
日本最高級のそば粉!おいしいレシピも広がる「摩周産そば粉 キタワセソバ」
2025/09/04
今回、編集長アッキーが注目したのは、「摩周産そば粉 キタワセソバ」です。商品を製造・販売している株式会社鈴木製粉所の代表取締役・鈴木文明氏に商品の魅力について取材陣がお話を伺いました。

株式会社鈴木製粉所 代表取締役 鈴木文明氏
―ご経歴について教えてください。
鈴木 生まれは岡山県で、小学校3年生まで岡山にいました。その後、父親の仕事の関係で神奈川県に引っ越し、川崎で育ちました。大学は東京で機械工学を学び、卒業後はJR東日本で車両関係の仕事、新車の開発や設計、研究開発に携わっていました。

「板そば」や「肉そば」をはじめ、山形のそば文化は奥深い。
―全く異なる業界から、そばの世界に入られた経緯を教えてください。
鈴木 妻の実家が鈴木製粉所だったのです。結婚するときに義父から「こっちに来てくれ」と言われましたが、継ぐとなると住むところも苗字も仕事も全て変わります。会社ではやっと自分の想いが新型車両に反映できるようなポジションになってきていたところで、最初は難しいと思いました。ただ「そのうち食べ物の商売するのも面白いかな」と思うようになり、結婚して4、5年はJRで仕事を続けて、その後こちらに入社しますという約束で結婚しました。義父からは「3年間は勉強していい」と言われました。
―実際に入社されてからはいかがでしたか?
鈴木 ところが入社3週間で義父に病気が見つかって入院することになってしまったんです。お客様の対応や、地域のコミュニティ、行政とのセッション、農家さんや生産者とのセッションをやらなくてはいけなくなりました。そばの農家さんと一緒に畑を見に行って、「鈴木さん、この畑どう思う?」と言われても何も返せません。そばは食べるだけじゃなくて、原料から勉強しなきゃいけないんだなというのをすごく痛感しました。経験がない分、知識だけは身につけようと、読める本や雑誌は片っ端から読みました。

いいそば粉を提供するため、何度も畑に足を運ぶ。
―御社の歴史について教えてください。
鈴木 創業が1908年(明治41年)なので、私で5代目になります。もともとは今の工場ではなく、家内工業的にやっていました。水路があったので水車を回して、そばだけでなく、米をついたり、雑穀、小麦を挽いていたという話は聞いています。1978年(昭和53年)に今の山奥の工場に移りました。

石臼製粉機。少量多品種生産をめざして作られたラインで、様々な製粉機が揃っている。
―オンラインショップを始められた経緯を教えてください。
鈴木 3、4年前に遊び心からでした。レギュラー商品で安定して買っていただいているものはあるのですが、良い産地で量は少ないけれども、すごく面白い商品が出てくるんです。これを眠らせておくのもつまらないし、かといってもレギュラーラインに載せるのは無理なので、ひっそりと社長のオススメみたいな感じで始めました。
―今回ご紹介する現在のメイン商品である「摩周産そば粉(キタワセソバ)」について教えてください。
鈴木 15年以上前、北海道でそばの研究会があったんです。北海道は国産そばの45%ほどを占めています。懇親会で同じテーブルになった方が摩周(ましゅう)の生産団体の方だったんですが、その方も勉強会で発表されていて興味を持ちました。調べれば調べるほど、すごい産地なんです。
まず気候がいい。霧が立つような冷涼な気候で寒暖差があって。土地が良くて水はけが良くて、畑がすごくいいんです。そして何より生産者の技術がすごいんです。他ではやってないような栽培方法をやっています。例えばコンバインで一発で収穫しないで、一回刈り倒して追熟工程を入れる、火力をかけないで風力だけで香りを逃さないように乾燥をさせる方法とかです。畑ごとにそばの実が送られてきて、どの畑のやつがいいかを判断するんです。そこまでやる産地はそうないですから。
私も毎年現地に行って、直接見て、会って、対話をすることを大事にしています。天地人という、天候と畑と人という3つの要素がありますが、摩周はどれも素晴らしい。熱量が違うというか、目が輝いているというか。他の産地と比べて飛び抜けて素晴らしいなと、私はちょっと惚れ込んでいるという感じですね。
―製粉における技術やこだわりについて教えてください。
鈴木 良い挽き方、特徴を引き出す挽き方をしなきゃいけない。そこにこちらの感性というか、価値観をどこまで乗っけるかということだと思うんです。摩周は緑っぽい原料なので、その緑を活かしたようなアクセント的な挽き方をしたり、殻を綺麗に取って挽くと上品な感じになるので、細かめに挽いたりしています。
―石臼館について教えてください。
鈴木 半分が製粉工場で、半分がいろいろなイベントをしたり、お客様と商談したり、展示の場所になっています。手挽きの体験もできます。石臼はゴリゴリと粉が挽けて、さーっと規則正しく粉が出ていって、ちょっとずつ溜まっていく様子が現れるのですが、挽いているとリラックスでき、癒しの効果もあると思っています。

そば粉の購入もできる石臼館。
―そば粉を使ったレシピの開発もされているそうですね。
鈴木 クックパッドで月1つずつ新しいメニューを開発しています。妻と一緒に考えたり、お客様からアイデアをいただいたり。フランスのブルターニュでよく食べられているガレットをフライパンでおいしく作れたりします。

クックパッドで作り方を紹介している「ガレット」。
―今後の構想について教えてください。
鈴木 「蕎麦2.0」を考えています。機械で作っているのを手で打ったり手で挽いたり、新品種よりも在来種がいいとか、ローテクノロジーに戻る感じがそば業界には多いんです。でもそれだと業界は進歩しない。もっとそばの可能性があるんじゃないかなという思いがあります。今年と来年、山形大学と慶応大学と共同研究で2年間、そばの味と香りの見える化に挑戦します。
昔の懐かしい物語に頼ってしまいがちですが、もっと広域的に味覚をくすぐり、進歩系のものを作るにはやっぱりサイエンスで品質を見える化しなきゃいけないと思っています。また、もっと地元の山形のPRもしなくてはいけないというのもあります。山形の視点と全国のそば業界の視点と両方持っていく感じで、それをつないでいくことをやっていきたいなと思います。
―貴重なお話をありがとうございました。

「摩周産そば粉」(キタワセソバ)1kg
価格:¥1,858(税込)
店名:鈴木製粉所
電話:023-629-2517(8:30~17:00 土日祝除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://suzukiseifun.thebase.in/items/41098922
オンラインショップ:https://suzukiseifun.thebase.in/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
鈴木文明(株式会社鈴木製粉所 代表取締役)
1966年岡山県生まれ。明治大学大学院修了後、JR東日本に入社し、鉄道車両の設計、メンテナンス、研究開発等に従事。2004年に鈴木製粉所へ入社。2019年に同社代表取締役に就任。地元のそば文化の継承と発展に尽力する傍ら、全国蕎麦製粉協同組合副理事長、日本蕎麦協会理事として、全国のそば文化の振興にも取り組む
<文/垣内栄 MC/田中香花 画像協力/鈴木製粉所>




























