プルンと弾む本場の食感。創業270年の老舗が届ける山形名物「玉こん」

2026/05/14

今回、編集長のアッキーが注目したのは、プルンと弾むような食感が魅力の山形名物「玉こん」です 。山形のソウルフードとして老若男女に愛されている玉こんにゃく 。その美味しさは食欲をそそる素朴な醤油風味はもちろんのこと、食感の良さも大きな魅力のひとつです。素材や製法にこだわり、絶妙な弾力を実現しています 。
その背景には、江戸時代から続く歴史のバトンを繋ぎながら、自ら現場に立って品質を守り抜く作り手の情熱がありました 。取材スタッフが、山形県に本社を構える、株式会社平野屋の代表取締役社長、平浩一郎氏にお話を伺いました。

株式会社平野屋 代表取締役社長 平浩一郎氏

―まずは、御社の歩みについて教えていただけますか。

 弊社の歴史は、江戸時代中期の1756年(宝暦6年)にまで遡ります 。上杉謙信の流れをくむ上杉家の領地において、産業奨励の一環として絹糸業を始めたことがその起源です。ここ山形県長井市は、かつて最上川の舟運によって栄え、北前船により上方へこの地域の産品が運ばれていました。
こうした歴史的背景から、「山の港町」として発展してきた地域ですが、弊社も4代目までは絹糸業を営んでおりました。1877年(明治10年)に5代目が豆腐業へ転業し、その後、こんにゃくやところてん、納豆など、地域の皆さんの生活に密着した品目へと事業を広げてまいりました。創業から270年、食品業に転じてからも150年にわたり地域と共に歩み続けています。

現在は、看板商品であり主力商品でもある「玉こん」の更なる拡充を図りながら、多彩な商品展開で全国へお届けしています。また、豆腐や油揚には山形県産大豆のみを使用し、豆乳の炊き上げにもこだわることで、大豆本来の風味を大切にしたものづくりを心掛けています。地域ごとに特色のある油揚げが存在しますが、県南部の置賜地方では、古くからまゆ形の油揚げが親しまれてきました。この油揚げはも一般的なものとは異なる製法で作られており、多くの手間と時間を要します。こうした地域に根付いた伝統的な食文化は、今後もしっかりと守り、受け継いでいきたいと考えています。

江戸時代中期の1756年に絹糸業として創業し、
現在はこんにゃくをはじめとする食品を製造・販売している。
写真右は、地域伝統の油揚げ「まゆ揚げ」。煮汁がよく染み、歯切れが良い。

―社長ご自身は、どのような経緯で家業を継ぐことになったのでしょうか。

 大学進学を機に山形を離れ、関東で約10年を過ごしました。当時は、展示会ブースの設営などを手掛ける家業とは異なる装飾業界に身を置き、有明や幕張の展示会場で、多様な業界と関わりながら忙しい日々を送っていました。28歳となった1997年(平成9年)に、一つの節目として帰郷を決意しました。外の世界を経験したからこそ、故郷・山形の豊かな食文化や、長く受け継がれてきた伝統の価値をあらためて実感できたのだと思います。
家業を継いでからは、現場でものづくりに携わりながら、商品開発や品質管理にも取り組んできました。2016年に代表取締役へ就任しましたが、現在も新しいことに挑戦する際には、まず自ら現場に立ち、職人たちと同じ目線で納得のいく品質を追求する姿勢を大切にしています。

―看板商品である「玉こん」が誕生した背景についてお聞かせください。

 山形名物として親しまれている玉こんにゃくは、県内のこんにゃく製造業者が各地で大切に育んできた食文化です。そうした背景のもと、素朴でありながら心に残る山形の味わいを、より多くの方に知っていただき、味わっていただきたい。その強い想いが、私たちの原点にあります。
本場の味をご家庭でも手軽に再現していただけるよう、地元の老舗醤油店と共同で玉こん煮込み用のたれを開発したことを皮切りに、出汁にこだわったさまざまなたれづくりにも取り組んできました。
私たちは、単にお腹を満たす食品を提供するのではなく、山形の食文化そのものをお届けするという使命感を持ってものづくりに取り組んできました。発売以来、「変わらない本物のおいしさを届けたい」という想いは、これからも変わることはありません。

