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豆乳の濃さが違う!クリーミーさが自慢のごちそう豆腐「シルクダモンデプレミアム」

2023/11/13

「本当に豆乳だけでできているの?」。一口食べて思わず呟いてしまうほどクリーミーなお豆腐。それが、三代目辻豆腐店の「シルクダモンデプレミアム」です。地元愛知で月に数千個を売る大ヒット商品の噂を、編集長・アッキーが聞きつけました。ヒットの秘密を、3代目社長のご子息であり、役員の辻稜一朗氏にお伺いします。

有限会社辻豆腐店 役員 辻稜一朗氏(右)と、弟の峻太朗氏

―ロゴにもありますように、現社長で3代目となりますでしょうか?

 私の父で現社長の辻佳範で3代目となります。1948年(昭和23年)に創業して約70年です。
私の祖父と祖母が、戦後何もない時に、何か商売をということで、愛知県でお豆腐作りを学び、豆腐店を始めました。
現在も拠点としている豊川市で、その日作ったものをお店で売ったり、自転車でラッパを鳴らして、あのいわゆる「パープー」というものですね、そうやって販売するところからスタートしたと聞いています。
私が若い頃までは、個人商店の豆腐屋さんがいくつもあって、豊川市でも30軒ぐらいあったのですが、一軒また一軒と畳まれてしまって、今は2軒あるかな、という状態です。

―その中でも自社製造で続けていらっしゃる数少ないお店ですね?

 そうですね。もう自社で作って売っているところは少なくなりました。
弊社は工場を豊川市内で3回移転しながら、もともとは日売りをしていましたが、段々とスーパーマーケットが台頭してきて、スーパーさんへの卸がメインになってきました。
一時期は、やはり安売り競争になって、私たちも2丁で100円とか、そんな値段でやっていた時代がありました。でも、それだと、どれだけ頑張って働いてもなかなか儲からないんですね。豆腐は、深夜の3時くらいから生産が始まりますが、今は12時、13時には生産終了するところ、当時は夕方の16時とかそのくらいまでやっていました。
無理矢理そうやって大量に生産してもやはり無理が出てきますから、高付加価値の路線にシフトしようということになりました。

―高品質スーパーさんからの助言も大きかったとか?

 豊橋の隣町に、「フードオアシスあつみ」というスーパーがありまして、今6軒展開されている高品質スーパーさんなのですが、そこの社長さんとの出会いがすごく大きかったようです。「こだわりの油ですごくいい油揚げを作ってみては?」といったご要望をいただき、それにうまく応えていくことで、徐々に今のようなラインナップができてきました。それが、1995年くらい、20年くらい前からかな、と思います。

―トレードマークやパッケージなども非常に洗練されています。

 パッケージも含めて、高付加価値路線に変えていったということかと思います。
ロゴやパッケージは、叔父の専務が、15年くらい前だと思うのですが、考案して使い始めたようです。
丸いマークにしたいというのは最初にあって、ラッパの吹き売りをしていたイメージをイラストにして、丸の中に入れています。おじさんが自転車に乗っている角度とか文字のバランスが絶妙な感じで収まっていますよね。叔父のセンスが良かったのかな、と思います。

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ラッパの吹き売りの様子が描かれたロゴマーク。
なんともユーモラスかつおしゃれなデザイン。

―お父様と叔父様の二人三脚で会社を切り盛りされてきたのですね。

 製造はうちの父が工場長としてずっとやってきていまして、叔父の専務は営業とか商品の企画だったりを担当して、お互いの分野でトップを目指すために一心するような、そういうスタイルで経営してきています。
父の3代目社長の方は、生産に関してはピカイチで、もうずっと美味しくなるようにというのだけで進んでいく感じの人で、専務の方は製造はしないですけれど、商品の特化についてずっと考えているような人です。

―美味しいお豆腐の味のこだわりについて、ぜひ教えてください。

 基本のところは昔と変わっていません。
特長としては、豆乳の濃度が15%ほどとなっていて、一般的には12%ぐらいなのですが、それよりも濃いです。使用する原材料も、地元三河産の「フクユタカ」という大豆を使っていて、これは入札で買える大豆の中では1位2位を争うくらい高値のものです。
また、製造過程においても、消泡剤無添加、清缶剤不使用と、薬剤を使わないことにこだわっています。
油揚げなどに使う菜種油も、一般的には食油抽出溶剤(ノルマルヘキサン)といった薬剤で抽出を助けたりするのですが、そういった薬剤を使っていないもの、さらに遺伝子組み換えでないものを使っています。

―にがりも、天然のものを使っているとか?

