第4回 諸江屋『わび』と赤木明登さんの漆器

今回ご紹介する和菓子は、石川県金沢市にある諸江屋さんの落雁『わび』です。創業嘉永二年(1849年)で〝落雁〟といったら、と思われるほどの老舗。金沢は京都、島根県松江に並ぶ茶処・菓子処なので、和菓子の世界も奥深いことで有名。そのなかでも、見た目の鮮やかさもあり気になっていたのがこちらでした。

 

 

なんといっても色彩の華やかな箱が目を引きます。〝箱好き〟の私には、この箱に「何を入れようかしら」と楽しい気持ちになるデザインです。幼い頃、小唄の先生をしてた祖母のもとにはいただきもの多く、そのひとつにお菓子の入った小さなタンスがあったこと覚えています。それが諸江屋さんのものだったのかは、定かではないけれど、食べ終わった後は小物入れに使っていました。ちょっと懐かしい思い出です。
また落雁で、これほど色がきれいなものは見たことがありません。形も凝っているので、眺めていたくなります。かじってみると、カリッと硬いけれど、口に入れた途端にサラリと溶けてなくなり、口のなかにやさしい砂糖の甘さが広がります。九谷焼に通じる、金沢らしい鮮やかな色合いのお菓子です。

 

 

器は、第1回目でご紹介した赤木明登さんの漆器の色違いです。赤とはまた異なる、漆器の重厚感が黒にはあります。最初から艶がひかえめなところも、使いがってが良いのですが、今回のような色のあるお菓子に使うとより色が映えますね。

さて、我が家の食卓を少しご紹介。
2月は野菜の端境期と前回お伝えしましたが、寒い時期に食べておきたいのが〝春菊〟。年末から年明けがいちばんおいしいのですが、野菜が不足してると思ったときにおすすめです。葉だけを生でゴマ油としょうゆで和えたり、茎は茹でてゴマ和えやみそ汁にしたりします。よくつくるサラダは、葉も茎も茹でてザクザク切ったものに、荒くみじん切りしたタマネギと酢、砂糖、塩、オリーブオイルをよく混ぜて、かけるだけ。新タマネギだとなお良し!の一品です。
後半になると我が家では旬の〝生ワカメ〟を食べます。相模湾に面した場所で暮らしているので、知り合いから分けていただけるのです。生ワカメは、干される前の海から採れたばかりのものなので日持ちはしません。しっかりとした食感で、シャブシャブ、天ぷら、サラダ、炒めもの、ショウガとナンプラーの和え物と、温冷さまざまな料理を楽しんでいます。

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