
千葉県酒々井の地で300余年、飯沼本家が醸造「甲子(きのえね)」の純米酒と純米吟醸
2025/09/02
今回、編集長のアッキーが注目したのは、千葉県酒々井町で300年以上の歴史を誇る酒蔵、飯沼本家が造る日本酒「甲子(きのえね)」です。お米の旨みを活かした純米酒「やわらか 地の恵」と、匠の技が生み出す香り豊かな純米吟醸「はなやか 匠の香」。その魅力について、代表取締役社長の飯沼一喜氏に、取材スタッフがお話を伺いました。

株式会社飯沼本家 代表取締役社長の飯沼一喜氏
―御社は非常に長い歴史をお持ちですが、どのような歩みを経てこられたのでしょうか。
飯沼 飯沼家は江戸時代、この千葉県印旛郡酒々井町周辺の豪農で、米のほか、養蚕や林業などさまざまな事業を手がけておりました。現在の事業の始まりは、その頃に領主の佐倉藩から御神酒(おみき)を造ることを許されたのがきっかけです。約100年前の1924年に会社組織となり、日本酒の需要の高まりとともに、酒造りを事業の柱へと移行しました。


300年以上の歴史を持つ飯沼本家の母屋をリノベーションし、酒と旬の食材を使った料理を楽しめる「きのえねomoya」(上)。
白衣を着て見学ができる醸造蔵「北総蔵」のエントランスでは、飯沼本家の歴史を展示(下)。
―飯沼社長は16代目でいらっしゃいますが、どのような経緯で会社を継がれたのですか?
飯沼 明確なきっかけがあったわけではありませんが、周囲の期待もあり、幼い頃から自然と「いつかは自分が継ぐのだろう」と考えていました。大学卒業後は一度製薬会社に就職しましたが、その後、東京にある酒類総合研究所で醸造学を学び、佐賀県の天吹酒造合資会社で1年間、蔵人として現場での酒造りを修業させていただきました。いくつかの研修機関を経て、2013年に入社し、今に至ります。
―酒々井という土地は、酒造りにとってどのような場所なのでしょうか。
飯沼 町の名前にも「酒」という字が入っているように、この地には「酒の井戸」という伝説が残っています。その伝説が生まれるほど、昔から水が清らかで豊かな場所なのです。実際に、地下60m~70mにある2本の井戸から清冽な仕込み水を汲み上げています。また、自社で運営する農業法人や、20年来の付き合いになる地元の契約農家さんと協力し、この土地で育った酒米を使って酒造りができることも大きな強みです。まさに「地の恵み」に支えられています。
―今回ご紹介いただく「甲子(きのえね) 純米 やわらか 地の恵」について、こだわりのポイントを教えてください。
飯沼 このお酒のこだわりは、何と言っても「米」です。自社の農園と、この酒々井町・八街市の契約農家の方々が栽培した酒造好適米「五百万石」を100%使用しています。まさに、この土地の恵みが詰まった一本です。味わいの特徴は、発酵由来のフレッシュな微発泡感です。人工的にガスを入れたような強いシュワシュワ感ではなく、「シュワッ」と軽やかに広がる爽やかさが魅力です。米由来のきれいな酸味が後味をすっきりとさせてくれるので、食中酒としてさまざまな料理に合わせていただけます。

特別な精米製法で雑味の少ないお米に仕上げることで、きれいな味わいのお酒に。
―もう一つの「甲子 純米吟醸 はなやか 匠の香」はどのようなお酒ですか?
飯沼 こちらは弊社が今最も力を入れている商品です。弊社の杜氏(とうじ)である川口幸一氏は、日本最大の杜氏集団である南部杜氏に属しており、特に香り高い「香り系」の酒造りを得意としています。その技術が評価され、2020年には千葉県内の卓越した技能者「千葉県の名工」に選出されました。その誇りを込めて「匠の香」と名付けています。また、2023年にラベルデザインを刷新し、亀と鼠をモチーフにした和モダンなロゴに変えました。若い方や女性にも「かわいい」と手に取っていただく機会が増え、嬉しく思っています。こちらは食前酒や乾杯の一杯におすすめです。

香り高い「甲子」を造る、千葉県で杜氏としては唯一の「千葉県の名工」。
―おすすめの飲み方はありますか?
飯沼 どちらも少し冷やして、ワイングラスで飲んでいただくと、それぞれの豊かな香りをより一層お楽しみいただけます。「甲子 純米 やわらか 地の恵」は食中酒として、「甲子 純米吟醸 はなやか 匠の香」は食前酒として、シチュエーションに合わせて選んでいただくのがいいですね。最近では、「甲子 純米吟醸 はなやか 匠の香」を炭酸水と1対1で割る飲み方も提案しています。アルコール度数が少し下がり、より爽やかに楽しめます。
―酒蔵ツーリズムにも力を入れていらっしゃいますね。
飯沼 はい。約20年前に、私の父が「これからの製造業は、ただモノを作るだけでなく観光と海外展開が重要になる」という考えに至りました。その方針のもと、古民家を改装した直営店などを始めたのですが、その流れを私が本格的に加速させている形です。豊かな敷地を活かしたブルーベリー農園の運営や、さまざまなイベントの企画などを通じて、酒造りそのものだけでなく、お酒を取り巻く「楽しい場造り」にも力を入れています。

無農薬、低化学肥料で栽培するブルーベリー農園。夏には摘み取りも。
―最後に、今後の展望についてお聞かせください。
飯沼 私たちの理念は「おいしい酒造りと楽しい場造り」です。品質をさらに高めていくことはもちろん、今後は酒蔵でのキャンプやサウナといった新しい体験も企画しています。現在、年間約5万人の方にお越しいただいていますが、これを10万人、20万人へと増やし、もっと多くの方に日本酒の魅力を伝えていきたいです。
―素晴らしいお話をありがとうございました!

「甲子 純米 やわらか 地の恵 720ml」
価格:¥1,650(税込)
店名:きのえねまがり家
電話:043-496-1001(10:00~18:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.iinumahonke.co.jp/products/recommend/78ed9d764965
オンラインショップ:https://www.iinumahonke.co.jp/products/

「甲子 純米吟醸 はなやか 匠の香 720ml」
価格:¥1,870(税込)
店名:きのえねまがり家
電話:043-496-1001(10:00~18:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.iinumahonke.co.jp/products/recommend/5348977289a6
オンラインショップ:https://www.iinumahonke.co.jp/products/
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<Guest’s profile>
飯沼一喜(株式会社飯沼本家 代表取締役社長)
1984年生まれ。2007年に旭化成ファーマ株式会社へ入社。その後、2012年から1年間、佐賀県の天吹酒造合資会社にて蔵人として修業を積む。2013年に株式会社飯沼本家に入社し、2024年に代表取締役社長に就任。伝統的な酒造りを守りながら、酒蔵ツーリズム事業にも力を入れ、日本酒の新たな可能性を追求している。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/田中香花 画像協力/飯沼本家>




























