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山口唐戸市場発の自信作「化学調味料無添加辛子明太子」と「魚の純米大吟醸粕漬」

2022/12/22

着色料や保存料はもちろん、調味料の原料まで化学調味料無添加で作られた辛子明太子や、これまた化学調味料無添加で、山口県産にこだわった粕漬けが、東京を中心にファン急増中。顧客のリクエストに応えつつこだわりを追求する自社製品が充実しつつあります。

今回編集長アッキ―こと坂口明子が気になった株式会社林商店 代表取締役社長の林憲志氏に、取材陣が伺いました。

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株式会社林商店 代表取締役社長の林憲志氏

―山口県唐戸市場で北海道の海産物を扱われているとか?

 1940年に祖父が昆布卸問屋として創業。北海道漁連から直接仕入れる昆布を下関で卸売していたことから、昆布以外の紅サケ・タラコ・数の子・蟹・イクラ・秋刀魚・ホタテなども扱う、北海道産海産物専門店という稀有な存在になりました。せっかくなので、地元産のおいしい魚も……と、今では下関のフグや鯨なども扱っています。

―林社長は3代目ですか?

 祖父の後を父が継ぎ、私が3代目ですが、実は、はじめは継ぐつもりがありませんでした。父と一緒の仕事は気が進まなかったというか……(苦笑)。別会社に就職して横浜に住んでいたのですが、2001年に唐戸市場が新築移転することが決まった際、父の「手伝ってほしい」という無言の想いを受け取りました。

家業のことは気になっていましたし、何よりも、自分が成長できたのは父の仕事あってこそという想いが、張っていた意地より大きくなり、心を決めました。

―入社後取り組まれたことは?

 社長の息子という立場で入社したので、自分の力で実績をつくらなくてはと思いました。そこで始めたのが通販事業。卸売りと違ってお客様単価が下がるので、社内で理解が進まない面もありましたが、そこは私も強固な意志でスタート。店舗での売れ筋を中心にギフト商品を作り、カタログ販売の形態をとりました。

独学、手探りで始めたので最初はとても苦労し、信頼できるコンサルタントを探してアドバイスを受けることに。その後少しずつ認知され、作ったギフト商品を百貨店やギフトショップに卸したり、逆に店舗で小売りしたりするようになりました。

そんなことをしながら2年が過ぎたころ、突然父に「明日から社長になれ」と言われ、社長を継いだのです。

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先輩たちが築いた会社の土台を強固にすべく通販事業に着手。

―無添加辛子明太子についてお聞かせください。

 通販事業でお付き合いのあったカタログ通販の会社から、共同開発の依頼を受けたのがきっかけです。

明太子は、朝鮮半島でその原型が生まれたとされ、その取扱量は下関港が最多だったことや、下関で初めて日本人に合う味付けに変えたことから、下関は明太子発祥の地と言われています(諸説ありますが)。

当時辛子明太子は、見た目や食感や味を良くするためにいろいろな添加物を加えた商品がほとんどでした。安心安全を預かる者として、明太子を作る工程はもちろん、2次原料まで無添加商品の開発を目指すことになったのです。

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原材料はすべて一般家庭にありそうな、正体のわかるものばかり。

―2次原料とは?

 明太子を作るのに使う調味料などの原料のことです。みりんは、トウモロコシやブドウ糖、醸造アルコール不使用の本みりん、清酒は、米と麹だけから作られた混ざり気のないもの、しょうゆは、国産大豆と小麦粉と塩だけで作られているものを使っています。

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卵のプチプチ感、奥行きのあるうま味を十分に感じられる。

―完全無添加と味わいや食感を両立できる秘密は?

 まずは原料ですね。添加物を使わず明太子の身上であるプチプチ食感を保てるのは、私が試した限り、獲れてすぐに塩処理した北海道産の真子(産卵間近の熟成したタラコ)だけでした。それを調味液に漬け込んで丸4日間寝かせます。この調味液にも工夫があります。甘味料に頼らず、奥行きのある深い甘みを出すために、地元醤油会社の協力も得ながら、素材選びや配合、漬け方を何度も何度も試して完成しました。

―おすすめの食べ方は?

