天然だしと特製めんにお好みの具材を入れて食べる新しい鍋のカタチ。博多で45年愛されるご当地麺「めんちゃんこ」

2025/12/18

寒い日の夜、熱々の鍋を囲んで、最後にたどり着く「シメの麺」。野菜や肉の旨みが溶け出したスープをたっぷり吸ったあの麺は、まさに格別のおいしさです。今回、編集長のアッキーが注目したのは、なんと「あの締めのおいしさ」 を最初から、しかも一人前から楽しめる という、博多発祥のごちそう鍋焼きラーメン「めんちゃんこ」です。

創業45年、地元・福岡では「ソウルフード」として深く根付いていますが、実は県外にはほとんど店舗がなく、これまでは現地に行かなければ味わえなかった幻の味。最近では全国区のテレビ番組でも取り上げられ、その知名度は一気に広がっています。

その背景には、大手に真似されないオリジナリティ を追求した創業者の情熱と、その「種」 を受け継ぎ、「長く続けていく」 文化を育てようとする現社長の堅実な哲学がありました。取材スタッフが、福岡県に本社を構える、株式会社鬼が島本舗の代表取締役社長、米濱 裕次郎氏にお話を伺いました。

―まずは、御社の歩みについてお聞かせください。「めんちゃんこ」はどのようにして誕生したのでしょうか。

米濱 もともとは私の父が、1970年に長崎で讃岐うどんの専門店を開業したのが始まりです。おかげさまで、うどん店は九州や沖縄まで展開するほど好調でした。ですが父には、このままでは「大手が真似したらすぐにやられてしまう」という危機感があったようです。そのため、商売は順調でしたが、オリジナリティのある新しい麺の開発にあえて着手したんです。それが「めんちゃんこ」の原型ですね。

―順調だったうどん店から、あえて新しいジャンルに挑戦されたのですね。ご自身は、その創業者であるお父様から事業を受け継がれたわけですが、どのような思いがあったのでしょうか。

米濱 父は「ゼロから1を作る」のが非常に得意な人でした。それに対して、私は「作った種を大事に育てよう」と考えていました。私が社長に就任した1997年頃、実は売上の8割を占める通販事業に頼りきりで、店舗がおろそかになっていたところに、通販事業の不振が直撃したのです。このままではいけないと思い、当時ニューヨークにいた父に「自分に任せてほしい」と伝えました。そして、売上の8割を占めていた通販事業をすべて他の方に譲渡し、父が作った「めんちゃんこ」という文化の種を守り育てていくために、まずは店舗の経営に集中する体制に切り替えたのです。

創業45年の歴史を持つめんちゃんこ亭。長崎で始まった讃岐うどん専門店がルーツである。

―売上の8割を手放すとは、非常に大きなご決断ですね。そこまでして守りたかった「めんちゃんこ」という商品について、誕生の経緯を詳しく教えていただけますか。

米濱 オリジナリティのある商品を模索していた父は、親交のあった五十三代横綱 琴桜関の稽古場でご馳走になった「ちゃんこ鍋」の味に深く感動したそうです。そして、「こんなにおいしくて栄養も豊富な料理を、もっと手軽に食べられないか」と考えたのがすべての起点です。最初はうどん屋のメニューの一つだったんですが、開発するうちに「鍋の最後のシメの麺を、最初から食べる」という逆転の発想が面白い、と評判になりした。一人で鍋が食べられるというのも当時は斬新でしたから、1980年に福岡で専門店「めんちゃんこ亭」を開業しました。これは単なる麺類ではなく、ちゃんこ鍋のごちそう感を詰め込んだ、博多発祥の「鍋焼きラーメン」ともいえる、新しいジャンルの料理なんです。

