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子育てファミリーに人気の安全・安心なベビー食器。ギフトにも最適です。

2023/11/09

人とはちょっと違う出産祝いを探していたアッキー編集長のアンテナが感知したのは愛知県のモノづくり企業が開発した自然素材でできた乳幼児用食器「iiwan」シリーズ。赤ちゃんが最初に触れることに配慮した離乳食用スプーンや食器はSNSなどで大人気。どんな思いで企画されたのか、株式会社豊栄工業代表取締役副社長の美和敬弘氏に取材スタッフがうかがいました。

株式会社豊栄工業代表取締役副社長の美和敬弘氏
株式会社豊栄工業代表取締役副社長の美和敬弘氏

―乳幼児食器を開発したのはなぜですか。

美和 当社は1970年に愛知県新城市で私の両親が創業いたしました。ステレオで音楽を聴くことが主流だった当時、当社はステレオの内部に使われていた大きな金属プレートをプレス機で曲げたり穴をあけたりして製造することから事業をスタートさせています。その後、自動車産業に参入、自動車産業向けの金属製品を取引先企業に提供するというBtoB(企業に向けて事業、取引を行う経営形態)の事業を続けてきました。今もそれは継続しています。
しかし、1970年代のオイルショック、1990年頃のバブル崩壊のような経済的な変動が起こるたびに、事業が不安定になることを繰り返してきました。特に2008年のリーマン・ショックのときには大きな打撃を受けました。
何とか社業を継続する道を模索する中、当社では2007年頃からバイオプラスチックの開発をスタートしており、この素材の取引先を探していました。しかし、思うようなビジネスにはなりませんでした。
そこで困難ではありますが、一般消費者向きの商品を開発して展開したいと思いました。それがバイオプラスチックで事業化する唯一の道ではないかと思ったのです。

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「iiwan」製造過程。成形後にできるバリは一つひとつ手作業で取り除いていく。
子どもの手、口に触れる部分なのできれいに仕上げる。

―バイオプラスチックというのは、どんな素材ですか。

美和 私たちが取り組んできた素材は、微生物などの働きで最終的には水と二酸化炭素に分解される生分解性プラスチックです。医療用の縫合糸として以前から用いられています。2005年の愛知万博(愛・地球博)では、会場内で使用するリターナブル食器やワンウェイ食器として導入され、使用後は会場内で分別回収しリサイクルされました。脱石油社会の実現のため多くの企業などが取り組みましたが、その後の普及までには至りませんでした。

―御社独自での研究開発はどのようになさっていましたか。

美和 私たちは生分解性プラスチックでも、耐熱性のあるプラスチック用の生産技術を開発しようとして取り組んできました。外部の有識者(技術士)と社内の若手から中堅の技術者が3か年、研究開発を行い、愛知県内の店へプリン容器として提案しました。採用が叶いお取引させていただき東京の百貨店などでも販売していたのですが、材料コストが非常に高く継続事業には至りませんでした。環境に良いからビジネスになることはないことが分かりました。

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―難しいところですね。そこからベビー食器の開発を思いつかれたのは?

美和 この素材の安全性という利点を再度見直してどこに適用したらいいかを考えたとき、「赤ちゃんだ!」とハッと閃いたのです。当時、ちょうど私も小さい子どもがいました。赤ちゃんは大抵、食器をつかんで口に入れたり、スプーンは投げてしまうこともあります。ごはんを上手にすくえないと不機嫌になったり食べるのをやめてしまうこともありました。赤ちゃん用品は安全・安心であることや丈夫さは重要だと、親として実感していたので、この素材の良さを生かせると思いました。そこで赤ちゃん用食器にフォーカスして、日本人の感性で安全・安心なものを開発しようと決心しました。
また、一緒に取り組んでいただいたプロダクトデザイナーの方も同じようにお子様を持っておられました。父親として離乳食を食べさせる現場からのリアルな意見を交換しながらですね(笑)、使い勝手がいい製品を模索していきました。また、社内の女性の意見を聞きながらいろいろと試行錯誤して形を作っていきました。そして、2010年に「iiwan(いいわん)」という名でブランドを立ち上げました。その後、改良を重ねて今の形になっています。

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食器、スプーン、フォークは丸みを帯びたデザインが施されている。
使い心地が良く温かな感触が特徴。

