
天然超えの旨味と爽やかな香り。大分・佐伯の情熱が育んだ「かぼすふぐ」と「虎ふぐ」
2026/03/05
今回、編集長のアッキーが注目したのは、7年もの歳月をかけて開発された、爽やかな香りを纏う「かぼすふぐ」と、圧倒的なサイズ感が生み出す本物の弾力を誇る、王道の「虎ふぐ」です。驚くほどの弾力と、透き通るような美しい身。自宅で楽しむ「ふぐ刺し」の概念を覆す逸品は、まさに大分の冬を彩る極上グルメです。
おいしさの秘密は、特産品のカボスを使ったユニークな養殖方法と、徹底した餌へのこだわり。その裏側には、地域の環境を守り、次世代へバトンを渡そうと奮闘する職人の物語が息づいています。取材スタッフが、大分県に本社を構える、髙瀬水産有限会社の代表取締役、髙瀬興治氏にお話を伺いました。

髙瀬水産有限会社 代表取締役の髙瀬興治氏
―1965年の創業以来、時代の変化に合わせながら歩んでこられた御社について教えてください。
髙瀬 もともとは先代が始めた魚の仲卸業からスタートした会社です。そこから時代の波を読みながら、モジャコ(ブリやハマチの稚魚)漁やブリの養殖、そして現在の定置網漁と陸上養殖へと柔軟に業態を広げてきました。私が継いだ当時はヒラメの養殖が盛んでしたが、輸入魚との価格競争などもあり、より付加価値が高く、お客様に求められる魚を届けたいという思いからトラフグの養殖に舵を切ったのです。仲卸としての目利きと、漁師としての現場力。この両方を持っていることが、今の私たちの強みですね。その時々で最もいい魚を届けるという顧客第一の姿勢は、創業当時から変わらずに貫いています。

仲卸の目利きと漁師の現場力。
創業から続く二つの強みが、極上の魚を育てる。
―社長ご自身について教えてください。
髙瀬 実は、小学校・中学校の恩師の影響で、野球を続けながら学校の先生になりたいと考えていた時期がありました。中学までは野球一筋でしたが、膝の怪我により進路を変更し、結果として家業を継ぐ道を選んだのです。ふぐの加工販売を始めたのも、最初はビジネスのためではありませんでした。免許を持っている自分が捌いて、お世話になった方やご近所の方に、安全でおいしいふぐを食べてほしいとお裾分けをしていたのが原点です。食べてくれる人の笑顔が見たい。その温かい交流から始まったお裾分けの心が、今の丁寧な商品作りの根幹にあります。
―地域の特産品を活用した「かぼすふぐ」の開発には、7年という長い歳月がかかったと伺いました。その道のりについて詳しく教えてください。
髙瀬 大分県ならではの新しいブランド魚を作りたいという情熱から、10年前にプロジェクトがスタートしました。着目したのは、ジュースを搾った後に大量に廃棄されていたカボスの皮や果肉です。これを餌に混ぜることで、魚がおいしくなるだけでなく、地域のゴミも減らせる。まさに地域循環型のSDGsな取り組みになると確信しました。しかし、実際の開発は困難を極めましたね。カボスの成分である「リモネン」を身に乗せる加減が非常に難しく、入れすぎると身が硬くなったり、ふぐが餌を食べてくれなかったりと失敗の連続でした。しかも、試験ができるのは年に一度の収穫時期だけ。納得のいく味と品質に辿り着くまで、気づけば7年の月日が流れていました。諦めずに改良を重ね、ようやく完成したのが「かぼすふぐ」なんです。

透き通るような美しい身。
口へ運べば、驚くほどの弾力とカボスの爽やかな香りに包まれる。
内容:刺身、皮、ひれ、薬味(ポン酢、もみじおろし)。
―独自の養殖方法や餌へのこだわりなど、「かぼすふぐ」がおいしい理由とは?
髙瀬 最大の特徴は、カボスのリモネン効果によって魚特有の生臭さが消え、驚くほど食べやすくなっていることです。封を開けた瞬間にふわりと漂う爽やかな香りは、ふぐが苦手な人でも驚くほど食べやすいと評判なんですよ。さらにリモネンには酸化を遅らせる効果もあり、解凍した後も長時間、美しい透明感を保つことができます。
餌へのこだわりはカボスだけではありません。私たちの定置網で獲れた、新鮮なアジやサバ、イワシなどの小魚をたっぷりと与えています。ずっと同じ配合飼料ではなく、多種多様な天然の魚を食べて育つため、天然魚に負けない複雑で濃厚な旨味が蓄えられます。人間でいえば、サプリメントではなく、栄養満点の定食を食べて育った健康優良児のようなふぐですね。

