「天然のクリーム」とも呼ばれる皮脂を考えてつくられた、肌本来のもつバリア機能を補うベースクリーム!

2025/09/22

今回、アッキーこと坂口明子編集長が気になったのは、手間暇かけてつくられた基礎クリーム、TO BI KEN(トービケン)の「ベースクリーム」です。製造しているのは、創業93年を迎えた株式会社東京美容科学研究所。時代に流されることなく「肌の健康」を真摯に追求し続けてきた化粧品メーカーで、多くの製品は今もなお職人の手作業によるもの。美容科学に基づき昔ながらの製法で丁寧につくられています。3代目として会社を率い、自らも美容科学講座の講師として全国の美容師や理容師の教育も行う同社代表取締役の小澤貴子氏に、企業の哲学、製品づくりへのこだわり、これからの展望などを取材陣が伺いました。

株式会社東京美容科学研究所 代表取締役 小澤貴子氏

―まず、御社の成り立ちについて教えてください。

小澤 昭和8年(1933年)に祖父が創業しました。当時は近代化の影で、化粧品に鉛や水銀が含まれる可能性があった時代でした。祖父は化粧品のあり方に疑問をもち、「肌の健康を守るもの」としての化粧品を製造することを志しました。

―どのような会社ですか?

小澤 創業以来一貫しているのは、製品によって「肌本来の力を引き出す」こと。化粧品の役割は、美しく見せること以上に、肌がもつ“守る力”を補い、健やかに保つことにあるという考えが原点です。

創業当時、美容の最先端というのは街の美容師さんが担っていたようなところがありました。でも戦前のことですから、最新のメイクを試して肌を傷めたり、顔にシミができてしまったり…。きれいになろうと努力する人ほどきれいになれない、そのことに祖父は非常に疑問をもち、生まれもった肌を健康に保つことこそが真のきれいに繋がるという考えに行き着いたそうです。

生物のもつ本来の仕組みを壊してまで取り繕うのではなく、もともとの機能を維持するための美容。今では世界的に知られている考え方ですが、早い段階から日本で同様に取り組まれている学者の方々と一緒に研究を重ねた成果を礎とし、肌のバリア機能を守る化粧品を製造し続けています。

また、美容科学講座(旧美容大学)をはじめとする教育部門をもち、誤った化粧品の知識に惑わされないよう、正しい美容知識の普及のために、これまで2万人以上のプロのメイクアップ、ヘアスタイリングの方々に指導をしてきました。

東京美容科学研究所(TO BI KEN)では、60年以上にわたり、全国各地で美容科学講座を開催。

―手づくりにこだわられているそうですね。

小澤 もともと化粧品が生まれた起源というのは、傷めてしまった肌をきれいに治すとか、日焼け後の肌荒れを癒やすとか、元の健康な状態を取り戻すための薬がそのスタートだと言われています。生薬にしても西洋の治療薬にしても、薬草やハーブなどを取り入れて処方することで、肌本来の健康を取り戻すサポートをするべく、手作業でつくっていました。「肌本来の」、というところが大事だという考えから、弊社は昔ながらの手作業・手づくりがいちばんとなり、こだわり続けているのです。

でも、手づくりこそが実は非常に難しい。難しいから時代と共に世の中の化粧品はどんどん新しい製法で、新しい材料を使って、新しい機能を追い求めてつくられるように変わってしまっています。新しいつくり方を否定するつもりはありませんが、私たちは弊社のつくり方を伝統工芸品のような気持ちで、大切に継承していこうと思っています。

製造工場では、昔ながらの寸胴鍋を使って熟練の技をもつ職人が手作業を続ける。

―社長の経歴を教えてください。

小澤 大学・大学院では応用化学を専攻し、その時に学んだ知識が化粧品の原料に使われる成分の構造や性質の見極めに役立っています。私の美容科学専門家としてのベースですね。卒業後は大手化学メーカーに就職し、研究職としてさまざまな原料や製品開発にも携わりました。この経験を通じて、化粧品に含まれる成分が肌にどう作用するのか、その「裏側」まで見通す専門的な視点を培ってきたので、今、TO BI KENで製品づくりを担ううえで、化学的な構造や反応の理解は欠かせない視点になっています。

―具体的にどのような経験をされてきたのですか?

