
静岡のお茶屋ならではのバームクーヘン。最高級の抹茶入り「富士の初雪」とおつまみにもなる出汁入り「ぶしばあむ」
2026/04/23
今回、編集長のアッキーが注目したのは、お茶屋の矜持をかけた極限の濃度が楽しめるバームクーヘン「特濃抹茶 富士の初雪」と、常識を覆す旨味が凝縮された「ぶしばあむ」です。静岡の豊かな自然に囲まれた滝沢で、江戸時代末期から200年にわたりお茶と向き合ってきた老舗茶農家。その伝統を背負う14代目が、「お茶に一番合うお菓子を」という飽くなき探究心から立ち上げたのが、バームクーヘン専門店「Baum薫(ばあむくん)」です。まるでお茶室にいるかのような深い香りが広がる抹茶味や、お酒との相性も抜群なかつお節を使ったバームクーヘンなど、五感を刺激するラインナップを展開しています。
その背景には、伝統を守りながらも「記憶に残る一口」を追求し続ける、作り手の真摯な思いがありました。静岡県に本社を構える、株式会社茶蔵 代表取締役の澤口政憲氏に取材スタッフがお話を伺いました。

株式会社茶蔵 代表取締役の澤口政憲氏
―まずは、御社の歩みと、お茶作りへのこだわりについてお聞かせください。
澤口 私たちの原点は、江戸時代末期に先代が静岡の滝沢という地で茶園を開拓したことに始まります。以来、200年以上、14代にわたってお茶一筋で歩んできました。山間部特有の澄んだ空気と、昼夜の激しい寒暖差、そして近くを流れる滝沢川から立ち上る川霧(かわぎり)。この恵まれた自然環境が、瑞々しく香り高い茶葉を育んでくれるのです。私たちは澤口農園製茶工場として、茶園の管理から製茶、製品化までを一貫して行う全国でも希少なスタイルを維持しながら、JAS有機栽培や国際規格であるISO22000を取得し厳格な品質管理を徹底してきました。自然環境と共生し、誠実に「本物のお茶」を追求し続けること。それが200年受け継いできた私たちのプライドです。



14代にわたり守り抜いてきた「お茶作り」への誇り。
そんなお茶屋さんが新しく立ち上げた、バームクーヘン専門店の「Baum薫」。
―社長ご自身が事業を継がれるまでのご経歴をお聞かせください。
澤口 大学卒業後は、工場の機械化を提案する総合商社で営業職として修業を積みました。当時は家業に戻ることは考えていませんでしたが、父や兄からの誘いを受け強い覚悟をもって入社しました。2020年に株式会社茶蔵の代表に就任した際、コロナ禍という困難な時期ではありましたが、お茶や和紅茶に合うスイーツを開発したいという強い思いから「Baum薫」というスイーツのブランドを同タイミングで立ち上げました。前職で学んだ、顧客のニーズに合わせた「ものづくり」の視点を活かし、老舗に新しい風を吹き込みたいと考えたのです。店名の「薫(くん)」には、素材の香りを大切にすること、そして「〇〇君」と親しみを持って呼んでいただけるブランドにしたいという願いを込めています。
―ブランドの原点となった、「ハード」タイプについてお聞かせください。
澤口 ブランドを立ち上げる際、当時主流と言われた「ふわふわしたバームクーヘン」ではなく、他店様と差別化できるずっしりとした重量感のあるバームクーヘンを目指しました。その中で生まれた一つが「ハード」です。国産にこだわった芳醇な香りの発酵バターを贅沢に使い、職人が付きっきりで通常のバームクーヘンよりも高温で、且つ1.5倍の時間かけてじっくりと焼き上げます。そうすることで、外は「ザクッ」、中は「もちっ」とした、力強い食感が生まれます。忙しない世の中だからこそ、ほっとする時間にお茶や和紅茶、そしてバームクーヘンと共に寄り添いたいという理想は、2023年に日本ギフト大賞静岡賞をいただいたことで大きな自信となりました。

ブランドの原点である、外は「ガリっと」、
中は「もちっ」とした食感が特徴のバームクーヘン「ハード」。
―看板商品の「特濃抹茶 富士の初雪」の開発秘話やこだわりを教えてください。
澤口 まさに「お茶屋の意地」をかけた一品です。母体のお茶屋でも抹茶バームクーヘンも取り扱っていましたが、どうしても納得のいく「濃さ」に出会えませんでした。ならばBaum薫で、どこにもない極限の濃度を実現しようと決意したのです。使用しているのは、通常は飲用として使われる、1キロ数万円もする最高級の抹茶。これをお菓子作りの常識を超えた量まで生地に練り込んでいます。抹茶を入れすぎると生地がパサついて焼成中に棒から落ちてしまうため、ギリギリのバランスを見出すまで何度も試行錯誤を繰り返しました。着色料を使わず、本物の抹茶本来の色と香りを守るため、あえて中身が見えないアルミ袋を採用するほど品質管理にもこだわっています。ひと口食べれば、まるでお茶室でお抹茶をいただいているような、重厚な香りに驚かれるはずです。

