
福岡自慢の明太子を使った逸品の詰め合わせ「海千おためしセット」と「ご当地明太4種セット」
2025/10/29
福岡県宗像市に、一度食べたら忘れられないと評判のお取り寄せグルメがあります。パンからはみ出るほど塗られた明太バター、からすみのように濃厚な旨みの進化系明太子、肉汁あふれる手羽先めんたいこ…。今回、編集長のアッキーが注目したのは、食欲をそそるこれらの逸品が詰まった「海千おためしセット」と「ご当地明太4種セット」です。なぜ、これほどまでに人の心を惹きつける商品が生まれたのか。その秘密を、作り手である株式会社海千の代表取締役 井川英治氏に取材スタッフが伺いました。

株式会社海千 代表取締役 井川英治氏
―まず、会社の成り立ちについて教えてください。
井川 弊社は1995年に先代の社長が創業しました。当時は、東京の築地市場をはじめとするプロの料理人や業者さんを相手にした卸売が専門で、スーパーなどに並ぶような個人向けの商品は作っていなかったのです。看板も出しておらず、近所の方からは「明太子屋さんがあるらしいけど、どこで売っているんだろう?」と思われるような、まさに知る人ぞ知る存在でした。その歴史を大きく塗り替え、全国の食卓へ商品を届けるようになったのが、私が事業を引き継いでからのことです。

宗像市に工場直売の「宗像本店」を構える。
福岡県に合計3店舗を展開。
―井川社長は、どのような経緯で入社されたのでしょうか。
井川 私の経歴は少し変わっているかもしれません。大学では海洋学を学び、卒業後は山口県下関市の海藻メーカーで7年ほど働いていました。実家のある福岡に戻り、「食品に関わる仕事で、一生をかけて取り組めるものは何か」と考えたとき、真っ先に思い浮かんだのが明太子でした。
福岡を代表する食品ですし、何より明太子はメーカーごとに味が違い、お客様が「ここの味が好き」と選んでくれる嗜好性の高い食べ物です。大手と同じ土俵でも、本当においしいものを作れば認めてもらえる世界だと思いました。そこから図書館にこもって明太子のことを徹底的に調べ上げ、「明太子屋になる」と固く決意したんです。
―そこから「海千(かいせん)」とのご縁が生まれるのですね。
井川 はい。知人の紹介で海千を知り、すぐさま門を叩きました。しかし、当初は「人手は足りている」と2度も断られてしまって。それでも諦めきれず、3度目に訪ねたとき、偶然にも工場の責任者の方とお会いすることができたのです。従業員の方の怪我により人手が足りなくなったタイミングだったようで、「明日から来られるか?」と。アルバイトからのスタートでしたが、二つ返事で「お願いします」と答えました。それが私のスタートです。
―そこから、どのようにして社長に?
井川 そこから3年間、がむしゃらに働きました。当時のパートさんから「井川さんが笑っているのを見たことがない」と言われるくらい、仕事に没頭していました。自分の店を持つという夢のために、技術や知識をすべて吸収するつもりでしたから。そんな私の姿を、後継者がいなかった先代の社長がずっと見ていてくれたようです。3年が経つ少し前、突然社長室に呼ばれ、「お前が会社を継ぐか?」と声をかけていただきました。
そして、忘れもしません。数カ月後のある日の朝礼で、先代が全従業員の前で「今日から、隣にいる井川君が社長です」と突然発表したんです。一瞬、突然のことで工場がどよめきましたが、すぐに温かい拍手に包まれました。私の商品作りの哲学は、今も昔も「自分が一番の消費者であること」。本当に自分が食べたい、家族に食べさせたいと思えるものだけを作る。その思いは、社長になった今も全く変わりません。
―「海千おためしセット」は、どのようにして生まれたのですか?
井川 私が「自分で買うならこれ!」と自信をもっておすすめできるものばかりを揃えています。セットには、からすみのような食感の「博多 乾熟明太(旨口)」、パンの端まで明太バターたっぷりの「明太フランス」と「明太トースト」、爽やかな「いか明太子 柚子風味」、そしてジューシーな「手羽先めんたいこ」など、海千の魅力が満載です。いわば“海千の入門編”であり、“ベストアルバム”のようなセットです。
―セット商品のそれぞれのこだわりを教えてください。
井川 「博多 乾熟明太(旨口)」は、スケトウダラの卵の水分を半分ほどにすることで、からすみのようにねっとりとした食感と凝縮された旨みを引き出した、他にはない商品です。

熟練の技でじっくり乾燥・熟成させた「博多 乾熟明太(旨口)」。
からすみのようなしっとり食感と
濃厚な旨みが凝縮された、博多の新珍味。
井川 「明太フランス」と「明太トースト」は、「どこを食べてもおいしい」を徹底的に追求しました。福岡でおいしいと評判のパン屋さんを探し出し、「パンの端から端まで、中にも上にも、これでもかというくらい明太バターを塗ってください」と特注しています。香りでごまかすためのシーズニング(調味料)などは一切使わず、新鮮な明太子と国産の無塩バターだけで勝負しています。