小澤 私は幼少期から父に連れられて、よく工場で過ごしていた子どもでした。私たちの工場では、職人に聞けば原料はどんな色をしていて、どんな匂いがして、どんな風に肌に馴染むのか、すぐに答えが返ってくるんです。大きな製造装置はありませんから日々原料に触れて、「今日は雨だから明日つくろう」とか、「今日は気温が高いから、鍋に入れるのはゆっくりしないと肌あたりが悪くなる」とか、当時は「ずいぶんのんびりしているな」、と感じたものでした(笑)。

一方で、大学院を卒業して入社した会社では、工場の職人に頼る製造方法を排除する「生産の合理化」が一気に進められ、職人の技は使いやすい原料と製造装置に置き換えられて、多くの職人が工場を去ることになりました。日本を代表する企業でしたが、日本企業らしい細部にまでこだわる製品づくりが失われ、「らしさ」がぼやけていくことで本業での世界的ポジションを失う様子を現場で目の当たりにしたんです。

―TO BI KENに入ろうと思ったのはなぜですか?

小澤 真の化粧品づくりには、職人の知識と経験がどうしても欠かせないと感じたからです。私は学生時代から化学を学び、大手メーカーでも最新の技術に触れてきました。でも、いつしか「このままでは、肌が本当に求めているものを見失ってしまうのでは」と思うようになっていました。工場で見た職人たちの手仕事は、当時は「のんびりしているな」と思えるものでした。

しかし、「今日は雨だから明日にしよう」「気温が高いから、時間をかけて混ぜよう」――そんな判断は、実は肌にとって適切な環境を整えるものであり、人の肌と真剣に向き合うからこその“技”でした。そのひとつひとつが、「肌にやさしく馴染む」感覚や、「肌のバリア機能を守る」理にかなった行動であったと、後に化学の視点から気づかされました。

人の感覚は非常に研ぎ澄まされたものなのです。正直に言えば、経営者としては効率や生産性の面で迷うこともあります。でも、だからこそ、この職人の技を絶やしたくない、守りたい。その思いが、私をTO BI KENに引き寄せたんだと思います。

―TO BI KENで大切にしていることは何でしょうか。

小澤 色々な経験をしてきた今、心から思うのは、本当に良いものをつくり続けられるのは、小さな会社だからこそじゃないかということです。大きな会社にはスピードやスケールという強みがありますが、その一方で、心が宿るものづくりは、少しずつ手をかけながらでないとできません。

私は、会社も“生きもの”だと思っています。創業者の想いがあって、職人の技があって、社員ひとりひとりの気持ちがそこに流れている。そうした目に見えない“血流”のようなものが、私たちの製品を特別なものにしているのだと感じています。今では、「大量生産ができない」ということが、むしろ私たちらしさであり、強みなのかもしれないとも思うようになりました。そこにこそ、ものづくりのおもしろさがあるんです。

他の化粧品メーカーにはない、昔ながらのつくり方を大事に踏襲していく方向性で社員も一致団結。

―そんなTO BI KENを体現している商品をひとつ選ぶとしたら?

小澤 どの製品もこだわりやポリシーをもってお届けしているので、とても選びにくいのですが、あえて選ぶなら「クリーム」ですね。大きな特徴は、「天然のクリーム」とも呼ばれる皮脂を考えてつくられたということ。東京美容科学研究所(TO BI KEN)らしさを感じていただける商品だと思っています。

今回おすすめのTO BI KEN「ベースクリーム」も、まさに昔ながらの製法でつくり続けてきたのだそう。

―その製法には、どんな秘密があるのでしょう。

小澤 (少し難しい話かもしれませんが)人間の皮膚の細胞というのは「リン脂質」というものをもっているのですが、それを利用して、皮脂がつくられる過程と同じようにクリームをつくっています。スキンケアのクリームというのは、水と油でできているので、クリーム状にするにはそれを混ぜないといけない。でも、水と油って、分離して混ざりませんよね。そこで、「鹸化(けんか)法」という製造方法を取り入れています。油脂を原料とする純度の高い石鹸づくりの際に使われる、伝統的な製法なのですが、これが本当に繊細でして…。絶妙な配合バランスや温度管理など、職人の勘や経験に頼る部分が大きく、まさに手づくりならでは。とても手間暇を掛けた工程を経てつくられているのです。

クリームをどのような方に使っていただきたいですか? 