 やっぱり炊き立ての白いご飯にそのまま乗せて食べてください。辛口の日本酒のアテとしてもよく合います。辛子明太子そのものの本当の味わいを楽しんでいただきたいですね。

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白いご飯とベストマッチ。
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表面をさっとあぶっておにぎりの具としても。

―魚の純米大吟醸粕漬についてはいかがですか?

 これも取引先からのリクエストで作ったものです。下関は、魚を粕漬にして食べる文化はあまりありません。ですが、東京の百貨店バイヤーさんから、関東では漬け魚の人気があって、今後は明太子より需要が伸びるという話を受け、半信半疑で始めました。

どうせ作るなら、山口・下関のおいしい魚を使った山口づくしにこだわることに。日本酒をあまり飲まないので、詳しい友だちに山口のおいしい酒を聞いて回ったところ、10人が10人口を揃えて同じ銘柄を勧めてくれました。

試しに飲んでみたところ、フルーティーな味わいで後口はすっきり飲みやすい、とてもおいしい酒でした。全国的にも有名な銘柄と聞き、断られる覚悟で外線番号に電話。当時の社長が、なんと2つ返事で了承してくれて、大吟醸の酒粕を使わせてもらえることになったのです。

―こちらも同じく食品添加物や化学調味料無添加ですね。

 明太子を作るのに、添加物や調味料にかなり詳しくなりました。なにより「自分で本当においしいと思う物以外は売らない」という父の口癖を守りたいという気持ちが強かった。せっかくおいしい酒粕を使えることになったので、それに合う味噌を、下関で100年以上続く味噌蔵にブレンドしてもらいました。

―魚は切り身でなく開きなのですね。

 中まで均一に味を染みさせるため、開いて少し乾燥させてあります。そうすると浸透圧の作用で味が入りやすいのです。粕床に24時間以上漬けてそのまま急冷して発送します。

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安定して水揚げされる山口県産のサバ、キダイ、アマダイ各1枚と真アジ2枚のセット。

―おいしい食べ方を教えてください。

 冷蔵庫解凍し、両面グリルで焼くのが1番おいしいと思います。魚に付いた粕はお好みで軽く落としてもいいですが、焦げ目もおいしいですよ。手軽にするなら、フライパンにクッキングシートを敷いて焼くと汚れものが少なくて済みますね。こちらも、白いご飯にも辛口の日本酒にもよく合いますよ。

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魚焼きグリルやフライパンなどで両面焼くだけ。
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ほんのり焦げた粕床の風味も良い。
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身は柔らかく、中までしっかり味が染みている。
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山口県の大吟醸酒と合わせる乙な食べ方も。

―今後の商品展開は?

 明太子にしても粕漬けにしても、取引先のリクエストに応える形でできたものです。これからもニーズに耳を傾けながら、やったことのないことに挑戦していきたいですね。自分が本当においしいと思うもの、山口の良い魚を手軽に食べていただける商品を、全国に届けたいと思っています。

―素晴らしいお話をありがとうございました!

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「化学調味料無添加辛子明太子【北海道産】」(250g)
価格:¥4,320(税込)
店名:関門倶楽部 下関 唐戸市場・林商店公式通販サイト
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.kanmon-club.com/SHOP/HHMNT464.html
オンラインショップ:https://www.kanmon-club.com/

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「魚の純米大吟醸粕漬【山口県産】(華)
価格:¥3,780(税込)
店名:関門倶楽部 下関 唐戸市場・林商店公式通販サイト
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.kanmon-club.com/SHOP/HHICY631.html
オンラインショップ:https://www.kanmon-club.com/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
林憲志(株式会社林商店 代表取締役社長)
1962年山口県生まれ。2000年に入社。2002年に同社代表取締役社長に就任。「完全無添加・無着色辛子明太子」は下関ブランドに認定。「純米大吟醸酒の酒粕を使った魚の粕漬け」は2013年農林水産大臣賞を受賞、2014年に観光庁から世界に通じる究極のお土産に認定された。

<取材・文・撮影/植松由紀子 MC/根井理紗子 画像協力/林商店>

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