老舗酒蔵・菊正宗が日本酒から造る「百黙スパークリング」と醸造技術を生かして実現した香り豊かなクラフトジン「BESIDE」

2026/06/04

今回、編集長のアッキーが注目したのは、菊正宗酒造が手がける、麗しき泡のスパークリング日本酒「百黙スパークリング」と、ジュニパーベリーの香りと天然の甘みが調和するジャパニーズ・クラフトジン「BESIDE」です。創業360余年の歴史を持つ名門酒蔵が、伝統的な手法で磨き上げた確かな技術を注ぎ込み、現代のライフスタイルに寄り添う「新しいおいしさ」を完成させました。
その背景には、長い歴史を背負いながらも、常にお客様へワクワクを届けたいと願い、進化を続ける作り手の情熱があります。取材スタッフが、兵庫県に本社を構える、菊正宗酒造株式会社 代表取締役社長の嘉納治郎右衞門氏にお話を伺いました。

菊正宗酒造株式会社 代表取締役社長の嘉納治郎右衞門氏

―まずは、御社の歩みについてお聞かせください。

嘉納 私たちの創業は1659年(万治2年)、徳川4代将軍家綱の時代まで遡ります。ただ、約700年前にも酒造りをしていたという記録が残っています。神戸に立ち寄られた後醍醐天皇にお酒を献上したところ大変喜ばれ、「嘉納」の姓を賜ったと町史に記録されています。
※「嘉納」とは、“ほめ喜んで受け取ること”を意味しています。
当時は材木商や網元を営む傍ら、お酒を造っていたのだと思います。
そして、江戸中期に灘のお酒が安定供給源として重宝され、需要が爆発的に高まったことを受け、戦略的に酒造業へと特化し、本格的な蔵元としての歩みを始めました。

360年以上の歴史にわたり、神戸・灘の地で良質な水と米を活かした酒造りを守り続けている。

―社長ご自身の歩みについても教えていただけますか。

嘉納 家業を継ぐ前は、全く別の業界で経験を積んでいました。大手スーパーのイトーヨーカ堂に入社し、5年弱、魚売り場で長靴を履いて魚を捌く毎日を過ごしていたのです。朝早く市場へ行って仕入れを行い、お刺身などに加工して販売する日々。そこで学んだのは「商売の難しさ」と、消費者目線でした。お酒と同じく、魚も季節によって旬があり、個体差があります。「お客様が今何を求めているのか」を常に現場で肌身に感じていた経験は、今の経営にも大きな影響を与えています。
家業に戻ったきっかけは、父から「体調が悪いから帰ってきてほしい」と連絡があったことでした。急いで戻ってみたら、父は拍子抜けするほど元気で、当時のことは今では笑い話になっています。しかし、そのおかげで覚悟が決まりました。社史に残る「正品正価(正しい品を正しい価格で)」という誠実な精神を大切にしながら、今の時代に合った酒造りに挑んでいこうと心に決めたのです。

―今回ご紹介する「百黙スパークリング」についてお聞かせください。

嘉納 「百黙(ひゃくもく)」というブランドは、2016年に立ち上げました。看板である「菊正宗」が伝統を守るクラシックな存在であるのに対し、その対極にある「尖った個性」を持つブランドを目指したのです。かつては「お寿司には日本酒」という定番がありましたが、今は「お寿司にシャンパン」といった多様なペアリングが楽しまれています。そうした現代の食文化の変化に対応し、洋食にも合わせられる日本酒を提案したいと考えました。開発にあたっては、私と同世代の社員たちとともに、自分たちが本当に飲みたいお酒を徹底的に追求したのです。

「洋食に合う日本酒を」という思いから誕生した「百黙スパークリング」。

―「百黙スパークリング」のこだわりを教えてください。

嘉納 実は、日本酒をスパークリングにするのは技術的に非常に困難です。私たちは、蒸米・麹・水を混ぜ、自然界の乳酸菌の力を借りて力強い酵母を育てる伝統的な手法「生酛(きもと)造り」で培った高度な発酵技術を駆使し、きめ細やかで麗しき泡を実現しました。
最高級の酒造好適米「山田錦」と、六甲山系の天然水「宮水」を贅沢に使用しています。アルコール分を10%に抑えながらも、お米本来の旨味をしっかり残し、飲み応えのある味わいを実現するために、緻密な発酵コントロールを行っています。

