新潟・佐渡の酒蔵が造る至高の日本酒。熟した果実の芳醇さと重厚な旨みの大吟醸「万穂」と微発泡の純米大吟醸「かなでる/KANADEL」

2026/02/24

今回、編集長のアッキーが注目したのは、熟したフルーツのような芳醇な香りを放つ「真野鶴・万穂(まほ)」 と、弦楽器の演奏技法の一つである「ピチカート(弦を指でつまんではじく奏法)」の名の通り、口の中で微発泡が弾ける「かなでる / KANADEL」の二つの名酒です。日本海に囲まれ、自然豊かな新潟県・佐渡島で130年以上の歴史を刻む酒蔵が、伝統的な至高の一杯と、これまでにない新しい日本酒の楽しみ方を届けています。
その背景には、東京から佐渡へ移住し、伝統ある蔵の舵取りを担うことになった5代目社長の情熱と、地域の未来を見据えた挑戦の物語がありました。取材スタッフが、尾畑酒造株式会社 代表取締役の平島健氏にお話を伺いました。

尾畑酒造株式会社 代表取締役社長の平島健氏

―創業130年を超える歴史をお持ちですが、まずは御社のルーツや大切にされている理念についてお聞かせください。

平島 弊社は1892年(明治25年)、初代・尾畑与三作がこの佐渡の真野新町という地で、江戸時代より続く銘醸蔵を引き継ぎ創業しました。以来、130年以上にわたり酒造りを続けています。私たちの酒造りのモットーは「四宝和醸(しほうわじょう)」です。酒造りの三大要素と言われる「米・水・人」に、それらを育む「佐渡」を加えた四つの宝を調和させて醸す、という姿勢を表しています。また、「幸醸心(こうじょうしん)」、つまり「幸せを醸す心」を経営理念に掲げ、飲んでくださる方はもちろん、社員や生産者、そして地域全体の幸せを醸していきたいと考えています。      

自然豊かな新潟県・佐渡島で、創業から130年以上「四宝和醸」の精神を貫いている。

―社長ご自身は東京のご出身と伺いました。歴史ある蔵の5代目として佐渡へ移住し、継承を決断された経緯を教えてください。

平島 私は東京出身で、以前は出版社で雑誌の編集に携わっていました。転機は約30年前。妻との結婚を機に、彼女の実家であるこの蔵を継ぐため佐渡へ移住したことです。実は私の母の実家も長野の酒蔵で、幼い頃から蔵は身近で楽しい場所でした。そうした思い出もあり、「酒蔵の仕事をしてみるのも面白いかもしれない」という直感が働きました。外からの視点を持っていたからこそ、佐渡という島が持つ多様性や圧倒的な自然の価値に改めて気づくことができたと感じています。

―今回ご紹介いただく一つ目の商品大吟醸「真野鶴・万穂(まほ)」は、どのような思いから誕生したのでしょうか。

平島 「万穂(まほ)」は2001年に誕生した当蔵の代表作です。この名は、現在の杜氏の師匠であり、かつて日本一に輝いた実績を持つ名杜氏・松井万穂(まほ)氏からいただきました。松井氏が引退される際、「いつか最高のお酒ができたら、お名前を使わせてほしい」とお願いしていた約束が形になったものなんです。実は私の長女の名も杜氏さんの名前の読みをいただき「麻帆(まほ)」と言います。字こそ違いますが、師匠への敬意と娘への愛情が重なる、私にとって非常に特別なお酒です。

熟したフルーツのように芳醇な「万穂」。
気品あふれる桐箱入りのパッケージで、大切な人への贈り物や、自分へのご褒美酒としても最適。

味わいや造りについてのこだわりを教えてください。

平島 山田錦を35%まで磨き上げる贅沢な造りをしています。目指したのは、日本酒という枠を超えた「和酒の極み」です。熟した洋梨やフルーツを思わせる芳醇な香りと、透明感のあるきれいな後口が共存しています。
私たちはこれを「丸くて七色の球体」と表現しているのですが、一切の角がなく、完璧なバランスを追求しました。口に含むと、その名の通り「黄金に広がる稲穂のうねり」を土地いっぱいに感じさせるような、壮大で重厚な味わいが広がります。気品溢れる桐箱入りですので、大切な方への贈り物にも選ばれています。

「七色の球体」とは美しい表現ですね。この「万穂」をよりおいしく楽しむための、おすすめの飲み方はありますか。

平島 まずはお酒単体と向き合い、幾重にも重なる香りの表情をじっくりと楽しんでみてください。冷やして飲むのもいいですが、あえて15度前後の温度で、ワイングラスに注いで召しあがっていただくことをおすすめします。冷蔵庫から出して少し経ち、冷たさが少し和らいだ頃が飲み頃。そうすることで、重厚な余韻がいっそう引き立ちます。
料理を引き立てる主役級の存在感があり、特にクリーミーな料理との相性が抜群です。週末の夜、静かな時間の中で自分を労うための、究極の「ご褒美酒」として楽しんでいただければ幸いです。

