
ふわとろ食感と職人の技。あなご専門店が届ける「美味しいあなご5種セット」
2026/01/29
今回、編集長のアッキーが注目したのは、「美味しいあなご5種セット」です。ふわっとほどける煮込あなごに、香ばしさがたまらない焼あなご、そして職人の手仕事が光る希少な「八幡巻」ほか5種類をセットにしてあります。
その背景には「本当においしいものを届けたい」という、半世紀以上続く卸問屋の正直なこだわりと挑戦がありました。取材スタッフが、大阪府に本社を構える、株式会社松井泉の代表取締役社長、松井利行氏にお話を伺いました。

株式会社松井泉 代表取締役社長 松井利行氏
―1968年の創業以来、大阪・堺であなご一筋に歩まれてきたと伺いました。まずは御社のルーツについてお聞かせください。
松井 「松井泉」という名前で会社を始めたのは私の父からです。元々は私の祖父が、兄弟であなごを中心とした商売をしていました。父もそこに身を置いていたのですが、そこから独立する形で、1968年に松井泉を立ち上げました。私は生まれた時からずっとあなご屋で育ちました。当時は1階が仕事場で2階が住まいだったので、四六時中その環境に置かれていましたね。父が夜中から仕事を始め、母も手伝いをする姿をずっと見てきました。



創業1968年、大阪・堺で半世紀以上続くあなご専門店。
あなご一筋の卸問屋として、プロの料理人からも信頼を集める。
―会社を継いだ経緯について、お聞かせください。
松井 私が大学1年生の時でした。その約1年前に父が大病をし、店を畳むという選択肢もある状況だったため、家族4人で話し合いを持ちました。
その時、4歳上の兄は自分の道を進みたいと言った一方で、私はふと「やる」と口にしていました。小さい頃から、父が夜中の1時から起きてずっと立ち仕事であなごを捌き、焼き作業し、冬はとても寒い中で仕事をする過酷な姿を見てきました。決して楽な仕事ではないと知っていましたが、「自分が継ぐんだ」という気持ちになったんです。兄も、私が堺に戻ってきて落ち着くまで手伝ってくれたので、それも大きかったですね。
―「美味しいあなご5種セット」は、どのようにして生まれたのでしょうか。
松井 近年はあなごの漁獲量減少など、海の環境変化も大きくなっています。実は国内で獲れるあなごの質も以前とは変化してきているため、今は無理に産地にこだわらず、その時々で脂の乗った本当に「おいしい」と思えるものを厳選しています。
そうした背景もあり、以前のような一本ものでの提供が難しくなったり、サイズが揃わなくなったりしていました。また、一本売りだと単価も高くなり、大きいものだとその一本だけで3,000円、4,000円となると、なかなかご家庭では手が出ません。
そこで、あえてカットして定量のグラム数にすることで、お客様が買いやすい商品にしました。開発においては、コロナ禍で飲食店の売上が激減したことも大きかったですね。ご家庭でも手軽にプロの味を楽しんでいただけるよう、考えに考え抜いて開発しました。さまざまなあなごを一度に楽しんでいただけるよう、煮込あなご、焼あなご、白焼きあなご、焼いた八幡巻、味付きざみあなごの5種類をセットにしています。


家庭でも使いやすいサイズにカットされた商品がセットに。
―まずは煮込あなご、焼あなご、白焼き、味付きざみあなごについて伺います。それぞれのこだわりや、おすすめの食べ方を教えてください。
松井 煮込あなごは、脂ののったあなごを厳選し、下処理を徹底して口当たりを良くし、脂が乗っているが故に10分〜15分という短い時間で煮込んでいます。煮込みすぎないことで、身が崩れず、ほどけるような柔らかさに仕上がるのです。湯煎などで温めるだけで、とろけるような食感をご家庭で簡単に楽しんでいただけます。
味付きざみあなごは、この焼あなごを刻んで特製の出汁に漬け込み、煮込んだものです。
温めてそのままご飯の上に乗せたり、お茶漬けにしたりしていただくととてもおいしいですよ。
焼あなごは、焼あなごの頭から取った出汁を継ぎ足した秘伝のあなご出汁で焼き上げ、あなごの旨みを凝縮させています。まずはそのまま、少し温めてわさびを乗せて食べてみてください。また、うどんやお鍋の具材として入れるのもおすすめです。あなごからすごくいい出汁が出るので、うなぎにはない楽しみ方ができますよ。関西では、焼あなごの頭を出汁取りに使う文化もあるくらいですからね。
白焼きは、さらに選び抜かれた上質なあなごを使い、最後にバーナーで炙って香ばしさを引き出しています。味はシンプルなので、塩やわさび、柚子胡椒など、お好みの薬味をちょっとつけて食べると、あなご本来の味がさらに引き立ちますよ。