「お茶屋にしかできないバームクーヘンを」という意地から生まれた逸品。
抹茶本来の苦味と旨味が凝縮され、濃厚な香りが広がる。
―「特濃抹茶 富士の初雪」をよりおいしく楽しむためのおすすめを教えてください。
澤口 このバームクーヘンは、濃厚な抹茶生地にクーベルチュールのホワイトチョコレートをコーティングしています。これは富士山に降り積もる初雪をイメージしたもので、抹茶の心地よい苦みとチョコのまろやかな甘みが口の中で溶け合う、絶妙なハーモニーを楽しめます。お客様からは「まるでお茶そのものを食べているよう」という声をいただくことも多く、全国のバームクーヘンが集結する博覧会でも7位にランクインするなど、高い評価をいただいています。夏場もクール便でお届けしていますので、一年中おいしく召し上がっていただけます。頑張った自分を労う週末の静かなティータイムに、少し厚めにカットして、贅沢に味わっていただきたいですね。


濃いめに淹れた煎茶とともに味わえば、抹茶の風味がより一層引き立つ。
―「ぶしばあむ」は鰹節を使ったバームクーヘンという、非常に斬新なアイデアですが、誕生にはどのような物語があったのでしょうか。
澤口 「静岡ならではの、記憶に刻まれる商品を」という思いから、焼津産の鰹節を使用した「出汁のバームクーヘン」というアイデアが生まれました。最初は私自身も「お菓子に鰹節なんて」と猛反対したほど型破りな提案でした(笑)。しかし、開発担当者の熱意に押され、挑戦が始まったのです。最初は正直、おいしくありませんでした。魚臭さを排除し、鰹節の「旨味」だけをどう引き出すか。出し粉の種類や配合を一から見直し、何度も試作を重ねました。開発の最終段階では、私が食べた瞬間に思わず「うまい!」とうなってしまいました。甘いものが苦手な方や、新しい味を求めるグルメな方からも「一度食べると病みつきになる」と熱烈な支持をいただいています。

焼津産の鰹節を使用した「ぶしばあむ」。
一口食べれば、甘さと塩味の絶妙なバランスと、芳醇な鰹節の「旨味」が広がる。
―温度によっても楽しみ方が広がるそうですね。
澤口 はい。温度によって表情が変わるのが、この商品の面白いところです。常温で召し上がると豊かな出汁の香りが鼻を抜け、少し温めるとまるでおそうざいの出し巻き卵のような懐かしい風味に。そして、冷蔵庫で冷やすと「燻製チーズ」のような濃厚なコクが際立ちます。お菓子としてだけでなく、日本酒やワインと合わせる「おつまみ」としても最高ですよ。スタッフの間でも、お酒好きの男性から特に評判がいいですね。温度を変えながら楽しむ、そんな大人の楽しみ方もできる、不思議な魅力を持った一品です。

常温では出汁の香りを、温めれば出し巻き卵のような風味を、
冷やせば「燻製チーズ」のような濃厚なコクを堪能できる。
―最後に、今後の展望をお聞かせください。
澤口 私には、いつか「47都道府県のバームクーヘンを作りたい」という夢があります。日本各地には、その土地ならではの素晴らしい素材がたくさんあります。私たちの技術を活かし、ご当地のフルーツや野菜、時には鰹節のような驚きの素材と出会い、新しい「薫り(かおり)」を形にしていきたい。そうして日本中に笑顔を届けていくことが目標です。200年の伝統を大切に守りながらも、既存の枠にとらわれない柔軟な発想で、お茶文化の新しい可能性を広げていきたいと考えています。次はどこの地域の素材と出会えるか、私自身もワクワクしています。
―本日は貴重なお話をありがとうございました。

「特濃抹茶 富士の初雪」
価格:¥1,944(税込)
店名:Baum薫(ばあむくん)
電話:054-204-8103(9:00~17:00)
商品URL:https://baumkun.com/?pid=170247245
オンラインショップ:https://baumkun.com/

「ぶしばあむ」
価格:¥1,296(税込)
店名:Baum薫(ばあむくん)
電話:054-204-8103(9:00~17:00)
商品URL:https://baumkun.com/?pid=189760534
オンラインショップ:https://baumkun.com/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
澤口政憲(株式会社茶蔵 代表取締役)
1984年静岡県生まれ。名古屋商科大学卒業後、機械の総合商社にて3年の修業期間を経て2010年に株式会社茶蔵へ入社。父の後を継ぎ2020年に代表取締役に就任。同年、親会社である株式会社澤口農園製茶工場のギフト製造の強みを活かし、お菓子部門としてバームクーヘン専門店「Baum薫(ばあむくん)」を設立した。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/藤井ちあき 画像協力/茶蔵>




























