榮太樓の挑戦! 明治、大正の伝承をあめ菓子に再現「スイートリップ」とサクサク、ふわっの新食感「板あめ 羽一衣(はねひとえ)」

2026/05/21

今回、編集長のアッキーが注目したのは、榮太樓總本鋪のグロスリップのようなチューブに蜜状のあめを詰めた「スイートリップ」です。明治、大正の頃、上方の芸妓さんたちが榮太樓の梅ぼ志飴を口紅の下地として使い唇を彩ったという逸話を「食べる宝石」として現代風にリデザイン。その発想とクオリティは老舗ならではの実力です。さらにリニューアエルされたパッケージも商品の魅力を高めています。

また、サクサク食感とはかない口溶けが魅力のあめ菓子「板あめ 羽一衣」にも注目。天女の衣のように軽やかで、口に入れた瞬間に消えてしまうような繊細な板あめも、飴を長く扱ってきたからこその商品です。

200年を超える歴史を守りながら、なぜこれほどまでに新しい感覚の商品が生まれたのでしょうか。その背景には、自らを「200年目のベンチャー企業」と呼ぶ老舗菓子店の誠実な歩みがありました。取材スタッフが、東京都に本社を構える、株式会社榮太樓總本鋪 代表取締役社長の細田将己氏にお話を伺いました。

株式会社榮太樓總本鋪 代表取締役社長の細田将己氏

―まずは、御社の歩みについてお聞かせください。

細田 私たちの創業は1818年(文政元年)で、200年以上の歴史があります。江戸時代の終わり頃、日本橋のたもとに屋台を出して、つぶしあんを薄い小麦粉の皮で包み、鉄板で焼いた伝統的な和菓子「きんつば」や大福などの生菓子を販売したのが始まりです。当時は日本橋の活気の中で、江戸の人々の日常に溶け込んだお菓子屋でした。その後お店を構えるようになり、戦後には私の祖父が「デパ地下」の原型となる共同出店の仕組みを日本で初めて発案したという歴史もあります。渋谷にあった共同出店の業態がヒットし、それが全国の百貨店へと広がっていったのです。

私たちは伝統を大切にする一方で、常に時代に合わせた新しい業態や販路に挑戦してきました。現在は百貨店向けのギフトだけでなく、スーパーやコンビニエンスストア、それからオンラインショップと、お客さまのライフスタイルに合わせて、さまざまなブランドを展開しています。

創業以来、和菓子を作り続けてきた。
長年の技術を活かし、時代に合わせた新しいお菓子も生み出している。

―社長ご自身のご経歴や、家業を継ぐうえでの思いについても教えていただけますか。

細田 私は東京で生まれ育ちましたが、大学はアメリカのマサチューセッツ州へ留学し、マーケティングを学びました。その後、商社の三井物産に入社して外食事業などを担当し、食のビジネスにおけるヒットの法則や、お客さまへ価値を伝える手法を学んできたのです。家業に入ることがあらかじめ決められていたわけではありませんが、父からは「外の世界でもきちんと認められる力をつけなさい」と言われて育ちました。

2023年に12代目の社長に就任してからは、それまで職人たちの間で「語らない美学」として受け継がれてきた高度な技術やこだわりを、あえて言葉にして明文化することに注力しています。伝統はただ守るだけでなく、今の時代に伝わる言葉に翻訳して発信していくことが、お客さまのためになると信じています。

―今回ご紹介いただく一つ目の商品「スイートリップ」は、どのようにして誕生したのでしょうか。

細田 これは「Ameya Eitaro(あめやえいたろう)」という、あめを宝石のように売るというコンセプトのブランドから生まれた商品です。実は、明治から大正にかけて、上方の芸妓さんたちが榮太樓の梅ぼ志飴を少し唇に塗り、グロスのような艶を出していたという素敵な伝承があるのです。その粋な美意識を現代風に解釈できないか、というアイデアがきっかけとなりました。忙しい毎日を送る現代の女性が、ポーチに忍ばせて一瞬で笑顔になれるような「小さな幸せ」を届けたいと考え、リップグロスのようなチューブに入ったあめを開発したのです。日本橋の菓子屋の看板を背負いながら、新しい見せ方に挑戦した、思い入れの深い一品です。

芸妓さんたちが唇に塗っていたというエピソードから着想を得た、リップグロス型のあめ菓子。

―「スイートリップ」の製法や素材、パッケージへのこだわりを詳しくお聞かせください。

細田 見た目は非常に現代的ですが、中身は江戸時代から続く本格派です。極力、香料や着色料を使わないことにこだわっています。今回ご紹介する3本入には、伝統的な有平糖(あるへいとう)、甘酸っぱいりんご、芳醇なコンコードグレープの3種類が詰め合わせられています。有平糖は砂糖と水飴を銅鍋で丹念に煮詰める伝統製法を守っていますし、リンゴやグレープなどのフレーバーも産地を厳選した濃厚な果汁を贅沢に使用しているのです。

