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漁師直結だからこその高品質。香りと食感が違う!阿波市場の「鳴門産カットわかめ」

2024/02/22

古くから食され、今でも毎日のように食卓にのぼるわかめですが、徳島県鳴門市がその元祖だということはあまり知られていないかもしれません。今回は、編集長アッキーがその中でも特に注目の一品があると聞きつけ、取材班が取材してきました。他のわかめとは一線を画すそのおいしさの秘密についてお伺いします。

株式会社阿波市場 代表取締役 上野伸介氏
株式会社阿波市場 代表取締役 上野伸介氏

―ワカメの産地というと三陸を思い浮かべてしまいますが、徳島県鳴門市がその元祖なのですね?

上野 鳴門わかめは海からの贈り物と言われ、古来より愛されてきました。古事記や万葉集にも記述のある食べ物です。子孫繁栄や財運を意味しており、おめでたい食物とされています。韓国などでも同様の意味があるようで、産中産後に食べるという文化もあります。
弊社では、「昔のことをよく学び、古きものを守りながら、時代にあったものに変化していく」ということをモットーとして事業を行っています。

―鳴門わかめの特長としてはどんなことが挙げられるでしょうか?

上野 シャキシャキとした食感とツルッとした喉ごしが特長です。鳴門の渦潮に揉まれて、しっかりした葉質になるのです。
弊社ではその原藻を、自社で一次加工、すなわちボイルから行っています。まず90度の海水で茹で、海水で冷却、塩揉みして選別、検品という一連の作業を自社で一貫してやっているんです。

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わかめをボイルする様子。この工程から行う業者は地元でも珍しい。

―どうしてそのような生産方法になったのでしょうか?

上野 少し私の話になりますが、元々私は銀行員や東京でサラリーマンをしていました。その経験の中で「日本の食料自給率を上げる」ということが大きな課題だと考えるようになり、自ら一次産業に携わっていきたいという気持ちが生まれました。故郷の徳島に戻り、漁業の分野で風を起こしたい、おこがましいかもしれないけれど、変革を起こせないかと考えたのです。
現場に入ってみて課題だったのは、漁師さんの高齢化、負担の大きさ、所得の低さです。わかめは、漁師さんが水揚げしたら自ら茹でて出荷するのが通例ですが、高齢になり人手もないとなると大変な作業なのです。その部分を弊社で担うことによって漁師さんの負担が減るだろうと考え、茹でから一貫してやりますよ、ということになりました。

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水揚げされたわかめをボイルしている様子。

―漁師さんを支えたいという思いからこの生産方法になったということなのですね。

上野 「日本の食料自給率を上げたい」というのがスタートですが、机上ではなく現場で改善していきたいという思いがあります。漁師さんたちに近い立場にあることが、鳴門に大小200社ほどあるわかめ業者の中でも、強みや特長になると思っています。漁師さんと一緒に、海の状態をいつも確認して、状態によっては漁を休む判断をしたり、現場で対話をしながらお互いの距離を縮めています。

また、弊社では藻の種の研究もおこなっていて、今の海の環境にあった種の提案などもしています。そうやって生産者との関係性を深めているところです。2008年の創業から、今では徳島5,000トンのわかめ生産量のうち700~1,000トンほどの取り扱いをさせていただくようになりました。

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地元の漁師さんと直接対話しながら仕入れている。
生産者の顔がわかることも「阿波市場」のアドバンテージ。
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「カットわかめ」のパッケージにも、生産者さんの顔写真が。

―食用にとどまらず、わかめの有効活用もされているとか?

上野 わかめも段々と値段が上がっています。かつてはB級品とされたものは廃棄されていましたが、エキスにしたり、液肥にしたりと活用法が広がっています。弊社では「食品ロスゼロプロジェクト」を立ち上げて、色があまり良くないものは佃煮にしたり、エキスを化粧品にしたり、液肥を有機農業に提供したりしています。

―化粧品にもなるのですね?

上野 これは毎日わかめの茎をとる作業をしているご高齢の女性の手がすべすべなのをみて思いつきました。その方は、廃棄する部分を持ち帰って塩を落としてお風呂に入れていました。お孫さんのアトピーの症状緩和や、リンスの代わりにもなるということで、これは化粧品にしたら良いのではないかと商品化しました。

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阿波市場プロデュースの「アルガス」化粧品。
アルゴテラピーの考えをもとに海洋・海藻の力を抽出し、
普段のスキンケアとして開発された。

―やはりわかめには、良い成分が豊富に含有されているということでしょうか?

上野 ミネラル、食物繊維が豊富なのはもちろん、コレステロールの排出効果など健康効果が知られています。中でも「フコイダン」という成分は、免疫力のアップにつながるということがわかっており、高齢の方などにはぜひ取り入れていただきたいです。また、アレルギー成分はありませんから、毎日の食卓にいつもあるものであってほしいと思います。

―今回ご紹介いただいたカットわかめはどんな商品でしょうか?雑誌などでも話題になっていますが、他とは何が違いますか?

上野 品質が違います。それは、選別のレベルが違う、ということです。一般の業者さんが残して出荷するような部分を弊社ではカットしています。切っても、先ほど申し上げたような他のところで利用するので切れるのです。これが品質につながっています。
雑誌『LDK』ではカットわかめランキング1位になったり、都内のお寿司のミシュラン店などで扱ってもらったりしていますが、やはり品質の高さを評価していただいているのだろうと思います。

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選別風景。美味しいところだけを残すことで高品質な商品に。
切ったところも別の用途で使うから、大胆にカットできる。

―おすすめの食べ方はありますか?

上野 私はポン酢をかけてそのままいただいたりします。甘鯛の出汁に入れた味噌汁なんか最高ですね。味噌汁、サラダ、ラーメン、うどんに入れても美味しいです。

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シンプルなわかめうどんも絶品。
磯の香りと肉厚でつるりとした食感が楽しめる。
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かまぼこと合わせてポン酢をかけただけでも、ちょっとした一品に。

―今後の展望についても教えてください。

上野 わかめは実は世界ではあまり食べられていません。日本、韓国、一部のヨーロッパの国くらいなんです。なので、世界で食してほしいです。
2017年にはHACCP認証を取得、2021年には米国FDAを取得していますし、2024年にはハラールの認証を取得予定です。インドやマレーシアといったアジアのイスラム国(ハラール国)で普及し、わかめを食べる胃袋を増やしていきたい。市場が広がれば、値段も上がり生産者も増えるはずです。生産者と一緒に持続していくことが目標です。

―わかめを世界へ。ムーブメントが広がっていくのが楽しみです。本日はありがとうございました。

カットわかめ詰合せ

「カットわかめ詰合せ(16g×8袋)」
価格:¥11,000(税込)※ふるさと納税寄付金額
店名:徳島市ふるさと納税
電話:050-3090-0036(10:00~17:00 日曜日・年末年始を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/f362018-tokushima/a006a/
オンラインショップ:https://www.rakuten.ne.jp/gold/f362018-tokushima/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
上野伸介(株式会社阿波市場・代表取締役)

1972年2月10日生まれ。明治大学大学院を卒業後、銀行員やサラリーマンを経て、2007年より株式会社阿波市場 代表取締役に就任、2020年には株式会社鳴門魚市 代表取締役に就任し、現在に至る。

<文・撮影/尾崎真佐子 MC/山口優花 画像協力/阿波市場>

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