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胡麻の風味がふわりと香る そうめんのような、そば!

2023/07/25

大阪市浪速区に本店を構えるそば専門店「そばよし」。1971年に創業し、現在は大阪市内に7店舗を展開しています(うち1店は宮崎の郷土料理店)。代表取締役社長を務める武田千春氏は、2代目の娘さんと結婚し3代目に。伝統を守りながらも、チャレンジ精神旺盛で、「おもしろ おかしく そして豊かに!」をスローガンに、会社を牽引しています。そんな「そばよし」から、お取り寄せ商品をご紹介いただきました。

「株式会社そばよし」代表取締役社長の武田千春氏
株式会社そばよし 代表取締役社長の武田千春氏

―御社の沿革について教えてください。

武田 今から3、400年ほど前、京都の大幸寺というお寺では、新そばが出回る時期に、和尚が、栄養価の高い胡麻を練り込んだそばを打ち、「蕎麦振る舞い」を行っていたそうです。弊社の初代は、縁あってそのそばを引き継ぐことになり、現代の舌に合うようアレンジして大阪で商売を始めました。寺方そばは現在、弊社の店舗メニューにある「割子振舞そば」のようなスタイルだったそうですよ。

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「そばよし」で味わえる「割子振舞そば」。

―御社のそばは、そばに胡麻が練り込まれた「胡麻切りそば」がスタンダードなのでしょうか?

武田 そうですね。「胡麻切りそば」がメインで、他に二八そばや、韃靼そばもご用意しています。季節替わりで、茶そばなども味わえますよ。

―今回、お取り寄せができる「胡麻切りそば」をいただいたのですが、口の中にほんのり胡麻の甘みを感じ、それが深みのある味わいのつゆとマッチして、とても美味しかったです。

武田 嬉しいですね。「胡麻切りそば」は、関西生まれのそばですが、今は北海道でも知られているようです。実は初代は北海道の出身で、弊社のそば粉は北海道の自社の畑で生産しています。昼夜の寒暖差が大きいので、いいそば粉が育ちます。そのそば粉に胡麻を練り込んだのが「胡麻切りそば」です。麺に胡麻が入りすぎると香りが強くなりすぎますし、少なすぎると物足りません。微調整し、その上で喉越しの良いそばを目指しています。そばの原料は、水、粉とシンプル。弊社の場合はあと胡麻も加わりますが、水加減も非常に重要で、温度や湿度ごとに微調整を行っています。

実は私も時々、工場に入るんですが、現場にいると、「ここはもっと、こうできそうだなぁ」と、意外な発見がありますね。社長が現場に入りすぎると、皆、気を遣って良くないと思うので、ほどほどにしていますが(笑)。

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胡麻が練り込まれた、風味豊かな「胡麻切りそば」。

―ストレートのつゆも、手軽に美味しくいただけました。

武田 ありがとうございます。最近の若い方は、インスタントラーメンを好まれるようですが、その魅力は、「食べたい」と思ったら、お湯を注ぐだけでできる、というところなのではと思っています。「そばを食べたい」、と思ったら、お湯を沸かして、そばを茹でて、水で締めます。その上、さらに出汁を作ってとなると、非常に手間です。なので、こちらの「胡麻切りそば」には、注ぐだけでいただける、ストレートのつゆを付けました。ざるで楽しんでいただくのはもちろん、夏はぶっかけそばにして食べてもおいしですよ。ほか、アレンジ方法については、弊社のHPで「おしながき」のページを見ていただけると、バリエーションが広がると思います。

―そしてこちらの乾麺、「ぺろり蕎麦」は衝撃的でした。

武田 2020年の12月中旬ぐらいに誕生した商品です。弊社は生そばをメインにしているのですが、どうしても賞味期限の問題があります。長くて5日ほどなので、そうなるとお取り寄せや贈り物にするのにも悩みますよね。そこで、賞味期限が長い商品をずっと作りたいと思っていて、作りました。ただ、乾麺と生麺は、製造のプロセスが全く違います。特に、「乾かす」工程には、弊社の5倍ぐらいの敷地が必要になるんです。

そこで、兵庫県のたつの市の工場を知人に紹介してもらいました。たつの市には、揖保川という川が流れていて、水がとてもいい場所。「揖保乃糸」などそうめんの産地としても知られています。「ぺろり蕎麦」は、そのたつの市の工場で、そうめんと同じ工程で作っていただきました。完成までには時間がかかりましたが、そばとそうめんの良いとこ取りをした、面白いそばができたと思います。

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「これが、そば!?」と驚いてしまう、「ぺろり蕎麦」。

―プレゼントでいただいたら、すごく嬉しいおそばです。

武田 麺が細いので、生そばより調理するのも簡単です。ポイントは、茹でた後、水洗いして、必ず冷水でギュッと締めること。これだけで、本当においしいそばが味わえます。夏場は氷水を用意しておくといいですよ。

