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名古屋名物の代表格、やみつきの味誕生秘話「世界の山ちゃん 油で揚げる幻の手羽先」

2023/03/30

名古屋で居酒屋定番の味として手羽先の唐揚げはよく知られる1品。辛さと風味が際立つ「幻の手羽先」で一躍全国区へ躍り出た、「世界の山ちゃんの幻の手羽先」の味を自宅で再現できるお取り寄せ商品です。今回編集長アッキ―こと坂口明子が気になった株式会社エスワイフード 代表取締役の山本久美氏に、取材陣が伺いました。

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株式会社エスワイフード 代表取締役の山本久美氏

―「世界の山ちゃん」の歩みをお聞かせください。

山本 1981年に、亡くなった夫である山本重雄前会長が「串かつ・やきとり やまちゃん」を開いたのが始まりです。名古屋で人気が出始めていた手羽先の唐揚げを、コショウ辛さがやみつきになる味に仕上げてラインナップ。少しずつ店舗を増やす中で、店名を「世界の山ちゃん」に変更。「幻の手羽先」を看板メニューに、全国、そして海外にも展開するようになりました。

現在は居酒屋業態の「世界の山ちゃん」を全国に約60店舗のほか、ラーメン店やカフェなどもあり、海外には10店舗出しています。

―成功の秘訣はどこにあるとお考えですか?

山本 運も良かったと思いますが、会長はアイデアが豊富で努力を惜しまない人でした。常識にとらわれず新しいことや良いと思ったことを取り入れる気風もありましたね。自分をモチーフにしたキャラクターを名刺や店の看板に大きく載せるなんて、今でこそ珍しくないかもしれませんが、1998年当時はほとんど見ませんでした。

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商品のパッケージでも異彩を放つ「世界の山ちゃん」のキャラクターは、創業者である故・山本重雄氏と鶏がモチーフ。

昔はスタッフがお客様に勧められてお酒を飲むことがあり(今は勤務中の飲酒は禁止です)、ほろ酔いで電話に出るときに「〇〇の山ちゃんです」と勝手に枕詞をつけたりしていて、その一つに「世界の山ちゃんです!」があって……。ピンときたのでしょうね、店名と当時の社名に採用したようです。

店名、キャラクターなど、良いと思ったことを柔軟に取り入れてきた結果、ユニークなブランディングとなり、広く知っていただけるようになったのだろうと思っています。

―「幻の手羽先」というメニュー名も?

山本 常連のお客様に「山と積んである手羽先が幻のようにあっという間になくなっちゃうおいしさだ」と言われ、「幻の味」から「幻の手羽先」となりました。

―手羽先と山ちゃんとの歴史は?

山本 手羽先の唐揚げを考案したお店は別にあって、競うわけではなく、共に名古屋を盛り上げるべく、双璧のような形で名古屋名物へと押し上げてきたような気持ちでいます。

「幻の手羽先」は、前会長がこだわってこだわって作った「幻のコショウ」と「秘伝のタレ」がポイント。コショウ辛さと風味が際立ちます。

2006年の愛・地球博への出店をきっかけに全国区になったと思います。辛い物ブームにも乗って、メディアでのご紹介も増えました。「世界の山ちゃん」は2003年に関東進出、翌年には東京へ、そして北海道から九州まで出店が叶いました。そうはいっても、すべての地域に店舗があるわけではありません。「幻の手羽先は食べられないの?」の声を受けてできたのが「油で揚げる幻の手羽先」です。

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名古屋めしの代名詞ともなった「幻の手羽先」が家庭で楽しめるように。

―これまでなかったことが不思議にも感じます。

山本 監修のみをするコラボ商品はいくつかありましたが、これからは開発から手掛ける自社製品に注力することになりました。この商品は、冷凍の手羽先肉とタレと味付きコショウがセット。ご家庭で揚げていただくひと手間がありますが、それでないとお店と同じカリカリ食感が出せなかったのです。

―完成までで最も大変だったのは?