独自の発酵制御技術により、きめ細やかな泡を引き出している。

―「百黙スパークリング」のおすすめの楽しみ方を教えてください。

嘉納 お料理とお酒が、どちらも主役として引き立て合う「ダブル主演」のペアリングを提案しています。たとえばお気に入りのデリやチーズと一緒に、贅沢なひとときを楽しんでいただきたいです。グラスに注いだ瞬間にマスカットや洋梨のようなフルーティーで華やかな香りが広がるので、日本酒のイメージが軽やかに変わる驚きをお届けできると確信しています。ワイン好きの方への贈り物としても、きっと喜んでいただけるはずです。

フルーティーで華やかな香りが、料理を引き立てる。

―次にご紹介の「BESIDE」は、なぜクラフトジンを手がけることになったのでしょうか。

嘉納 「BESIDE(ビサイド)」は、私たちの「本気」を込めた新しい挑戦です。日本酒の市場が成熟する中で、私たちは長年培ってきた「発酵の技術」を他のジャンルでも活かせるのではないかと考えました。近年、ジンは世界的に注目を集めていますが、流行に流されるのではなく、菊正宗らしい誠実なものづくりをジンの世界でも表現したいという思いが、この商品誕生の原動力となりました。

酒蔵ならではの技術と知見を活用して誕生したジン「BESIDE(ビサイド)」。

―「BESIDE」のこだわりと、楽しみ方について教えてください。

嘉納 近年、個性的な地元の食材を使うジンも増えていますが、私たちはあえて正統派な味わいに挑みました。ジンに欠かせない「ジュニパーベリー」の香りを最大限に活かし、日本酒造りで磨いた技術によって、ボタニカル由来の奥深い天然の甘みを引き出したのです。
特におすすめの飲み方は「ホットジン(お湯割り)」です。お湯で割ることでアロマのような香りがふっと立ち上がり、心地よくしてくれます。一日の終わりに、読書や映画を楽しみながらゆったりと味わうリラックスタイムの傍らに置いていただきたい。そんな思いをブランド名に込めました。

―最後に、今後の展望をお聞かせください。

嘉納 「わくわくを醸し、届けていく。揺るぎない心と、遊びゴコロ。」という新しいビジョンを掲げました。これまでは「伝統と革新」という機能的な価値を重視してきましたが、これからは、お客様が直接「楽しさ」を感じられる情緒的な価値や体験を提供していきたいと考えています。神戸・灘にある記念館のアップデートや、ビール醸造を始めたりなど、お酒のある豊かなライフスタイルを提案する場を増やしていく構想です。360年の伝統を大切に守りながら、若手社員とともに次の100年も愛される企業であり続けたい。老舗としての安心感と、常に新しい挑戦を続ける遊び心を共存させ、これからも皆様に驚きと感動を届けてまいります。

―本日は貴重なお話をありがとうございました。

「『百黙スパークリング 720ml』化粧箱入り」
価格:¥11,000(税込)
店名:菊正宗ネットショップ
電話:078-854-1119(9:00~16:30 ※土日祝日を除く)
商品URL:https://www.kikumasamune.shop/c/hyakumoku/nk717
オンラインショップ:https://www.kikumasamune.shop/

「BESIDE 700ml」
価格:¥4,950(税込)
店名:菊正宗ネットショップ
電話:078-854-1119(9:00~16:30 ※土日祝日を除く)
商品URL:https://www.kikumasamune.shop/c/liquor/liqspirits/spirits/nk664
オンラインショップ:https://www.kikumasamune.shop/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

嘉納治郎右衞門(菊正宗酒造株式会社 代表取締役社長)
1975年生まれ、兵庫県神戸市出身。2016年代表取締役社長に就任。「伝統と革新」を掲げ、日本酒の新しい価値創造に邁進している。

<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/田中香花 画像協力/菊正宗酒造>

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