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吉田茂も通った高知の老舗旅館から。柚子が爽やかに香る「グローカルバウム」

2025/09/26

今回、編集長のアッキーが注目したのは、しっとりとした生地に、高知県馬路村(うまじむら)産の柚子が爽やかに香る「グローカルバウム【柚子】」です。手がけるのは、高知の老舗旅館・城西館。おいしさの裏側にある、地域や未来へ向けた温かい思いについて、株式会社城西館 代表取締役社長の藤本幸太郎氏に取材スタッフがお話を伺いました。

株式会社城西館 代表取締役社長の藤本幸太郎氏

株式会社城西館 代表取締役社長の藤本幸太郎氏

―まず、城西館の歴史と歩みについてお聞かせください。

藤本 弊社は1874年(明治7年)に高知県高知市にて創業した旅館で、2024年に150周年を迎えました。私で11代目です。

これまで皇室の方々をはじめ多くの賓客をお迎えしてまいりましたが、中でも吉田茂元総理とのご縁は、私どものおもてなしの心を示す大切な歴史ですね。1946年、吉田茂元総理が故郷の高知に戻られた際にお泊まりいただいたのがご縁の始まりです。戦後すぐで暖房すらない時代に、曽祖母の藤本楠子(8代目社長)は焼け跡から拾った湯たんぽで総理の足元を温め、古い傘の布でお召し物の袖を繕いました。

言葉にはされずとも、その優しいお人柄からお喜びいただいていることが感じられたそうです。この心尽くしのもてなしがきっかけで、総理は当館を大変お気に召してくださったと聞いています。また1954年頃には館の看板を書いていただきました。総理直筆の看板は今も家宝として大切に保管しています。

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吉田茂元総理、直筆の看板。
正面玄関には、その文字を写した看板が飾られている。

藤本 これまでも増改築を重ねてきましたが、1994年(平成6年)には大規模な増改築を行いました。時代やお客様のニーズに合わせて変化を続けていますが、根底にある精神は変わりません。創業から150余年、先人たちが築き上げた「さりげなく、そしてあたたかく」というおもてなしの心を、今を生きる私たちがしっかりと受け継ぎ、未来へと繋いでいきたいと思っています。

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創業当時の写真(上)と、今の城西館(下)。
150年の歴史を刻む。

―藤本社長は2024年に代表取締役に就任されたそうですが、どのような経緯があったのでしょうか。

藤本 私はオーナー家の長男として生まれ、物心ついた頃から周囲の人に「将来は城西館を継ぐんだね」と言われて育ちました。親から直接言われたことはありませんが、自然とそのように意識していたように思います。大学卒業後は県外のホテルで3年ほど修業した後、城西館へ戻りました。入社後は接客やフロント、宿泊営業、経営企画など、さまざまな現場を経験し、このたび社長に就任いたしました。

―社長として、また城西館として、最も大切にされていることは何でしょうか。

藤本 「品質は絶対に妥協しない」ということです。当館は高知市の市街地にあり、温泉地のような特別な立地ではありません。だからこそ、「おもてなし」と「料理」でご満足いただくために最善を尽くしたい。スタッフにはたとえスマートでなくても、一生懸命お客様と向き合う姿勢を大切にするよう伝えています。そうすれば、その思いは必ずお客様に届く、と。DXをはじめとした様々な工夫で業務を効率化し、スタッフがお客様と向き合う時間を最大限確保できるような環境づくりも進めています。

そして、品質を支えるもう一つの柱が「料理」です。私たちは、高知県の生産者の方々と連携し、その思いも一緒にお客様にお届けする「TOSA made(トサメイド)」という取り組みに力を入れています。コロナ禍をきっかけに、スタッフと松本総料理長が直接生産者さんのもとを訪ね、話を聞き、学ばせていただく活動を始め、今では50を超える生産者さんとの繋がりが生まれました。私たちはただ食材を使うだけでなく、生産者さんの思いを料理という形でお客様にお届けする「縁つなぎ」の役割を担っていると考えています。

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「おもてなし」と「料理」で、宿泊客に最高の体験を提供している。

―宿泊業に加え、オンラインショップ「うまいもん屋」も運営されています。物販事業を始められたきっかけは何だったのでしょうか。

藤本 旅館業は、どれだけ好調でも稼働率が100%を超えられないビジネスです。また、コロナ禍のような不測の事態で稼働が止まってしまうリスクもあります。将来を見据え、高知県の人口減少が進む中で、宿泊や宴会だけに頼らない新しい収益の柱を作る必要性を感じ、物販事業を本格化させました。

