今回、アッキーこと坂口明子編集長がおすすめするのはしっかりと栄養計算されて作られた冷凍お弁当シリーズ「わたしゴハン。あなたゴハン。」。管理栄養士監修の下、体づくりの目的別にメニュー開発されたお弁当は彩りよくておいしく、「食べる健康管理」をサポートしてくれます。また、使用されている特製の容器にも注目が集まっています。この商品の開発秘話を株式会社ティーケーシン代表取締役の小澤讓氏に取材スタッフがうかがいました。

―御社は1905年創業とか。

小澤　はい。1905年に滋賀県愛知川町で創業しました。屋号は「漬新」といい、味噌や醤油を扱いながら大手ビール会社の代理店をするなど食品問屋として営業していました。その後、大阪を経て戦後に現在も本社がある兵庫県西宮市に移転しました。

2代目はアメリカに留学、トマトケチャップで有名な「ハインツ」社に就職しました。帰国後は瓶詰、缶詰の食品を主力に事業を行いました。アメリカから食品を缶詰にしてシーリングする機械を日本に初めて持ち込んだのはこの2代目だと先代から聞かされました。

3代目が私の父です。頭が良くて灘中・灘高に通っていましたが、祖父が早く亡くなったため大学進学せずに当社に入りました。父はそれまでの業態を変更し、ホテル用食材や機内食など、惣菜に力を入れ業績を伸ばしました。

4代目が私です。私は冷凍食品に注目し、冷凍おせちなどの開発に力を注ぎました。今年で創業118年、もうじき創業120年を迎えることになりますが、味噌、醤油の問屋から缶詰を経て惣菜へ、そして冷凍食品と、その時代の需要に合わせて食品業を営み、食文化に貢献してきたといえます。

「わたしゴハン。あなたゴハン。」は約200種類。体づくり、肌づくりの目的別に栄養バランスが考えられている。

―「わたしゴハン。あなたゴハン。」シリーズを開発したきっかけは？

小澤　当社では2006年から冷凍おせちの製造を手がけています。料亭や旅館、ホテル、量販店からの受注を受け、日本の伝統を守りながら、現代人の嗜好に合わせて、洋風や中華風など新しい形のおせちを製造してきました。

おせち料理は例年、5～6月ごろから年末までが製造期間なので、１年の前半は工場のラインが空きます。空いたラインを利用して何かできないかと思い、冷凍おせちの技術が利用できる冷凍お弁当をつくろうと思ったのです。

―冷凍お弁当のコンセプトは？

小澤　おせちではお客様のニーズに応え、独自性があり衛生的な商品を開発・製造してきて、この分野では日本のトップメーカーだと自負しています。せっかくおせちでブランドを確立できたので、安易なものをつくらず、消費者から選ばれるお弁当をつくりたいと思いました。

今はたくさんのお弁当が商品として出回っていますが、お客様が蓋を開けたときに「おいしそう！」と思い、食べて満足感を感じていただけるお弁当を目標にしました。

世の中の声に耳を傾けながら、お客様のためにお弁当をお届けするサービスを、「わたしゴハン。あなたゴハン。」と名づけ、2022年4月にオンライン、電話注文で販売を開始しました。

上、「わたしサイズオードブル・パーティBOX」（￥1,944）、
下、「20種類のグリル野菜　イタリアン」（￥918）。2つを組み合わせれば、いつでもパーティがスタート！

スイーツも。「グルテンフリーなわたしのタルト」はタルト生地に米粉を使用している（￥1,512）。

―彩りが鮮やかでおいしいお弁当です。栄養面も考えられていますね。

小澤　「わたしゴハン。あなたゴハン。」のコンセプトは健康です。管理栄養士の監修の下、年代やライフスタイルによって、塩分や糖分、脂質を控えたい方のための「ヘルスサポート」、毎日を元気に過ごしたい方のための「元気サポート」、エイジングや美容に気をつけている方のための「スタイル・サポート」などのジャンル別に合計で200種類ほどのメニューを開発しました。

野菜をたっぷり入れ、おせちの急速冷凍の技術を生かし、食品の細胞を壊さずに栄養素を維持し、おいしくて健康的なお弁当をつくりました。

電子レンジ加熱時に蒸気がこもらないように設計されたパルプモールド製容器で、ふっくらおいしい味わいが楽しめる。

―器にも特徴がありますね。

小澤　はい。器の開発にも力を入れました。お弁当は電子レンジで解凍するので加熱した後に水分が出てベチャっとしないようにするには、器に蒸気がこもらないようにする工夫が必要でした。この容器はサトウキビと竹の廃材を漉いてつくったパルプモールド製の容器で、蒸気を逃がし熱がほどよく回り、食品がふっくら仕上がります。軽くて持ちやすくデザインもおしゃれで、2022年のグッドデザイン賞を受賞しています。