ちなみにこちらのつゆは濃縮タイプです。名古屋の工場にお願いして、2、3か月くらいかかりました。そもそも弊社の店舗のつゆは、ベースが北海道産の真昆布、国内産の宗田節、サバ節、ウルメ節などを使った出汁で、毎朝、取っているんです。その繊細な味わいを、ストレートではなく、長期間楽しめる濃縮つゆで表現するのに非常に苦労しました。

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賞味期限は約1年。
好きな時にいつでも、胡麻香る喉ごしの良いそばが味わえる。

―この「ぺろり蕎麦」、なんだかオリーブオイルを合わせても美味しそうです…。

武田 いいですね!ぜひ、自由にアレンジしていただけたらと思います。

―パッケージデザインも斬新ですよね。

武田 知り合いのデザイナーにお願いして作ってもらいました。ちょっとした遊び心も入っていて、筒の正面にある赤い部分。これ、なんだかわかりますか?

―なんでしょう?

武田 これは、「べろ」です。「ぺろり」のネーミングに合わせて入っています。

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「ぺろり」を表現する「べろ」のデザイン。斬新!

―なるほど(笑)!「ぺろり」というお名前も、武田社長のアイデアですか?

武田 そうですね。30個くらい候補を出して、デザイナーさんたちと一緒に検討しました。そばを作りながら、ネーミングも同時に考えていった感じです。

―楽しそうですね。御社の自慢を伺えますか?

武田 人ですね。やっぱりそれが一番大事です。まずは職人さん。複数店舗を持っているので、機械を使ったそば作りも行いますが、味の微調整などには、やはり職人さんの経験が欠かせません。それから、今後は「ぺろり蕎麦」のような新しいこともどんどんやっていきたいので、若い社員にも商品開発に加わってもらえたら嬉しいですね。20代の方が持つアンテナは素晴らしいですし、1回チャレンジすると、ものづくりの面白さに気づけると思います。そこから、「そば文化」にもっと魅力を感じてもらえたら。

―今後の展開についても教えてください。

武田 実は今、うどんを作っていまして(笑)、それもがもうすぐ完成する予定です。それから弊社の店舗では、そばと同じくらい、セイロが非常に人気なのですが、こちらは現在、テイクアウトのみなので、こちらもお取り寄せできるようにしたいなと思っています。

さらに2023年6月には、新しい店舗がオープンします。「そばよし」ではなく別の名前で、そばと洋食を融合させたちょっと面白い店です。かつて大阪市内で、予約の取れない繁盛店をやっていたオーナーが、「次はそばをやりたい」ということで、一緒に店を作ることになりました。ビフカツなんかとそばを合わせるようですよ。

―面白いですね!

武田 そこのスタッフは皆、30代。私は60代なので、面白いことはやっぱり若い世代に任せていこうと思っています。彼らはとにかく柔軟。中華料理や韓国料理を上手に取り入れて、さらにお蕎麦と合わせるなんて、僕にはできないことがいっぱいです。すごく面白い!

そうやって新しいことにどんどん挑戦しつつ、一方では、弊社の伝統的なそばを、今後は関東をはじめ日本全国、さらには海外にもお届けできたらと思っています。

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大阪市浪速区にある「そばよし本店」。ここから世界へ!

―「ゆくゆく、私はこぢんまりとした店を持って、そこでひたすらそばを研究してみたいです」。と、笑顔でおっしゃった武田社長。お話をありがとうございました。

胡麻切りそば

「胡麻切りそば(2人前/ざるだし付)」
価格:¥1,000(税込)
店名:そばよし
電話:0120-194-844(10:00~16:00 土日祝日除く)
定休日:なし、インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://online.sobayoshi.com/?pid=147291320
オンラインショップ:https://online.sobayoshi.com

ぺろり蕎麦 / 胡麻切りそば乾麺

「ぺろり蕎麦 / 胡麻切りそば乾麺(濃縮だし付)」(80g×3束)
価格:¥1,620(税込)
店名:そばよし
電話:0120-194-844(10:00~16:00 土日祝日除く)
定休日:なし、インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://online.sobayoshi.com/?pid=173493997
オンラインショップ:https://online.sobayoshi.com

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
武田千春(株式会社そばよし 代表取締役社長)

1964年宮崎県生まれ。大学中退後、様々な飲食店経営に携わり、1998年に株式会社そばよしへ入社。2002年に同社代表取締役社長に就任。同時に、株式会社武栄代表取締役社長に就任。ORA(大阪外食産業協会)の理事も務める。

<文・撮影/鹿田吏子 MC/津田菜波 画像協力/そばよし>

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