廃棄されるはずだったカボスの皮が、魚をおいしくし、地域の環境も守っている。
新鮮な小魚を食べて育ったふぐは、旨味が濃厚だ。
―「かぼすふぐ」をよりおいしく楽しむための、おすすめやセット内容について教えてください。
髙瀬 「かぼすふぐ」の販売は、ふぐが最もおいしくなる11月から3月までの期間限定です。セットのポン酢には、地元大分県民に長く愛されているフンドーキン醤油のカボスポン酢を厳選しています。いろいろなポン酢を試しましたが、これが一番私たちのふぐに合うんですよ。丁寧に処理した皮は湯引き済みですので、解凍してそのままコリコリとした食感を楽しめます。また、付属のヒレは少し炙って熱燗に浮かべれば、香ばしいヒレ酒として堪能いただけます。冬の週末、ご夫婦やご家族でゆっくりと大分の味覚を囲む。そんな贅沢な時間を過ごしていただけたら嬉しいですね。

刺身を堪能した後は、ヒレ酒でしっぽりと大人のひとときを。
―王道の「虎ふぐ」も非常に人気が高いそうですが、こちらのこだわりとは?
髙瀬 「かぼすふぐ」が変化球なら、こちらは直球勝負の王道です。最大のこだわりは、その大きさにあります。一般的に流通するふぐは1.2kg前後ですが、私たちのギフト用には1.8kgから2.5kgという特大サイズのみを厳選しています。育てる期間が長くなる分、病気のリスクやコストもかかりますが、本物の身の弾力を味わっていただくためには欠かせないこだわりです。お客様からは「やっぱりおいしかった」というお手紙をいただくことが多く、ほぼリピーターの方で埋まってしまうほど。テレビで紹介された際も大きな反響をいただきましたが、実直な味でファンを増やしてきた自負があります。香りの「かぼすふぐ」と、圧倒的な旨味と弾力の「虎ふぐ」。この贅沢な食べ比べこそ、お取り寄せならではの醍醐味だと思います。

噛むほどに溢れ出す、濃厚で力強い旨味。
「王道」と呼ばれる所以が、この一皿に詰まっている。
内容:刺身、皮、ひれ、薬味(ポン酢、もみじおろし)。
―最後に、未来への展望についてお聞かせください。
髙瀬 養殖業を営むことで、日本の伝統的な食文化を少しでも磨き上げたいと考えています。地方の産業が衰退していく中で、いい魚をみんなで作ることができれば、この産業はこれからも続けていけます。現在、日本在来種のサクラマスを陸上養殖するプロジェクトを進めており、2026年3月頃には「桜サーモン」として発売する予定です。川魚の中で一番おいしいといわれるその味を、どうにかして食卓に届けたい。私たちが若い人たちにちゃんとしたバトンを渡せるように。おいしい魚を日本の食卓に残すため、私たちの挑戦はこれからも続きます。


とろける脂と上品な旨味。
春の訪れのような華やかさを纏った「桜サーモン」は、2026年6月に発売予定。
―素晴らしいお話をありがとうございました!

「かぼすふぐ 刺身(2~3人前)」
価格:¥8,700(税込)
店名:高瀬水産有限会社
電話:0972-43-3398(8:00~17:00 日、祝日を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://takasesuisan.com/product/3/detail
オンラインショップ: https://takasesuisan.com/product

「虎ふぐ 刺身(2~3人前)」
価格:¥7,500(税込)
店名:高瀬水産有限会社
電話:0972-43-3398(8:00~17:00 日、祝日を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://takasesuisan.com/product/7/detail
オンラインショップ: https://takasesuisan.com/product
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
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髙瀬興治(髙瀬水産有限会社 代表取締役)
大分県佐伯市生まれ。先代が創業した仲卸業から始まり、ブリ養殖、定置網漁などを経て、2代目として事業を継承。地域の特産品カボスを活用した「かぼすふぐ」の開発に7年を費やし、新たな佐伯ブランドを確立させた。現在はサクラマスの陸上養殖にも挑むなど、日本の豊かな食文化を次世代へつなぐために奮闘している。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/田中香花 画像協力/髙瀬水産>




