コシのある専用麺と天然だしスープが織りなす「めんちゃんこ」。
この一杯で、鍋の最もおいしい瞬間を堪能できる。

―”締めのおいしさ”を最初から、というのは誰もが惹かれる発想ですね。その味を実現するための、こだわりや独自性について教えてください。

米濱 「めんちゃんこ」の味を支える核は、度重なる研究の末に完成させたスープです。はも、鶏、かつお、昆布、ほたてなど、10種類以上の素材を使い、天然だしの旨みが詰まっています。そして最大の特徴が、そのスープがしっかり絡むように独自配合された専用の麺ですね。普通の麺では煮込むうちに伸びてしまいますが、この麺はあえて煮込みに強いコシのある中太麺にすることで、旨味が染み込むほどにおいしくなるよう設計しています。これが「鍋の締め」で終わらない、一つの麺料理として成立する理由です。

店舗では、「本当においしいものをきちんと伝えたい」という創業時からの思いを込めて、お客様一人一人に特注の「鉄鍋」でアツアツのままお出ししています。今回のお取り寄せセットは、コロナ禍を機に、「この熱々の体験を家庭でも届けたい」と、新しく開発し直したものなんです 。

―ご家庭で、お店のアツアツの体験ができるのは嬉しいです。おすすめの食べ方や楽しみ方はありますか?

米濱 お取り寄せセットは、ご家庭で簡単にお店の味を再現できます。おすすめは、キャベツ、もやし、豚肉、ニラなど、お好みの具材を入れて一緒に煮込むことです。冷蔵庫の残り野菜でも十分ですよ。贅沢な天然だしのスープが、たっぷり入れた野菜の旨みもしっかり受け止めてくれます。忙しい日の夕食にも、週末にゆっくり楽しむ「一人鍋」にも最適です。

―野菜もたくさん摂れて、まさに「ごちそう鍋」ですね。店舗では、どのようなお客様が多いのでしょうか。

米濱 うちのお店の大きな特徴なんですが、男女比率でいうと、女性が半分くらいいらっしゃるんです。「麺屋さんなのに女性が半分」って、かなり珍しいと思います。お客様の層も、お子様からご年配の方まで本当に幅広いんです。この背景には、私がずっと温かいお店を作りたいと思って店づくりをしてきたこともあるかもしれません。マニュアル通りのサービスではなく、人間性が出るような指導を心がけています。味はもちろんですが、お店全体で「あそこに行けばほっとできる」と感じていただけるような、そんな信頼関係を大切にしています。

―世代や性別を問わず愛されているのは、そうした温かい雰囲気もあってこそなのですね。最後に、これから目指すビジョンについてお聞かせください。

米濱 一番大きく掲げているのは、「めんちゃんこを、いつか日本の新しい麺文化にするぞ」ということです。例えばラーメンだってまだ100年程度、ちゃんぽんでも60年程度の歴史です。うちは創業45年ですから、まだ普及していないだけで、歴史的に見劣りはしないと思っています。むしろ、店舗を急いで増やすことよりも、「長く」続けていくことの方が大切だと考えています。自分たちが辞めてしまうと、この文化がなくなってしまうという思いがありますから。福岡のソウルフードとして守りつつ、新しい日本の食文化として育てていきたいですね。

―本日は貴重なお話をありがとうございました!

「めんちゃんこ3食セット」
価格:¥1,620(税込)
店名:めんちゃんこ亭
電話:092-407-1699
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付商品URL:https://menchanko.net/products/detail/6
オンラインショップ:https://menchanko.net/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

米濱 裕次郎(株式会社鬼が島本舗 代表取締役社長)
1972年長崎県生まれ。1981年に東京へ移り、1990年からはニューヨークで過ごす。1991年よりカナダ・モントリオールへ留学。1994年に福岡で株式会社鬼が島本舗に入社し、1997年に代表取締役社長に就任。創業者である父の「オリジナリティ」への思いを受け継ぎつつ、「作った種を大事に育てよう」堅実な経営で、「めんちゃんこ」という食文化の確立を目指している。

<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/藤井 ちあき 画像協力/鬼が島本舗>

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