どの県にも、地元の人たちに愛される「ソウルフード」があります。今回、アッキーが気になったのは、和歌山県人に昔から愛されている、アヒルのイラストが目印の抹茶入りソフトクリーム、「グリーンソフト」。さっぱりした甘さで、どこかなつかしい味が魅力の、お茶の老舗「玉林園」定番人気商品です。ソフトクリームなのにお取り寄せができるなんて、嬉しい! 株式会社玉林園の代表取締役社長、林和宏氏に、取材陣がお話をお聞きしました。
「冷凍庫を開けたらいつもそこにある」。和歌山県民のソウルフード、「グリーンソフト」はやさしい甘さが魅力。
2023/06/06
株式会社玉林園 代表取締役社長 林和宏氏
―1854年創業だそうですね。
林 たばことお茶の製造販売、塩干類の販売をするお店として創業しました。1913年からお茶の販売を専業とするようになり、本店を東鍛冶屋町に、支店を駿河町に開店いたしました。1960年には、「誰もが気軽に入れてロープライスでおいしく楽しめる店舗を」と、ソフトクリームや中華そば、明石焼きなどを扱う店「グリーンコーナー」を出店しました。いわば、和歌山のファーストフーズ店の元祖です。学生やファミリーで賑わう、まさに和歌山の味として親しんでいただいています。
やさしい甘みとほどよい苦み、サッパリとした後味が人気の、「グリーンソフト」。
―「グリーンソフト」はロングセラー商品ですね。
林 販売を開始したときは、40円だったんです(現在は200円)。それから、原材料も製法も多少変わってきていますが、素朴な味は変わらないまま、小さい子どもさんからお年寄りまで、皆さまに愛され続けています。国産茶葉を100%使用して、石臼で丁寧にひいた抹茶の色、風味を損なうことなく、添加物は極力使わずに、さっぱりした甘さに仕上げています。原料がシンプルなので、後味がいいのが大きな特徴です。現在では、お取り寄せでも購入していただけるようになりました。ソフトクリームのきれいな形を維持しながらお届けすることにこだわり、それが大変苦労したところでした。和歌山の方たちには、店内でお召し上がりいただけるソフトタイプに対して、こちらは「かたいほう」と呼ばれて、親しんでいただいています。
お取り寄せでも、ソフトクリームのきれいな形を崩さないように工夫されている。
―「ほうじ茶ソフト」はどのように生まれたのですか。
林 元々作ってはいたのですが、本格的に販売を始めたのは、地元のスーパーからの要望がきっかけです。製法に関しても、それまではほうじ茶の粉を使っていたのですが、煮出したほうじ茶を使うようになりました。煮出したものと粉では、全然味が違うのです。ただし煮出すという作業がすごく大変なので、量産化はできません。お客様からも、グリーンソフトと同様に喜んでいただき、「一日にいくつも食べる」という嬉しいお声もいただいています。
天かすとワカメがたっぷり入って、
ツルツル生麵の食感が魅力「てんかけラーメン」。
―お茶の会社なのに、ラーメンを販売されているのは意外です。どういう経緯で販売を始められたのですか。
林 「てんかけラーメン」は、1967年に販売を開始しました。きっかけは単純で、先代が「ラーメン大好き人間」だったのです(笑)。最初から生めんにこだわりがあったのはよく覚えていますが、なぜ天かすを入れることになったのかは、定かではありません。
昔は、女性がひとりで食事するという習慣はあまりなかったのですが、時代とともにそういうシーンも増えてきましたし、「気楽にお安い値段で手に入るものを」というコンセプトで開発しました。
今では、「グリーンコーナー」でも一番人気なのが、てんかけラーメンです。自家製麺に良くなじむスープ、天かすのコクと後口さっぱりのしょうが、わかめの食感が特徴となっています。
―あっさりしているから、罪悪感なく食べられるのがいいですね。
林 和歌山ラーメンはこってりしたものが多いのですが、「これは最後まで汁を飲み干せる」と言っていただけます。あっさりしているのにコクがあるので、ラーメン好きの人にも愛されています。中には「物足りない」という方もいらっしゃるかもしれませんが、これがうちの味なので、これからも守っていかなくてはいけないと思っています。
それから、このラーメンのもうひとつの素晴らしさは、だしをとる手間がいらず、どこの店でもすぐ作れる点だと思っています。以前はもちろんだしをとっていたのですが、技術の進歩で、手軽にうちのスープを味わっていただけるようになりました。
家族みんなでお店に来ていただいても、食事代の合計は和歌山一安いのではないですかね(店舗ではてんかけラーメンは一杯390円)。1991年にお土産販売を開始しましたが、やはりお求めやすく、定番の味なので、多くのお客様にご好評いただいております。
―今後の展望をお聞かせください。
林 人手不足などの問題はありますが、なかなか機械化を進めるのは難しいところです。それでも、味は変えず、機械化できるところはできるだけ機械化していきたいと思っています。
実は店舗や通販での販売以外に、大手レストランのデザートなども手掛けています。大量生産は他社には太刀打ちできないので、ひと手間加えるようなデザートの提案を、これからもしていきたいと考えおります。
挑戦したいことは色々あるのですが、余裕がないのが実情です。あちこちから「こういうものを作ってください」というご要望が多くて、それに応えるのに精いっぱいなのです。
もちろん、ご要望が多いのは嬉しいことですから、一生懸命お応えしながらも、今後は「グリーンソフト」のような自社ブランドの商品を、たくさん世に送り出せるようにしていきたいと思っています。これからもターゲットを絞らずに、老若男女すべての方に楽しんでいただける商品を作り続けていきます。
―期待しています!本日は楽しいお話をありがとうございました。
「玉林園 グリーンソフト ほうじ茶ソフト 詰め合わせ5&5セット」
価格:¥3,725(税込)送料込み
※一部別途送料ご負担、発送不可地域有
店名:玉林園
電話:073-473-0456(9:00~17:00 土日除く)
(インターネットでのご注文は24時間365日受付)
商品URL:https://store.shopping.yahoo.co.jp/gyokurin-en/2345.html
オンラインショップ:https://store.shopping.yahoo.co.jp/gyokurin-en/
「玉林園 てんかけラーメン 6個入り」
価格:¥2,911(税込)送料込み
※一部別途送料ご負担、発送不可地域有
店名:玉林園
電話:073-473-0456(9:00~17:00 土日除く)
(インターネットでのご注文は24時間365日受付)
商品URL:https://store.shopping.yahoo.co.jp/gyokurin-en/2335.html
オンラインショップ:https://store.shopping.yahoo.co.jp/gyokurin-en/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
林和宏(株式会社玉林園 代表取締役社長)
1947年広島県生まれ。浅川組を経て1978年に入社。2002年に同社代表取締役社長に就任。外食部門においてロープライス、ハイバリューをモットーにお子様からご年配の方まで幅広い年齢層に愛される商品づくりに努めている。
<文・撮影/臼井美伸(ペンギン企画室) MC/鯨井綾乃 画像協力/玉林園>