鹿児島県の特産品。発祥の地ならではの独自食感「つけあげ」

2025/05/19

今回編集長アッキ―こと坂口明子が気になったのは、一般的に耳慣れない「つけあげ」なる商品。全国的には「さつまあげ」として親しまれているものの、「さつまあげ発祥の地」を名乗る鹿児島県いちき串木野市産のそれは、フワフワ食感が特徴とか。おいしさの秘密を有限会社勘場蒲鉾店代表取締役社長の勘場裕司氏に、取材陣が伺いました。

有限会社勘場蒲鉾店 代表取締役社長の勘場裕司氏

―「つけあげ」について教えてください。

勘場 鹿児島県では「つけあげ」「つきあげ」などと言いますが、全国的には「さつまあげ」と呼ばれていますね。サツマイモのことも鹿児島では、中国(唐)から伝わった芋で「唐芋(からいも)」と呼ぶことが多いのです。鹿児島県いちき串木野市は、「さつまあげ発祥の地」とうたっていて、鹿児島県の中でも特にさつまあげメーカーが多い街。東シナ海に面しており、古くから漁業が盛んで水産練り製品加工業が発達しました。

-御社の歴史は?

勘場 1971年に私の父が創業しました。父は10代の頃から地元の水産加工会社に勤めて腕を磨き、独立創業したのが始まりです。私も幼いころから工場での作業を間近で見てきました。手伝いをするのが楽しかったし、小さかった会社が少しずつ大きくなっていくとともに、長男で1人息子という事もあり、自然と自分が家業を継ぐことを決めていました。
昔は本店のみで販売をしていましたが、現在は地元を含め鹿児島県内に直営の4店舗と、少し経営体系の異なる店舗が5つ、地元百貨店にも直売コーナーがあります。基本的にスーパーや量販店等での卸売販売はしておらず、路面店や空港・駅での販売が主になっています。

-商品についてお聞かせください。

勘場 創業時より、かまぼこやつけあげといった練り製品一筋です。当初は鮮魚を仕入れて0から加工していました。今でも鮮魚を捌くところから手掛けてはいますが、原料の魚の漁獲量が年々減ってきて、主流は海外産のすり身になってきています。たらのすり身に、エソやアジなどのすり身、調味料などを加えてすり潰します。いきち串木野産の大きな特徴として、原料のすり身に豆腐を加える点があります。冷めてもフワフワの食感になりますし、魚と豆腐なんてヘルシーですよね。

数種類の魚のすり身に豆腐を加えて独特の柔らかい食感に。

そうしてできたタネを、170~180℃の菜種油で二度揚げします。最初は中心まで火を通し、温度を上げて表面を色づくまで揚げるという具合ですね。

成形したタネを170~180℃の菜種油で二度揚げして仕上げる。

魚の種類や、タネと合わせる具材に応じて常時10種類ほどのバリエーションがあるほか、季節限定商品も展開しています。

-定番商品の詰合せで一番人気のセットが「つけあげ3種ハーフセット」ですね。

勘場 創業当時から作り続けている定番商品「特上つけあげ」が5枚と、一口サイズの「上棒天」が約11本、にんじん、ごぼう、きくらげを練り込んだ「野菜入り」が約11枚セットになっています。

特上つけあげ、上棒天、野菜入りの3種がセットになり、ちょっとした贈り物にもピッタリ。

-おすすめの食べ方を教えてください。

勘場 まずはそのままお召し上がりください。魚の風味や甘みを感じていただけると思います。電子レンジなどで温めると、よりフワフワとした食感に。鹿児島では、紅白なますにちょっと混ぜて食べることも多いですよ。旨みが強いので、ちらし寿司や炊き込みご飯の具材としても良いと思います。真空商品と違ってこちらは、日持ちが商品到着後5日程度。すぐに食べない場合は冷凍保存していただくと、使いたいときに使えて便利です。

-今後の展望をお聞かせください。

勘場 創業から50年以上が過ぎ、お陰様で根強いファンに支えられています。お中元やお歳暮利用の方は多いですし、鹿児島出身の方が、故郷の味をとお孫さんに食べさせたら喜ばれたというエピソードを聞いたりすると、作っていてよかったなと感じます。若い世代の魚離れが問題になっていますが、このつけあげが、日本人が昔から食してきた魚を食べるきっかけになったらうれしいなと思います。

-素晴らしいお話をありがとうございました!

「つけあげ3種ハーフセット」
価格:¥1,500(税込)
店名:勘場蒲鉾店 オンラインショップ
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://online.kanba.co.jp/collections/all/products/kb-0014
オンラインショップ:https://online.kanba.co.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

勘場 裕司 (有限会社勘場蒲鉾店 代表取締役社長)
1968年鹿児島県いちき串木野市生まれ56歳。鹿児島国際大学を卒業後、有限会社勘場蒲鉾店に入社し、1992年より現職。一般社団法人日本かまぼこ協会の理事、また、いちき串木野商工会議所の会頭職を務めている。

<文/植松由紀子 MC/田中香花 画像協力/勘場蒲鉾店>

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