食べ応えのある大玉が300gと、こだわりのタレが入った「玉こん特製たれ付き」。
鰹の旨みが凝縮された醤油ベースの香りが、こんにゃく本来の甘みを引き立てる。

―「水」へのこだわりが非常に強いと伺いました。具体的にどのような特徴があるのですか。

 こんにゃくの成分は9割以上が水分であるため、水の良し悪しがそのまま品質に直結します。弊社では、朝日山系の豊かな自然が育んだ地下水を使用しています。長井市 はもともと水が美味しい地域ですが、1988年には、より良質な水を求めて現在の場所へ工場を移転しました。この地下水は硬度20ほどの超軟水で、なめらかな口当たりが特長であり、素材本来の味わいを引き立ててくれます。また、原料であるこんにゃく粉には、国産の特等粉のみを使用しています。製造工程では積極的に機械化を進める一方で、最終的な弾力や品質の見極めには、職人の目と手による判断を欠かしません。こうした水や原料へのこだわり、そして代々受け継がれてきたものづくりの技術があってこそ、素材の持ち味を最大限に引き出すことができるのだと考えています。

―本場のおいしい食べ方を教えてください。

 お祭りなどで串に刺して提供される本場の玉こんにゃくは、一見すると中までしっかり味が染みているように見えます。しかし、ひと口かじると、「中は真っ白」で色がついているのは外側だけです 。弊社製品「玉こん特製たれ付」は添付のたれと一緒に5~6分ほど転がしながら煮るだけ。表面に醤油の色がまとえば完成です 。外側の醤油の風味と、内側の真っ白で雑味のないこんにゃくの味が口の中で混ざり合う、それが本場山形の玉こんであり、美味しさです 。近年は手軽さを求めるニーズから、中までしっかり味が染みた調理済みの味付きタイプも人気ですが、ぜひご自身で煮て味わってみてください。調理中に立ちのぼる香ばしい香りや熱々でぷりぷりの食感は出来立てならではの魅力です 。からしを少し添えれば、その辛みが玉こんの美味しさをいっそう引き立ててくれます。

手軽に食べられる調理済み・味付きタイプの玉こんも人気。

―多くのスーパーや、観光客からも支持されていますね。

 おかげさまで、こだわりのものづくりや品質管理や衛生管理についてもバイヤーの方々から高い信頼をいただいております 。私たちは、食の安心・安全を社員全員で共有し、HACCPに基づく衛生管理を徹底するとともに、食品安全マネジメント規格(JFS-B規格)の取得と、その維持向上に真摯に取り組んでまいりました。また同じように大切にしているのがお客さまの記憶です 。山形を訪れた際に味わったあの味が忘れられないと、遠方からお取り寄せしてくださる方が大勢いらっしゃいます 。さらに百貨店の催事などでは「山形の玉こんは美味しいのよね」といったお言葉をいただくことも多く、地域の枠を超えて多くの方々に支持されていることを日々実感しております 。私たちが作る一粒の玉こんにゃくが、楽しかった旅の記憶を呼び起こし、食卓に笑顔を届ける存在となれているのだとしたら、これほど嬉しいことはありません 。これらの想いを胸に、これからも日々精進を重ね、山形の食文化を全国に広めていきたいと考えております。

―最後に、今後の展望についてお聞かせください。

 「玉こん」は山形を代表する食文化の一つです。私は、この素朴で温かみのある味わいを次世代へしっかり受け継ぎ、さらに全国へ広げていきたいと考えています 。玉こんにゃくが多くの方に広く親しまれるようになった今だからこそ、本場のメーカーとしての誇りを持ち、 “本当のおいしさ” を伝え続けていかなければならないと感じています。食べてくださる方の笑顔こそが、私たち作り手にとって何よりの喜びです。その喜びの輪をさらに広げていくことが私の願いです。   

―本日は貴重なお話をありがとうございました。

「玉こん特製たれ付き (大玉) 300g」
価格:¥399(税込)
店名:平野屋
電話:0120-250-289(10:00~17:00 年末年始を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品 URL:https://store.shopping.yahoo.co.jp/hiranoya-tamakon/hiranoya-23.html
オンラインショップ:https://store.shopping.yahoo.co.jp/hiranoya-tamakon/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

平浩一郎(株式会社平野屋 代表取締役社長)
1969年山形県生まれ 。1997年(平成9年)に入社し、豆腐部門の製造に携わりながら企画開発を担当 。2016年(平成28年)に同社代表取締役社長に就任伝統を守りながらも積極的に新しいことにも挑戦し、時代のニーズに合わせた商品開発に尽力している。

<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/藤井ちあき 画像協力/平野屋>

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