山本 揚げるという工程ですね。店には専用のフライヤーがあってたっぷりの油で調理できますが、家庭ではそうはいかない。最も一般的な方法としてフライパンを想定し、それでも安全においしく仕上がる方法を、何度も試作をしてレシピ化しました。

油の温度や時間はもちろん、手羽先肉はきちんと解凍する、表面についた水分は丁寧に拭き取る、フライパン1個当たり3~5本ずつなど、細かく記しています。できるだけ油跳ねが少なくパリッとした食感に揚がるようにとの気持ちです。

味付きコショウが別添えで、辛さの調製ができるので、お子様も楽しんでいただけますよ。

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パッケージには丁寧なレシピが記されており、それ通りに調理すればまず失敗しない。
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手羽先肉を解凍し、表面の水分を丁寧に拭き取り、かぶるくらいの油で3~5本ずつ両面を揚げる。
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表面がパリッとなったらタレを絡め、味付きコショウをまぶす。
味付きコショウは別添の1袋の9割かけると店舗で選ぶ「基本の辛口」に、全部だと「多め」になる。

―「幻の手羽先」や「山ちゃん」ブランドを確立された先代が2016年に急逝されました。

山本 後を私が継ぐことになり、完成されたブランドイメージは壊さないように、けれど変わりゆく時代に応じた店づくりを、心がけてもいます。

以前は「山ちゃん」を支えるブランドを作ることを考えていました。しかしコロナ禍を迎えて飲食業界は大きく様変わりし、求められることにも変化が出てきました。そこで、「山ちゃん」という成熟したブランドだからこそできる展開にシフトしつつあります。

―具体的には?

山本 「油で揚げる幻の手羽先」のように外販に注力したり、店舗の味をどこでも楽しんでいただけるよう、キッチンカーを充実させたり……。海外での外販、業種を超えたブランド戦略を進めていきます。

―どんな会社にしていきたいですか?

山本 企業としては、「世界を変える Teba&Peace」をミッションとして、1本の手羽先から多くの人に笑顔を届けたいと思っています。それを実行する社員の目指す姿として、「立派な変人たれ」を社是にしています。「明るく元気にちょっと変」を掲げ、「変(=ユニーク)」な発想や良い「変」化を追求してほしいと願っています。

ミッションや社是を作ったのは私に変わってからですが、これらはすべて先代の語録を明文化したもの。創業者の姿勢や精神を受け継ぎながら、社員が一丸となって前進、ボトムアップしたいですね。仕事を通じて立派になろう、努力しようという姿勢が生まれたら嬉しいです。

私個人のことで言えば、中学生から結婚するまで、バスケットボール一筋。小学校教諭時代には男子ミニバスケットクラブを創設して指導してきました。その経験からか、つい、お客様にも社員さんにも必要以上に寄り添ってしまうところがあるようです。けれど、チームワークの大切さは誰よりわかっているつもり。それが社員の皆さんにも伝わっているのか、店舗間で応援にかけつけたり、できないことを補い合ったりという助け合う文化になり、心強い想いです。

それから、うちは「お客様志向宣言」をしています。お客様のご要望に対して、できる限り「できません」と言わない。お客様目線に立ち、創業からの姿勢を大切にし、できる限りのサービスを提供していきます。そして、臨機応変に時代の変化に対応していける、しなやかで強い会社にしていきます。

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「1本の手羽先からすべてのステークホルダーに笑顔を届けたい」の精神でこれからも。

―素晴らしいお話をありがとうございました!

エスワイフード_商品

「世界の山ちゃん 油で揚げる幻の手羽先」(冷凍/10本入り×2袋)
価格:¥2,500(税込)
店名:山ちゃんショッピング
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.yamachan-shopping.jp/SHOP/001.html
オンラインショップ:https://www.yamachan-shopping.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
山本久美(株式会社エスワイフード 代表取締役)

1967年静岡市生まれ。名古屋市立守山中学校に入学後バスケットボール部に所属し、3年連続全国優勝を果たす。愛知教育大学を卒業後、名古屋市内の小学校教諭となり、小学校男子クラブチーム(ミニバスケットボール)の監督として全国で3度優勝。結婚を機に退職し、株式会社エスワイフード役員となる。2016年8月に夫である前会長山本重雄氏の急逝により、株式会社エスワイフード代表取締役に就任。

<文・撮影/植松由紀子 MC/隅倉さくら  画像協力/エスワイフード>

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