 表示の義務がないので分かりづらいのですが、一般的なお豆腐には、「乳化にがり」というものが使われています。これは、にがりの周りを油でコーティングして反応を遅らせる加工がされたものです。
温めた豆乳はにがりがポンと入った瞬間から固まり始めるんですね。それを手早く拡散してあげないときれいなお豆腐ができないんです。「乳化にがり」はそれを安定させるために反応を遅らせるものです。でも、そういう薬剤のついたものをうちとしては使いたくない。ということで、天然にがりを使っています。
生産に関しては、本当に安心安全、「今日よりも明日がおいしく」というテーマでずっとやってきています。

―守るべきところを守りながらも、新商品も開発されています。今回ご紹介いただいた「シルクダモンデプレミアム」の開発について教えてください。

 そうですね、最近は、お豆腐に関しては柔らかいものが好まれる傾向があります。それでそういったニーズに合わせた商品として、「シルクダモンデ」という商品を作りました。

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柔らかくふわふわ食感の「シルクダモンデ」。
見た目もおしゃれな高級豆腐。

 これは、一つ一つタッパーに豆乳とにがりを入れて、1時間くらいかけて蒸し上げたものです。周りに水がない状態なので旨味が逃げず、濃厚感があります。ゆっくり優しい蒸気で蒸しあげていくので、本当にクリームのような、ふんわり食べられる、非常に美味しい豆腐です。
ただ、どうしても日持ちがしない。賞味期限が4日間しかないんですね。そうすると日持ちが短いということでスーパーさんにはちょっと置きづらくて、敬遠されがちな商品ではありました。
これをなんとかもっと売れないかと考えたら、日持ちを長くするしかない。叔父と僕で頭を捻りました。やはり充填豆腐にするしかないのですが、それでこの味をどうやったら再現できるのか。にがりの量を極限まで減らして、何ヶ月間か何度もテストしながら、なんとか充填にできたという商品です。

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「シルクダモンデプレミアム」は、充填豆腐。
ちょうど一人分のパックになっているのも使い勝手がよくて便利。

 「シルクダモンデ」を完全に再現とまでは言えないかもしれないけれど、かなりイメージは出せたかな、と思っています。おかげさまで、今や月に数千個を売り上げる大ヒット商品になりました。

―食べ方のおすすめはありますか?

 もちろん、お醤油と薬味で普通に冷奴として食べていただいてもご馳走になると思います。
料理家の栗原心平さんは、うにをのせるという贅沢な食べ方を紹介していました。塩とオリーブオイル、生ハムなんかもよく合うと思います。
甘い系もかなり合うのでおすすめです。メープルシロップは、スーパー評論家の菅原佳己さんのイチオシでした。黒蜜やはちみつなどとも相性ぴったりです。

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はちみつと胡桃をトッピング。まるでチーズケーキのような味わい。
クレームブリュレや豆花(トウファ)のようにアレンジしても美味しそう。

―そのほかにもおすすめの商品はありますでしょうか?

 先ほど、油にもこだわっているとお話ししましたが、油揚げと厚揚げは当社の売上ワンツートップです。本当にとびきりの油を使っていますから、食べていただくと瞬間でわかってしまうというか、油の重さがなくてすごく軽くてあっさり食べられます。
油揚げに関しては、かなり濃厚な豆乳を使っていますから、すごく厚くてふっくらしていて味馴染みが良くて、一度これでお味噌汁を作っていただいたら違いがわかると思います。
親子丼に入れるのもかなりおすすめ。鶏肉と玉ねぎの横にちょっと細く切って入れて欲しいのですが、本当にジュワーっと、人生で何度しかないと思うんですが、思わず「うまー」っと声に出てしまうくらい、それくらい美味しいです。他にはない、一度食べたら戻れない味だと思いますよ。

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ふんわりと分厚い贅沢な油揚げ。
お味噌汁だけでなく、丼ものなどにも最適。

―今後の展開について教えてください。

 健康や安全はずっと守り続けつつ、新しい価値をどんどん提供していかないといけないと思っています。
最近は、京都の野村佃煮さんとコラボさせていただき、うちの丸い油揚げのあんかけお揚げさんのような、簡単に小鉢にできるレトルト商品を作らせていただいたりもしました。
2年前に商品化した味付けのおから煮だったり、お豆腐ハンバーグといったものも、右肩上がりに売上が伸びています。お豆腐だけに縛られずに、そういった、何かちょっと別の価値を提案できるようなものを模索しながら作っていきたいと考えています。

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お惣菜など、中食需要にも対応する商品開発にも積極的に取り組んでいる。

 日々営業しながら、会話や見たものの中から、これからの時代に弊社として価値が出せるものはないかと常に目を凝らしています。

―豆腐の更なる可能性に期待してしまいます。貴重なお話をありがとうございました。

Silk Da Monde Premium

Silk Da Monde Premium(シルクダモンデプレミアム)
価格:¥368(税込)
店名:三代目辻豆腐店
電話:090-1297-4918(9:30~16:00 水・日曜日・年末年始を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://tsujitofuten.buyshop.jp/items/53511699
オンラインショップ:https://tsujitofuten.buyshop.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
辻稜一朗(有限会社辻豆腐店・役員)

1992年愛知県生まれ。立教大学卒業後、株式会社創味食品にて6年間営業を学び、2021年有限会社辻豆腐店に入社。本物の美味しいお豆腐を作るべく、3代目の元で修行3年目。

<文・撮影/尾崎真佐子 画像協力/有限会社辻豆腐店>

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