また、パッケージにも江戸の美意識を詰め込みました。3本入のギフトボックスは、着物の胸元に忍ばせる小箱「筥迫(はこせこ)」をイメージした装いになっています。さらに、箱を開けた瞬間にだけ見える内側のデザインは、着物の「裏の美」の美意識を表現しているのです。

味は有平糖、りんご、コンコードグレープ、あまおう、ゆず、宇和島ブラッドオレンジの6種類。
かわいらしいパッケージは、ギフトにもぴったり。

―おすすめの楽しみ方や、お客さまからの反響はいかがですか。

細田 そのまま一口味わっていただくのはもちろん、紅茶にお砂糖代わりとしてひと絞りすると、果実の香りがふわっと広がります。また、ヨーグルトやバニラアイスに彩りや甘みを添える楽しみ方もおすすめしています。発売当初は、行列ができるほどの反響が出ました。ホワイトデーなどのギフトに男性の方が選んでくださることも多いです。一人で数百本をまとめて購入される熱心なファンの方もいらっしゃいます。

ヨーグルトやアイスクリームにかけて味わうのもおすすめ。

―もう一つの商品「板あめ 羽一衣(はねひとえ)」についても、誕生のきっかけを教えてください。

細田 実は「幸福な偶然」から生まれた商品なのです。ある時、工場の品質管理の機械の中に、職人があめを置いたままにしてしまったことがありました。後で見に行くと、あめがこれまでにないほど膨らんでいたのです。「あめはこんなにも膨らむのか」という驚きから着想を得て、商品化への探究が始まりました。

天女の衣のように軽やかではかない食感から「羽一衣(はねひとえ)」と名付けました。あめといえば「硬く、なめるもの」という固定観念がありますが、この商品はサクサクと噛んで楽しむ、これまでにない体験を提案しています。

サクサクとした独特の食感と咀嚼音が特徴の板あめ。
味はストロベリー、ソーダ、ヨーグルトの3種類。

―「板あめ 羽一衣」の食感や、新しい楽しみ方についても詳しく教えてください。

細田 熟練の職人が炊き上げた有平糖にたっぷりと空気を含ませ、一枚一枚丁寧に板状に仕上げています。口に入れた瞬間にわたあめのようにふわっと溶けて消える驚きは、多くのお客さまを虜にしています。特に、噛んだときの心地よい咀嚼音がSNSなどで話題になり、咀嚼音を楽しむ動画(ASMR)として若い世代からも大きな支持をいただいているのです。重なり合う繊細なパステルカラーが、まるで光を透かす色紙を並べたような美しさも特徴です。

食べ方の提案としては、そのまま味わうほか、小さく割ってアイスクリームにトッピングしてみてください。食感のコントラストが生まれて、新感覚のデザートとして楽しめると思います。

チョコレートやアイスクリームとあわせて食べるのもおすすめ。

―最後に、これからのビジョンについて教えていただけますか。

細田 私が社長として掲げている最大の目標は、「生涯働きたいと思える榮太樓を作る」ことです。お客さまをハッピーにするためには、まず働いている従業員が心から幸せでなければならないと考えています。職人の技を次世代へ繋ぐ仕組み作りや福利厚生の充実はもちろん、日本中のいいものを私たちの手で世界へ繋いでいきたいのです。現在、アメリカのAmazonなどを通じて海外展開も加速させていますが、日本の伝統的な「あめ文化」を世界中へ届けていく挑戦はまだ始まったばかりです。日本橋という街に根を張りながら、変化を恐れないベンチャースピリットを持って、次は300年企業を目指して歩み続けていきたいと考えています。

―本日は貴重なお話をありがとうございました。

「【リニューアル】あめやえいたろう スイートリップ 3本入」
価格:¥2,916(税込)
店名:榮太樓公式オンラインストア
商品URL:https://www.eitarosouhonpo.co.jp/SHOP/1163625.html
オンラインショップ:https://www.eitarosouhonpo.co.jp/

「あめやえいたろう 板あめ 羽一衣 3種入」
価格:¥1,674(税込)
店名:榮太樓公式オンラインストア
商品URL:https://www.eitarosouhonpo.co.jp/SHOP/1160453.html
オンラインショップ:https://www.eitarosouhonpo.co.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

細田将己(株式会社榮太樓總本鋪 代表取締役社長)
1973年生まれ。アメリカのマサチューセッツ州にある大学でマーケティングを学んだ後、総合商社の三井物産株式会社に入社。食品・外食事業の担当を経て、2007年に家業である株式会社榮太樓總本鋪に入社。2023年、12代目社長に就任。伝統の技を言語化して次世代へ繋ぐとともに、自ら全国の産地へ足を運ぶなど、老舗に革新をもたらす「200年目のベンチャー」を体現している。

<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/藤井ちあき 画像協力/榮太樓總本鋪>

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