日本酒の枠を超えた「和酒の極み」を、ワイングラスで。

―これまで数々の賞を受賞されていると伺っています。

平島 ありがたいことに、全国新酒鑑評会では2001年以降15回の金賞をいただいており、世界で最も権威あるIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)でもゴールドメダルを受賞しました。世界中のプロの方々にも品質を認めていただいています。贈り物に利用されたお客様から、「先方から、『おいしいお酒をありがとう』とお礼の電話が来たよ」という喜びの声をたびたび頂戴し、私たちも大変嬉しく感じています。

2001年以降、全国新酒鑑評会で15回の金賞に輝いた。

続いて、もう一つの注目商品「かなでる / KANADEL 純米大吟醸おりからみ」について教えてください。

平島 こちらは、「学校蔵」で造っています。舞台となっているのは、2010年に廃校になった旧西三川小学校です。日本海を臨むこの場所は「日本一夕日がきれいな小学校」とも呼ばれていました 。私たちは、地域のシンボルであるこの建物が朽ちていくのを防ぎたい、そして再び人が集まる拠点にしたいという願いから、ここを「学校蔵」として再生させたのです。
その理科室を改装した仕込蔵で、「新しい日本酒の可能性を探求したい」という情熱から2022年に誕生したのが「かなでる」シリーズです。コンセプトは、「佐渡の自然が奏でるハーモニーを、五線譜に乗せて届ける」こと。ラベルの5本線は五線譜であると同時に、佐渡の山・海・川・里・田んぼを表しています。

佐渡の山・海・川・里・田んぼを表現した5本の線と、
そこから奏でられたハーモニーを表す円 。
土地の空気感を伝える、洗練されたラベルデザインが目を引く 。

学校蔵から見える夕日は「日本で一番」と言われるほど。
この学校蔵では酒造り体験プログラムも実施され、人々が集まる地域交流の拠点となっている。

このお酒の特徴やこだわりを教えてください。

平島 日本酒に馴染みがない方でも手に取りやすいよう、アルコール度数は14.5度と低めに抑え、優しく軽やかな味わいに仕上げました。 商品名にも入っている「ピチカート」は、弦を指で弾く、弦楽器の演奏技法のことです。その名の通り、口の中で心地よく弾ける微発泡感が特徴で、フレッシュな甘みと酸味のハーモニーを楽しんでいただけます。
また、原料米は100%佐渡産にこだわり、酒造りのエネルギーには太陽光パネルによる再生可能エネルギーを導入しています。100年後もこの豊かな自然の中で酒造りを続けるための「循環」を生み出したい。そんな地域の未来への想いも、この一杯に詰め込んでいます。 食前酒として、またはサラダや軽やかな前菜と共に楽しむ華やかなシーンによく合います。フレッシュな甘みと酸味のバランスがいいので、食後のデザート代わりとしても楽しんでいただけますよ。

原料となる米は100%佐渡産。
アルコール度数を抑えた優しい口当たりで、日本酒初心者にもおすすめ。

飲んだ方からの反響はいかがですか?

平島 飲んだ方から「佐渡に行きたくなった」と言っていただけることが何より嬉しいですね。お酒が土地の空気感を伝え、旅のきっかけになっていると感じます。また、学校蔵でのサステナブルな取り組みは、環境省の「GOOD LIFE AWARD」で環境地域ブランディング賞を受賞するなど評価をいただいています。日本酒の新しい扉を開く一杯として、若年層や日本酒初心者の方からも高い支持を得ており、新たなファン層の広がりを感じています。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

平島 酒造りを通じて、佐渡と外の世界をつなぐ「循環」を生み出し、地域を元気にしたいと願っています。学校蔵では、世界20か国以上から参加者が集まる「酒造り体験プログラム」を実施しており、日本酒文化を世界へ発信しています。人が減りゆく地方の課題を、商品の力と交流の力で、アウトバウンドからインバウンドへと変えていきたいですね。100年後も佐渡の豊かな自然の中で酒造りを続けていける持続可能な社会を実現するために、「日本酒から日本を元気にすることは不可能ではない」という思いで、これからも挑戦を続けていきます。

―素晴らしいお話をありがとうございました。

「山田錦磨35大吟醸『真野鶴・万穂(まほ)』」
価格:¥11,000(税込)(1800ml)、¥5,500(税込)(720ml) *2026年2月現在
店名:尾畑酒造株式会社
電話:0259-55-3171(9:00~16:00 土日、祝日を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.obata-shuzo.com/shop/item.asp?id=1
オンラインショップ:https://www.obata-shuzo.com/shop/

「『かなでる / KANADEL 純米大吟醸おりからみ』 pizzicato 火入れ」
価格:¥2,200(税込)(720ml)*2026年2月現在
店名:尾畑酒造株式会社
電話:0259-55-3171(9:00~16:00 土日、祝日を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.obata-shuzo.com/shop/item.asp?id=561
オンラインショップ:https://www.obata-shuzo.com/shop/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

平島健(尾畑酒造株式会社 代表取締役社長)
1964年東京都生まれ。明治大学を卒業後、角川書店での雑誌編集を経て、妻の実家である尾畑酒造株式会社に1995年入社。2008年に同社代表取締役社長に就任。新潟県酒造組合副会長を務めるなど県産酒の振興にも注力している。

<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/田中香花 画像協力/尾畑酒造>

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