
つゆまでおいしい甲州名物「生ほうとう」本格的な味が楽しめる特製みそ、だしパック付
2025/06/06
今回、編集長アッキーが注目したのは、山梨県の郷土料理ほうとうをおうちで本格的に楽しめる「生ほうとう」。120年以上にわたり山梨で麺作りを続ける株式会社平井屋のこだわりが詰まった商品です。富士山麓の水で作られた生麺は煮崩れしにくく、最後までおいしく食べられると評判。化学調味料を一切使用せずに仕上げた特製みそとだしパックをセットにして届けてくれます。この商品へのこだわりを、代表取締役社長の平井英幸氏に取材スタッフがお話を伺いました。

株式会社平井屋 代表取締役社長の平井英幸氏
ー創業は1902年。当時から麺作りをされていたのでしょうか?
平井 最初は麺を作るというよりも、川のそばで水車を使って地域で採れた小麦を挽く製粉が主な仕事でした。その対価は金銭ではなく、たとえば小麦を100kg挽いたら、そのうち20kgを手間賃としてもらっていたんです。それを原料に麺を作り、販売することで収入を得ていたわけです。

1955年頃の写真。当時は「平井屋製粉製麺所」を屋号としていたそう。
ー社長で何代目になるのでしょうか。
平井 創業者である曾祖父から数えて、私で4代目になります。実家と会社は同じ敷地内にありますので、小学生のころから手伝いをしていました。高校卒業後、愛知県の大学へ進学して、そのあとは父が親しくしていた同業者のもとで2年間修業。25歳で戻ってきて、20年ほど経ったころに父の跡を継ぎました。
ー御社が手がける商品は何種類ありますか?
平井 量販店やネットショップで販売しているのは、生ほうとうだけで10種類。そのほか富士吉田名物「吉田のうどん」やそば、ラーメンなど合わせて約25種類を製造・販売しています。さらに、お取引のあるお客様向けにも製麺しているので、それも含めるとかなりの数になります。

3種類の幅に切った麺を、手もみ機により手打ちに近い食感に仕上げた「生ほうとう みそ、だしパック付」。
「もともとはおばあちゃんが囲炉裏の横で作っていたような郷土料理ですから、その感じが出せるように」と語る平井社長。
ーなかでも「生ほうとう みそ、だしパック付」はどんな商品なのでしょうか?
平井 15年ほど前にこだわりの新商品として開発しました。2022年から『食品添加物の不使用表示に関するガイドライン』が制定され、「天然」や「化学調味料無添加」を謳えなくなりましたが、実際には化学調味料を使わずに天然素材だけで作っています。通常の商品には化学調味料を使うものもありますが、この商品は化学調味料の代わりに赤味噌を少し加えて深みを出すなど、配合を工夫しています。
ーだしパックが付いているのは、この商品だけですね。
平井 ほうとうは、具材のうま味が溶け込んだつゆもおいしいんです。だから、ほうとうを作り慣れた人は、しっかり出汁を取って、最後の一滴まで飲めるように仕上げます。みなさんにもそうやって味わっていただきたいので、簡単に出汁が取れる「だしパック」も付けることにしました。

鍋一つで、手軽に調理できるのもうれしい!だしで野菜と麺を茹で、最後に味噌を加えて煮込めば出来上がり。
ー麺の特徴は?
平井 小麦は北海道産を使用しています。国産の小麦粉のなかでも質が良く、供給量も安定していますので。また製麺には、富士山の雪解け水や雨水が地中に染みこみ、数十年の年月をかけて湧き出した、清らかな水を使用しています。県外の方は観光地の食堂などでほうとうを召し上がると思いますが、山梨県民にとってほうとうは外で食べる料理ではなく、家庭料理なんですよ。食堂で出されるほうとうは麺が薄かったり柔らかかったりしますが、私どもが作っているのは家庭用なので全然違います。食堂でこの麺を出すと、茹でるのに10〜15分かかってしまいますからね。
ーおすすめの食べ方を教えてください。
平井 やはり根菜メインが一番です。かぼちゃと、じゃがいもや里芋などの芋類、人参、山梨では油揚げも定番ですね。カレー風味にしたり、キムチを加えたりなど、アレンジ方法を提案していた時期もありましたが、結局は根菜のほうとうが一番おいしいです。

冷水で締めたほうとうを、温かい汁につけて食べる「おざら」も山梨の郷土料理のひとつ。
ー最後に、今後の展望をお聞かせください。
平井 これからもほうとうを通じて、山梨の家庭の味を多くの方に届けていきたいと思っています。今は既存商品の改良に力を入れていて、たとえば小麦粉の銘柄を変えたり、配合に手を加えたりしています。40歳くらいまでの若い世代は、冷凍麺のようなツルツルとした食感を好む傾向にありますよね。将来的にはそういった今風の麺も作っていかなければいけないと思っていますので、ほうとうの王道である手作り感や田舎っぽさとのバランスをどう取っていくかが課題です。
ー本日は貴重なお話をありがとうございました!

「生ほうとう みそ、だしパック付」(二人前)
価格:¥600 (税込)
店名:平井屋
電話:0555-25-2143(8:30〜17:00 日曜、年末年始除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://hiraiya.buyshop.jp/items/14501151
オンラインショップ:https://hiraiya.buyshop.jp/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
平井英幸(株式会社平井屋 代表取締役社長)
1968年山梨県生まれ。2年間の修業を経て、1993年に株式会社平井屋へ入社。2014年に代表取締役社長に就任。
<文/野村枝里奈 MC/田中香花 画像協力/平井屋>