小澤 特に30代後半くらいからの、何となく肌がこれまでと違ってきちゃったな、と気付かれた女性におすすめしています。人はお風呂に入らなかったり洗髪しなかったりすると、皮膚がベタベタして気持ち悪いなあ、となりますよね。でも皮脂だったり汗だったり、実はそういうものを自分の肌からしっかり出せるというのはとても大切なことなんです。ところがどうしても現代の女性はその力が衰えがちです。年齢のせいもあるのですが、それまでのコスメの経歴といいますか、20歳前後から覚え始めた濃いメイクだったり、過度なスキンケアで肌本来のもつ力が怠けてしまっている方がとても多いんです。そういった、出す力が衰えて乾燥が気になってきた世代の方に、ぜひ試していただきたいです。

クリームを使う目的としては…

小澤 皮脂の代わりになる油分を、足りない分だけ補うこと、でしょうか。このクリームは、皮膚の表面を覆う皮脂膜をお手本にした処方でつくられています。「天然のクリーム」とも呼ばれる皮脂のように、油分と水分をバランスよく補い、うるおいを保ちます。肌の乾燥を防ぎながら、肌に寄り添い、健やかな肌を目指すことを目的としています。

余談ですが、戦前は日本人の8~9割が乾燥を感じない肌だったと言われています。余計なことはしない方が、肌は本来もっている機能をキープでき、怠けたりしないということなのです。近年では、男性の敏感肌、乾燥肌というのがとても増えたなという印象です。ここ5年、10年くらいでしょうか。男性がメイクやスキンケアに積極的に取り組むようになり、おそらく皮脂を取りすぎてしまったり、過度に油分を与えすぎた影響で、肌のバリア機能が弱まってしまっている方がとても多いのではないかと思います。

TO BI KEN「ベースクリーム」は、男女問わず、年齢による皮脂分泌の低下が気になる方、職場の空調環境などで乾燥が気になる方、長時間メイクをされる方等々、幅広くお使いいただける製品です。

モノトーンのレトロな瓶と、シンプルなロゴがデザインされたパッケージがシックでおしゃれ。

―肌にスッと伸びるような使い心地でした。

小澤 少量でよく伸びますから、パール粒1個分くらいを顔全体に伸ばすように使用してください。朝晩のお手入れはもちろん、メイクから素肌を守る化粧下地としても使えます。ファンデーションをつける前に塗ることで、メイクを直接、肌に触れさせないための下地になります。

パール1粒分くらいが目安。べたつきにくいので、ファンデーションをのせた後も仕上がりがきれい!

こだわっているポイントは?

小澤 私たちは、製造から充填、そして梱包に至るまで、すべての工程を“人の手”で丁寧に行っています。ひとつひとつに、想いを込めて、誤魔化さず、正直に。そんな姿勢をずっと大切にしてきました。

機械任せにせず、ひとつずつ人の手と目で確認しながら梱包。

化粧箱の内側には、使用方法を記載。
ミシン目に添って開くと説明書になるため、紙資源の節減と共に、文字が大きくて読みやすいというメリットも。

―まるで酒蔵の職人さんのようですね!

小澤 ですね(笑)。化粧品づくりというより、日本のものづくりの原点を受け継ぐ仕事だと思っています。「効率」や「合理性」だけではたどり着けないものが、たしかにあるんです。この手間を惜しまないやり方を、“時代遅れ”とは決して呼ばせたくない。むしろ、こうした姿勢こそが今の時代に必要なのではないかとさえ感じています。私は心から願っています。この製法と想いを、次の世代へと残していきたい。それが、日本の製造業が守るべき“伝統文化”であり、TO BI KENが担うべき役割だと信じているからです。

―クリームを購入したお客様からは、どのような声が届いていますか?

小澤 私たちの製品は敏感肌のお客様にはなくてはならない製品となっているので、「これがないと生きていけない!」というお声はよくいただきます。また、「手づくり感が実感できるやさしいテクスチャーだ!」なんていうお言葉をいただくと、社員一同とてもうれしくなります。

弊社の他製品も含めて、親から子へ、子から孫へ…と、3世代、4世代にわたってご愛用いただく熱狂的なファンが多いのも特徴です。おばあ様世代の方々からは、創業当初からある商品を「やめないで~」「変えないで~」と言っていただくこともあるんです(笑)。

でも何せ90年前ですから、やはり今の方と当時の方とでは肌もライフスタイルも違います。製法のベースは変えずに使い勝手を改善していくなどしながら、ターゲット層や価格帯に応じてラインアップを増やし、現在は大きく分けて2ブランドにて展開。進化版の「TO BI KEN(トービケン)」とベーシック版の「GENOA(ゼノア)」となっています。

左からTO BI KENの「BASE1 ベースコールドクリーム」「BASE2 ベースソープ」「BASE3 ベースローション」「BASE4 ベースクリーム」。

―全体的な商品の特徴を教えていただけますか?

