのように料理の一部としてたっぷりかけたくなるおいしさ。

―意外な使い方はありますか?

町田 実は、うちのシリーズはベースとなる野菜や果物が同じで相性が良いので、混ぜて使うこともおすすめです。例えば、ウスターソースと濃厚ソースをミックスしてお好みの中濃ソースにしたり、ケチャップとソースを混ぜて好みのハンバーグソースを見つけたり。ブレンド次第で、焼きそば、お好み焼き、たこ焼き、ハンバーグ、ステーキ、パスタなど、料理は無限に広がるのではないでしょうか。

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主原料である野菜や果物が共通なので、
ミックスしても統一感があって好みの味を出しやすい。

会社としても、○○のたれやドレッシングなど商品展開が広くなっていましたが、ここにきて減らす方向で考えています。劣化速度や色合い保持など、課題の残る商品を無理して展開する必要がないのではないかと。

―今後の展開をもう少しお聞かせください。

町田 今ある商品に関しては、きちんと作って、少しずつでも生産量や売り上げを増やしていければいいかなと。ブームを起こすとか流行に乗るとかよりも、地に足を付けて存続していくことが重要だと考えています。良い商品を作っているという自信はありますから、工場の効率化やスタッフの労働環境改善などに注力していきたいと思っています。

それとは別に、これまでとは違った観点の新商品にも取り組んでいきます。完成間近なものに、ソースを作る過程の副産物を使った商品があります。処理が追い付かないという理由で貯蔵したままだった、とてもおいしい部分を商品化することで、無駄をなくしながら作業の手間も省けるはず。惜しいところで商品化にこぎつけなかったものもありますが、私の方からもどんどんアイデアを出していきたいと思っています。

―丹精込めて作られた野菜や果物を大切に、選び抜いた素材を組み合わせて手作りされるソースやケチャップ。その手間暇、素材や商品への愛情とこだわりがにじみ出た優しい味わいになるのだとよくわかりました。素晴らしいお話をありがとうございました!

ケンシヨー減塩トマトケチャップ(380g)

「ケンシヨー減塩トマトケチャップ」(380g)
価格:¥519(税込)
店名:ケンシヨー ソース工房
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://sauce-kobo.com/cgi-bin/cargo/goodsprev.cgi?gno=408101
オンラインショップ:https://sauce-kobo.com/

ももたろうトマトケチャップ(250g)

「ももたろうトマトケチャップ」(250g)
価格:¥692(税込)
店名:ケンシヨー ソース工房
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://sauce-kobo.com/cgi-bin/cargo/goodsprev.cgi?gno=408103
オンラインショップ:https://sauce-kobo.com/

ケンシヨー濃厚ソース(300ml)

「ケンシヨー濃厚ソース」(300ml)
価格:¥562(税込)
店名:ケンシヨー ソース工房
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://sauce-kobo.com/cgi-bin/cargo/goodsprev.cgi?gno=402102
オンラインショップ:https://sauce-kobo.com/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
町田光一(ケンシヨー食品株式会社 代表取締役社長)

1965年高知県生まれ。東海大学卒業後、ビールメーカー、食品卸売会社勤務後、日用品雑貨卸売会社にて経営に携わる。2019年10月にケンシヨー食品株式会社に入社、2020年6月代表取締役社長に就任。

<取材・文・撮影/植松由紀子 MC/升谷遥香 画像協力/ケンシヨー食品>

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