ご飯に乗せて丼にするのはもちろん、うどんの具材や、酒の肴としても優秀。
―実際にお客様からはどのような反応がありますか?
松井 「あなごは嫌い」「食べた思い出が良くない」という方が、「人生が変わった」と言っていただくことがあります。また、小学校で食育の授業もしているのですが、普段あまり魚を食べない子どもたちが、うちのあなごを食べて「おいしい!」と喜んでくれるんです。卒業式の時に、6年生全員で考える「お別れの言葉」で「4年生の時に食べたあなごがおいしかった」と言ってくれたことがあって、あれはめちゃくちゃうれしかったですね。また、イベント等で子どもがあなごの試食をパクパク食べる姿を見て、親御さんが驚いて購入されることも多いですよ。
―もう一つの商品「焼いた八幡巻」についても教えていただけますか?製造工程は非常に手間がかかるとか。
松井 八幡巻自体は昔からある料理ですが、もともとはあなごがたくさん獲れすぎて、特に小さいあなごの処理に困った時に、ごぼうに巻いて焼いたのが始まりだと言われています。余った食材を無駄にしない、昔の人の知恵ですね。
製造工程については、ごぼうを土のついた状態から洗い、茹でて程よい硬さにしたら、特製の出汁に丸1日漬け込みます。あなごも、縦に割って繋ぎ合わせ、ごぼうに隙間なく手作業で巻いていきます。タレをつけながら数回焼くので、今の生産体制では1日に100本から150本が限界です。
これだけ手間がかかるので、今は作っている業者さんが非常に少なくなっています。おせち料理の定番ですが、ごぼうの歯ごたえとあなごの旨みはお酒にもよく合いますよ。

食材を無駄にしない精神から生まれた伝統食「八幡巻」は、1日に100本程度しか作れない、職人の技術が光る逸品。
プロのバイヤーも絶賛するその味わいは、おせち料理だけでなく、ハレの日の食卓にもよく似合う。
―展示会でも大きな反響があったそうですね。
松井 はい、一番反響があったのが八幡巻でした。プロのバイヤーの方々から「これだけしっかりした八幡巻は他にない」とたくさんのオファーをいただきました。ただ、すべて手作りなので、数がたくさんできないのが悩みですね(笑)。それだけ、他では真似できないものを作っているという自負はあります。
―最後に、今後の展望やビジョンについてお聞かせください。
松井 「堺といえばあなご」「あなごといえば松井泉」と言われる存在になりたいですね。とれた産地がどこかということよりも、「松井泉のあなごなら間違いない」と認めてもらえるようになりたいです。
私がこうして催事や展示会の現場に立ち続け、休憩も惜しんであなごの魅力を伝え続けているのも、あなごの食文化や加工技術を次の世代に残していきたいからです。20年かけて取り組んできたことの集大成として、あなごといえば松井泉というブランドを揺るぎないものにしていきたいと考えています。
―素敵なお話をありがとうございました!

「美味しいあなご5種セット」
価格:¥4,912(税込)(送料別途)
店名:堺 あなご専門店 松井泉
電話:072-245-1779(9:00~16:00、土曜日は9:00~14:00)
定休日:日曜日、祝日、水曜日
インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://matsuiizumi.easy-myshop.jp/c-item-detail?ic=A000000032
オンラインショップ:https://matsuiizumi.easy-myshop.jp/
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変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
松井利行(株式会社松井泉 代表取締役社長)
1969年大阪府堺市生まれ。早稲田大学卒業後、兵庫県明石市にあったあなご専門店「大善」にてあなご業界について学び、1994年に松井泉へ入社。2003年に同社代表取締役社長に就任。「堺あなごプロジェクト」の企画・運営や、小学校での食育授業など、あなごの食文化を広める活動に尽力している。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/田中香花 画像協力/松井泉>




