焼きたては表面パリッ、
明太バターがじゅわっと広がる大人気の「明太フランス」。
明太子屋こだわりの無着色明太バターをたっぷり塗った、
ほんのり甘い香りの「明太トースト」。
井川 また、「手羽先めんたいこ」にはジューシーな地元の「むなかた鶏」を、「いか明太子」には香料ではなく天然の柚子果汁を使うなど、すべての商品で素材の味を大切にしています。

中骨がないので食べやすく、
お子様から大人まで楽しめる「手羽先めんたいこ」。
ゆず胡椒のほんのりとした辛味が食欲をそそる「いか明太子」。
―おすすめの食べ方はありますか?
井川 「博多 乾熟明太(旨口)」は、薄くスライスしてチーズと合わせれば、ワインが止まらなくなる週末のご褒美おつまみになります。また、いつものクリームパスタにさっと削りかけるだけで、まるでお店の味に変身します。イタリアンのお店でも使っていただいています。
―お客様からはどのようなお声が届いていますか?
井川 「王様のブランチ」や「ZIP!」といった全国区の人気テレビ番組で紹介されたこともあり、「テレビで見て、ずっと気になっていた」と手に取ってくださる方が多いです。食通で知られるタレントさんが「お取り寄せしている」と紹介してくださったこともあり、それが信頼に繋がっているようです。「県外の方への贈り物にしたら、とても喜ばれた」というお声も多く、ギフトとしても自信をもっておすすめできます。
―もう1つの商品、「ご当地明太4種セット【甘夏・しそ・宗像・昔ながら】」は、地域貢献から生まれた商品だと伺いました。
井川 はい。この商品の背景には、世界遺産にも登録された宗像・大島との出会いがあります。福岡県の北に位置するこの島には、かつて甘夏みかん畑だった耕作放棄地が広がっていました。これを再生させようと、社員総出で草を刈り、手入れをして、再び収穫できるようにしました。そして、収穫した甘夏は島の方に搾ってもらい、果汁として私たちが買い取る。そうすることで、島に新しい仕事が生まれます。「この明太子を買うこと」が、島の未来を応援することに繋がる、そんな商品を作りたかったのです。ほかにも、高齢化で生産が減っていた北九州にある遠賀町(おんがちょう)の特産品である赤しそを買い支えるなど、地域と共に歩む商品開発を心がけています。

大島産の甘夏、遠賀町産の赤シソ、宗像の老舗の醤油や日本酒を使用。
天然素材と手作業にこだわった、愛情たっぷりのご当地明太。
―素材へのこだわりも強いそうですね。
井川 大島産の甘夏、遠賀町産の赤しそはもちろん、醤油や日本酒も宗像にある老舗のものを使うなど、原材料は徹底して「宗像」とその周辺地域のものです。特に赤しそは、パートさんたちも一緒に、爪が紫色に染まるまで一枚一枚手作業で葉をちぎり、社内の大鍋で煮詰めてしそ液を作っています。香料は一切使わず、天然の素材だけで作る。大変な作業ですが、このひと手間が、どこにも真似できない愛情の味になると信じています。


離島の食材を活かすことで、
離島支援、成長を見守ることにもつながっている。
―今後の展望についてお聞かせください。
井川 私たちは、HACCP(ハサップ)という衛生管理の国際基準を取得し、さらに厳しいEU向けの認証もクリアしました。その品質を武器に、今ではヨーロッパやアメリカ、アジアなど世界へも販路を広げています。工場のパートさんたちが、お昼休憩のときに「今日私たちが作っている明太子が、オランダに行くんだって!」と嬉しそうに話しているのを見ると、この仕事をやっていてよかったなと思います。「自分たちの作るものが世界で食べられている」という事実が、社員や地域の方々の夢と誇りになっているんです。
世界を目指しながらも、足元では皆で笑いながらしその葉をちぎっている。そんな温かい情熱を胸に、「自分が本当に食べたいもの」を作り続ける。海千の挑戦は、これからも続きます。
―たくさんの素敵なお話をありがとうございました!

「【オンラインショップ限定】海千おためしセット」
価格:¥6,166(税込)
店名:海千
電話:0120-88-5356(10:00~18:00)
定休日:年末年始(インターネットでのご注文は24時間365日受付)
商品URL:https://tarakomentaiko.com/c/limited/recommend/2408
オンラインショップ:https://tarakomentaiko.com/

「ご当地明太4種セット【甘夏・しそ・宗像・昔ながら】」
※こちらの商品は季節限定のため、販売状況は公式サイトをご確認ください。
商品URL:https://tarakomentaiko.com/c/munakata-products/7862
オンラインショップ:https://tarakomentaiko.com/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
井川英治(株式会社海千 代表取締役)
1975年福岡県生まれ。大学卒業後、約7年の食品メーカーでの勤務を経て、海千へ入社。2007年に同社代表取締役に就任。海千では、本社工場がある福岡県宗像市の豊かな自然とさまざまな繋がりを大切にしながら、宗像の魅力を伝えるための活動「たのしまんね宗像プロジェクト」に取り組んでいます。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/田中香花 画像協力/海千>




























