
香木の白檀と沈香の香りをもっと気軽に。創業170年以上の老舗が天然香料だけで調香した、お線香「ことのは」
2026/05/26
今回、編集長のアッキーが注目したのは、合成香料・化合物を一切使用せず、自然界の恵みだけで作り上げた「ことのは アソート(白檀・沈香)」です。深い森の中にいるような、奥深く、清々しい香りは、気持ちの鎮静作用があるといわれています。暮らしに心地よく溶け込み、気分をリフレッシュさせてくれるこのお香は、兵庫県で170年以上の歴史を紡ぐ老舗の挑戦から生まれました。
その背景には、伝統ある屋号を守りながら「香りの本質」を追い求め、独学で調香を極めた作り手の物語がありました。取材スタッフが、兵庫県に本社を構える、株式会社誠壽堂の代表取締役社長、桐月篤郎氏にお話を伺いました。

株式会社誠壽堂 代表取締役社長の桐月 篤郎氏
―江戸時代から続いている歴史について、これまでの歩みについてお聞かせください。
桐月 私たちは1849年(嘉永2年)、兵庫県神河町(かみかわちょう)でお線香の原料として使用される杉粉(すぎこ)の加工からスタートしました。1872年(明治5年)から本格的にお線香の製造を開始し、170年以上にわたってこの地でものづくりを続けてきました。大きな転換点となったのは1975年です。生活様式の変化に合わせて、日本で初めて「煙の少ないお線香(微煙香)」を開発し、業界に新しい風を吹き込みました。伝統を大切にすることはもちろんですが、常に時代のニーズを先取りする革新者でありたいと考えています。近年では、製造現場をYouTubeで公開するなど、隠し事のない誠実な姿勢で、今の時代に合った安心感をお客さまに届けることを大切にしているのです。


本社を置く兵庫県神河町の豊かな自然環境が、この香り作りの背景にある。
―社長ご自身が家業に戻られた経緯や、調香の道を志したきっかけについて教えてください。
桐月 学生時代はバンド活動に打ち込み、ギターを弾く毎日を送っていました。卒業後は別の道へ進むつもりでしたが、家業の状況により急遽戻ることになったのです。当初は戸惑いもありましたが、とある原料の仕入れ先の社長との出会いが大きな転換点となりました。その社長に影響を受け、お香の歴史や香木が持つ深い世界にきちんと向き合った時、まさに青天の霹靂とも言える衝撃を受け、「これこそが自分の進むべき道だ」と確信したのです。それから5年間、独学で調香の研究に没頭し、天然素材の個性をどう引き出すかを追い求め続けました。その研究の日々が、今のものづくりの確かな土台となっているのです。
―今回ご紹介いただく「ことのは」は、どのようなきっかけで誕生したのでしょうか。
桐月 以前より、お客さまから「天然100%のお香はないのか?」というお問い合わせを数多くいただいていました。市場にある多くのお線香は合成香料を主体としており、天然素材のみのお香は非常に高価で日常使いにはなかなか手の届かないものばかりだったのです。そこで、本物の香りを身近に楽しんでいただくために、手に取りやすい価格で天然100%のお香を作りたいと考え、開発をスタートさせました。

天然香原料100%で作り上げたお香「ことのは」。
―どのようなこだわりを注がれているのでしょうか。
桐月 合成香料や化合物を一切使わず、自然界の恵みだけで一定の香りを保つことは、実は想像以上に困難な作業なのです。天然香料は気候や産地によって香りが少しずつ異なるため、毎回同じ香りを再現するためには、長年の経験に基づいた微細な調整が欠かせません。
今回のアソートに含まれる「白檀(びゃくだん)」は、穏やかで温かみのある優しい香りが特徴です。一方、香りの極致ともいわれる「沈香(じんこう)」は、水に沈むほど樹脂が凝縮された希少な木を使用しており、奥深く落ち着いた雰囲気を放ちます。
―どのようなシーンで、この贅沢な香りを楽しむのがおすすめですか。
桐月 例えば、週末の朝に窓を開けて空気を通した後、自分を整えるために「白檀」を焚く。あるいは、頑張った一日の終わりに、空間をリセットして静かな眠りにつくために「沈香」の香りに包まれる。そんな使い分けをしていただくのが理想的ですね。お香を焚くことで、部屋の空気が清々しく書き換えられるような感覚は、天然100%ならではの贅沢な体験です。最近は、浄化やヨガ・瞑想の始まりにスイッチを切り替えるために活用される方も増えているようですよ。

日々に寄り添う「白檀」と「沈香」の香り。
―実際にお使いになった方からは、どのような声が寄せられていますか。
桐月 「お寺に入った時のような、心が洗われる香り」という感動のお声を数多くいただきます。口コミを通じて「癒やしのギフト」として大切な友人へ贈られることも増えており、本物の価値を知るリピーターの方々に支えられていることを実感しています。私たちの商品が、単なる消耗品ではなく、誰かの日常を特別なものに変えるきっかけになっていることが、何よりの喜びです。
―これからの展望や、大切にしていきたい信念についてお聞かせください。
桐月 香りを通じて、人と人、そして仏さまとご先祖さまとの「縁」を優しく繋いでいきたいという信念を持っています。お線香を焚くという習慣が持つ「心を整える価値」は、次世代にも誇れる素晴らしい日本の文化です。これからも「本当にいいものを、手に取りやすい形で」という姿勢を崩さず、より多くの方に心から喜んでいただけるお線香を届けていきたいと考えています。170余年の歴史がある老舗としての技と、私自身の感性を融合させ、世界中の日常を香りで豊かにしていく。そんな挑戦を、これからも一歩ずつ続けていくことが私の使命だと感じています。
―本日は貴重なお話をありがとうございました。

「ことのは アソート」
価格:¥3,300(税込)
店名:誠壽堂
電話:0790-32-0018(9:00~16:00 土日祝日定休日)
商品URL:https://seijudo.stores.jp/items/621d61ad110dda787ef2ad08
オンラインショップ:https://seijudo.stores.jp/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
桐月 篤郎(株式会社誠壽堂 代表取締役社長)
1973年兵庫県生まれ。大学卒業後、1996年に株式会社誠壽堂に入社。5年以上にわたる独学の調香研究により、数々のヒット商品を開発。新製品開発や新規顧客の開拓に注力し、2020年に代表取締役社長に就任。「香りで人と人の縁を繋ぐ」ことを信念に、伝統ある老舗の革新を牽引している。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/藤井ちあき 画像協力/誠壽堂>




