―サステナビリティを考えて製作されたのですね。

小澤　そうです。日本でもSDGsへの関心は高まっていますが、まだまだ環境に対する配慮はヨーロッパに追いついていないと思います。

私はフランスの一流レストランやスイーツショップが包装材などに再生素材を使うなど、サステナビリティを経営の大事なテーマとしているのを見てきましたので、「わたしゴハン。あなたゴハン。」は容器にもSDGsの考えを取り入れ、世界基準に適合するお弁当をつくりたいと思ったのです。

一つひとつにカロリー、脂質、たんぱく質、食塩相当量などが表示されている。
外のラップフィルムとラベルを取り、蓋をしたまま表示に従って電子レンジで加熱すればでき上がり。
賞味期限 ２か月の長期冷凍保存が可能。

「あじの香草パン粉焼きと18穀入ごはん」（￥864）。18穀の雑穀と白米のブレンドを主食に、
10種類の副菜を彩りよく合わせた人気メニュー。

―今回、ご紹介くださるのは「あじの香草パン粉焼きと18穀入ごはん」です。

小澤　これは数あるメニューの中でも人気が高いレシピです。あじを引き立てる3種のハーブの香りとガーリックが効いたパン粉で焼いたあじがメインディッシュです。主食は18穀の雑穀と白米をブレンドして遠赤外線直火方式で炊き上げました。副菜にはいんげんの胡麻和えや卯の花など全部で10品ほどを添えています。

―このレシピはどんな方に向いていますか。

小澤　これは体の内側からきれいになりたい「スタイルサポートシリーズ」の中のメニューです。また、パソコンやスマホで目をよく使う方のための栄養も考えてつくられています。

―「わたしゴハン。あなたゴハン。」はどんな方が注文されていますか。

小澤　コンビニのお弁当では栄養面や内容面で満足していないという方に支持されていますね。多忙な経営者の方やワーキングカップルのご家庭で、このお弁当をまとめて注文して冷凍庫に保存している方が多いようです。好きなときに電子レンジで加熱すれば、手軽に栄養バランスに気を配った食事が取れるので重宝されています。

また、親御さんなど、栄養面が心配な一人暮らし家庭の方に贈られる方も多いようですね。

―約120年の歴史を基に今後はどのような展開を考えていますか。

小澤　今後も、おせち、お弁当、スイーツショップ、チーズの輸入など多岐にわたって食品事業を展開し、食文化に貢献していきたいと思っています。

また、当社は2022年、女子サッカーチーム「beillevaire(ベイユヴェール)西宮」を創設しました。2022年に関西女子2部リーグで優勝して1部リーグに昇格、今年度からＪリーグの「サガン鳥栖」元監督の高祖和弘さんを監督に招きました。「なでしこリーグ」参入を目指してがんばっていますのでこちらも応援よろしくお願いいたします。

また、新形態事業としてレストランを展開しています。この4月28日に沖縄県宮古島に「島中華　蒸籠工房」がオープンしました。宮古島の食材を使った蒸篭料理という、新しい中華料理の世界を楽しんでいただければと思います。機会があればぜひお立ち寄りください。

―本日はありがとうございました。

「あじの香草パン粉焼きと18穀入ごはん」
価格：￥864（税込）
店名：「わたしゴハン。あなたゴハン。」オンラインストア
電話：0120-58-11-58（月～金　9:00～17:00　祝祭日、年末年始休）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://shop.watashigohan.jp/shop/g/g70000033/
オンラインショップ：https://shop.watashigohan.jp/

※注文は1梱包6～12個で。違う種類のお弁当を組み合わせも可能。

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞
小澤 讓（株式会社ティーケーシン 代表取締役）

1965年兵庫県生まれ、1905年創業の老舗食品製造企業の家業を継ぎ、珍味、おせち、スイーツ、冷凍弁当製造などの事業展開を行っている。「おせち折詰事業協同組合」理事長、「国立研究開発法人水産研究・教育機構水産大学校」非常勤講師を務める。

＜文・撮影／今津朋子　MC／隅倉さくら　画像協力／ティーケーシン＞