リラックスタイムにホッとひと息。麦茶の概念を覆す「アップルフレーバー麦茶」

2023/11/09

夏の定番、麦茶に、こんな飲み方があったのかと目からウロコのおいしさです。提案するのはなんと、明治から続く製粉製麺の老舗でした。今回編集長アッキ―こと坂口明子が気になった尾張製粉株式会社 代表取締役社長の榊原総一郎氏に、取材陣が伺いました。

尾張製粉株式会社 代表取締役社長の榊原総一郎氏

―創業からの歩みをお聞かせください。

榊原 1885年に尾張地方、愛知県半田市に創業しました。地元の和菓子屋さんに向けて米粉を供給するところからスタートし、大正時代に入って小麦粉の製造も始めました。終戦後、他の中小製粉会社さんと合弁で知多市に製粉工場を作り、現在も稼働しています。

1973年に、共同出資で作った名城食品という会社で、家庭用冷蔵麺の製造を始めました。これがヒットして成長。他にも家畜用の圧ぺん(加熱した穀類をロール機でフレーク状にした)飼料の製造を始めたり、クライアントと一緒に始めた事業が大きくなったりして今に至ります。

製煎事業に関しては、実は、和菓子店向けの米粉は焙煎して加工するものなので、創業時から行っていました。本社を置く愛知県知多半島は、みそ、しょうゆ、酢など醸造製品の一大産地で、その原料としての小麦や、大麦を焙煎した大麦香煎(こうせん)を使ってもらったりもしています。

現在の業務内容でいうと、食品部門では小麦粉・麺類・スープ・菓子原料の製造販売、製煎部門では麦茶・煎麦・香煎・きな粉等の製造販売、もう1つ、飼料部門を持ち、ふすま・圧ぺん飼料の製造販売を行っています。

製粉製麺の老舗の新境地となる商品は、りんごと麦をあしらったおしゃれなパッケージ。

―社長のご入社は?

榊原 大学を卒業後、一般企業に就職しました。しかし、先々代である父が病に倒れ、当時専務だった現会長が社長を継いでくれたのですが、先々を考えると私が戻るべきだと思い、2003年に入社しました。

入社当時、売り上げは結構な勢いで下降していました。少子高齢化、人口減少による食料消費需要の低下は予想されましたし、デフレの強い流れもありましたから、今まで長く続いた企業だからといってそのままでは厳しいだろうと覚悟しての入社。ネガティブな気持ちではなく、どうしたらさらに続く会社でいられるか、どう変えていこうかと考えていました。

―具体的にどのような取り組みを?

榊原 まずは、合弁の製粉工場に新資本を入れてもらって共同経営の形にし、製造・販売の先を広げていきました。自社ブランドとしては、それまでなかった家庭向け小袋サイズの小麦粉を作りました。全体的に家庭での調理時間は減少傾向にありましたが、ホームベーカリーの普及にうまく合わせることができたんですね。ホットケーキなどのミックス粉も製造することで、商品の間口を広げています。

―フレーバー麦茶誕生もその延長ですか?

榊原 製煎事業の中で、麦茶製造は半世紀ほどやっています。スーパーでは粉砕のティーバッグを扱ってもらっていたわけですが、なかなか大手企業との価格競争が厳しくて、2021年にティーバッグのラインを止めてしまいました。丸粒タイプは販売も焙煎事業も続けているので、なんとかしたいという思いがありました。

うちが長く続けてきた商売は、原料に近いというか、なくてはならないものだけど、日常的に当たり前にあるようなもので、特段目立つものではなかったんですね。麦茶も、子どもががぶがぶ飲むような、大量消費されるものですよね。そこから視点を変えて、「モノ」消費から「コト」消費に近い発想で展開してみようと。

そういう思いを共有していたところ、「こんな商品を作ってみたい」と社員から提案が上がりました。初めはどうなるものやらと、おっかなびっくりな気持ちもありましたが、会社が変わっていかねば、挑戦せねば、という気持ちで取り組みました。

―アップルティーにたどり着いたのは?

榊原 フレーバー麦茶にしてみようと、チョコレートやキャラメルなど多くを試す中で、フルーツとの親和性が高いと感じました。中でも親しみやすく香りのよく合うりんごが良いのでは? と。フレーバー麦茶自体、あまりない商品ですから、奇をてらい過ぎないフレーバーが良いと思ったんですね。

―完成までのご苦労は?

榊原 そうですね、麦茶らしさとフレーバーの個性がケンカしない、ちょうど良いバランスとなる焙煎具合が難しかったです。焙煎しすぎると麦茶が強すぎるし、足りなさすぎるとりんごが勝ってしまう。何度も試しました。

あとは、麦の粒度ですね。お茶が濁らず、透き通った美しさが保てるよう、細かくしすぎないよう注意しました。通常商品にフレーバーを足すのではなく、フレーバー麦茶専用に作っている麦茶です。

―おすすめの飲み方やシーンは?

榊原 カップにティーバッグを入れて熱湯を注ぎ、約3分蒸らしたらティーバッグを取り出してください。とっても気軽でしょ? 気軽に飲んでいただきたいので、通常の麦茶のように煮出す必要はありません。

カップに直接入れ、熱湯を注いで3分ででき上がり。

ノンカロリー、ノンカフェインで老若男女問わず楽しんでいただけるのが麦茶。妊娠・授乳期にも安心です。寝る前のほっと一息つくような時間に楽しんでいただきたいですね。ゆったりとした気分でゆっくり飲んでいただきたいホット専用商品。慌ただしく忙しい1日が終わる頃、束の間でもリラックスタイムのお手伝いができたら……。

1~2人用のティーポットで入れても◎。

自分へのご褒美はもちろんのこと、パッケージにもこだわったので、贈り物にもぜひ使ってください。結婚式の引き出物にもおすすめです。

ブックタイプのパッケージは、開くと個パックが並ぶ。

―今後の展開は?

榊原
 第2弾として、ゆずフレーバー麦茶を発売しました。この後もシリーズ化してテンポ良く出していきたいと思っています。自社商品であるホットケーキミックスとのセット販売も検討しています。

重複しますが、これまでと同じことをしているわけにはいきません。時代やお客様のニーズに合わせて挑戦し続けてきた会社でもありますし、会社は変わっていかないといけない。麦茶自体のおいしさを追求した商品は多数ありますが、麦茶の新しい飲み方を提案する商品はほかにないのではないでしょうか。思い切った変化球ですが、新しい会社の顔になる商品として育ってくれたら嬉しいですね。

初めにりんごがフワッと香り、お湯を注ぐと麦の香ばしさが際立つほどよいバランスで、リラックスタイムにぴったり。

―素晴らしいお話をありがとうございました!

「アップルフレーバー麦茶」(3g×5袋入)
価格:¥1,296(税込)
店名:尾張名古屋発 新鮮小麦粉の麺工房
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.owari-seifun.co.jp/item/post_1343
オンラインショップ:https://www.rakuten.co.jp/owari/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
榊原総一郎(尾張製粉株式会社 代表取締役社長)

1976年愛知県生まれ。東京大学卒業後、富士通に入社し、2年の修業期間を経て2003年に尾張製粉へ入社。2015年に同社代表取締役社長に5代目社長として就任。大和食品工業株式会社、山梨製粉株式会社、株式会社アイビイケイなどグループ会社の代表取締役も務める。中小企業診断士。

<取材・文・撮影/植松由紀子 画像協力/尾張製粉>

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