大吾の『爾比久良』と三谷龍二さんの木の器

大吾の『爾比久良(にいくら)』と三谷龍二さんの木の器

こんにちは、飛田和緒です。今回ご紹介するのは、東京都練馬区の閑静な住宅街・大泉学園にある和菓子屋、大吾さんの『爾比久良(にいくら)』です。黄味しぐれの和菓子といえば・・・といわれる和菓子をいちどは口にしてみたいと思い取り寄せました。

『爾比久良』は昭和天皇の御訪米に際し献上した和菓子。

大吾さんは、和菓子屋としては比較的若いお店・・・といっても40年。お祝用や法事、引出物等の特注菓子も作られており、地元に愛されているお店であることがうかがえます。『爾比久良』は昭和天皇の御訪米に際し献上した和菓子。当時、和菓子職人としてアメリカに派遣されていた創業者が製作の依頼を受け用意したお菓子がその原型だそう。素材の良さはもちろん、シンプルながら上品さのある形状から、考え抜かれて生まれた和菓子ということが容易に想像できます。

『爾比久良』は手にするとその重さに驚きます。栗入りは知っていましたが、想像以上にずっしりとした重さ。包み紙を開くと、黄味しぐれの滑らかさは見た目でも十分わかるほどです。卵黄と白餡のバランスが見事で、型崩れすることなくしっかりと美しく固められています。ですので、包丁がスッと入り、切り口がとてもきれい。そして中心には小豆餡に包まれた大きな一粒栗。十字に切っても同じ見た目なので、丸々と形の良いものを揃えているのでしょう。栗1つ挙げても、素材へのこだわりが伝わってきます。
しっかり固められていた黄味しぐれですが、菓子楊枝でほろりとほどける柔らかさ。口にするとキメの細かい滑らかさを感じ、サラリと溶けていきます。栗はさっぱりとした甘露煮で好きな味でした。柔らかすぎない食感の良さとともに、餡の存在感も十分楽しめます。全体的に程よい甘さですが、約6cm×6cm×3cmと和菓子としては大ぶりなので、切り分けていただいても。
大手百貨店の全国銘菓コーナーの常連品として、和菓子バイヤーたちがこぞって選ぶのも納得。贈り物にしたら喜ばれる、いただいたら嬉しい、と思う一品でした。

中心には小豆餡に包まれた大きな一粒栗。十字に切っても同じ見た目なので、丸々と形の良いものを揃えているのでしょう。

今回の器は、三谷龍二さんの作品です。この連載で何度も登場している三谷作品ですが、一時、収集していたので、まだまだあります(笑)。この木の器は20年程前に2枚購入しました。縦横15cmの正方形で高さは3cmほど。木の器は高さがあればあるほど、製作に時間がかかるのはもちろん、1枚板の厚みが必要になるので高級品になるそうです。この器はデザインが洋風で、使いやすい。かなり気に入っているので、使い込まれた風合いがでています。実は使い過ぎて白っぽくなってきたので、本当は油を馴染ませてケアしなきゃいけないな、と思っているのですがすぐに使ってしまうので・・・それでは器が休まらないですね。普段は、和菓子やクッキー、チョコレートなどお菓子用に使っています。

<気になる和菓子>

OFFICIAL SNS

Instagramでハッシュタグ#お取り寄せ手帖を検索。

  • Instagram
  • Facebook
  • Twitter