小澤 原材料にこだわっていることも大きな特徴です。例えば化粧水には「タンニン(タンニン酸やカキタンニン等)」が入っています。これはポリフェノールの一種で、肌の引き締め、抗菌、抗炎症作用があるといわれているのですが、製造するのにはハンドリングが非常に難しいんです。これを安定させるにはやはり職人の技が必要。どの商品も、一品一品、細部まで手を抜かず、繊細につくり上げています。

―どこで購入できますか?

小澤 自社のオンラインショップがございます。洗顔、化粧水、クリーム…と、ラインで使っていただくと効果が実感しやすいのですが、商品の選び方や使い方、そもそも何から始めたらいいのかなど、最初は戸惑われることもあると思います。そこで、無料の電話相談窓口を設けています。私自身、相談員としてお客様と30分、時には1時間とお話することもあるんですよ!もちろんメールでのご相談にも対応していますので、まずはお気軽にサイトを訪ねてみてください。直営の店舗ですと、東京は表参道と池袋に、それから大阪、福岡、北九州に1店舗ずつ出店しています。

―ちょっと意外ですが、メイク用品も扱っていらっしゃるんですね。

小澤 はい。ファンデーションやリップ、アイメイクなども扱っています。もちろん、基本的な製造方法は、これまでお話してきたスキンケア同様の考え方でつくっています。例えば肌にいいファンデーションよりも、肌に負担がかかるファンデーションの方が仕上がりはきれいだなどと思っていませんか?

肌にとっていいものって、きれいには繋がらないのじゃないかと誤解されがちなのですが、全然そんなことはないんです!先ほど申し上げた、昔ながらの製法でつくりつつ使い勝手はよくしていく、という話も同じなのですが、肌にいいイコールきれい、イコール使いやすい、それを実現させるのが弊社の考え方です。

生まれた時みたいに健やかなきれいを保つ、コンディションを整えてきれいを引き出す、それを実感できる化粧品づくりは、実現可能なのです。

こういった化粧品や肌に関する知識や考え方、選び方などを学べる場として、YouTubeを開設しました。美容に関する情報を科学的に、わかりやすくお届けしていますので、こちらもぜひのぞいてみてください。
https://www.youtube.com/@Kenrepo

―では最後に、今後のビジョン・展望を教えてください。

小澤 「いつまでも美しく、生きがいのある人生を」これは創業者である祖父が残した言葉です。私にとっても、そして今のTO BI KENの社員にとっても、私たちの原点となる想いです。

今の日本では、“効率化”や“便利さ”が優先されるあまり、「変わらない価値」がどんどん見えにくくなっているように感じています。でも、肌に触れるものだからこそ、手間暇を惜しまず、ひとつひとつに心を込めてつくることが、肌を大切にすることに直結すると思うんです。

私たちはこれからも、創業者の心を受け継ぎながら、職人とともに「心・技・体」を磨き続けていきたい。そして、手づくりのスキンケア製品を通じて、誰かの“生きがい”をそっと支える存在でありたい。それが、私自身の生きがいでもあります。

―肌と化粧品に対する見方・考え方が変わりました! 本日は、貴重なお話をありがとうございました。 

TO BI KEN BASE4「ベースクリーム」(40g)
価格:¥7,700(税込)
社名:株式会社 東京美容科学研究所
電話:03-3949-4141(10:00~17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://genoashop.net/products/detail/119
オンラインショップ:https://genoashop.net/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

小澤貴子(株式会社 東京美容科学研究所 代表取締役)
上智大学理工学部化学科卒業後、応用化学修士課程を修了。大手化学会社で研究員を務めたのち、上智大学理工学部化学科非常勤助手として研究に従事。2009年、株式会社 東京美容科学研究所に入社。2009年5月14日、代表取締役就任。理学士、工学博士(応用化学専攻)。

<文/亀田由美子 MC/藤井ちあき 画像協力/東京美容科学研究所>

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