―素材はとうもろこし由来だそうですね。

美和 はい。とうもろこしなどの植物は毎年収穫できる原料で、そのデンプンや糖を使い、化学的な工程を経て作られたポリ乳酸という素材です。植物を原料とした安全・安心な素材だというだけではなく、乳幼児が満足して食べることが大事なので、スプーンは乳幼児がすくいやすい形であること、また離乳食スプーンは、一番使うのは保護者の方なので保護者の方にも気に入っていただけるデザインを心がけました。

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産業用に栽培されたデントコーンのデンプンが素材。
無害無毒で地球環境にもやさしい素材だ。

―今回紹介くださる「iiwanギフトセット」はどんな商品ですか。

美和 ランチ皿、おちゃわん、小皿、ミルクカップ、スプーン、フォークの6種類がセットになったギフトボックスです。食器の角をなくした丸いフォルム、持ちやすいように取っ手の形も工夫されています。
スプーン、フォークも持ちやすいカーブがつけられています。落としても割れにくく、食洗機、電子レンジにも対応できるので保護者の方も扱いやすいのが好評です。

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「iiwan」ランチ皿、ミルクカップ、スプーン、フォーク。単品でも購入できる。
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小皿。果物やおやつなどにも使える。色はコーンイエローのほか、
ベビーピンク、アースブルー、リーフグリーン、ミルクホワイトがある。
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「iiwanファーストスプーン」(1本¥1,298)。
円形の筒に入っていてギフトにもぴったり。

―「iiwanファーストスプーン」の特徴は?

美和 これもとうもろこしを原料とした安全・安心なスプーンです。柄のカーブが大人の手にフィットして、指先が安定するように柄の表面が少し逆カーブになっています。赤ちゃんの口に入る部分は厚みを変化させているので、違和感なく離乳食を口の中へ運ぶことができるような設計になっています。

―消費者からの反響はいかがでしたか?

美和 会社としての知名度はありませんでしたが、消費者の方の口コミで話題になりました。自然派の商品を扱うセレクトショップ、地元百貨店はじめ全国の百貨店など、営業先のバイヤー様から評価が高かったので、「これはイケる!」と感触を得ました(笑)。
最近では、小さいお子さんがいるモデルさんや、お子さんがいるドクターの方が雑誌やSNSで紹介くださるなどで広がっているのはありがたいことですね。2019年には日本航空(株)様が空港ラウンジの食器としてiiwanを採用くださいました。

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食器、離乳食を通して家族の幸せを考える本を制作。
iiwan公式ホームページから入手できる。

―今後、計画していることはおありですか。

美和 今後も安全・安心な素材で乳児用食器を作り続けていきたいと思っています。お客様から「こんなスプーンが欲しい」「もう少し小さいサイズが欲しい」などの要望も寄せられていますので、改良しながらアイテムを増やすなど商品開発を進めていきたいと思っています。
また、iiwanを使う離乳食の時期というのは保護者の方、特にお母さん方の身体的、精神的な負担がとても大きい時期です。「産後うつ」の症状になるなど、「産後クライシス」と呼ばれる状況に陥りやすい傾向にあります。この時期の保護者の方をサポートするなど、社会的な課題へのアプローチもしたいと思っています。現在、その一環として「OYAKO PROJECT」としてコンテンツの配信、イベントを実施しています。「MY FIRST OYAKO BOOK」という冊子も作成し、この時期を家族で仲良く楽しく過ごす方法を提案しています。

―安全な食器を作るというだけではない有意義な活動ですね。本日はありがとうございました。

iiwanギフトセット

「iiwanギフトセット」
価格:¥9,856(税込)
店名:iiwanオンラインショップ
電話:0800-300-1115(平日9:00~17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://iiwan.jp/i/giftset
オンラインショップ:https://iiwan.jp/

iiwanファーストスプーン

「iiwanファーストスプーン」
価格:¥1,298(税込)
店名:iiwanオンラインショップ
電話:0800-300-1115(平日9:00~17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://iiwan.jp/i/firstspoon
オンラインショップ:https://iiwan.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
美和敬弘(株式会社豊栄工業代表取締役副社長)

岡山理科大学理学部卒業後、株式会社ニフコを経て2002年に豊栄工業入社。品質マネジメントシステムの構築、医療機器・航空機部品・バイオプラスチック製品事業の立ち上げ推進。
平成19年 永井科学技術財団 技術賞受賞
平成27年 中部科学技術センター顕彰 振興賞受賞
平成29年 文部科学大臣表彰 技術部門 科学技術賞受賞
平成30年 第7回ものづくり日本大賞 製品・技術開発部門 内閣総理大臣賞受賞

<取材・文・撮影/今津朋子 画像協力/豊栄工業>

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