―今回ご紹介いただく「グローカルバウム」は、どのような経緯で開発されたのですか。

藤本 地元にある高知商業高校の生徒さんから、「ラオスの学校建設資金を集めるための共同プロジェクトにご協力いただけないか」とお話をいただいたのがきっかけです。生徒さんたちの熱い思いに応えたい一心で、単に既存商品のラベルを変えるのではなく、ゼロから開発することにしました。

お茶の会社ビバ沢渡さんにもご協力いただき、3者共同のプロジェクトとして企画から完成まで1年半。時間と手間はかかりましたが、本当に良いものを作ろうとこだわりました。この「グローカルバウム」の売上の一部は、生徒さんたちが活動されているラオスの学校建設資金として寄付しています。

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高知県馬路村(うまじむら)産の柚子皮を使い、香り高く仕上げた。

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「グローカルバウム」に込められた思いが、
ラオスの子供たちの未来を育む学び舎へと繋がっている。

―「グローカルバウム」の、こだわりについて教えてください。

藤本 折角の機会なので、高知の特産品を使うことにこだわりました。今回紹介する「柚子」には、高知県馬路村(うまじむら)産の柚子パウダーを生地に練り込んでいます。口に入れた瞬間、柚子の爽やかな香りが広がるのが特徴です。食感にもこだわり、パサつかないよう、しっとりふわふわに仕上げました。

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高知県馬路村の柚子を使用。

藤本 このシリーズは柚子の他にも、黒潮町の天日塩を使った「天日塩キャラメル」や、室戸市特産の「西山きんとき芋」、香南市の「山北みかん」、大月町の「いちご」と、計5種類の味をご用意しています。国際協力(グローバル)と地域貢献(ローカル)、双方の発展を願い名付けられた「グローカルバウム」。私たちはこの商品を通して、カツオやお酒だけではない高知の素晴らしい特産品の魅力を、全国の皆様にもっと知ってもらいたいのです。それぞれの地域の生産者さんの思いも一緒に味わっていただけると嬉しいですね。

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天日塩キャラメルや、西山きんとき芋、山北みかん、大月町のいちご、そして柚子。
5種類のフレーバーにすべてに高知県産の素材を使用。

―JALの国内線ファーストクラスで提供された実績もあるそうですね。

藤本 はい、「柚子」味が機内食として採用されました。旅館業でJALさんとのご縁があったことから、紹介させていただいたものです。ファーストクラスで提供されるお菓子、と聞くとハードルが高く感じるかもしれませんが、このバウムクーヘンなら手軽にその味を楽しんでいただけます。ありがたいことに、「World Championship 2023 in Singapor Transformation Division」や「にっぽんの宝物 JAPAN グランプリ 2019-2020 Visit JAPAN部門」で賞もいただいています。このお味をご家庭でぜひ楽しんでいただきたいですね。アイスクリームやコーヒーと合わせていただくのもおすすめですよ。

―最後に、今後の展望やビジョンについてお聞かせください。

藤本 創業150周年の節目を超え、2025年から「本物を土佐と育む」というビジョンを新たに掲げました。本物とは、高価なものだけではありません。丹念に、心を込めて作られたものにこそ価値が宿ります。私たちは、高知の生産者の方々や地域とのご縁を大切にし、その価値をお客様に届けることで、未来へ繋いでいきたいのです。高知には、まだ知られていないすばらしい食材や文化がたくさんあります。来てみないとわからない、体験しないとわからない高知の魅力を、城西館での滞在を通して伝えていくことが私たちの使命です。

―素晴らしいお話をありがとうございました!

グローカルバウム【柚子】

「グローカルバウム【柚子】」
価格:¥237(税込)
店名:土佐うまいもん屋
電話:088-875-0130
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://jyoseikan.shop-pro.jp/?pid=151407208
オンラインショップ:https://jyoseikan.shop-pro.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

藤本幸太郎(株式会社城西館 代表取締役社長)
1980年生まれ、高知県出身。2002年に甲南大学経営学部を卒業後、県外のホテルで経験を積む。2005年に株式会社城西館に入社。接客、営業、経営企画など様々な部門を経験し、2009年に取締役、2021年に常務取締役に就任。2024年2月より現職。「本物を土佐と育む」をビジョンに、150年の歴史を未来へ繋ぐべく尽力している。

<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/藤井ちあき 画像協力/城西館>

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